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臨床研究法

 臨床研究法とは2018年4月に施行された法律です。

 同法第一章第一条の目的は以下のとおりです。

 『この法律は、臨床研究の実施の手続、認定臨床研究審査委員会による審査意見業務の適切な実施のための措置、臨床研究に関する資金等の提供に関する情報の公表の制度等を定めることにより、臨床研究の対象者をはじめとする国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じてその実施を推進し、もって保健衛生の向上に寄与することを目的とする。』

 国民からの信頼確保に主眼が置かれています。
 国民の信頼に基づいた上で、臨床研究を進めることが規定されています。

臨床研究法





特定臨床研究

特定臨床研究

 薬機法(旧薬事法)において未だ承認を受けていない未承認・適応外の医薬品等の臨床研究が特定臨床研究に該当します。

 製薬メーカー等から資金提供を受けて実施される研究で、資金提供元の製薬メーカー等の医薬品等の臨床研究も特定臨床研究に該当します。

臨床研究法 第一章 第二条 2 (定義)



『非特定』臨床研究

 特定臨床研究に該当しなければ、特定臨床研究ではありません。

 『非特定臨床研究』という用語の法的な定義はありませんが、先進医療技術審査部会の資料では『非特定臨床研究』について触れられています。
 臨床研究法に規定する臨床研究に該当するもののうち、特定臨床研究以外の臨床研究を『非特定臨床研究』と言い換え臨床研究実施基準等の遵守が『努力義務』とされています。

厚生労働省: 第72回先進医療技術審査部会 資料7 臨床研究法の対象となる先進医療B試験について(案)



臨床研究

 臨床研究法における臨床研究とは、医薬品等を『人に対して用いる』ことにより、当該製品の『有効性又は安全性を明らかにする』研究をいいます。

 『医薬品等を人に対して用いる』ことのうち医行為に該当するものが本法律の対象です。
 医行為に医行為とは『医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれのある行為』となっています。
 すなわち、軽微な処置や家庭でも行われる血圧測定などの行為自体は医行為には当たらない可能性があります。

 有効性や安全性を明らかにする目的ではない満足度調査などは臨床研究に該当しないと考えられます。給食は美味しかったか、検査は痛くなかったかなどを聞いてまとめることは臨床研究ではない可能性があります。

 また、治験(臨床試験)はプロトコールが異なり、薬機法(旧薬事法)で規制されますので臨床研究法の範囲外です。

臨床研究法 第一章 第二条 (定義)

厚生労働省: 医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について, 厚生労働省医政局長通知, 平成17年7月26日





臨床研究法の概要

臨床研究の実施に関する手続き

 特定臨床研究を行う上で手続きが必要になりました。

 いくつかの報告義務は、提出先が『厚生労働大臣』になっています。

 法律なので、怠れば罰則規定もあります。



特定臨床研究の実施に係る措置

 まず、特定臨床研究を始めるにあたっての工程があります。以下のような体制を整えておかなければなりません。

▽特定臨床研究実施者に対するモニタリングや監査の実施
▽利益相反の管理等の実施基準の遵守
▽インフォームドコンセントの取得
▽個人情報の保護
▽記録の保存

 特定臨床研究実施者は、実施計画による実施の適否について認定臨床研究審査委員会(厚生労働大臣認定)の意見を聴いた上で、実施計画を厚生労働大臣に提出することが義務付けられています。

 特定臨床研究以外の臨床研究(非特定臨床研究)の実施者に対しては、前述の体制整備などは『努力義務』とされています。



重篤な疾病等が発生した場合の報告

 特定臨床研究実施者は、特定臨床研究に起因すると疑われる疾病等が発生した場合、認定臨床研究審査委員会に報告して意見を聴くとともに、厚生労働大臣にも報告することが義務となっています。

 これについては市販後でも『有害事象』などとして届出られていますので、医療従事者にとっては普通のことかもしれませんが、法律として規定されています。

 仮に健康被害が発生してしまった場合、研究責任医師に補償の請求がなされる場合があります。そこで、原則として保険加入することとされています。保険に加入しない場合は認定臨床研究審査委員会の承認が必要です。



実施基準違反に対する指導・監督

 臨床研究における事件があったために本法律が制定されたとも言われていますので、この規定は当然に盛込まれたものと思われます。

 厚生労働大臣は改善命令を行います。それに従わない場合は特定臨床研究の停止を命ぜられます。

 保健衛生上の危害の発生・拡大防止のために必要な場合は、改善命令を経ることなく厚生労働大臣から特定臨床研究の停止を命ぜられることもあります。



製薬企業等の講ずべき措置

 特定臨床研究は製薬メーカー等が関わっている臨床研究のため、企業側にも責任が課せられます。

 製薬メーカー等の製品の臨床研究に対して資金を提供する際の契約の締結が義務付けられています。

 その資金提供の情報の公表も義務付けられています。
 主な公表対象は研究費、寄付金、原稿執筆料、講師謝金等です。


厚生労働省: 臨床研究法について, 第6回みちのくCRC研修会(平成30年10月13日), 医政局研究開発振興課
厚生労働省: 臨床研究法の施行にあたって, 平成29年12月20日, 医政局研究開発振興課



認定臨床研究審査委員会

認定臨床研究審査委員会

 臨床研究法に基づき、特定臨床研究を実施するには認定臨床研究審査委員会の審査を受ける事が義務付けられています。

 この組織は厚生労働大臣の認定が必要です。

 組織は公正中立な審査を実現するために利益相反を管理し、問合せ窓口設置により苦情などを直接受付できるようにします。

 その他、認定を受けるために詳細な規定があります。



大学病院規模

 2018年4月の臨床研究法施行から半年、10月時点での認定臨床研究審査委員会設置状況は80組織です。

 ほとんどが『大学』です。
 大学以外ではナショナルセンターなど国立系が多くを占め、国立がん研究センター(中央病院・東病院)、国立国際医療研究センター、国立精神・神経医療研究センター、国立成育医療研究センター、放射線医学総合研究所、国立病院機構本部、国立東京医療センター、国立名古屋医療センター、国立大阪医療センター、国立九州医療センターなどです。
 その他でも公立系が多く、東京都健康長寿医療センター、虎の門病院、愛知県がんセンター、静岡県立がんセンター、大阪国際がんセンター、大阪急性期・総合医療センターなどが設置しています。
 民間では沖縄徳洲会、日本先進医療医師会、服部クリニック、JAPSAMなどわずかです。



民間病院での特定臨床研究の実施

 高頻度で特定臨床研究が行われる民間病院であれば認定臨床研究審査委員会を設置しても良いと思いますが、滅多にないということであれば、大学等と連携して特定臨床研究を実施することで、法対応を大学に委ねることができます。

 国立病院機構では本部が認定臨床研究審査委員会を設置しているため、各地の医療センターであっても特定臨床研究を実施することができます。





臨床研究法

厚生労働省公式ホームページ

厚生労働省: 臨床研究法について







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