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ヘルスケア分野と異業種との境界領域最適化

医工連携事業化推進Consulting for Healthcare Business Creation

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医療従事者の起業

医療従事者=臨床!?

 多くの医療従事者は専門の課程を卒業し、国家試験を経て免許を取得し、就職します。専門課程へと進学する時点で目標とする資格が決まっており、その資格を取得するということは医療現場で働くということが想定されます。

 したがって、高校卒業の時点で概ね病院に就職するだろうと考えて進学している人が多いと考えられます。
 ゆえに医療有資格者が医療機関以外で働くことは少数派となります。




非臨床型の医療有資格者

 養成校や製薬企業など非臨床ではあるものの医療関係で従業する人はまだ『医療関係者』とみられますが、それ以外の分野で働く人は稀少性が高まります。

 医療側から見て稀少性が高いということは、異業種・異分野からみても稀少な存在となります。





医療界で起業

診療所

 日本には約10軒の診療所があります。
 その多くが在籍医師が1人、オーナー兼管理者(院長)であることが多いです。

 医師には元々、医療従事者として医療機関を開設する開業権があるため、医療分野に居ながらにして起業することができます。

 歯科医師も開業権があり歯科診療所が約7万軒あります。厚生労働省の統計では医療機関で働く歯科医師数は約11万人であり約62%(68,609÷109,984, 平成29年調査)の歯科医師が院長を務めていることが推察されます。

厚生労働省: 医療施設調査・病院報告



調剤薬局

 薬剤師にも開業権があり、街中にある調剤薬局は薬剤師が管理者であり、経営者でもある場合も少なくありません。
 近年は大手調剤が台頭するようになり、数千人の薬剤師集団が企業内に形成されるようになりました。
 一方で門前薬局の在り方が見直され、ネット通販やドローン配送などICT化やロボ化が進めば、約6万店ある調剤薬局は縮小する可能性があります。
 『門前薬局』という立地頼みは是正すべきという制度改革であれば、立地に依存しない経営をすることで、薬局を基盤に新たなビジネスが創成されるポテンシャルがあるとも考えられます。



助産院

 助産師にも開業権がありますが、助産所に従業する助産師数はわずが5%程です。9割近くが病医院に勤務、残る5%は学校教員や市町村で働いています。
 出生場所でみると助産所は1%にも満たず、ほとんどが病院と診療所で、両者の比率は半々の関係です。

日本助産師会: 全国助産所一覧



訪問看護

 2007年の介護保険法施行以来、在宅での医療や介護が普及しました。
 介護事業者にはできない医療行為を必要とする在宅患者も増えたため訪問看護ステーションの開設も相次ぎました。現在では1万軒ほどの訪問看護ステーションが稼働し、その経営者の中には看護師も少なくありません。
 医療行為には必ず『医師の指示』が伴いますので、訪問看護ステーションは医療機関との密接な関係の下に成り立つ事業であるとも考えられます。



訪問リハビリテーション

 リハビリに関わるセラピストには開業権がないため、診療報酬制度の下で保険適用を受ける医療行為を生業とすることができません。
 現実的には社内起業のような形で、診療所の下部組織として独立採算を目指した運営はできると思いますが、あくまで組織内ですので経営権は診療所にあります。
 日本では国民皆保険制度、計算方法は保険者に関わらず一本化されていますので、仮に開業権が認められても保険適用されなければ収入は見込めないため、どなたかのロビー活動が必要かもしれません。





ベンチャー起業

ベンチャー企業

 ベンチャービジネスとは『独創的な経営をいとなむ中小企業』(広辞苑)を指します。
 ベンチャーキャピタルとは『ベンチャービジネスに対して出資および貸付を専門におこなう企業。また、その資金』(広辞苑)を指します。

 研究者が成果を発表するだけではベンチャーではなく、それを事業として広めていくことにベンチャー的要素が含まれてきます。

 青色LEDもiPS細胞も、創り出された時点では研究成果ですが、それが事業として世に広まる段階ではベンチャー的なことが起きていると思います。

 事業化には資金が必要となるため、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家など資金援助する仕組みがあります。



ベンチャー起業する

 起業ネタさえあれば、誰でも起業することができます。
 ロボットスーツや再生医療のような長期的な研究を伴うものでなくても事業化は可能です。

 Uberは自動車を保有せずにタクシー事業を営みます。Airbnbはベッドを持たず民泊事業を営みます。akippaは不動産を持たずに駐車場を運営します。
 医療現場にもシェアリングエコノミーが波及する可能性があり、着想や行動に光る物があれば起業できます。

 教育システムやシミュレーターなど修練の場にも起業のチャンスはあります。技術が進歩すれば覚えることも増えていきます。効率的に学習できなければ時代に取り残されていきます。そうした不安や不満が収入源にもなり得ます。





希少性をいかす起業

あなたは稀少人材

 看護師は100万人以上、理学療法士は10万人規模で医療機関に就業しています。医療機関からみれば普通の免許です。

 一方でレストランや工場では医療資格を持った人材は珍しいです。臨床工学技士や義肢装具士のように比較的新しい資格は職能が理解されづらいですが、看護師や理学療法士は一般市民レベルに普及している資格名であると言えます。

 『ナースが施術するネイルサロン』『理学療法士がコーチのスイミングスクール』『薬剤師&検査技師が講師の小学生科学教室』などの看板は滅多に見ないと思いますが、顧客が価値を感じるのであれば消費が生まれると考えられます。



希少性をいかす起業

 稀少性を活かした起業がデザインできれば、起業リスクを低減させることができるかもしれません。

 例えば駅前ビルでヨガ教室を開業する場合、既に生徒さんがついていれば良いですが新規の場合は集客難となるためフランチャイズの看板料を支払って客寄せすることが考えられます。
 臨床経験や資格がインセンティブとなるならば、医療従事者が開業する方が集客リスクが低減します。

 更に事業性を高める方法としては、近隣で知名度のある医療機関での従業経験、学会発表、地域活動への参加などが無形の資産として積みあがっていきます。この地域で、これだけの経験を有し、民業としてサービスしてくれるのはあの店舗だけだと定評が広がれば、事業が軌道に乗るのも早まりますし、出資や協業の申し入れなどのチャンスも広がります。





起業家への道

調べる

 医療従事者でなくとも、起業するためにはまず調べることから始めます。
 どのような事業をしたいかという構想や想像をもとに、関係ありそうな事業を調べます。

 例えば食品関連の事業を考えていればレストランやスーパーなどを調べるのはもちろん、どのような世代がどのような食生活や嗜好を持っているかなど具体的なことも調べます。食品の流通経路も調査し、農家や工場から直送されるのか卸売業者が介在するのか、業者が介在するメリットやデメリットは何かなども調べていきます。

 このような情報は起業時点で役立つほか、価格設定や調達先拡大など事業を営む中でも必要になりますので、調査結果だけでなく調査方法についても重要視します。



計画する

 どのような事業をするのかデザインします。

 事業者は供給者であり消費者です。何かを仕入れるのでれば仕入方法や調達ルートを考えます。

 売上がなければ事業とは言えませんので、誰がどのようにして消費してくれるのかを考えます。
 よく『これ絶対売れるよね』と思い付きで突き進んでしまい、競合品へ目が行かなかったり、模倣品対策をしていなかったりする場合があります。商品に人気が出ることと、自社の売上が伸びることがイコールでなければ事業性がありませんので、はやる気持ちを抑えてじっくりと計画します。

 計画は紙に書いて残しておきます。



開業場所

 事業の拠点を決めます。

 アメリカンドリームでは『自宅のガレージから始まった』というストーリーが栄えますが、自宅を事業拠点として始める方法が最も無難であると考えられます。
 ペースメーカーで有名なメドトロニックもガレージから始まったベンチャー企業です。場所ではなく事業に重要性があります。

 来客者を相手にするサービス業では立地条件が集客に大きく影響します。
 コンビニや居酒屋などは各社マーケティング手法を持って出店攻勢していますが、自らの事業が対象とする消費者の行動や心理を確かめ、出店場所を選びます。



資金

 おおまかな計画と開業場所が決まれば、おおよその必要資金が見えてきます。

 什器や家賃、人件費などを試算し当面の資金を算出します。

 自己資金だけで運営できそうであれば、即日開業も可能です。

 外部資金の調達が必要な場合は行動を開始しなければなりません。
 資金源は銀行、親戚、同僚など融資や出資を受けるのか、公的助成制度で補助や融資を受けるのかなどを考えます。事業によっては仕入先が消費拡大を見込んで出資してくれる場合もあります。



計画 - その2 -

 前回の計画は基本構想という位置づけになります。
 これまでにより具体的に想像してきたと思いますので、次は実施計画を立てます。一般的には『事業計画』と呼ばれるようなものを作っていきます。

 書式はありませんが、なぜこの事業をあなたがするのかという根本的なことから、実際にどのようにして事業を運営していくのかという経営的なことまでを網羅します。財務に関しても2〜3年の計画を立て、可能な限り見込み客や販路などの売上金に関わることも書いていきます。

 もし、書けないようなことがあれば、その部分を調査して検討します。
 わからないときは先輩創業者たちに聞くのが一番早いです。市や県の産業振興窓口を訪問しましょう。



法人設立

 順番は色々とありますが、どこかの段階で法人化することを考えます。
 個人事業主としてフリーランス的に活動していくこともできます。大工さんら建築職人は個人事業主であることが多いですが、一定の設備投資をする場合などを考えると法人の方が有利になります。

 手順として間違えてはいけないのが設立時期。
 いま、病院勤務をしていて自らが代表を務める法人を立ち上げると、職務規程違反になる場合があります。職務規程は職場のローカルルールなので一概に違反とは断定できませんが、懲戒などを受けてしまうと退職金に影響がでます。

 シンプルな方法としては離職した次の日に法人を設立することです。
 逃げ道のような方法では、家族名義で法人を設立しておく方法です。ただし、社長ら役員を変更すると登記簿に記録が残ります。また、手続きに1万円程かかります。

 法人設立の手続きは法務局で行います。1週間ほどで登記されると思いますが、年度末や株主総会の多い時期は混雑するようです。
 法人設立手続きの準備段階で1ヶ月程はかかると思いますので、準備は早めにしておきましょう。

 株式会社の資本金は1円でも作れますが、公証人役場の手続きには数万円かかります。法人の実印はネット通販で数千円で買えます。手続きを委託する場合は士業の範疇になりますが、自分で手続きすることもできます。ノウハウ本が2千円前後で売っています。



退職

 起業の準備が整ったら病院を辞めます。

 一般的には上司や人事担当者に相談して退職の方向性を決め、退職届を提出します。書式がある場合は書式通りに、無い場合は辞表を書いて出します。

 退職時には保険証を切り替えたり、雇用保険を使用するか否かを決めたり、名札や制服を返却したりと色々な手続きが発生しますので忙しくなります。住宅ローンや生命保険を職場経由で契約している場合には、支払条件が変更となり押印手続きが発生するだけでなく、支払額も変動します。

 自分のことばかりでなく、残る人への配慮として漏れの無い引継をするよう心がけます。
 起業できるような人材ですので、職場でも頼られていたと思います。自分しか知らないかもしれないようなことは紙に書いて残し、あとで恨まれないようにしておきます。



開業

 退職翌日には法務局で法人登記手続きをし、1〜2週間後には創業者としての地位が確立します。
 法人化しない場合は、個人事業主として税務署に届出します。

 退職翌日から開業はしますが、事業がスタートするのはそのあとです。
 事務所や店舗を作り、必要な帳簿を整備し、届出が必要なものはすべて終わらせておきます。








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