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電気工事屋さんと在宅医療

在宅医療

 "在宅"と名が付いているとおり、住生活と療養が医療機関の外、住宅や高齢者施設などで行われます。

 医療機関は医療従事者が常駐し、専ら医療を提供するのに対し、在宅医療では医療従事者が常駐しておらず、ナースコールなどの医療設備もありません。

 24時間の完全看護が必要な環境ではないとしても、健常者とは違う人が住まうための配慮が必要となります。



電気工事屋の出番

 在宅でのケアには、必ず健康弱者が存在します。

 建設現場で元気に働く方々の想像を超えるかもしれなほど、病人や高齢者は環境適応が難しくなっています。
 空気中の微生物から感染症を引き起こしやすくなっていたり、炎天下でなくても熱中症や脱水症状を起こしたりします。

 空気調和が乱れるだけでも大変である住人が、更に医療機器も使っているとなれば、電気設備も生命維持に関わってくると言っても過言ではありません。

 施主側に居る患者や高齢者に電気のプロは居ないと思った方が良いでしょう。
 医療のプロについてはかかりつけ医や訪問医・看護師が居ますが、住宅設備は素人だと思って良いでしょう。

 頼れる電気のプロは、あなただけです。





在宅医療を知る

目的

 医療の目的は健康を取り戻す、あるいは病状を悪化させないことにあります。
 終末期医療においては治療より痛みのケアなど安楽が目的になります。

 医療に『在宅』が加わると居住空間に場所が移り、医療従事者よりも家族など生活を共にする人の関与が深くなります。

 患者にとっては、病院に居るときは療養が目的になりますが、在宅になれば自分のフィールドで生活をしながら、療養もすることになります。
 見方を変えると、在宅に居続ける目的でケアを受けることにもなります。

 なぜ在宅に居るのか、その『目的』には人それぞれの理由があります。



遠隔診療

 ICT化により医療もタブレットがあれば受けられるようになりつつあります。

 目視や触診しなければわからないような医療ではなく、問診などで対応できる内容にとどまりますが、医療過疎地を中心にこれから広がるでしょう。

 国際化も進んでいますので、深夜帯を中心に外国からの診療が始まる日もそう遠くないかもしれません。

日本経済新聞:遠隔診療_実験相次ぐ_生活習慣病、スマホ使い指導/降雪地帯、テレビ電話で支援(2018年2月12日)
厚生労働省:第1回情報通信機器を用いた診療に関するガイドライン作成検討会 資料1.情報通信機器を用いた診療の経緯について(2018年2月8日)
首相官邸:未来投資会議構造改革徹底推進会合『健康・医療・介護』(第2回) 資料2.遠隔診療の推進 (2017年11月15日)



訪問看護

 在宅医療の担い手は看護師です。

 もちろん、医師がいなければ医療は始まりませんが、医師数を圧倒的に超える患者が居り、医師が全診療を担うことは不可能です。

 医療の歴史からみると紀元前のヒポクラテスの時代から医師は居ますが、看護師はフローレンス・ナイチンゲールが1つの起源なので1850年代です。
 歴史に2000年以上の差がありながらも、医療現場では医師の何倍もの看護師が居り、その需要ががあることがよくわります。

 医師の次に業務範疇が広い看護師が、医療従事者との接点が少ない在宅医療においては非常に重要な役割を果たします。

厚生労働省:社会保険審査会 第142回介護給付費分科会 参考資料2.訪問看護 (2017年7月5日)





在宅医療のプロフェッショナル

看護師は高負荷

 患者にとって身近な存在である看護師が、在宅医療の『療養環境』整備においても頼りになれば良いのですが、看護師は超多忙です。

 医療行為にミスがあってはならないので、看護師でなければできない業務が最優先となります。

 療養住環境の整備は日常業務ではなく、看護学校で教わる内容でもありませんし、専門の学会などもありません。

 医療と生活、医療と建築、病院と住宅など異なる2領域の間を取り持つ人材が不在であるため、医師や看護師と協働できる人材が求められています。



空席を埋める人

 医療機器を専門とする国家資格(厚生労働省免許)に『臨床工学技士』(りんしょうこうがくぎし)という1987年に法整備された新しい職種があります。

 臨床工学技士の養成課程において医療設備を扱うことはなく、当然ながら建築系の実習などもありません。医療機器はプロですが、設備は素人に近いです。

 診療放射線技師や臨床検査技師ら医系のエンジニアも設備は専門外です。

 病院の電気設備を担当する施設課の方々は反対に、臨床を経験しておらず、医療機器を見る事すら少ないのが現状であり、どちらかと言えば設備のプロです。
 住宅の工事に関わった経験のある人材も限られており、在宅医療の現場となる住居における医療設備などは、得意とする分野にはなりません。


 筆者は高卒後は電気工事士(職人)、その後大学を出て臨床工学技士として病院で働いた経歴がありますが、同じ経歴を持つ人は何人も居らず、今後も増えるとは考えづらいため、空席を埋める『誰か』が必要です。

 その候補が、電気工事屋さんです。



認定ホスピタルエンジニア

 受験資格はないので誰でも受けられます。

 この検定試験は日本医療福祉設備協会が主宰しています。その名の通り、医療設備・福祉設備に強みを持つ団体であり、検定試験もその内容です。

 この検定受験の利点は、受験者のための講習会があり、2日かけて詳しく解説してもらえる点にあります。

 受験者の多くが建築系人材です。

一般社団法人日本医療福祉設備協会(HEAJ):認定ホスピタルエンジニア(CHE)





求められる職能

対応力

 英会話で言えば語彙力や単語力に相当する部分から始まります。

 患者さんら施主側から出される様々なキーワードに対して適切な対応をしていくプランナーとしての電気工事屋さんは、相手の言葉を理解していなければなりません。

 『ウチでテントウしてコッセツしてダイタイコツをチカンしてリハチュウ』
 このような言葉を耳で聞いて、どういう状況か理解していなければ、誤った提案をしてしまいます。

 『人工呼吸器と吸引器を自宅で使いたいのでお願いします』とだけ依頼されて工事を任されたとしたとき、依頼者である工務店や施主も深く理解しておらず、誰に聞いても曖昧な答えしか返って来ないときに、電気屋さんの対応力が問われます。



白衣の天使に訊く

 人工呼吸器のことも、リハビリ中の患者のことも、ひと通りは堪えられるのが医師や看護師です。医療機関の大小を問わず、どこに行っても医師や看護師は在籍しています。

 医師はハードルが高そうなので看護師からきいてみようと思っても、看護師も多忙です。いきなり行って話ができることはまず無いでしょう。

 現実的には、患者さんの家族に質問を託す方法になると思います。

 では、どんな質問を持って行ってもらうか。
 そこには電気屋さんのノウハウが必要になります。





現場での仕事

コミュニケーション(ヒアリング)

 ときには、英会話並みに異文化コミュニケーションが発生します。

 相手の言っていることが難しいなと感じるとき、あなたの専門分野について相手方も難しいなと感じている可能性があります。

 施主さんは医療も建築も素人なので、どちらの専門用語もうろ覚えや耳コピーで話している可能性があり、ときどき間違えていることもあります。

 まずは、相手が何を訴えているのかを理解するところから始まります。



プランニング

 電気屋として使う配線器具などは住宅用の汎用品です。

 その取付位置や回路構成などは電気工事屋の思考が入ります。

 ベッド上での生活において、何がどこに必要になるかを考えます。

 老々介護であれば、高齢者夫婦や親子にとって馴染みやすくも安全性や快適性に配慮した設備や機器が求められます。

 人工呼吸器等の医療機器を宅内で使用する場合は、災害対策にまで配慮が必要になります。



施工

 安全に配慮して施工します。
 ここで配慮すべき安全とは、通常の建設現場の安全だけではありません。

 例えばアース工事の重要性が増します。
 身体に点滴チューブがつながっていれば、チューブの中には液体が流れます。医療用の点滴液には電解質が多く含まれており、電気を流しやすい状態になっている上に、その先端は血管につながっています。極端に考えれば、点滴液を通じて心臓に電気を送り込むこともできてしまいます。

 ベッド廻りが重点的に工事されると思いますが、コンセント類の高さ、口数、スイッチの種類なども現場で再確認します。



医療・介護・福祉系の工事でお困りの建築屋・工務店・設備業者・リフォーム業者のみなさま

 当社では専門間の翻訳サービス、企画や設計への助言サービス、施工の立会サービスなど各種サービスをご用意しております。在宅医療や介護について不安な業者様を全面的にサポートいたします。



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