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ヘルスケア分野と異業種との境界領域最適化

サービスと技術Services & Solutions

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自分をケアする会社

自分ケア株式会社

care for me

 訪問看護や介護サービスは多種多様ですが、必ずしも自分に合ったものがあるとは限りません。

 事業者と詳細を詰めながら、自分向けのサービスプランを作ってもらっても、満足いくとは限りません。

 どうすれば満足できるか。納得できるか。

 自ら事業者となり、自らのケアを請け負えば良いのです。

 それが、『自分ケア株式会社』という考え方です。



法人

 自分の医療や介護のための費用負担ということであれば、直接支払っていけば良いので法人格を取得する必要はありません。

 法人に対する住民税や所得税が発生するので、年10万円くらいの税負担は覚悟しなければなりません。

 ここで法人化するメリットは、自分専用のサービスを創出しつつ、余ったリソースを他人にも展開して利益を得ることにあります。
 リソースとは人員や車両、設備、消耗品などです。

国税庁: 税の種類と分類



許認可・届出

 事業者としてサービスを行うにあたり、様々な許認可や届出が必要になる場合があります。

 法人格を得るためには法務局に登記が必要です。登記後には税務署などに開業届を出して法人としてのスタートを切ります。

 介護事業者になるためには看護師等を配置して管理体制を構築し、介護事業者として開業することで介護報酬を得る事ができます。
 介護タクシーサービスには別途免許が必要になります。
 浴場の種類や運用方法によっては、公衆衛生上の許可が必要になります。
 業として食事を提供するには保健所等の許可が必要になります。

 事業としてサービスを提供するには、相応に社会的責任を伴うため、国民の安全確保の観点から様々な業許可などを取得する必要があり、一人だけのためにこれだけの許可証を取るのは不経済かもしれません。

厚生労働省: 介護・高齢者福祉

e-Gov: 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準

国土交通省: 介護タクシーをはじめるには

厚生労働省: 公衆浴場法

東京都福祉保健局: 食事を提供したいときは…



ホームキーパー

 ほとんどの仕事を外注し、身の回りの世話や日用大工などの雑務をする家政婦や家事代行的なことを生業とする場合はほとんどの届出が不要になります。

 家政婦を英訳すると"housekeeper"や"houseworker"とhouseに関わる職業であることがわかります。
 日常生活に支障のある人を手助けする訪問介護員は"home helper"などとも呼ばれます。

 社会保障制度の中にある職種であれば定義がありますが、その外側で仕事をする分には呼称はまちまちですが、ここでは『事業主が何をして欲しいか』で業務内容が定義されます。

 介護業者と調整する、美容室を予約して連れて行く、ゴミ捨てをする、植木に水やりをする、こうした住環境や生活の世話が"home keeper"の仕事であり、本事業の業務になると思います。






収入・売上

原資

 事業活動をするには原資が必要です。
 安定した収入の1つに年金があります。

 年金を元手に、セルフケアのプランニングとサービス提供を手配する会社を興すシミュレーションをしてみましょう。

 介護保険の負担割合のボーダーラインとして年収280万円以上なら2割負担、340万円以上が3割負担、その他は1割負担となっています。年金が月23万円なら年収276万円、ほかに所得がなければ1割負担のギリギリのラインです。

厚生労働省:介護サービスを利用した時の負担割合が3割になります

国税庁: 高齢者と税(年金と税)

国税庁: 医療費控除の対象となる介護保険制度下での施設サービスの対価

厚生労働省:日本の介護保険制度について (2018年10月)






支出

居宅介護サービス

 厚生労働省では、介護給付費の実態調査を実施しています。

 平成30年4月審査分で見ると受給1人あたりの費用額は170,600円でした。1割負担ならば17,060円、2割なら34,120円です。

 実際には介護給付費の対象外のサービスも受けるので、月の負担は5〜6万円くらいになると思われます。

厚生労働省:介護給付費等実態統計



食事

 何かを食べなければ生きていけません。
 食材を買うにしても、宅配弁当を頼むにしても、食費はかかります。

 仮に朝はパンなどの自前で300円、昼夜は外注で700円とした場合、月30日で51,000円になります。
 お茶や菓子などを1日300円とすると月9,000円です。

 食費はだいたい60,000円くらいと試算できます。



外出

 たまには遊びも大事です。
 食事や買い物にも出かけます。美容室にも行くでしょう。

 そのときにはタクシーを使う事になります。遠くても往復5,000円、月2回で1万円くらいが限度でしょうか。

 買物や外食につかう遊興費のようなものは預貯金から捻出してもらいます。



住居

 住居には維持費がかかります。

 水道光熱費込みで一軒家なら月2〜3万円、賃貸なら6〜8万円は見込んでおいた方が良いでしょう。

 自宅を改装してシェアハウス化すると、家賃収入が得られます。
 事業としても、狭い範囲にサービス利用者が複数いたほうが経済的です。
 介護サービスは提供せず、各個人で介護業者に依頼してもらえば、サービス無し高齢者賃貸住宅、単なる貸家とみなせると思います。

 自宅の処分方法が定まっていない場合、リバースモゲージで金融機関から借り入れする方法、家族信託で死後の処分方法を家族に任せる方法などがあります。






社長、儲かりますか?

家族が社員!?

 家族が家族をケアする、日本では『老々介護』などという言葉も聞かれるように、家族が面倒を見ることが当たり前に感じている人も少なくありません。

 主婦は『年収ゼロ』という判断が適正か否かという議論と同様に、家族による介護や看病も対価がゼロなのか、議論が必要かと思います。

 自らのケアを家族に託すにあたり、家族をケアプロデューサーとみなして働いてもらうからには、相応の報酬が与えられて当然です。



他人と株主

 自分ケア株式会社なので、会社のオーナー(株主)は自分です。

 オーナーが社長や社員で無くても良いので、誰かを雇う事ができます。

 利用者がオーナー1人だと、普通の年金では厳しい経営状況です。仮に年金が300万円、介護事業者や医療機関への支払が50万円あると残りが250万円。食事や家賃等が年100万円として残150万円です。
 150万円で年間の世話をしてくれる人が居れば、契約は成立しますが、これなら個人間取引で良いと思います。フリーランスの看護師が同じマンションに住んでいれば現実的になるかもしれません。

 実際には人件費(給与)と諸経費込みで年収150万円では生活できないので、3〜4人の顧客を抱えることになり、それだけの顧客がいれば法人格にする価値もあります。

 他人を雇って自分のケアをしてもらうには、その人が生活できるだけの仕事を用意する必要があります。



儲けてナンボ

 本来、企業は利潤の追求が社会的責務であり、納税や雇用を生み出します。

 しかし、自分ケア株式会社の目的の中には『自分にとって満足できるケア』を提供することがあるため、会社自体が儲からなくても良いという考え方もできます。

 社員が家族であれ他人であれ、収入が無ければ生活はできないので、人件費は確保する必要があります。
 ケアが濃密になった月は多く支払、少なかった月は会社に資金をプール、最期の日を迎えるまでケアをしてもらえるように会社の採算/不採算に関わらず事業を続けて貰える仕組みが『自分ケア株式会社』には求められます。






シミュレーション:シェアハウス型自分ケア株式会社

自宅を提供

 現在70歳で独居、子や孫は遠く離れた都会暮らしで、この家(実家)には戻ってくる予定はなく、自分の代で家屋は空き家になる予定。

 これから100歳までの人生を自宅で過ごすことを想定し始動。

 自宅は郊外に立地する4LDKの一軒家。独居のため全く使われない洋室が3室。LDは20畳、キッチンは4.5畳。トイレは1Fと2Fに1カ所ずつ。

 余った3室を活用しシェアハウス化する計画を持って、自宅での高齢生活をスタートさせる。



リフォーム

 まず断捨離から。自宅にある家財道具などを処分しスペース確保。他人の出入りが増えても盗難などを心配する必要がないほどのミニマム化。

 最初は独居のためのリフォームに介護保険制度を利用。玄関にスロープと手すり、トイレは全面改装、その他細かな改装を行い自己負担100万円。公的補助は18万円で概ねトイレ改装費に相当。

 玄関を電気錠に変更しスマホでカギをシェア、防犯カメラを設置し遠方に住む家族にも画像を配信し、一定のセキュリティを確保。



自分ケアサービス開始

 元気なおばぁちゃんとして生活。

 週3回のデイケアなどで介護事業者に月5万円の支払。
 食事は宅配冷凍弁当や近所の宅配ランチを利用し、月3万円。朝食やお菓子、飲料などは宅配スーパーで月1万円の買物。

 清掃は月2回、家事代行に依頼し月3万円。洗濯など一部の家事は自分で行います。

 水道光熱費は約1万円、家賃はゼロです。

 娘の同級生が週1回のペースで立ち寄り、様子を見て娘に報告することをお願いし、1回3,000円を支払うことで合意しました。
 この同級生は看護師。いまは主婦をしていますが知識があり、気配りもできます。通院しなければならないときなどには付き添いもお願いするつもりでいます。
 ビジネスとしての契約とまではいきませんが、ルーチンの発生です。月4回で12,000円の支払です。

 固定費として概ね15万円を見込めば良さそうです。
 ほぼ外注なので、事業性は乏しそうです。



足りないマネー

 比較的元気な今でさえ月15万円の支出。今後、1日3時間の自分ケアを追加するには3時間/day×1,000円/hr×30日=9万円の追加。
 厚生年金(第1号)の老齢年金受給額の平均は147,051円(平成29年度)なので、実は15万円を超えると財務的に逼迫してしまいます。

 預貯金のある人は、それを崩すことでどうにかなるかもしれませんが、70歳〜100歳までの30年間、月5万円ずつ取り崩していっても1,800万円になります。

 自分ケアサービス、継続できるでしょうか。


厚生労働省:平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概要

日本経済新聞: 人生100年時代、2000万円が不足 金融庁が報告書(2019年6月3日)



シェアハウス

 自宅には空室が3室、広いリビングと2つのトイレがあります。定員4名のシェアハウスをスタートさせ、人生100年時代に備えることにします。

 電気・ガス・水道は個別メータを付けず家賃に込み、1人1室の自室を持ち、LDKはシェア、トイレ・風呂・洗面・玄関などは共用とします。

 地方によって家賃の相場は異なりますが、月3.5万円×3人で10.5万円、水道光熱費1.5万円上昇すると仮定すると残9万円。粗利9万円です。



人材シェアリング

 独居老人が二人暮らし、三人暮らしと増えて行くことで訪問サービスの人材をシェアしやすくなります。

 家事代行に毎週来てもらうことで、1回あたりの清掃等の負荷は軽減され、色々な仕事を薄く広く頼むことができるようになります。
 医療保険や介護保険の外のサービスとして来てもらう近所の看護師が居たとすれば、毎日にように来てもらえれば、やはり薄く広く頼みやすくなります。

 シェアハウスの4人で月3万円ずつ、12万円あれば1日4,000円。看護師でも2〜3時間拘束できます。時給1,000円の雑用係なら4時間分になります。



ホームエレベーター

 改修工事として2Fを使えるようにするためにホームエレベーターを設置した場合、総工費は概ね500万円、借入ができたとして500万円を5年、金利2%で均等割なら60カ月間、87,638円の返済になります。

 エレベーターの維持費が月額1万円程、ローンと合せ月10万円の負担です。

 階段にレールを付けて椅子を昇降させる階段昇降機であれば総工費200万円程度なので、金利2%・5年ローンで月額35,055円です。



兄弟・姉妹・親戚

 赤の他人とのシェアハウスは抵抗感もあろうかと思います。

 現実的には兄弟やいとこなど親戚とのシェアになるケースが多いと思います。

 既に高齢家族だけで暮らしているケースは散見されていますので、そのまま同じ家で暮らし続ける際に、公的サービスでは手が届かない部分、今までの暮らしの中で変えたくない部分をビジネスとして請け負ってくれる形を模索し、自分ケア株式会社という選択肢も候補されるものと思われます。



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