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ヘルスケア分野と異業種との境界領域最適化

非常時医療事業継続計画Medical Business Continuity Plan (m-BCP)

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GOAとは?

GOA

GOA (Goal Oriented Action: 目標志向行動)

 BCP (Business Continuity Plan) やDRP (Disaster Recovery Plan) はプロセスより結果を重視する傾向にあります。

 『何はともあれ、助かって良かった』と言える結果に価値を見出します。

 BCPやDRPにおいては第一章に掲げる方針や目的が"goal"となり、そのgoalを目指してマネジメント(BCM)が行われます。

 私たちは"BCP whti goal-oriented action"、目標志向の行動が取れるBCP策定を推進しています。

BCPとは? (サイト内リンク)



GOA in BCP

GOA in BCP

 目標(goal)に志向・指向(oriented)するBCPとは、中間や行間を無視することとは異なります。

 特に医療においてはEBM (Evicence Based Medicine)、科学的根拠に基づく医療の提供が定着しており、個々の診療の基底には最新・最良の根拠をもって判断が下されています。

 すべてルール無用という訳にはいきませんが、断水中で手洗いができないから処置や手術をしないという訳にもいきません。

 ゆえに、平時の医療を基準とした判断が優先されると候補にあがらない選択肢が存在するため、BCPやBCMが重要になります。
 そのBCP・BCMはGOA(目標志向行動)の上に成り立つ事を明示することで、関係者の活動には一定の裁量が与えられることになります。





GOA概論

DRP

Goal

 GOAには目標が必要です。

 診療を続ける、職員の安全を守る、分娩を止めない、BCPに目標を掲げます。

 BCPでは基本方針や全体目標以外に、部署別や業務別でも目標設定することができます。
 例えば水道インフラ。食事は我慢できてもトイレは我慢できないであろう事から『排泄手段の確保』を目標に掲げます。
 このとき、給排水設備の正常性を目標とはせず、排泄行為さえできれば手段を選ばない『目標志向性』が重要です。



DRP

Oriented

 "oriented"を英和辞典で見ると『…志向の、…指向の、…本位の、…優先の』などの訳が示されています。
 広辞苑で志向とは『心が一定の目標に向かって働くこと。こころざし向かうこと』、指向とは『ある方向をめざして向かうこと。ある方向にさしむけること』などと掲載されています。

 BCPでは一点の目標だけを見る訳ではないので、私たちは指向ではなく志向という言葉を使っています。

 関係者全員が同じ目標に心を向けることで、多少の困難は乗り越えられるのではないかと考えています。

 医療機関では平時より目標志向性のチーム医療が成立しており、例えば循環器専門病院では『循環器病の制圧』を目標に職種や専門が異なる関係者が、同じ目標に向かって力を合わせて立ち向かっています。



DRP

Action

 BCPやDRPは計画、BCMはマネジメントですが、GOAは実践的な行動に直結します。

 手当する、検査する、処方するなど業務を実行するだけがactionではなく、薬を使わない、測定しない、受け入れないなど停止や休止もactionの一部となります。

 例えば『専門領域の診療の継続』を目標とした場合、専門外の患者を断ったり緊急性の無い患者を後回しにすることもactionです。職員の食事回数を1回減らしてでも3日間の食事を提供し診療が継続できる環境を整えることもGOAとしては許容されるactionです。





GOAが変えるevidence

DRP

垂直避難

 避難時にエレベーターを使わない事が『常識』として刷り込まれている感がありますが、そもそもの目標は避難する事です。

 禁止されているからエレベーターを使わないであろうという性善説も、生命危機の迫る非常時であればエレベーターを使ってしまう人もいるかもしれません。

 エレベーターを使う事が安全かつリーズナブルであれば、エレベーターを使用することは理にかなっていると思います。

 どうすればエレベーターで避難できるか、それを真剣に考えて実装したのが森ビルです。エレベーター避難を実装したビルが2014年に誕生しています。

 GOAを実現するためのBCP、BCPの目標を達成するためのGOA、相乗効果が生み出す新たなインフラ整備の先例になった事案だと思います。


虎ノ門ヒルズで非常用エレベーターを活用した避難計画の運用を開始 超高層複合タワーで初めて東京消防庁より認定を取得 森ビル株式会社は、この度、火災時における歩行困難者の避難手段確保を目的に、虎ノ門ヒルズにおいて、非常用エレベーターを利用した避難計画の認定を取得、運用を開始しました。これは、東京消防庁が昨年10月に運用を開始した「高層建築物等における歩行困難者等に係る避難安全対策」に基づくもので、超高層複合タワーでは初めての認定取得となります。 従来、火災時にエレベーターを利用した避難誘導は禁止されていましたが、昨年9月30日に発表された指針により、東京消防庁管内の高層ビルや高層マンションで火災が発生した際、高齢者や障害者など歩行困難者に限り、一定条件のもとで非常用エレベーターによる避難が可能となりました。これを受け当社では、虎ノ門ヒルズにおける運用の検討を開始。所轄の芝消防署と綿密な協議を重ねながら、書類の届け出、標識の設置、認定に向けた検査を経て、この度、歩行困難者の一時避難エリアの設置、および非常用エレベーターを活用した避難計画の認定に至りました。 当認定取得により、歩行困難者を一時避難エリアに待機させ、消防隊到着までの間、防災センター係員による非常用エレベーターの操作によって、火災時の混乱や混雑を回避したスムーズな避難誘導が可能となります。 現在、六本木ヒルズ森タワーや六本木ヒルズレジデンスでも導入に向け協議をすすめており、今後は、アークヒルズなどヒルズクラスのビルおよび新規開発プロジェクトにおいても、積極的に導入を検討してまいります。 『高層建築物等における歩行困難者等に係る避難安全対策』とは2013年4月に、第20期火災予防審議会から「高齢社会の到来を踏まえた高層建築物等における防火安全対策のあり方」について答申がなされたことをふまえ、東京消防庁が策定。同年10月より、東京消防庁管内の高層ビルで認定を開始しました。一定の条件を満たし、認定を取得した施設は、消防隊が到着するまでの間、防災センター係員が非常用エレベーターを使用して歩行困難者などの避難誘導を行うことができます。 ■認定に必要となる主な条件 ・歩行困難者などが待機できる「一時避難エリア」の設置(水平方向の避難対策) ・歩行困難者などを避難誘導するための非常用エレベーターの設置(垂直方向の避難対策) ・施設を利用する歩行困難者の情報を事前に把握し、自衛消防隊により避難誘導ができる体制 当社では、建物の耐震性能や防火設備の充実など、ハード面における取組みだけでなく、定期的な震災訓練の実施および新たな技術やシステムの導入・開発など、ソフト面からもさまざまな対策を講じています。 当社は今後も、建物の高層化や高齢化など社会の流れに合わせて、行政および関係機関との連携を深めながら、安全・安心な街づくりを進めてまいります。

森ビル: 虎ノ門ヒルズで非常用エレベーターを活用した避難計画の運用を開始 〜火災発生時における歩行困難者の避難誘導が可能に 〜 超高層複合タワーで初めて東京消防庁より認定を取得 (2014年12月2日)

東京消防庁: 高層建築物等における歩行困難者等に係る避難安全対策

日本経済新聞: ビル火災、非常エレベーターで避難を 東京消防庁 (2013年4月18日)





GOA習得

GOA

図上演習

 医療安全などのマネジメントでも実施される図上演習ですが、BCMでも活用されます。

 特に、EBM的にはタブーとされる行為について、図上演習によるディスカッションを通じて予め検証する事で、選択肢が広がることがあります。

 例えばディスポーサブルの診療材料をどこまで再使用して良いか、再使用しなければならないか、意見が分かれるところです。
 滅菌も平時であれば滅菌器を使いますが断水や停電で使えないとき、ガスバーナーでの火炎滅菌や、消毒液への浸漬で済ませる事には抵抗があるでしょう。

 図上演習は可能な代替手段を出し合う場であるとともに、そのエビデンスレベルや他の方法との比較検討をする良い機会になります。



GOA

院内指針

 想定できる代替手法について院内指針を定め、関係者間で統一した認識を持つ事も重要になります。

 例えば手袋は患者毎や処置毎に交換しなくても可とする、医療廃棄物は薬剤の段ボールを代用を認める、すべてのエリアを土足で立ち入って良いなど、特に医療安全や感染制御で平時から規律的になっている事項はローカルルールを定めることでGOAが実践しやすくなることがあります。

 法令に違反する行為については院内指針でまとめることが困難であるため、他の災害での事例などをまとめて案内する方法も有用です。
 例えば処方箋には患者氏名や年齢など記載すべき事項が医師法施行規則第21条で規定されていますが、津波被害にあった東北沿岸部では小学校にあった折紙を処方箋として代用した事例がありましたが、安全かつ確実に薬剤を与えることを目標とした行動としては許容できるのではないかと考えます。

医師法施行規則 第二十一条

医師は、患者に交付する処方箋に、患者の氏名、年齢、薬名、分量、用法、用量、発行の年月日、使用期間及び病院若しくは診療所の名称及び所在地又は医師の住所を記載し、記名押印又は署名しなければならない。

医師法施行規則

厚生労働省: 処方箋の交付等に関連する法令の規定



BCPとは? (サイト内リンク)

BCMとは? (サイト内リンク)

DRPとは? (サイト内リンク)



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