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ヘルスケア分野と異業種との境界領域最適化

非常時医療事業継続計画Medical Business Continuity Plan (m-BCP)

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COVID-19 新型コロナウイルス感染症 特設ページ


COVID-19 デバイス需要予測・新規開発・国産化ニーズ

COVID-19 BCP

需要予測

 マスクの需給バランス崩壊は誰もが知る事となりましたが、需給バランスに深刻さを抱える物は他にもあり、今後の動向に注意が必要です。

 特に、人工呼吸器のように装置が足りなければ国民の生命に関わるデバイスは国益にもつながる課題であり、イタリアなどではトリアージが行われる事態に発展し、医療インフラさえ足りていれば『防ぎ得た死』が実際に発生していると言われています。

 当社では医工連携を推進するサービスを展開していることから、医療機器・ヘルスケア産業に関心をお持ちの方々とお付き合いが深く、ビジネスの観点からも需要に係る情報提供を求めらえることが多々あります。

医工連携事業化推進コンサルティング (サイト内リンク)



増産

 供給が追い付かない商品の増産対応です。

 マスクや消毒液は既存工場で24時間フル稼働しても需要に追い付かず、医療機関ですら入手できない状況になりました。

 既に技術が国内に在るものや、製造技術的には平易で製造可能な工場がいくつもある物であれば、すぐにでも増産に参戦出来ます。

 明らかな供給不足の商品は、販売ルートが確立されていなくても販路が開拓できる可能性があります。



国内生産化

 増産と重複する部分もありますが、国内生産比率を高める活動です。

 家電品のように『もう日本ではあまり作られていない』ような物であれば、技術的には国内に既存のため製造のハードルは低くなります。
 一方で心臓ペースメーカーのように過去から現在にかけて国産品が流通していない物は、その設計や製造についてノウハウが無いためハードルが高まります。

 日本では元々、治療用デバイスは輸入過多が続いており、貿易赤字は数千億円規模です。ゆえに、世界中で同時多発的に同じ医療需要が高まれば、各国で輸出量が減り、必然的に輸入に頼る国々は供給が停滞します。

 日本製、医療機器にとっては高いハードルになっていますが、チャレンジしなければならない状況は迫っています。



新規開発

 COVID-19ではワクチンや治療薬が『新規開発』されています。

 医療機器・ヘルスケアデバイスの場合は『目下の急務』というほどの新規開発案件はありませんが、その需要予測を当社では行っています。

 新規開発にはニーズやコンセプトの評価から始まり、ユーザーに安全に使って貰うための検討や検証を重ねた上で製品設計が行われます。製造後も安全性や有効性の評価が行われ、必要に応じて治験などが行われます。

 治療薬などは1日でも早く届けなければならない状況に来ていますが、医療機器等でもニーズが顕在化すれば急ぐ必要があるかもしれません。
 急ぎつつも安全な商品を提供できるための体制作りは、今から始めても遅くはありません。



適用拡大

 適用拡大は医薬品に多いのですが、既存の抗ウイルス薬などをCOVID-19の治療にも拡大していくような作業です。

 医療機器の場合、多くが適用疾患を拡大していくものであって、全く異なる用途に使われることは稀です。
 医療現場で創意工夫的に用途開拓される場合はあります。注射を投与するシリンジを使って、停電時に喀痰吸引をするような方法は用途開拓の一例です。

 適用拡大には検証作業が必要ですが、デバイスの開発が不要になる場合が多いので開発期間は短くなる可能性があります。





個人防護具・標準防護策

医療従事者を守る

 外出自粛や宅配利用などにより、一般家庭での防護策はマスクと手袋があればある程度の防備が可能になります。

 一方で医療従事者は、普段の業務であっても個人防護が欠かせません。
 それは、何の病気か分からないが症状があって来院している人、血液内に何らかのウイルス等が常在している人、便や吐物など通常であれば接触することのない代謝物・分泌物など、様々な物から自身を守らねばなりません。

 新型コロナウイルスのような感染症においては、更に注意が必要になります。
 医療従事者を守るためのツール、個人防護具の需要が高まっています。



いま、すぐに

 日本に限らず、世界中で『今、不足しています』というニュースが流れています。

 残念ながら、ゴミ袋を纏って仕事をしている医療従事者が居ます。
 医師や看護師らが、ゴミ袋を被って仕事をするという事は、プライドにも傷がつきます。
 社会のために、危険を承知の上で働く最前線の医療従事者がこのような事態になっており、日本でもその現実が近づいています。

 正確な数字はわかりませんが、恐らく日本だけでも医療従事者は1日に100万人は働いているでしょう。マスクは無理をして1日1枚に制限していたとしても、手袋は1処置で1双、バックヤードの作業だとしても何時間も使えるような物ではありませんし、仮に穴が開いたまま使っていれば感染してしまう恐れがあります。

NY Post: NYC health workers asked for masks, hospital execs gave them gags

St. Lucia News: 3 UK nurses forced to wear trash bags during gear shortage get coronavirus



COVID-19収束後

 新型コロナウイルスの騒ぎが収束に向かうと、一般社会は平常を取り戻そうと以前までの姿に近くなるでしょう。

 しかし、医療の現場では簡単に元通りにはなりません。
 収束後も患者がゼロになる訳ではありませんし、予防薬や治療薬が開発されても感染リスクが無くなるわけではありません。

 医療従事者の感染や衛生に対する水準が高くなったため、簡単には下がらないと思いますし、もしかすると全く下がらないかもしれません。
 従来は袖なしのビニルエプロンで済ませていた処置も、袖付が普遍化するかもしれません。
 救急外来ではアイソレーションガウンやN95マスクが普遍化するかもしれません。

 当面、医療従事者の個人防護具はハイレベルが維持される可能性があります。
 一方でコストの問題がありますので、防護性は維持したままコストダウンできる商品が待望されます。

 国家のリスクマネジメントとして、個人防護具は国産化すべきということが政府も国民も痛感しましたので、衛生用品等の製造国内回帰が始まると思います。



今冬はインフルエンザと混在

 新型コロナウイルスの報道が増えて以来、医療機関の受診者は激減し、外出自粛が促されてからはなおさらでした。

 流行後最初のインフルエンザシーズンを迎える2020年冬、例年通り予防接種者が居れば流行も平年並みかもしれませんが、医療機関へ行くことを敬遠する人が増えてしまえば、罹患者も増える可能性があります。

 季節性インフルエンザ患者の数に増減があっても、冬になれば必ず患者は発生するため、医療従事者はインフルエンザかコロナウイルスかの判断を待たずに、厳しい感染制御の行動を取らなければならなくなります。





需要予測

人工呼吸器

 COVID-19が日本で騒がれ始めた頃は『新型肺炎』などと呼ばれていたとおり新型コロナウイルスの典型的な重症例には肺炎が伴います。

 原因が何であれ重症肺炎には呼吸を助ける対症療法が必要であり、人工呼吸器や人工肺(ECMO)などのデバイスが使用されます。

 ニューヨーク州(人口1,950万人)の予測では感染拡大のピーク時に37,000台の人工呼吸器が必要になり、3万台程度不足していると知事が発表しました。

 保険制度の違いなどから、日本の方が病床数は多いですが、重症肺炎を診られる病床には限りがあり、人工呼吸器の配備台数も患者の爆発的増加には対応できるほどの余力はありません。

ニューヨークCOVID-19対応 (サイト内リンク)



既存台数

 日本で稼働可能な人工呼吸器の台数は把握されていませんが、恐らく数万台という単位だと考えられます。
 仮に10万台あり、そのうち6割は稼働中とすると余力は4万台となります。

 あるとき、日本人の1%、100人に1人が感染し、その5%が重症化して人工呼吸器を必要とした場合、62,500台の人工呼吸器が必要になります。
 WHOやNIHからは人口の40〜80%が感染するという数字が示されており、同時に何人の感染があるのかによって、大パニックを想定しなければなりません。

 人工呼吸器には酸素ガスが使われますが、軽症者にも酸素は投与されます。酸素の消費量が増え供給が追い付か無くなれば、装置があっても十分な治療ができないことになります。

日本呼吸療法医学会: 都道府県別 治療用人工呼吸器の取扱台数等 (2020年3月4日)

COVID-19オーバーシュートの恐ろしさ (サイト内リンク)



国産(日本メーカー)

 臨床で使われる人工呼吸器の大半が海外メーカーの物です。
 Draeger(ドレーゲル)など欧米メーカーの物が主流です。

 米国では自動車大手GMの工場でVOCSNという人工呼吸器を製造する方向で進んでいますが、それほどに内需にも対応できていないので日本への輸出は期待薄でしょう。

 国産の人工呼吸器では、小児用の特殊な人工呼吸器を埼玉のメトランが製造・販売してます。

 麻酔器は比較的日本メーカーも多く見られ、アコマ医科工業(東京)や泉工医科工業(埼玉)などが製造・販売しています。
 麻酔器は、基本構造が人工呼吸器と共通しますので、技術的にはそのまま応用して人工呼吸器を製造することができます。アコマ医科工業からは人工呼吸器が既に上市されています。

 人工呼吸器には気管内挿管という処置をして使うもの以外に、マスクを装着して使うタイプの人工呼吸器もあります。患者に空気を送り込むという機能は同じですが、麻酔器ほどの共通性はありません。

メトラン
アコマ医科工業
泉工医科工業



オープンソース

 海外では人工呼吸に関する技術情報を公開し、不足する人工呼吸器の補完に寄与しようとする動きがみられます。

 Medtronic (メドトロニック)ではPB560という人工呼吸器の設計に関する機密資料を公開するとしています。
 この寛容な措置はCOVID-19への緊急的対応のためとしており、WHOがパンデミックの収束を宣言するか、2024年10月1日までのいずれかとしています。

Medtronic: OUR VENTILATOR SPECIFICATIONS. YOUR INGENUITY.

Medtronic is sharing its portable ventilator design specifications and code for free to all


 MIT (マサチューセッツ工科大学) でも用手換気(BVM)の『手動』の部分を機械に任せるような機材を考案しています。

 この機構は日本でも実験が進められており、当社でも類似の実験を実施しています。

 MITよりオープンソースとして設計部分が公開されますので、わざわざ新たな研究をして競う必要はなく、いますぐにでも製造に入り、COVID-19で困っている人々へ人工呼吸器を供給すべきだと思います。

MIT: MIT Emergency Ventilator (E-Vent) Project

ROCKEFELLER Philanthropy Advisors: Spiro Wave

The NewYork Times: New York Needed Ventilatores. So They Developed One in a Month


 フランスの開発チーム "MakAir"は電気駆動式の人工呼吸器をオープンソースとして公開しています。

 人工呼吸器として基本的な機能はおさえているようですが、安全性試験などはこれから積み重ねていく必要がありそうです。

MakAir

GitHub: MakAir (MakAirのオープンソース集)



早期承認

 医療機器の承認を出す厚生労働省から、迅速審査に関する対応が発表されました。

 医薬品についてはアビガンやレムデシビルの特例承認が話題になりましたが、医療機器については短期的な承認ではなく、通常通りの恒久的承認を想定しており、その承認に係る時間の短縮を目指すようです。


厚生労働省: 人工呼吸器を含む医療機器の薬事手続き等の明確化を行いました (2020年4月13日)

厚生労働省: 新型コロナウイルス感染症に係る人工呼吸器等の医療機器の承認審査等に関する取扱いについて, 厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課, 厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課 (2020年4月13日)





助成・補助

助成金・補助金

 COVID-19対策として助成事業が行われています。



マスク生産設備導入支援事業費補助金(経済産業省)

 マスクの緊急的な増産に対応するため、増産設備の導入支援を行っています。
 令和元年度事業では中小企業への補助率4分の3、それ以外は3分の2です。補助対象は製造機械の購入設置、既存生産ラインの改善などです。

経済産業省: マスク生産設備導入補助事業 令和元年度予備費予算額 4.5億円

経済産業省: 令和元年度マスク生産設備導入支援事業費補助金に係る補助事業者の公募 (2020年2月20日)



アルコール消毒液生産設備導入支援事業費補助金(経済産業省)

 アルコール消毒液の緊急的な増産に対応するため、増産設備の導入支援を行っています。
 令和元年度事業では中小企業への補助率4分の3、それ以外は3分の2です。補助対象は製造機械の購入設置、既存生産ラインの改善などです。

経済産業省: 令和元年度アルコール消毒液生産設備導入支援補助金に係る補助事業者の公募 (2020年3月12日)




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