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新型コロナウイルス感染症流行後の避難所設営運営参考資料

避難所

避難所

 以前より避難所の感染症や公衆衛生が課題として扱われてきましたが、そこに意識が回っていたのは医師や保健師ら医療関係者が主でしたが、2020年の新型コロナウイルス感染症流行により、国民の多くが意識するようになりました。



新型コロナウイルス感染症流行後の避難所設営運営ガイドブック

 いつ、災害が起こるかわからないのは平時もコロナ感染流行時も変わりません。

 取り急ぎ、一般的な避難所ガイドを読み替えられるように資料を作成しました。
 完全版ではありませんが、何かのお役に立つならばと制作しています。

 ガイドを制作して改めて気づきましたが、平時の内に準備をしておかないと、なかなか上手くいかないであろうと感じました。
 ぜひ、いまのうちにご準備をお願い致します。

新型コロナウイルス感染症流行後の避難所設営運営ガイドブック

新型コロナウイルス感染症流行後の避難所設営運営ガイドブック 新型コロナウイルス感染症流行後の避難所設営運営参考資料 (NES株式会社)




足りない!

避難所

コロナ対応人材

 感染症対策には専門知識が求められます。
 菌やウイルスに対する基礎知識が無ければ対応を誤り、災害時の避難所で感染症が蔓延すれば大勢に生命危機が近づく事になります。

 教科書的に感染症の知識があるだけでなく、衛生状態を維持するためにマネジメントできる能力も求められます。
 一人で24時間、トイレも食事も監視する訳にはいきませんので、マネジメントする必要があります。

 感染制御も担えるリスクマネジメント人材が求められています。



避難所

避難所マンパワー不足

 災害が起これば市役所から人が来て、地域の自治会や自主防災組織などからも人手が出されて避難所が運営される、従来はそうであったかもしれません。

 しかし今、人混みに出掛ける事は感染リスクを高めるため、無償ボランティアが自らの命を危険にさらしてまで避難所の手伝いに行く事は勧められません。

 遠方からの救援チームやボランティアについても、コロナ後は自粛するような流れになっています。ウイルスを持ち運んでしまう可能性があり、被災地で患者が増えれば医療崩壊を招きかねないためです。

 仮に従来の人数が集まったとしても、感染症対策で業務量が増えているため、こなしきれない業務負荷がかかることが予想されます。

 怪我や病気が無ければ、避難所利用者も積極的に運営側に立って荷捌きや清掃などに参画して貰わなければ避難所が破綻しかねません。

 特に注意すべきは避難所で出されるクレームです。
 ノウハウを持って運営側で活躍する人材は目立つこともあり、避難所利用者からクレームを受ける事があります。
 運営側も人間、理不尽なクレームを受ければダメージも受けますし、耐えきれないこともあります。優秀な人材であれば避難所で他人の世話をせず、自宅にこもっていても非常事態を生き抜く術を持っているでしょう。
 もし、ノウハウを持った人材が現場から立ち去ったらどうなるでしょうか。避難所は危機的状況に陥ります。

 平時に高級旅館を利用しているのであれば些細なことにもクレームを付ける事は許されるかもしれません。
 しかしマンパワー不足、情報や物資も不足、不慣れな避難所、即席チーム。このような状況で満点のサービスを求めることは酷であり、そもそもサービスを受けるのではなく共同で運営していくことが避難所の本質です。



避難所

避難所キャパオーバー

 避難所は3密状態が普通でした。
 見ず知らずの人と肘が触れるほどの距離で雑魚寝し、恐怖体験を語り合って生き残れたことを実感する光景が当たり前でした。

 しかしながら今後は避難者同士の間隔は2m以上、会話は最小限、マスクの常用、食事は指定場所で一方向を向きながら静かに摂る、そうなるでしょう。

 この状況では、従来の避難所の収容人数の半分以下になることが想定され、さらに高熱や咳が出ている人を隔離するスペースなども必要になります。

 避難所は物理的なスペースも、マンパワーなどのソフト面でも、キャパシティをオーバーした状態になることが予想されます。




ここが変わる!

避難所

コロナ後

 新型コロナウイルス感染症の流行拡大第1波の後、緊急事態宣言解除や移動自粛制限解除を受けて人々の生活は様変わりしました。

 役所でも銀行でもマスク着用は違和感なく当たり前の光景、百貨店や洋菓子店など接客と作業が同時並行されるような場面ではフェイスシールドや手袋の装着も普遍化しました。

 避難所に対する国民の意識にも変化があると思われますが、運営する側の変化は劇的です。
 『もし避難所でクラスター感染を起こしたら』と考えたとき、治療の手は行き渡らず次々と重篤化することが容易に想像できてしまいます。

 避難所運営は大きく変化の時を迎えました。



避難所

マスク着用

 以前は塵埃が舞っているので自身のためにマスクを推奨しますという程度でしたが、今は『マスクをしていない人はお断り』と言われても仕方ないくらいマスクの必要性が高まっています。

 命からがら逃げ出して来た人にマスクを持参しなかったことを責めることはできませんので、避難所で用意して『装着して下さい』と半強制的なお願いをされることになるでしょう。

 非常事態における集団生活ですので協力してもらえると思いますが、断固拒否という人が居ないわけではないと思われますので、運営者や利用者の間でも拒否者を想定した対応が求められます。



避難所

消毒

 従来の避難所にも手指消毒剤は置いてあったと思いますが、今は避難所利用者による相互監視の目が厳しくなっていると思われます。

 手指を消毒しない個人への視線だけでなく、避難所運営上の衛生管理についても水準は高まっています。

 消毒は手指に限らず、環境衛生にも大きく関わります。
 調理器具などの熱水消毒や次亜塩素酸による消毒、トイレ等のノロウイルスや大腸菌の蔓延防止のための消毒など、目の行き先はたくさんあります。

 アルコール消毒剤以外の消毒剤の備蓄、それぞれの消毒剤の特性を活かした正しい使用法の習得が求められています。



避難所

手洗い

 手を洗うことは衛生管理の基本、子供でもできることです。

 手を洗いやすくしておくことが避難所の衛生状態維持のカギとなります。

 断水してしまっても、手を洗うだけで飲水しなければ給水タンクを利用した簡易水道も設けられるため、避難所の備蓄設備は見直しておく必要があります。

 近年、体育館の改修で自動水栓化が進んでいますが、停電時でも使用できるか否かを平時のうちに確認しておく必要があります。



避難所

ソーシャルディスタンス

 ソーシャルディスタンスという言葉は国民にも耳なじみとなりましたが、概ね2m前後の距離を保つことで互いに感染のリスクを下げる効果が期待されます。

 校庭であれば『体操の隊形に開け』と言われ全校生徒が2m間隔で並んでも校外に出ることはありませんが、体育館では簡単に溢れてしまいます。

 すなわち、避難所となる体育館には従来のような人数は収容できません。
 全員が区画の中心に座ったとして、1人あたり2m×2mの場所を貰えればギリギリのソーシャルディスタンスが確保できます。従来、1人あたりは1畳、おおよそ1m×2mでしたので占有面積は倍増、したがって収容人数は半減します。

 入りきらないから教室も使うという考え方もありますが、ただでさえ教育現場を他の用途で使用している最中に、教室まで奪ってしまっては子供たちの教育の妨げになってしまいます。



避難所

避難所利用制限

 避難所は『来るもの拒まず』が原則ですが、収容人数や運営側の負担も考慮すると利用制限を掛けざるを得ない可能性があります。

 家を失った人、堤防が決壊すれば洪水被害に遭うことが明らかな人などは拒みませんが、避難所以外の方法で身の安全を確保できる人には避難所利用を断る姿勢も新常態にはあり得る姿かもしれません。

 『あなたの家はありますか?』と被災者に聞く訳にもいかないので利用制限はあくまで個人の判断に委ねる形になりますが、なぜ避難所を利用制限しなければならないのかについては、平時に住民と話し合う必要があります。



避難所

身元確認

 避難所は入退場管理をするために受付票を作成し、安否確認などでにも役立てることがありますが、新型コロナウイルス感染症を機に濃厚接触者との追跡調査が注目されることになりました。

 感染症における追跡調査は感染拡大を抑制し、新たな患者を出さない効果が期待できるため病院等では積極的に行われることがあります。

 避難所に滞在していた期間を明確にすることで、避難所利用者の不安を解消することにもつながり、感染制御に先手を打つこともできますので、避難所の入退管理は厳密化が求められます。



避難所

在宅避難

 自宅にとどまる『在宅避難』が注目されています。

 電気や水道などのライフラインが止まっても1週間程度は自力で過ごせる自宅があれば、復旧前後も住み慣れた家で過ごすことができます。

 これまで『自助』として防災意識が高い人だけが行ってきましたが、コロナで一変しました。

 公助である避難所等は税金が投じられ、自助は自己負担である事から備えない方が得をする仕組みであるため、まだまだ1週間分という訳にはいかなそうですが、備える人は着実に増えています。

 避難所に来て貰いたくない事情を鑑みて、今後の補助金等の在り方も変わるでしょう。



避難所

車中泊

 2016年の熊本地震ではグランメッセ熊本に大量の駐車車両がある映像がたびたび流れました。車社会ゆえの現象であったと思いますが、車中泊の有用性が示された災害でした。

 同時に、エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)を発症する人が増えた事も車中泊の弊害として報道されました。

 体育館などの避難スペースは利用せず家族だけのプライベート空間が確保できる車中泊は、コロナ以降の避難生活の選択肢として有力であると考えられます。

 車内にはトイレが無いため、どうしてもトイレの近くに駐車したいという要望が高まりますので、車中泊向けの避難場所を設けることが望ましいと言えます。
 小学校の校庭を開放する方法もありますが、排気ガスが体育館へ流入したり、小さい子供が車に近づいて火傷をするなど思わぬ事故にもつながりかねませんので、なるべくであれば避難所を共用しない方法を模索すべきであると考えます。






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