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介護BCPの作り方 COVID-19(新型コロナウイルス感染症) ~オリジナル編~ | NES株式会社




 ├ 脅威の定義
 ├ 脅威の分析・評価
 ├ 教育・研修・訓練
 ├ 簡易陰圧システム
 ├ 感染確認・濃厚接触確認・安否確認
 ├ BCPコンサルティング

 ├ 厚生労働省ひな形編

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脅威の定義

 厚生労働省のひな形は良く出来ているので、そのまま使用すればBCP策定自体は問題なく進められると思います。

 弊社は医療福祉BCPを生業としていますので、コンサルティングをする場合には『脅威』を定義すると思います。

 ひな形通りですと脅威は『新型コロナウイルス感染症』です。問題ありません。問題は無いのですが、もっと踏み込んだBCPを策定する場合には視点を変える必要があると思います。

 2020年春を思い出して頂くと『マスクが無い』と大騒ぎになっていましたが、あのときの脅威は新型コロナウイルスでありつつも、マスク不足も脅威でした。マスク不足を引き起こしたのは新型コロナウイルスの感染拡大だと思って間違いないですが、マスクが不足したのは需給バランスの不均衡、急な需要増があったことですので、需要家は医療や介護など普段からマスクを使ってきた事業者だけでなく商工業や行政など全業種、そして一般国民もマスクを求めました。更には世界的にマスク需要が高まったことも需要増と直結します。
 この一時期、断片を見るだけでもマスク不足を脅威として見た時に、どのように対処するかを計画していれば『ウチにとって問題ではない』と涼しい顔が出来たかもしれません。

 BCPは計画書、作成することが目的ではなく計画を実行しなければならないときに有効な計画を立てることにありますので、形式的ではなく実効性を求める場合には識者を入れて策定すると良いと思います。

 まずは脅威の定義、ここが重要です。







脅威の分析・評価

 弊社のBCPコンサルティングでは脅威を定義するだけで終わりではありません。

 そのあとの分析や評価という作業自体に深い意味があります。


例:停電の脅威

 いま停電するとどうなるか、停電は新型コロナウイルス感染症に関わる脅威になるのかを検討します。

 停電すると空調が止まります。自動水栓も止まります。揚水ポンプも止まります。

 このような事象がただちに感染症を引き起こす訳ではありませんが、少なからず影響があると考えることができます。

 計画として、停電させないための自家発電を設置することと、停電しても空調衛生設備が代替できる手段を講じておきます。


例:施設長ら幹部の感染

 いま部課長会議のメンバーが集団感染し、施設長と各部門の職長が陽性あるいは濃厚接触者となって隔離生活に入ったら現場はどうなるでしょう。

 この内、施設長とその直下の幹部2人が電話もできないほど症状が重く入院生活となったら現場はどうなるでしょう。

 ひな形通りにBCPを策定すると『人数』に目が行きがちになるのですが、実際は要素をしっかり見極めなければなりません。

 勤務シフトを組むことができるマネジャー級が1人も居ないだけでも現場は崩壊します。

 BCP上で他施設への応援要請を掲げていても、連絡先や申し合わせ内容を知っている幹部が居なければ活用できません。

 実務として何が脅威となるのか、その脅威による影響はどこに出るのかを顕わにして、対応策を計画するのがBCPです。

【参考】厚生労働省:介護労働者の雇用


例:1日10万人の新規感染

 10日間、毎日10万人ずつ新規感染すると100万人が感染したことになります。

 この内の1%が入院すると1万床が使用され、その人たちが1週間入院すれば、その間にも新規の患者が入院してきます。

 満床状態が続けば高齢者施設からの要請とはいえ病院も受け入れようがなくなるので、多少症状があっても施設内に留まらざるを得ません。
 自宅療養者も同じことだと言われることもありますが、家族がいる場合は高齢者1人に対して1人以上の家族が付きますが、施設では高齢者数人に対して職員1人の体制ですので、特別に注意しなければなりません。

 自施設がどれだけ防衛していても社会の変化の影響は受けてしまうため、病床逼迫の状態で施設内に陽性者が出た場合、どのように対処していくのか計画を立てる必要があります。

 医師は診察も治療もできます。看護師は診療の補助と療養上の世話ができます、医療の免許を持たない者には医療行為は居認められません。
 感染者を施設内で保護する上で、既存のリソースでできる事はなにか、どのようなリソースを手配できれば対応力が高まるのかを分析し、準備します。

【参考】厚生労働省:国内の発生状況など

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教育・研修・訓練

 施設内で感染者が発生すると『このガウンを着て仕事をしてください』と普通の衣服のように渡される事もあるようです。

 ガウンは個人防護具(PPE: personal protective equipment)と呼ばれる身を守る装備です。
 大阪府看護協会では2020年にホテル療養者への対応に動き始めましたが、看護師であっても正しい装着方法を習得しているか懐疑的であったため、現場(ホテル)に出る前に協会でトレーニングを受ける事を義務付けました。

 感染者と接触するという事は自らの感染防止、そして他者への感染防止について、何が危険であるかを知らなければ防御できません。
 ガウンでは、脱ぐ時が危険だと言われています。脱ぎ方は何度もビデオを観て、更に脱ぐ時にはマニュアルを見ながら間違いが無いように脱いでいます。

 個人防護具は『ガウンテクニック』と呼ばれるテクニックを身に付ければ安全性を高められます。

 感染制御ではテクニック以外にも身に付けるべき知識や作法のようなものがあります。


感染管理認定看護師による施設内研修会

 弊社には長年お付き合いのある感染管理認定看護師が複数います。中にはCOVID-19流行拡大により行政から依頼を受けてエリアの数百施設を分担して回ったという人材も居ります。

 そうした高齢者施設等の感染管理のプロによる研修や訓練をご案内するのも弊社のBCPコンサルティングです。

 感染拡大期には講師を務めている時間も全くないほど多忙になる看護師ですので調整は容易ではありませんが、専門家ゆえの知見も多いため重宝されています。

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簡易陰圧システム

 感染者が発生した場合、そのあとの感染拡大の防止は重要になります。
 患者増に伴い陽性判定後の施設内滞在期間が延長し、感染拡大防止に危機感が募ります。

 感染者が発するウイルスをまき散らさないために、その場の雰囲気、空気の流れを制御する方法があります。
 そのために使用されるのが陰圧装置です。


 空気清浄機、換気扇、陰圧装置は似たような仕事をしますが、感染制御では陰圧装置が選択されます。

 理屈っぽいですが、下記動画で『なぜ陰圧装置なのか』という事が解説されています。

【参考】簡易陰圧システム 詳細


 設備工事を伴わない、誰でも簡単に設置できる簡易陰圧装置という物があります。

 窓に簡単な排気口を付けたり、既存の換気扇を外して排気口にすることで据え付けができます。


 弊社でも簡易陰圧システムを開発し、様々な場所への設置を試みてきました。

 ご利用頂くのが高齢者施設など、予算に限りがあることを知っていたので『日本最安値』を目指し、なおかつ設備担当者などが常勤していないことも加味して簡易な設置方法を模索しました。

本体設置(実時間)
換気口を利用した排気
窓枠を利用した排気

 上記動画は弊社代表が自ら作業しています。誰でも簡単に設置できることを目指し、実時間でどの程度かかるのかを示しています。

 BCPで活字として計画するのではなく、実効性ある計画とするために、世の中に無いツールがあれば自社で開発まで行う、それが弊社のBCPコンサルティングです。

【参考】簡易陰圧システム(SISM・シズン)

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感染確認・濃厚接触確認・安否確認

 COVID-19流行拡大後、職場や学校などでは体温や体調の記録を求める所が増えました。

 しっかりしたシステムを導入する所、手書きの紙を配って自己管理するところなど様々です。

 目的は記録を残すことではなく、異変があれば学校や職場へ来ないようにし、さかのぼって濃厚接触疑いがあれば関係者に知らせることです。

 新興感染症やCOVID-19に特化したシステムを導入する方法もありますが、自然災害を含めた安否確認・参集確認システムを応用することでリーズナブルに済ませる方法もあります。

 多用途安否確認システム『AmpiTa』は弊社の助言に基づき、感染管理に対応した機能を搭載しました。



 上図にあるチェック項目は以下のとおりです。

新興感染症 感染確認・濃厚接触確認・安否確認
 ├ 氏名(テキスト入力)
 ├ 種別
   ├ 職員
   ├ 職員以外
 ├ 体温
   ├ 37.5℃未満
   ├ 37.5℃以上
   ├ 39℃以上
   ├ その他
 ├ 症状
   ├ 鼻水
   ├ せき・くしゃみ
   ├ せき・くしゃみ及び鼻水
   ├ 該当なし
 ├ 検査・診断
   ├ 陽性(確定)
   ├ 陽性(保健所未確定)
   ├ 陰性
   ├ 検査していない
   ├ ほか
 ├ 濃厚接触
   ├ 濃厚接触(確定)濃厚接触疑い
   ├ なし
 ├ 来院・来所予定
   ├ 本日
   ├ 明日
   ├ 1週間以内
   ├ 予定なし
   ├ 未定
 ├ 自由記載(テキスト入力)

 AmpiTaを活用するとスマホ画面も自動生成できますので、下図のような画面が表示され、氏名以外はタッチで入力できます。

 また、未連絡者は名簿突合点検機能により抽出されるので、連絡が無い旨を連絡しやすくなります。

 AmpiTaから直接LINEグループへ送信する機能もあるので、職員用グループがあればすぐに情報共有ができます。

AmpiTaを応用した感染確認
AmpiTaから直接LINEへ送信

【参考】多用途安否確認システム AmpiTa


 当社では、多用途安否確認システム『AmpiTa』を応用したチェックインシステムの構築をお手伝いしています。

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BCPコンサルティング

 BCPは単に『計画を立てるだけ』であればひな形の穴埋めやコピペでも作成することはできてしまいます。

 しかしながらBCPの目的は業務継続や廃業回避など重いテーマですので、形骸的なものを作ってもピンチの時に役立ちません。

 『コンサルティング』と聞くと『怪しい人』と思われることに弊社は慣れていますが、一方で弊社に業務をご発注いただく医療機関様も多数あります。そこには国公立病院も含まれます。

 ここ数日、記事として介護施設や介護事業所のBCPについて書かせて頂きましたが、弊社のノウハウはこれだけではありません。実効性あるBCP(計画)やBCM(マネジメント)の実装に並走することができます。

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試入力(NES)

 弊社では、厚生労働省のひな形にダミーデータを入力したファイルを作成しています。
 一部は読みやすいように表なども作成しており、自施設が扱いやすいようにアレンジできうよう配慮しています。

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