パナソニックの『かってにスイッチ』は、新築住宅で採用しないお宅の方が少ないくらい普及しています。
機能は明るさセンサー付きの人感センサーです。用途はトイレや廊下などの照明のOn/Offです。
『かってにスイッチ』には『ほんのり点灯』機能が付いた商品があります。これは比較的新しい機能なので、今でも不慣れな建築業者や設計事務所さんがあるようです。
- パナソニック以外の器具にも対応(自験例)
- 『ほんのり』の機能
- 『ほんのり』の登場
- 他社照明との相性
- KOIZUMI 対 ほんのり点灯モード
- DAIKO 対 ほんのり点灯モード
- ODELIC 対 ほんのり点灯モード
- ODELIC照明で試してみた
- ほんのりを詳細に設定
- ODELICでもほんのり、できた
- ランプ交換
- 総括
パナソニック以外の器具にも対応(自験例)
『ほんのり点灯モード』は、パナソニック製の照明器具やランプは一定基準を満たせばフル対応している感じですが、他社製品については謎が多いです。
今回、ODELICの照明器具(GX53ランプ)で試したところ、上手く『ほんのり』できました。
詳細は、後述します。

『ほんのり』の機能
『ほんのり点灯モード』とは、どのような機能であるかパナソニックのホームページで確認します。
深夜はまぶしくないようあらかじめ設定した明るさで照明ON、同時に換気扇もON。人がいなくなるとそれぞれ自動OFF。
ほんのり点灯モード
『ほんのり点灯モード』は眩しさ軽減機能であることがわかります。
『深夜』『明るさ』などの定義は後述するとして、全体のフローは下図で説明されています。
基本動作というところは、ノーマルな『かってにスイッチと』と同じような動作です。照明は100%の明るさで点灯します。
ほんのり点灯の時間帯は、減光して薄暗く点灯させることができます。最後の感知から消灯までの総時間は基本動作と同じです。明るさだけ制御されます。
『ほんのり』の登場
『ほんのり点灯モード』の登場時期は明確にはわかりませんが、2005年頃に見かけたように記憶しています。
電設資材カタログを確認すると2004~2006年版には掲載があります。
その前の電設資材カタログ(2002~2004年版)には、玄関ポーチで使われる『お出迎え点灯』という機能として『ほんのり点灯モード』に近いものがありました。
当時は白熱灯(ミニクリプトン電球が主流)の時代、夜間ずっと100%点灯していると電気代が高くつく、しかし深夜の帰宅を出迎える常夜灯のようなものは欲しい、といったニーズから『お出迎え点灯』が使われました。
今ではLEDが主流、明るさを制御するための電力を使うくらいなら100%点灯の方に電力を使う、制御機能にイニシャルコストを掛けることも不経済、といった背景から玄関ポーチ灯を薄暗くする『お出迎え点灯』は消えていきました。
カタログ上では2012~2014年版の電設資材カタログでは明確に白熱灯専用であること、LEDには非対応であることが記載されています。
WTK1314W 照明 182頁の(1)をご参照ください。
WTK1554W 白熱灯 40W~120Wまで(1灯あたり100W以下)
注)LED電球(調光対応型含む)との接続はできません。WTK1551W 白熱灯 40W~120Wまで(1灯あたり100W以下)
接続灯数
注)LED電球(調光対応型含む)との接続はできません。
なお、『かってにスイッチ』のWTK1314Wは『ほんのり点灯モード』非対応(非搭載)ですが、LED電球には対応しています。
パナソニックの電設資材カタログ2014~2016年版より、LED対応の『ほんのり点灯モード』搭載の『かってにスイッチ』が掲載されています。
現行品のカタログを見てみると『2019年1月21日』や『2019年5月21日』発売となっています。最新機種が7年くらい前に発売された物、ある程度のレベルに達した商品であると思われます。
他社照明との相性
適合する照明器具・ランプは以下の通り記載があります。
当社製『調光可能型LED照明器具および、調光器対応型LED電球』を誤使用ください。
LED器具について
注)ON/OFFタイプのLED照明器具、電球は使用できません。
注)LEDフラットランプ(GX53)は当社逆位相調光スイッチWTA1274W・H/WTK12749Wに接続可能です。
当然かもしれませんが、パナソニック以外の照明器具やランプについては、パナソニックのカタログでは調べられません。
LED器具について
- 他社製のLED照明器具には、使用できないものがあります。
- ご使用になると、ほんのり点灯や消灯お知らせができなかったり、ちらつきなどが発生する場合があります。
- 他社製のLED照明器具、LED電球との接続可否については、各照明器具メーカー、電球メーカーにご確認ください。
- 白熱灯は20W~100Wの範囲内で使用できます。
- 蛍光灯やダウントランスを必要とする電球などには使用できません。
こつこつと1社ずつ、調べていくしかなさそうです。
『ほんのり点灯モード』を搭載した以下の『かってにスイッチ』について、調べてみました。
KOIZUMI 対 ほんのり点灯モード
コイズミ照明は『当社製品と他社製機器(電子スイッチ/調光器)との組み合わせ使用について』と題したPDFファイルを公開しています。2019年の古いものしか見つかりませんでしたが、存在はしていました。
『ほんのり点灯モード』を搭載したWTA13479、WTA1274、WTK12749について『×』になっていないものを探してみましたが、このリストにWTA13479は無かったです。表中の台数は接続可能な台数です。
| 製品タイプ | WTA1274 | WTK12749 |
| EA | 1台 | 1台 |
| ED | 1台 | 1台 |
| EI | 1台 | 1台 |
| EK | 1台 | 1台 |
| FA | 1台 | 1台 |
| FC | 1台 | 1台 |
| FK | 1台 | 2台 |
| FR | 1台 | 2台 |
| FT | 2台 | 2台 |
| GA | 1台 | 2台 |
| GJ | 2台 | 3台 |
| GO | 2台 | 2台 |
| GS | 2台 | 2台 |
| GV | 2台 | 3台 |
| GZ | 2台 | 3台 |
| HM | 4台 | 5台 |
| HN | 3台 | 4台 |
| HQ | 3台 | 4台 |
| HS | 3台 | 3台 |
| HU | 2台 | 3台 |
| HZ | 3台 | 4台 |
| IA | 3台 | 4台 |
| IF | 2台 | 3台 |
| IG | 5台 | 6台 |
| IH | 6台 | 7台 |
| IM | 11台 | 13台 |
| IN | 9台 | 11台 |
| IO | 11台 | 13台 |
| IP | 11台 | 13台 |
| IQ | 12台 | 14台 |
| IR | 12台 | 14台 |
製品タイプの2文字のアルファベットは、照明器具の型番と直接は紐づかないので、一覧表で探すしかありません。なかなかわかりづらいというか、探しづらいです。
DAIKO 対 ほんのり点灯モード
大光電機は『スイッチ適合確認ナビ』と題した検索サイトを提供しています。 『ほんのり点灯モード』を搭載したWTA1274、WTK12749について調べられますが、WTA13479は『該当品番が存在しません』と表示されてしまいます。
この照明が良いと選択したあとで探すには問題ないですが、適合する照明リストを先に作ってから、選んでいこうとなると、それはできないです。目ぼしいものはカタログで選んでおく必要があります。
実際にやってみましたが、面倒でした。
おそらく、裏技でリストアップする方法があるのだと思います。
ODELIC 対 ほんのり点灯モード
ネット検索すると『パナソニック株式会社製機能スイッチ・センサーと当社適合LED器具/適合ランプ一覧』というPDFファイルを見つけました。『2025年5月現在』ということで、時期としては両社のカタログに掲載の製品はだいたいカバーされていると思います。
ただし、『ほんのり点灯モード』を搭載したWTA13479、WTA1274、WTK12749のいずれもリストにはありませんでした。ODELICの表を踏襲してつくると一覧は下記のようになると思います。明らかにわかることは、非調光の器具は使えないことです。
| 型番 | WTA13479W WTA13479H | WTA1274W WTA1274H WTA1274B WTK12749W |
| 配線方式 | 3線式 | 2線式 |
| 負荷容量 | 1.2A | 1A |
| 機能 | かってにスイッチ ほんのり点灯モード | かってにスイッチ ほんのり点灯モード |
| Type | ||
| 1.LEDランプ使用器具 | ? | ? |
| 2.ダウンライト 非調光 | × | × |
| 3-A.FLAT PLATE 非調光 | × | × |
| 3-B.最廉価 薄型シーリングライト | × | × |
| 4-A.間接照明 非調光 長1500/1200 | × | × |
| 4-B.間接照明 非調光 長900/600/300 | × | × |
| 4-C.間接照明 スリムタイプ 非調光 | × | × |
| 5.エクステリア ダウンライト | ? | ? |
| 6.エクステリア スポットライト | ? | ? |
| 7.エクステリア FLATPLATE | ? | ? |
| 8.エクステリア ポーチライト | ? | ? |
| 9-A.SB型 ダウンライト 位相制御調光 | ? | ? |
| 9-B.M形 ダウンライト 位相制御調光 | ? | ? |
| 10.FLATPLATE 位相制御調光 | ? | ? |
| 11.間接照明 位相制御調光 | ? | ? |
| 12.スポットライト 位相制御調光 | ? | ? |
| 13.その他 | ? | ? |
ただし、すべてが非対応であるということもないだろうと思って、試しにODELICの照明器具を注文して試してみました。
ODELIC照明で試してみた
既存のトイレ照明はφ100の穴、2台設置、1台は傾斜天井(勾配天井)です。
カタログで探した条件は調光可能なφ100のダウンライト、拡散光タイプ、白フレーム、同じ形でフラットとユニバーサルがあること、ランプ交換できること、でした。みつけたページが下図です。
※.オーデリックのカタログは最新版に更新されると意図しないページにリンクされるので、ご注意ください。
選んだ型番は OD361204PR と OD361243PR です。この商品はネット通販でも調達可能です。フラットな 204 が5千円前後、ユニバーサルの 243 が6千円前後です。ネット価格は、定価の半額程度を見込んでおくと良いのかなと思います。
付属のランプを開けてみると、下図のランプが入っていました。ランプナンバーは No.241J となっています。詳細な型番は LDF5-H-GX53/PC/D/75/R90 です。
たぶん『GX53』は口金の種別(GX53-1)、『75』はランプの直径(75mm)、『R90』は演色性(Ra94)かなと思いますが、よくわかりません。

もう1つ重要なものとして、『かってにスイッチ』が必要です。私宅はコスモシリーズ ワイド21で揃えているので WTK12749W を発注しました。
ここまでの物品調達には免許や業者登録は不要ですが、ここから先は規制対象です。筆者は電気工事士免状を保有し、弊社は登録電気工事業者であるため問題なく作業できますが、無免許で工事すること、未登録で生業とすることはできません。

照明を消して作業しなければならないので、この作業は昼間に行っています。それでも、トイレは窓が小さいので暗くなりがちです。
既存照明器具を天井から外してぶら下げ、VVFケーブルを抜いて、新しい照明器具に挿し替えているところです。黒側がスイッチ側なのでオフ状態、電気が流れることはないはずなので、先に黒を外して挿し替えています。

接地側の白線をあとから挿し替えて、古い方の器具は自由となります。更新後の器具を、天井の穴に収めて照明器具交換作業は完了です。

既存のスイッチを外して、『かってにスイッチ』(WTK12749W )と換装します。今回は、既存スイッチが『かってにスイッチ』でした。

多くのお宅で、換気扇は24時間稼働、照明とは別にスイッチを設けて掃除のときだけオフにするような運用をしています。今回の『かってにスイッチ』にも換気扇別動作機能が搭載されていますが、清掃用のメンテナンススイッチを付けて、あとは24時間動作でも良いのではないかと思います。トイレから出て数分だけ換気扇オン、これってどうでしょうか?

いよいよ点灯です。
明るいので反応しないようでしたので、強制点灯(連続入)で試してみます。
まったく問題ありません。
ただし、いまは『ほんのり点灯モード』ではないので、本当のところはわかっていません。
ほんのりを詳細に設定
詳細の設定は施工説明書や取扱説明書を見る必要があります。それらに従って細かな調整を行いました。
まずは、どのくらいの明るさ(暗さ)で照明を点灯するようにしたいか、点灯した場合の点灯持続時間は何分(何秒)くらいが良いかを決めます。
基本的なことは、本体のカバーを開くだけで設定できます。

詳細は施工説明書を参照します。ここまでの調整は施工説明書を見なくても、何となくわかると思います。
ほんのり点灯するときのLED電球の明るさを調整します。ここが重要です。『ほんのり点灯モード』が搭載されていない『かってにスイッチ』にはないインターフェイスです。
一旦、カバープレートを外して、『かってにスイッチ』本体のカバーを外します。

まずは、ランプ点灯の下限照度を設定します。
ツマミではない、明らかに形状の違う2つのボタンが見えると思いますので、その2つを同時に押します。1秒押下すれば緑色のランプが点灯します。長押ししていたボタンから手を放し、左側のボタンを何度か押します。これ以上は下がりませんという最下限まで暗くしたら、再び2つのボタンを1秒押下して設定を保存します。
このあとは、深夜になってからでないと出来ない設定です。
私宅では23時台後半に『ほんのり点灯モード』に切り替わるようにしました。
23時半頃、トイレへ行って『かってにスイッチ』のカバーを開きます。『切』の位置にある左下にあるツマミを『6』に合わせました。これで、23時半から早朝5時半頃までが『ほんのり点灯モード』になります。

『ほんのり点灯モード』で点灯中に、明るさの調整をします。私宅では、最も暗くしたかったので、最大まで調整しました。
まず、カバープレートを外して、本体のカバーを外します。
説明書にある『①』のツマミは先ほど調整したので、触る必要はありません。
説明書の『②』から始めます。2つあるボタンの左側にあるDOWNボタンを何回か押して、これ以上は下がらないというところまで暗くします。

ODELICでもほんのり、できた
結果として、成功だと思います。
豆電球ほどの暗さではありませんが、基本設定の60W×2灯の明るさに比べれば、十分に暗くなったと思います。
暗闇に目が慣れたような時間帯に、トイレに行ってみたところ、眩しくはなかったと思います。目が覚めてしまわない程度かと言われると、そうでもないかもしれません。
何もしないより、やった効果があると思います。
ランプ交換
パナソニック製のランプを使えば『ほんのり点灯モード』に対応できることは既知でした。
今回の実験で、オーデリック製のランプでも 『ほんのり点灯モード』に対応できることがわかりました。
ランプ交換型の照明器具は、ランプに電子回路などが内蔵されており、照明器具自体は屋内配線の100Vを受けて、そのままランプに流すだけの単純機構です。途中で制御することがないので、すなわち、既存のランプ交換型照明器具に、『ほんのり点灯モード』対応のランプを入れてあげれば、深夜のほんのりを手に入れることができます。
今回使用の照明器具の箱をよくみると『OD 361 204 #』と『OD 361 243 #』です。すなわち、ランプについては限定されておらず、ベースとなる器具は各種ランプに共通します。
カタログ上は『OD 361 204 PR』と『OD 361 243 PR』です。実際に付属されるランプはランプナンバー No.241J 、型番は LDF5-H-GX53/PC/D/75/R90 です。カタログ上の機能は電球色(2700K)と昼白色(5000K)を切替可能、演色性はR15クラス2、明るさは5%~100%まで調光できる LC-CHANGE という商品です。
楽天市場 で NO241J の実勢価格を調べてみました。送料込で4,311円がランプ単体の最安のようです。
ダウンライト(照明器具)にランプが付属する OD 361 204 PR の実勢価格は送料込みで4,318円です。
ランプ交換には、電気工事士免状は必要ないので、ランプだけ買えば何も問題はありません。
ただし、ランプ単体でも照明器具同梱でも数円しか変わらないので、置く場所があるならば、故障対応などに使えるようにダウンライト本体とランプを注文、ランプだけ使えば良いかなとも思います。
【参考】楽天市場:NO241J検索結果
【参考】楽天市場:NO241J ランプ単品 最安値 4,311円
【参考】楽天市場:NO241JとOD361204#のセット品 4,318円
総括
人感センサーのスイッチといえば、電気工事屋さんの第一選択はパナソニックの『かってにスイッチ』だと思います。どこの電材屋さん(卸業者)に行っても在庫していると思います。ホームセンターなどでも、容易に入手できると思います。
スイッチは簡単に決まります。
照明は、パナソニックが良いという人ばかりでありません。ハウスメーカーがオーデリックやコイズミ、ダイコーを指定してくることもあります。
オーデリックは、交換可能なLEDランプを使うダウンライトを8,800円で売り出したことで、施主さんの関心が高まりました。1軒で20台くらい設置することも多いダウンライト、将来のダウンライト難民にならないためにも交換型が1万円未満は話題でした。
その交換可能なLEDランプはGX53という規格でつくられています。従来のネジ込むようなE26やE17ではありません。この規格ができたことで、今回の話題である『かってにスイッチ』との相性も変わったのかなと思います。
結果として、オーデリックのGX53ランプを使った照明器具で『かってにスイッチ』の『ほんのり点灯モード』が使えるということがわかりましたので、仮に、未対応の照明を設置してしまったお宅でも、GX53の照明器具であったとすれば、対応できる可能性があります。
『ほんのり点灯モード』搭載の『かってにスイッチ』の内部機構はわかりませんが、おそらく調光器に対応したLEDには対応できるような、よくある調光器が内蔵されているのだと思いますので、調光対応LEDであればだいたい大丈夫かなと思っています。未確認ですが。
その中で、確認できたオーデリックのランプナンバー No.241J 、型番 LDF5-H-GX53/PC/D/75/R90 は自験例としてお客様に提案できるうようになりました。
弊社は『まことしやか』を嫌います。なるべく、エビデンスを示せるように机上調査、過去データがなければ自験例を重ねる、そうしてエビデンスを積み上げて参ります。
今回の我々の自験例を公開することで、他社さまもエビデンスとして使えるようになります。それは、施主様に正しい選択をしてもらいたい、豊富な選択肢の中から自宅に合う器具を選んで欲しいという、業界のプロとしてのサービスです。サービス提供者の情報提供不足が電気設備に対する不満にならないよう、業界全体で支えていく、その一部を担うことができれば幸いです。























