BCPとは?
BCPはBusiness Continuity Planの略称で、業務継続計画や事業継続計画などとも言います。短期的には目先の業務の継続、長期的には存続を目指して計画します。
BCMとは?
BCMはBusiness Continuity Managementの略称で、BCPを実用するためのマネジメント全般を指します。
平時からの医療・福祉の延長線上の非常
私たちが得意とするのは『平時からの延長』『非常時も続ける日常』の医療や福祉です。
狭義には『災害医療』『DMAT』などのキーワードに属する、災害に特化した医療が存在します。救急や集中治療のように1つの学問領域とも言えます。専門性が高いので、専門家が居ます。
私たちのお客様は、災害医療を扱わないケースも多いです。
平時から入院・入所していた方々に必要なケアを提供し続けることを目指すBCP/BCMの実装に努めています。
災害時に特化した医療には手を出さなくても、災害時に医療は提供し続けることを目指しています。
この『災害時の医療』と『災害医療』を区別することで、身の丈に合う対応を目指し、実践性を高めています。
BCPサービス(医療福祉)
事業継続計画書の新規策定や見直しをお手伝いするサービスです。自然災害に限らず非常事態全般に対応しています。
領域としては医療・福祉が中心です。
臨床経験のある専門人材が担当します。
脅威分析や被害想定など培ったノウハウを活かしたコンテンツを計画書に盛り込み、リアリティある計画に仕上がるようサポートさせて頂きます。
アンケートやインタビューをさせて頂いて当方で完成させていく方法や、ご依頼元様が策定する計画書への修飾や修正をお手伝いする方法など、ご要望に応じています。
BCPはマニュアルではありません。
戦略集のようなものです。戦略を誤れば戦術を活かしきれないため、平時に策定するBCPが重要になります。
BCMサービス(医療福祉)
非常時対応力の向上を目指して行われる活動『BCM』を全面的にサポートします。
BCMは戦略(BCP)を実践するためのマネジメントであり、戦略を理解すること、実行するために必要な技術や知識を身に付けること、実効性を高めるための装備を充実させることなど非常に幅広い範囲をカバーします。
訓練や研修の企画、講師ブッキング、当日運営など何でもご相談ください。
発電機等の設備、食糧等の消耗品、その他のあらゆる備蓄や装備についてもご相談ください。
BCP/BCMの実績
弊社では医療・福祉系のBCP/BCMの実績がございます。
ご契約が複数年継続しているケースもあり、ご高評いただいております。
医療福祉業界に関わる方々に共感して頂けるような非常時対応コンテンツの充実が当社の強みだと考えております。
特にBCMでは、リアリティある訓練や研修を実施し、必要性の高いものから備蓄を増強していく提案をするなどストーリー性あるコンサルティングに定評を頂いております。
実績をご紹介するページを設けておりますのでご参照頂ければ幸いです。
その他のBCP/BCM
医療福祉の非常時対応については、他にない専門性を発揮できるよう、専門性を高めています。
操業停止や臨時休業が可能である一般産業用BCP/BCMについては弊社より優れた企業様が多数あると思いますので、弊社の出番は少ないと考えております。
一方で、止める事ができない事業であれば、弊社の医療福祉BCP/BCMが応用できる可能性がありますので、積極的に参画しております。
医療福祉産業以外からも、お気軽にお問い合わせください。


BCP/BCMとは
├ BCPとは
├ BCPには対象がある
├ 脅威の分析
├ BCPの目的
├ マニュアルではない
├ 方針に従い目標志向で行動
├ GOAを規律するマネジメント(BCM)
├ 『止められない』を前提
├ 『災害時の医療』に強み
├ エビデンスをつくる
├ 限界を知るための非常時情報管理
├ 戦略的要塞化
BCPとは
BCPとは"Business continuity plan"の略称です。
"business"は『事業』『業務』と訳される事が多く、したがってBCPは『事業継続計画』『業務継続計画』と呼ばれることが多いです。
病院のビジネスは『医業』『医療』、介護施設のビジネスは『介護』『高齢者ケア』など具体的に示すこともできますので『診療継続計画』『介護事業継続計画』などとタイトルを付けることもあります。

BCPには対象がある
BCPには必ず対象があります。
地震は1分以内の震動が大きなダメージを与えます。
台風は数時間の暴風雨が大きなダメージを与えます。
発災を時間軸で見ても大きな違いがあり、与えるダメージも大きく違います。
一方で断水や停電などは地震でも台風でも起こり得ます。いわゆる二次災害は、それだけ切り取ってもBCPの対象とすることができます。

脅威の分析
BCPを策定する際に、脅威について検討することは不可欠です。
日本列島で地震や台風が来ない地域は無いと思いますし、新型コロナウイルス感染症は世界中で流行が拡大しました。
脅威分析にはトップダウン型とボトムアップ型があります。
前者は事故や災害などを選定し、そこから生じる脅威を分析します。
後者は重要な業務を阻害する要因から脅威を分析します。
いずれにしても脅威が存在することが明らかになれば、その脅威を甘受するのか排除するのか検討し、対処方針を掲げます。この方針がBCPの基本方針にもつながります。

BCPの目的
BCPをコピペで内製化する動きが介護施設で広まった時期がありましたが、本来の目的は計画書を作ることではなく、計画することも目的ではありません。
何らかの非常事態に直面したときに、その事態に屈して事業が続けられなくなることを回避するために立てる方策をまとめたものがBCPです。
したがってタイトルを『経済危機でも廃業しないプランA』『浸水しても生命と財産を守る戦略集』とした方がわかりやすいかもしれません。
1つの事態に対して計画が1つである必要もありません。
プランAがあれば、Bもあって良いと思います。

マニュアルではない
BCPをマニュアルだと思って向き合うと不整合が生じます。
細かいオペレーションを記載してしまうと応用しづらくなりますので、方針や役割分担などを示すにとどめるのがBCPです。
消防計画では『消火する』方針の下に『消火器を使って』などの具体的な方法が示されることがあります。火災では報知、初期消火、避難の手順があり、初期消火には消火器か消火栓くらいしか方法がありませんので、具体的に示す事ができています。
医療や福祉では特に、臨機応変が求められるため、BCPはマニュアル化せずに、戦略を示して戦術は現場任せとすることが多くあります。

方針に従い目標志向で行動
BCPはマニュアルではなく戦略なので、現場は戦略に沿った戦術を選んで行動します。
言い換えると、細かな指示は受けずに現場裁量で事が運ばれます。
非常事態に直面している状況下では、多少のルール逸脱や法律違反もあるかもしれませんが、それらも現場判断になります。
このとき、足並みが揃うように目標志向で行動するよう規律されます。これをgoal-oriented action(GOA: 目標志向行動)と呼びます。

GOAを規律するマネジメント(BCM)
秩序と良心の中でGOA(目標志向行動)は上手く回ります。
ルール逸脱を許されることと、無秩序に何でもして良い事とは違います。
その線引きや抑止力にはマネジメントが必要となります。
どこまでが許される/許されないのかのボーダーラインは非常事態に直面する前から内部でコンセンサスを得る機会を設ける必要があります。
研修や訓練を通じて『当院ならここまでできる』『これはやり過ぎだろう』という議論を生むことに意義があります。
『ボンベが足りず三方活栓を使って分岐して酸素投与する』という方法は平時ではあり得ない方法ですが、図上演習で誰かが実施した場合、演習後のディスカッションで良否を判断していきます。『状況に依る』という前置きは付くものの、こうした逸脱行為の多くが緊急回避的な手段として参加者の記憶に残ります。

『止められない』を前提
現に入院・入所している人に対し、非常事態が発生したので帰ってくださいとは簡単には言えません。
人工呼吸器のように停止猶予が数分というものもあります。
喀痰吸引やインスリン注射のように数時間毎のケアが必要な人も居ます。
自分で排泄処理や摂食ができない人は、数日も放置されれば衛生状態や栄養状態が悪化します。
時間単位は様々であっても、平時に行っているケアを止められない現場は全国津々浦々にあります。



『災害時の医療』に強み
"PDD" (Preventable disaster death)は、平時のような診療が行き届けば救い得た生命であり、それはDMATが扱うような災害急性期医療に限ったことではありません。
当社が注力する医療BCPは、『災害医療』よりも『災害時の医療』です。急性外傷を診る能力があっても、まずは自院の患者を守る事を優先することも選択されます。
静かに耐え忍ぶことも、当社が策定するBCPには含まれます。

エビデンスをつくる
漠然と『当たり前』のように思われていることでも、根拠が無ければ非常時に想定外となることもあります。
医療従事者の多くが研修を受ける用手換気(Bag Valve Mask)ですが、研修では数分、実務でも長くて30分程度です。災害では3日間停電することもあります。
当社では長時間使用の安全性向上のために、いくつかの方法を比較する実験を行い、学会発表しています。
長時間の停電時には冷凍庫・冷蔵庫の温度は『経時的に上昇』することは容易に想像できますが、何時間後に何℃になっているかのデータがありませんでした。
糖尿病患者が使用するインスリンは患宅の冷蔵庫で保管されていますが、停電後何時間で廃棄対象になるか不確かです。
当社で実験した家庭用冷凍冷蔵庫の停電実験結果が、日本糖尿病学会誌に掲載されました。
自社で科学的検証まで実施するBCP/BCMコンサルタントは珍しい存在です。
プレスリリース: 停電時の冷蔵品保管の新知見発表ならびに医学論文掲載のお知らせ
限界を知るための非常時情報管理
錯綜や輻輳など普段は使わない言葉が合う状況になる非常時には、新鮮な情報を素早く活用する手段が必要です。
情報の確からしさを見分けられる術も身に付ける必要があります。
正しい情報が手元にあれば、限界も見極めやすくなります。
このまま籠城を続けるのが良いのか、遠隔地へ避難させるのが良いのかといった判断は重要になります。
医薬品では製薬工場が被災し、国内在庫と工場復旧のタイムラグ分だけ治療ができないという事も想定されます。安易な減薬はすべきではありませんが、戦略のないどんぶり勘定という訳にもいきません。
発災当初は、参集できる職員は誰で、それは何時間後になるのかという情報の精緻性が最初のフェーズである72時間に大きく影響します。
最悪は3日間、発災時に勤務していたメンバーだけで回していくことになりますので、体力温存なども考えると、非常時の情報管理は非常に重要です。
当社では、取得しづらい情報、取得する価値がある情報などの取捨選択や、取得すべき情報の確実性向上に向けたシステム開発などを自社でも行っています。
戦略的要塞化
COVID-19流行拡大後は、外との接触自体が危険因子となり、非常事態に直面しても外と縁を切る方が良いという考え方も尊重されています。
大規模災害時には、被災地へ向けた救援活動が行われますが、これは均霑的ではありません。
司令塔は無く、交通整理されないためDMATはDMATの考え方で、自治体は自治体の考え方で、学会は学会の考え方で救援を行います。
お察しの通り、療養病院や介護施設には救援が集まりづらいです。特に介護施設は2000年施行の介護保険制度以降に事業開始されたものが多いため広域連携には至っていません。
数日や数週間も救援が来ないことを想定したBCP、平時の段階から戦略的に要塞化し長期籠城戦に耐え得る戦略を持てるBCPづくりをお手伝いしております。


当社のBCP/BCM関連の資料はこちらにまとめてありますのでご参照ください。

- 太陽フレアへの備え | NES’s blog
- 帰宅難民収容施設開放のお知らせ | NES株式会社
- 大雪と車両ロケと安否確認システム | NES’s blog
- 商標登録記念・多用途安否確認システム『AmpiTa』特別提供について | NES株式会社
- 介護施設向け感染症BCP雛型の無償提供(感染管理認定看護師監修) | NES株式会社
- フライヤー更新(AmpiTa) | NES株式会社
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