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相馬市は迅速災害モード | NES’s blog

 2021年2月13日の23時07分頃、福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生しました。

 すぐにテレビ放送は緊急番組に切り替わり、各地から様子がリポートされました。

 発災から30分や1時間では、無事が確認された人ばかりの情報が並ぶので、被害の規模はわかりません。

 しかし、被災された方々は『これは避難しなければ』と思えば市役所のホームページを見に行きます。



2県のホームページ

 震度6強を観測した福島県、宮城県の両県のホームページを見たところ、新型コロナウイルス感染症関連の情報がトップにあがっていました。

福島県庁ホームページ(2月14日0時台)

 宮城県庁は濃い赤で示されている部分に『宮城県で震度4以上の地震が観測されました』という文章が出ているので、地震関連の情報は掲載されていました。

宮城県庁ホームページ(2月14日0時台)


県庁所在地

 県庁所在地の福島県福島市、宮城県仙台市のウェブサイトも新型コロナウイルス感染症が大きくスペースを取っているものの、両市ともトップ記事は地震でした。

宮城県仙台市のホームページ(2月14日0時台)

福島県福島市のホームページ(2月14日0時台)


サーバーダウン

 平常モードだからかわかりませんが、福島県広野町のホームページはダウンしていました。

 親戚が住んでいる町であり、私も行ったことがある町。だから調べてみたのですが、残念ながらダウンしていました。

 震度6以上を観測した地域で、ダウンしていたのは広野町だけだったようです(当社調べ)。

福島県広野町のホームページ(2月14日0時台)



災害モード市役所


相馬市だけ!

 10年前、原発事故で名が知れる事になった相馬市ですが、ここの危機管理能力の高さは素晴らしいと思いました。

 発災から1時間も経ってないのに、既に災害モードに切り替わっていました。

福島県相馬市のホームページ(2月14日0時台)

 特筆すべきはホームページだけではなく、避難所も開設されていたことです。

○スポーツアリーナそうま第1体育館1階(柔剣道場)
○スポーツアリーナそうま第2体育館

福島県相馬市の避難所開設を知らせるホームページ(2月14日0時台)


震度6強の自治体

 震度6強は宮城県蔵王町、福島県相馬市、福島県新地町、福島県国見町でした。

 災害モードに入ったのは相馬市だけ、他の3町は下図の通り平常モード、コンテンツは新型コロナウイルスが最優先、地震関連は未掲載でした。

宮城県蔵王町のホームページ(2月14日0時台)
福島県国見町のホームページ(2月14日0時台)
福島県国見町のホームページ(2月14日0時台)
福島県新地町のホームページ(2月14日0時台)
福島県新地町のホームページ(2月14日0時台)



過去の災害でも


2019年・台風

 2018年、2019年と台風が大きな被害をもたらしました。

 2018年は西日本豪雨で『真備町』というキーワードが盛んに報道されましたが、かなりの広範囲で被害がありました。

 その記憶も新しいうちに2019年の台風15号・19号が千葉県など東日本を中心に大きな被害をもたらしました。

横浜本牧のコンテナヤード

 このときの対応も市町村によって分かれました。

 千葉県内で調査しましたが、災害モードに入ったところ、平常モードのところ、ダウンしてしまってどちらかわからないところがありました。

 今回の地震と同じではありますが、台風はある程度の予測ができるので、ダウンしないように備えたいところです。

千葉県船橋市のホームページ(災害モード)



医療機関ウェブサイト

災害モードは少数派(!?)

 弊社コンサルティング先のお客様で、災害モードを用意している医療機関様は滅多にございません。

 コンサルする中で災害モードを作って頂くようにお願いはしていきますが、最初から備えている事はなかなかありません。



応対時間短縮

 災害時の医療機関といえば、多忙を極めます。

 電話応対に人員を割くことが、人命を落とす事に関係してしまう恐れもあります。

 『入院患者全員無事』『外来・救急は閉鎖』という情報が出るだけでも問い合わせが減ります。



輻輳

 電話回線は輻輳(ふくそう)状態、非常につながりにくくなります。

 その中で消防、警察、水道、電気、医療材料など各方面に連絡を取らなければならないので、電話回線は軽くしておきたいところです。

 誰もかけてこない、そんな電話回線がベストです。



サーバー負荷・通信負荷

 災害時にはネット通信回線も輻輳状態になります。

 サーバーはアクセスが集中すれば処理量が多くなり、ダウンしてしまいます。

 このサーバー負荷と、通信負荷を軽減するために災害モードを使います。

 画像は1枚も使わないテキストデータのみ、情報量は絞り込んで最小化します。

 サーバーから引き出される情報量が少ないため、サーバーへの負荷が少なくなります。

 情報量が少ないので、通信量も少なくなります。




災害モードサンプルサイト

 NES株式会社では医療機関向け災害モードウェブサイトのサンプルを公開しています。

https://www.24med365.net/disaster/




災害モードをノーコード開発

 災害モードのウェブページを、ウェブ技術を持たずとも制作することができます。

 例えば、多用途安否確認システムAmpiTa(アンピタ)には、災害モードをノーコードで開発できる簡易機能が標準搭載されています。

 テキストボックスに、テキストを入力するだけで自動的にコードを生成し、出力してくれます。

【参考】AmpiTa: 災害モードウェブサイト制作

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