今週は幕張メッセに出張しており、今日、帰ってきました。
大阪空港(伊丹)からの帰路、伊丹市大鹿の交差点付近で倒れている人に遭遇しました。
交通事故
171号線を空港から神戸方面へ西進していました。大鹿交差点で信号停止したところ、左手にある左折レーンで倒れた人に声を掛ける男性が居たので、筆者も近づきました。
状況としては、原付バイクと乗用車の接触事故のようです。

119
まず男性に対し、
(筆者)『119番通報はしましたか?』
(男性)『まだです。』
とのことでしたので、筆者のスマホから119番通報しました。
スマホはスピーカー通話にして、並行して救護活動を開始しました。
通報概要
119番通報したのちのやり取りを、覚えている範囲で記します。
(消防司令)『119番、消防署です。火事ですか、救急ですか?』
(筆者)『交通事故による負傷者です。』
(消防司令)『あなたは?』
(筆者)『居合わせた人です。』
(消防司令)『場所はどこですか?』
(筆者)『イナイチの大鹿交差点』
(消防司令)『安全な状態ですか?』
(筆者)『はい。車は入って来ない状態です。』
(消防司令)『場所を確認します。千の風があるところですか?』
(筆者)『はい』
(消防司令)『西向きですか?』
(筆者)『イナイチを空港から来て、神戸方面の左折レーンです。』
(消防司令)『どのような状況ですか?』
(筆者)『バイクによる単独事故と思われます。女性が倒れています。』
(消防司令)『出血などはありますか?』
(筆者)『口を切っているみたい。あと、手を擦りむいている』
(消防司令)『目立った出血はないですかね?』
(筆者)『はい』
(消防司令)『意識はありますか?』
(筆者)『はい。目を開けて話しています。』
(消防司令)『何歳くらいの男性、女性?』
(筆者)『50代か60代かの女性』
(消防司令)『救急車はもう向かっていますので。私は×××です。あなたのお名前は?』
(筆者)『×××です。』
(消防司令)『わかりました。もう少し現場でお待ちください。』
状態の確認
負傷者は60歳以上の女性と見られます。
ヘルメットは装着しており、顎紐もしっかり留めてあったので、ヘルメットを被ったまま倒れていました。
バイクと女性の距離はおよそ2m、転倒途中で落ちたのかもしれないので、どの程度の衝撃が加わっているかは不明でした。
外傷は唇から軽度の出血、手の甲は擦りむいたような傷があるが、いずれも負傷者は気づいていない様子。
痛いところはないかと問うても『大丈夫』と返されるが、右わき腹をさするような行為がみられるため『脇は痛くない?』と聴くと、自ら触ってみて『痛い』と返してきました。
のちに聞いたところによると、肋骨の骨折があったそうです。
動かすべきか、動かさないべきか
今回、負傷者の女性は何度も起き上がろうとしました。
ただ、交通事故の負傷者については、頭部や頸部に損傷が見られる場合は、原則的に動かさない方が良いとされています。
今回の場合、どこを打ったかわからないですが、バイクのライダーなので保護するものはヘルメットしかなく、転倒の仕方によっては頭や首にダメージを負っている可能性がありました。
制止すると寝転んでいてくれたのは良いのですが、気温35℃前後の13時台、アスファルトは灼熱、大変な熱さでした。

アスファルトでやけど
今週、滋賀県の小学校でプールサイドに座った児童の半数が尻にやけどを負う事故がありました。
わずか5分程度、水を撒いてあったシートの上に座っていてやけどを負ったということです。
筆者も昔、夏祭りで神輿や山車を曳き回す際に、雪駄が脱げると足裏がやけどするという経験がありました。真夏のアスファルトは熱々の鉄板のようなもの、非常に危険です。
今回は、事故に遭った車のドライバーさんが発泡素材でできたシートを何枚か持ってきて下に敷いたので、難を逃れたと思います。
【参考】テレ朝:授業で児童62人やけど 小学校のプールで…何が?(2025年7月10日)
【参考】NHK:滋賀 守山 小学校のプール授業 児童62人が尻に軽いやけど(2025年7月10日)
救急搬送に抵抗
負傷者の女性ですが、救急車を呼んだことに対して怒っていました。
『私は安全運転をしていた』『まっすぐ走っていた』などバイクの運転の話を一生懸命にするのですが、ケガのことについては自覚していない様子でした。
筆者が『血が出ていますけど』というと、『えっ』という反応でした。
(筆者)『バイクで走っていたのは覚えてますか』
と聴くと、
(負傷者)『覚えている』
と言いますが、
(筆者)『なぜここに寝ているかわかりますか?』
とたずねると
(負傷者)『わからない』
という回答でした。
事故に遭ったことがわからないので、救急車の必要性がないと思っている様子でした。
家族に連絡
筆者が救護対応しているところに、自転車で通りかかった女性も参加してきました。
(通行人女性)『お名前は言えますか?』
(負傷者)『連絡する必要はない』
(通行人女性)『ご家族に連絡しないと、急に病院から連絡が来たらビックリされますよ』
(負傷者)『大丈夫』
(通行人女性)『お名前は言えますか?』
(負傷者)『大丈夫』
といったやり取りが続き、名前を言うことも、家族へ連絡することもありませんでした。
救急車到着
救急車が到着したので、筆者は引き下がりました。
救急隊は、何があったのかを聞きたがっていたので、乗用車の運転手さんを指して、そちらから聞くように促しました。
出血している箇所、右脇を押さえていることなどを救急隊に伝えて、周囲に散乱した荷物や靴などを集め、現場を立ち去りました。

110
今回、110番通報は乗用車のドライバーさんが行っていました。
救急車はサイレンを鳴らして急行しましたが、警察はバイクの警官を2人見かけたくらいで、緊急走行するパトカーは無かったと思います。
伊丹市の場合、消防署も警察署も同じような場所にあるので、緊急走行すればだいたい同じくらいの時間で到着すると思います。
夜に警察から電話
夜になってから伊丹警察署から電話がありました。
このご時世、警察を名乗ったからといって安易に信用する訳にもいきませんが、交通事故の件であることがわかったので応対しました。
電話番号を知った経緯は119番通報の際に得たとのことでした。消防と警察でシェアする法律があるのか知りませんが、そこはスルーしました。
どういう事故であったかわからないので目撃していないかという問い合わせでしたが、筆者は事故の瞬間は見ていないので、すぐに話は終わりました。
乗用車のドライバーさんのお話では、左折レーンではなく、直進レーンに居たところでバイクと接触したようなことをおっしゃっていました。
バイクのライダーさんのお話では、自分は直進していたとか、左に居たとか、右に曲がろうとしていたとか、色々と話が変わりました。
大鹿の交差点、171号線を西進していたとすれば、原付は二段階右折しなければなりません。もしバイクが右折するつもりでいたとすれば、右ウインカーを出しながら、左へ寄ろうとしていたのではないかと思います。片側2車線の道路、左折レーンもある場所なので、左折レーンと直進レーンの間を原付は走行するような形になります。誰が悪いとかではなく、ここは注意深くしないと接触しそうな、混雑するような場所です。
おわりに
今回は、交通事故直後の現場に居合わせ、負傷者の下へ1人目が駆け付けたような初動段階で筆者も居合わせました。
見た目に大きな出血がある訳ではなかったので感染のリスクは低いと判断しましたが、もし近づくのであればグローブがあると良いなと思いました。
真夏のアスファルトは異常な熱さですので、負傷者はどこで待機すべきなのかも大きな問題だと思いました。
いろいろな教訓を得る機会になりました。