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医療機器クラス分類 | NES株式会社

クラス分類検索

PMDAウェブサイト

 医療機器のクラス分類を検索するにはPMDAのサイトにアクセスします。

 一般的名称がある、分類済の医療機器の一覧表はPDFとExcelで提供されています。下記リンクにアクセスするとダウンロードできます。

PMDA: 医療機器の一般的名称等一覧(ダウンロードページ)

PMDA: 医療機器の一般的名称等一覧(PDF)


 一般的名称からクラス分類を探す場合や、クラス分類から機器類を探す場合など専用検索ツールが提供されています。詳しくは下記リンクをご参照下さい。

PMDA: 一般的名称検索




クラス分類とは?

厚生労働省

 医療機器を規定・定義しているのは医薬品医療機器等法であり、所掌は厚生労働省になります。

 医療機器のクラス分類など承認に関わる事項を定めるのも厚生労働省の仕事になります。

厚生労働省: 医薬品・医療機器



医療機器承認・認証上のクラス分類

 医療機器の国際ハーモナイゼーションが進み、医療機器の人体に及ぼす危険度により分類した国際基準『GHTF』(医療機器規制国際整合化会合)ルールに基づき、日本も足並みを揃えました。
 EUでは最も低リスクな機器から順にClass I、Class IIa、Class IIb、ClassIIIの4クラスに分類されていました。この内ClassIは『自己宣言』のみで販売できます。Class IIa以上は適合性評価への公認機関の関与が義務付けられています。Class IIIと埋込型機器では原則として臨床試験(治験)が必要とされ、侵襲性や長期使用品も臨床試験対象品が多くあります。

 日本もこの制度に近い分類となり、クラスI、II、III、IVの4クラスに分類されました。
 クラスIは『届出』、クラスIIの多くは第三者認証機関での『認証』、クラスIIIとIVは大臣『承認』(PMDAで審査)となっています。2013年の薬事法改正(薬機法改正)により第三者認証はクラスIIIにも広がっています。
 法令上の分類はクラスIが『一般医療機器』、クラスIIが『管理医療機器』、クラスIIIとIVは『高度管理医療機器』となります。

 GHTFは日米欧豪加の5地域参加で平成15年(2003年)に合意され、日本では2005年の薬事法改正から正式に採用されています。



回収情報のクラス分類

 同じく厚生労働省が所掌する医療機器等の回収情報ですが、こちらもクラス分類がなされています。

 しかしながら、数字の概念が真逆です。

 医療機器の分類では数字が大きくなるほど危険でしたが、回収情報は数字が少ないほど危険です。

  • クラスI…その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となりうる状況をいう。
  • クラスII…その製品の使用等が、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるか又は重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況をいう。
  • クラスIII…その製品の使用等が、健康被害の原因となるとはまず考えられない状況をいう。

認証基準の有無

 また、回収等については『回収』と『改修』、『患者モニタリング』があります。

厚生労働省: 医薬等回収関連情報

厚生労働省: 医薬品・医療機器等の回収について, 薬食発1121第10号 (平成26年11月21日)

PMDA: 回収情報(医療機器)




医療機器とは?

薬事法(薬機法)上の定義

 医療現場で使われる機器が全て医療機器ではありません。

 法により定められた物が医療機器となります。

 コンピューターソフトウェアであっても、医療機器になる物もあります。

 車椅子や万歩計などは医療機器ではありませんが、体温計や血圧計は医療機器です。どれもドラッグストアやホームセンターで手に入りそうですが、法で定められた基準に則り、明確に分類されています。

 薬機法の第二条第四項に『医療機器とは』という文言があり、詳細は施行令を参照するように書かれています。
 施行令第一条には別表第一を参照するように書かれています。
 別表第一を見ると大項目が書かれています。
 さらに細かいものは通知などで明示されます。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (第二条第四項)
 この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律


医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 (第一条)
 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第二条第四項の医療機器は、別表第一のとおりとする。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令


医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令 (別表第一)
機械器具
一 手術台及び治療台
二 医療用照明器
三 医療用消毒器
四 医療用殺菌水装置
五 麻酔器並びに麻酔器用呼吸嚢(のう)及びガス吸収かん
六 呼吸補助器
七 内臓機能代用器
八 保育器
九 医療用エツクス線装置及び医療用エツクス線装置用エツクス線管
十 放射性物質診療用器具
十一 放射線障害防護用器具
十二 理学診療用器具
十三 聴診器
十四 打診器
十五 舌圧子
十六 体温計
十七 血液検査用器具
十八 血圧検査又は脈波検査用器具
十九 尿検査又は糞(ふん)便検査用器具
二十 体液検査用器具
二十一 内臓機能検査用器具
二十二 検眼用器具
二十三 聴力検査用器具
二十四 知覚検査又は運動機能検査用器具
二十五 医療用鏡
二十六 医療用遠心ちんでん器
二十七 医療用ミクロトーム
二十八 医療用定温器
二十九 電気手術器
三十 結紮(さつ)器及び縫合器
三十一 医療用焼灼(しやく)器
三十二 医療用吸引器
三十三 気胸器及び気腹器
三十四 医療用刀
三十五 医療用はさみ
三十六 医療用ピンセツト
三十七 医療用匙(ひ)
三十八 医療用鈎(こう)
三十九 医療用鉗(かん)子
四十 医療用のこぎり
四十一 医療用のみ
四十二 医療用剥(はく)離子
四十三 医療用つち
四十四 医療用やすり
四十五 医療用てこ
四十六 医療用絞(こう)断器
四十七 注射針及び穿(せん)刺針
四十八 注射筒
四十九 医療用穿(せん)刺器、穿(せん)削器及び穿(せん)孔器
五十 開創又は開孔用器具
五十一 医療用嘴(し)管及び体液誘導管
五十二 医療用拡張器
五十三 医療用消息子
五十四 医療用捲(けん)綿子
五十五 医療用洗浄器
五十六 採血又は輸血用器具
五十七 種痘用器具
五十八 整形用機械器具
五十九 歯科用ユニツト
六十 歯科用エンジン
六十一 歯科用ハンドピース
六十二 歯科用切削器
六十三 歯科用ブローチ
六十四 歯科用探針
六十五 歯科用充填(てん)器
六十六 歯科用練成器
六十七 歯科用防湿器
六十八 印象採得又は咬(こう)合採得用器具
六十九 歯科用蒸和器及び重合器
七十 歯科用鋳造器
七十一 視力補正用眼鏡
七十二 視力補正用レンズ
七十二の二 コンタクトレンズ(視力補正用のものを除く。)
七十三 補聴器
七十四 医薬品注入器
七十五 脱疾治療用器具
七十六 医療用吸入器
七十七 バイブレーター
七十八 家庭用電気治療器
七十九 指圧代用器
八十 はり又はきゆう用器具
八十一 磁気治療器
八十二 近視眼矯正器
八十三 医療用物質生成器
八十四 前各号に掲げる物の附属品で、厚生労働省令で定めるもの
医療用品
一 エツクス線フイルム
二 縫合糸
三 手術用手袋及び指サツク
四 整形用品
五 副木
六 視力表及び色盲検査表
歯科材料
一 歯科用金属
二 歯冠材料
三 義歯床材料
四 歯科用根管充填(てん)材料
五 歯科用接着充填(てん)材料
六 歯科用印象材料
七 歯科用ワツクス
八 歯科用石膏(こう)及び石膏(こう)製品
九 歯科用研削材料
衛生用品
一 月経処理用タンポン
二 コンドーム
三 避妊用具
四 性具
プログラム
一 疾病診断用プログラム(副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものを除く。次項第一号において同じ。)
二 疾病治療用プログラム(副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものを除く。次項第二号において同じ。)
三 疾病予防用プログラム(副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものを除く。次項第三号において同じ。)
プログラムを記録した記録媒体
一 疾病診断用プログラムを記録した記録媒体
二 疾病治療用プログラムを記録した記録媒体
三 疾病予防用プログラムを記録した記録媒体
動物専用医療機器
一 機械器具の項各号(第八十四号を除く。)及び医療用品の項各号に掲げる医療機器に相当する物で、専ら動物のために使用されることが目的とされているもの
二 プログラム
イ 疾病診断用プログラム(副作用又は機能の障害が生じた場合においても、動物の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものを除く。次号イにおいて同じ。)
ロ 疾病治療用プログラム(副作用又は機能の障害が生じた場合においても、動物の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものを除く。次号ロにおいて同じ。)
ハ 疾病予防用プログラム(副作用又は機能の障害が生じた場合においても、動物の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものを除く。次号ハにおいて同じ。)
三 プログラムを記録した記録媒体
イ 疾病診断用プログラムを記録した記録媒体
ロ 疾病治療用プログラムを記録した記録媒体
ハ 疾病予防用プログラムを記録した記録媒体
四 悪癖矯正用器具
五 搾子
六 受精卵移植用器具
七 人工授精用器具
八 製品蹄(てい)鉄及び蹄釘(ていちよう)
九 投薬器
十 乳房送風器
十一 妊娠診断用器具
十二 標識用器具
十三 保定用器具
十四 前各号に掲げる物の附属品で、農林水産省令で定めるもの

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令



高度管理医療機器
(クラスIII・クラスIV)

 高度管理医療機器はクラスIIIとクラスIVに細分されます。

 クラスIIIとは人工透析器、輸液ポンプ、人工骨、人工心肺装置、人工呼吸器、成分採血装置、粒子線治療器など人体に影響は大きいですが、何かあったときに代替手段が講じられそうな物とイメージして頂ければ良いかと思います。

 クラスIVとはペースメーカー、冠動脈ステント、人工血管、中心静脈カテーテルなど生体内に植え込むデバイスが多く、クラスIIIに比べればリカバリが難しく長期安定性などが求められる物が多いです。

PMDA一般的名称検索…『クラスIII』
PMDA一般的名称検索…『クラスIV』

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (第二条第五項)
この法律で「高度管理医療機器」とは、医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合(適正な使用目的に従い適正に使用された場合に限る。次項及び第七項において同じ。)において人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律



管理医療機器(クラスII)

 クラスIIの医療機器には心電計、注射針、輸液セット、吸引カテーテル、補聴器、X線撮影装置、MRI(磁気共鳴画像診断装置)などがあります。

PMDA一般的名称検索…『クラスII』

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (第二条第六項)
この法律で「管理医療機器」とは、高度管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合において人の生命及び健康に影響を与えるおそれがあることからその適切な管理が必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律



一般医療機器(クラスI)

 シリンジ(汎用注射筒)や通気針、ネブライザ、血液ガス分析装置など診療上患者に直接的影響が少ない物がクラスIに分類されています。

PMDA一般的名称検索…『クラスI』

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (第二条第七項)
この法律で「一般医療機器」とは、高度管理医療機器及び管理医療機器以外の医療機器であつて、副作用又は機能の障害が生じた場合においても、人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律



特定保守管理医療機器

 クラス分類に関係なく、安全性を維持するためには適正な保守が必要であると考えられる機器が指定されます。

 クラスIIであっても放射線装置は特定保守に該当するものが多くあります。血圧計や脳波計なども特定保守になります。

 クラスIVでもカテーテルや縫合糸など単回使用・短時間使用の物は特定保守には該当しません。長期留置でも脳動脈用のクリップのように保守点検ができない物は非該当となっています。

PMDA一般的名称検索…『特定保守:該当』

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (第二条第八項)
この法律で「特定保守管理医療機器」とは、医療機器のうち、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることからその適正な管理が行われなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律



設置管理医療機器

 放射線装置や透析装置、滅菌器のように比較的大きく、設置して使用される機器が指定されます。

 あまり動かすイメージが無い機器類ですが、手術用顕微鏡などは手術室内では移動させますが『設置管理』です。

 設置管理医療機器は薬機法の中ではなく、施行規則で定められています。

PMDA一般的名称検索…『設置管理:該当』

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 (第百十四条の五十五)
設置に当たつて組立てが必要な特定保守管理医療機器であつて、保健衛生上の危害の発生を防止するために当該組立てに係る管理が必要なものとして厚生労働大臣が指定する医療機器(以下「設置管理医療機器」という。)の製造販売業者は、設置管理医療機器の品目ごとに、組立方法及び設置された設置管理医療機器の品質の確認方法について記載した文書(以下「設置管理基準書」という。)を作成しなければならない。

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則




薬事承認/認証制度

 医療機器に定義される物は、医療機器として承認、または認証を得る必要があります。

届け出なければ法令違反

 医療機器に定義される物でありながら、承認/認証を受けずに販売すると薬機法(旧薬事法)違反として摘発される場合があります。

 薬機法は国民の健康や生命を守る事が大きな目的なので、特に安全性については厳しくチェックされます。
 すべての機器が100%安全という事ではなく、例えば電気メスなどは『臓器を切る』という危険を承知した上で、どのように安全に使うのかという事、もし新たな危険因子が見つかったらユーザーに周知する事が重要であり、そのために国の審査を受け、国の帳簿に登録して販売されます。

 よく『薬事規制』と言われますが、違法薬物のように流通させないための規制とは異なり、流通させるために必要な規制をかけています。

第一条 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

薬事申請

 医療機器として流通させるための薬事申請には大きく2つの種類、承認・認証・届出があります。

 承認とは『大臣承認』のことで、厚生労働省に代わって医薬品医療機器総合機構(PMDA)で審査されます。
 主に高度管理医療機器とクラス分類IIIやIVの機器が承認の対象となります。

 認証とは、厚生労働省やPMDA以外の『第三者認証機関』と呼ばれる機関が審査を担当します。

 クラスI(一般医療機器)の届出はPMDAに対して行います。

 PMDAには承認審査、安全対策、健康被害の救済の大きく3つの業務があり、承認審査は医療機器審査第一部、医療機器審査第二部、医療機器審査第三部が担います。

 医療機器審査第一部はロボットや先進的ICT等の活用、CTやMRIなどの診断機器、多科に関わるセントラルモニタなどの医療機器などが所掌です。
 医療機器審査第二部は脳、呼吸器、精神神経、消化器、泌尿器、産婦人科、歯科などを所掌しています。筆者は臨床工学技士ですが、技士領域では人工呼吸器や人工血管、人工透析などが含まれます。
 医療機器審査第三部は心臓関係の循環器領域、眼科、耳鼻咽喉科などを所掌しています。臨床工学技士さんの領域では人工心肺装置、IABP、ペースメーカーなどが含まれます。


届出者にも免許

 医療機器の審査を受けるために届出するには免許が要ります。医療機器には医療機器製造業、医療機器製造販売業、医療機器販売業などの業許可がありますが、審査の届出は医療機器製造販売業者が行います。

 医療機器製造業者は製造に関する責任は負えますが販売は免許の範囲外ですので責任を負えません。
 医療機器販売業者は販売に関する責任は負えますが製造は免許の範囲外ですので責任を負えません。

 モノづくりの工場を持っていない企業であっても医療機器製造販売業の業許可は取得できます。製造能力があるか否かではなく設計や製造、出荷、販売などに関して管理能力があるか否かが重要になります。


一般的名称の有無

 医療機器には『一般的名称』というものがあります。
 既に一般的名称がある医療機器であれば、届出は該当する一般的名称を用いて届け出ます。

 もし一般的名称がない新規医療機器の場合、新たな一般的名称を作るための手続きが発生しますので少々煩わしくなります。
 ただし、新規医療機器となるケースは珍しく、ほとんどが何らかの一般的名称に該当しています。

申請区分定義
新医療機器既に製造販売の承認を受けている医療機器と構造、使用方法、効能、効果又は性能が明らかに異なる医療機器。
改良医療機器新医療機器等又は後発医療機器のいずれにも該当しない医療機器。すなわち、再審査の指示を受ける対象となるほどの新規性はないが、既存の医療機器と構造、使用方法、効能、効果及び性能が実施的に同等でないもの。
後発医療機器既承認医療機器と構造、使用方法、効能、効果及び性能が同一性を有すると認められる医療機器。すなわち、既承認医療機器と構造、使用方法、効能、効果及び性能が実質的に同等であるもの。

 新医療機器の承認件数は毎年50件に満たない程度です。詳細はPMDAや厚生労働省などの資料をご参照ください。

PMDA: 医療機器の一般的名称等一覧(ダウンロードページ)
PMDA: 医療機器の一般的名称等一覧(PDF)
PMDA: 一般的名称検索


開発するなら最初に相談

 医療機器の開発をする上で、素人考えで『これは治験が要る』『これは新規医療機器だ』と決めつけるのはお勧めできません。

 もし医療機器開発に不慣れな企業や研究者であれば、一般的名称の検索などは薬事コンサルタントに相談すると良いです。
 薬事コンサルにも色々とあります。
 難しい薬事申請もマネジメントできる薬事コンサルは優秀ですが、そもそも薬事規制に係るかどうかという機器の相談には不向きかもしれません。
 開発者が医療機器だと思い込んでいても、実は医療機器ではないかもしれないので、薬事規制対象でないと仕事は発生しないというコンサルに相談するより、どちらに転んでも費用が一定であるコンサルに相談した方が良いかもしれません。

 筆者は事業化コンサルですが、いつも後者の薬事コンサルタントに相談します。
 事業化戦略上、医療機器ではない方が良い場合には、どの機能を削れば良いかなども含めて薬事コンサルに相談します。
 明らかに医療機器に該当する場合などは、どの一般的名称を用いると良いかなどを相談します。

 さらにステージが進んでいく段階ではPMDAに相談します。規制当局側の見解を貰う事でその後の薬事戦略が立てやすく、上市に向けた費用や期間も算段しやすくなります。
 PMDAに相談に行く前に、PMDAの相談員が理解しやすいように具体的な資料を作成します。デバイスは誰がどう扱うのか、臨床で用いられる医学的意義だけでなく医療経済などマクロな視点での資料なども持ち込みます。

 極端に言えば国益に資するデバイスであるか否かも重要になります。基本的にはリスクvsベネフィットです。

 PMDAの相談業務には有料相談と無料相談があります。
 有料相談では治験相談(対面相談)と、その手前の準備相談があります。


医療機器の審査

 医療機器の申請では、以下のような事を申請資料でレビュー(検証)します。

 新医療機器・改良医療機器の場合は、

  1. 基本要件の適合性が確認されている
  2. 意図した使用目的に対する医療上の有用性が科学的データに基づいて説明されている

 後発医療機器の場合は、

  1. 基本要件の適合性が確認されている
  2. 既承認の医療機器と実質的に同等であることが科学的根拠に基づいて示されている

 ここでいう『基本要件』とは、医療機器の安全性及び性能の基本要件(Essential Principles)を指します。
 これは医療機器規制国際整合化会議(GHTF: Global Harmonization Task Force)によって作成され、国際整合化を推奨したものです。
 内容は、医療機器の設計および製造に対する一般的な要求事項で、50項目から成り立っています。

 後発と改良の基本的な考え方は『差分』です。


医療機器認証基準

 例えばクラスIIの医療機器、 COVID-19で出荷量も増えた体温計を見てみると、これには認証基準があります。

[Link] PMDA: 認証基準 電子体温計基準

[Link] PMDA: 認証基準 皮膚赤外線体温計基準

 電子体温計の目的は『測温部を部位に接触させて、腋窩、口腔(舌下)、直腸の体温を測定し、最高温度を保持しデジタル表示すること。』です。
 この目的や効果と同等の物であれば電子体温計の認証基準に照らし合わせて審査されます。

 認証基準がある場合、届出者は認証基準に適合している事を証明する資料を出さなければなりません。
 言い換えると、認証基準通りの資料さえ出せれば認証して貰える事になります。

 認証基準に治験などという文言は出てこないと思いますが、一般的には治験を要求される事はないと思います。
 医療機器だから治験が要ると思い込んでいる方も少なくないのですが、あえて人体や動物を実験に使う事を求めていない、合理的な制度である事を知っていると開発もしやすくなると思います。


承認審査

 製造販売承認申請書に添付された資料(書類)に基づいて行われます。申請書に記載すべき情報は下記のとおりです。

  • 使用目的または効果
  • 形状、構造または原理
  • 原材料または構成品
  • 性能および安全性
  • 操作方法または使用方法
  • 貯蔵方法および有効期間
  • 製造方法

 これらを裏付ける試験成績書などの資料も提出します。


申請のためのデータ

 申請に使えるデータは何でも良い訳ではありません。
 医師が良いと言えば良い訳ではなく、申請に使うためには、適したデータが必要になります。

 これからデータを取得していく場合、そのデータは何のために必要で、その方法で取得する必要があるのか検討する必要があります。

 医療機器は安全性と有効性が重要になります。
 そのために求められるデータは、論文に掲載するためのデータとは異なります。

 ここでは詳細は説明しきれないのですが、データ取得の計画から手順、結果の管理などすべてにマネジメントやバリデーション管理が必要になります。