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地域医療連携推進法人について | NES株式会社

 今日は、私的に地域医療連携推進法人について考えてみることにしました。

 7~8年前だったと思いますが、医療商社に居た頃に一度、真剣に検討したことがありました。

 ここにきて、東広島市などを視察して医療崩壊が近い事を知り、もう一度考える時期に来ていると思いました。

[Link] 厚生労働省: 地域医療連携推進法人制度の概要




内閣総理大臣の発言

 第2次安倍内閣時代のダボス会議で世界経済フォーラム年次会議冒頭演説『新しい日本から、新しいビジョン』で登壇した安倍首相が以下のように述べられました。

 医療を、産業として育てます。
 日本が最先端を行く再生医療では、細胞を、民間の工場で生み出すことが可能になります。
 日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
 40年以上続いてきた、コメの減反を廃止します。民間企業が障壁なく農業に参入し、作りたい作物を、需給の人為的コントロール抜きに作れる時代がやってきます。
 日本では、久しく「不可能だ!」と言われてきたことです。
 これらはみな、昨年の秋、現に、決定したことです。
 加えて、昨日の朝私は、日本にも、Mayo Clinicのような、ホールディング・カンパニー型の大規模医療法人ができてしかるべきだから、制度を改めるようにと、追加の指示をしました。

首相官邸: 世界経済フォーラム年次会議冒頭演説

 医療を産業として育成する件については、前年発表された日本再興戦略の中でも述べられている通りです。

 注目すべきは『日本にも、Mayo Clinicのような、ホールディング・カンパニー型の大規模医療法人ができてしかるべきだから、制度を改めるようにと、追加の指示』という部分です。

 メイヨークリニックといえば大規模民間病院グループですが、それを模した物を日本にも設置しようという意気込みを世界に発信した事になります。

[Link] 首相官邸: 平成26年1月22日 世界経済フォーラム年次会議冒頭演説~新しい日本から、新しいビジョン~, 総理の演説・記者会見など

[Link] 首相官邸: 日本再興戦略 平成25年6月14日




当時の私の講演資料

 だいぶ前になりますが、2014年頃に作成した講演資料です。

 当時は"Integrated Healthcare Network"(IHN)という言葉を使っていました。和訳すると統合型医療ネットワークという感じでしょう。
 同じ頃に"Integrated Resort"(IR)、統合型リゾートの担当もしていました。こちらはカジノを含む国際的リゾート拠点化事業でした。私はヘルスケアを活用した誘客について担当し、関西空港の近くで何度か講演もさせて頂きました。

 いずれの『統合型』も核となる事業があるものの、細かいものも含めて周辺の事業があってこそのシナジーを期待しており、単体事業での損得だけでは考えていないという点で共通します。

 IRではカジノが核となる事業ですが、IHNでは急性期医療機関が核となる事が多いようです。
 医業収入として大きいという特性もありますが、地域性や侵襲性という面も重要視されると考えます。急性期疾患で、わざわざ数百キロ先まで治療を受けに行く人は少ないと思いますので、地域医療連携の中で急性期が核となる事は必然であると考えられます。

 スライドの中で例示したピッツバーグやメイヨークリニックは当時、色々と調査していました。

 大阪大学医学部の教授がピッツバーグ留学経験者であったのでお話を聞きに行った覚えがあります。

 メイヨークリニックは実際に、自分の足で現地を訪れてお話を聞きました。
 下の写真は当時撮影させて頂いたものです。院内にはミュージアムのようなコーナーがあり、メイヨー家の歴史などが紹介されていました。

院内のエレベーターホール
馬車の時代の救急車



多角経営容認時代

 大雑把に言うと、昔の医療は利益を残して資産を増やす事が難しいものでした。

 多角経営にも消極的な制度でした。特に開業医と呼ばれる先生方は、多角化には高いハードルがありました。

 第五次医療法改正で医療法人の会計が見直され、分院を開設したり、介護事業に手を伸ばしたりする先生が増えました。

 もちろん、診療が金銭に引っ張られるような利益相反は排除されているため医薬分業などは続いています。







シームレス化

 医療法人が多角経営することのメリットは、シームレス化という面で現れてきます。

 医薬分業が続くので外来診療と処方薬受取は同じ場所ではできない、カルテが共有できないという残念な面が残りますが、医療と介護のシームレス化などは進んできています。

 例えば医療機関による健康増進施設の運営。
 ケガをして診療を受け、健康保険を使ってリハビリを受けるという所まではよくある事です。
 その先、治療が一段落し社会復帰した後も、ケガをしないための運動の継続が求められますが『運動しましょう』と言われてもどうしたら良いかわからないこともあります。

 医療機関が運営する健康増進施設では、例えば外来診療にも携わる理学療法士がインストラクターを務めていて、患者さんであったときの状態を知った上で、民業としての健康増進のアドバイスをしてくれるといったシームレスが生まれます。

 病院と介護施設を行ったり来たりする患者さんも、同じ医療法人の中で動くと情報連携がスムースであったり、早期退院ができたりするメリットが期待できます。







医療崩壊回避のための連携

 1つの医療法人が多角経営するには資金や人材の面で限界があります。

 特に病院については病床規制があるため、簡単に病床数を増減させる事もできませんし、医師の確保も容易ではありません。

 さらに人口減少時代に突入しており、高齢者が増えているからといって病床規模を拡大することは得策ではない場合が多いです。

 人口減少や高齢化率上昇が著しい地域では、医療機関の廃業が迫っている地域もあります。

 医療はお金で計算すべきでは無いのは承知の上ですが、急性期患者が少なく手術や処置が少なければ、外科医を雇ってもフルタイムで働くほどの仕事が無く、必然的に外科部門は不採算となってしまいます。

 若い医師がや看護師が集まらないという人材問題は、地方へ行けば行くほど深刻です。

 そこで検討されるのが、地域の医療法人同士での連携です。







業務提携とは異なるアライアンス

 企業対企業の業務提携では、配送トラックをシェアしたり、製造を相互に委託し合い集約化するなど、実業面での協力が多く見られます。

 地域医療連携推進法人では、実業面で相互にリソースを出し合ったり、カバーし合ったりすることは少ないです。
 A病院の手術室でB病院の外科チームが手術するといった事はないです。
 C病院の事務員がD病院へ行って医事計算をして帰って来るとか、E病院のコンビニをF病院が経営するという事もないです。

 共同調達のような受入のシェアはあります。

 おそらく、当面の連携の組み方は、地域での棲み分けになるのではないかと思います。







競合しない協業

 これまでは各施設が単体で診療科などを選択してきました。

 これからは、対象となる患者も減るので地域で必要なボリュームを試算した上で、どの医療機関がそれを担うのか検討する時期に入っています。

 例えば、消化器系の患者が1日3千人の外来診療を受けているとします。
 医師1人あたり30人とすると100人の消化器系の医師が必要になります。
 消化器系の患者には、処置が必要になる事があります。それは内視鏡でできるものと、外科的にすべきものがあります。

 大別すると外来診察、内科的処置(手術)、外科的処置(手術)の3つに分かれることになります。

 これらを1つの医療機関に集約する方法もありますが、外来診察は診療所、処置は病院と分けてしまう事も考えれます。医業経営と患者の利便性の両面から、地域で話し合う事になると思います。







不採算医療の継続

 周産期や小児医療を担う医療機関は年々減っています。

 当社が所在するエリアでは、ここ2年程で産婦人科医院が激減し、年間1,000人分の出生の場が消滅しました。

 小児は1人あたりの診療の手間が多い割に、使用する薬剤等は少なく、手間と収入のアンバランスがあります。

 こうした周産期や小児の医療について、地域で維持していくための取組として、アライアンスに参加するどこかの医療機関が代表して担うという取り組みがあります。

 不採算を押し付けるのではなく、行政からの補助金や地域の基金などを使って補填し、診療体制が維持できる仕組みとしていくことも地域医療連携推進法人の役割です。







海外では保健と保険も担う

 アメリカの例を見ると、アライアンスでは予防を含めた保健や公衆衛生の分野も担っています。

 糖尿病の治療に用いられる血糖測定やインスリンについては患者の自己負担割合が日本に比べてはるかに大きいようですが、糖尿病にならないための無償プログラムが多数あります。

 その裏には医療保険があるため、アライアンスは予防にコミットメントしています。

 日本の国民皆保険制度と違い米国では民間保険が大きなシェアを占めます。
 メディケア・メディケイドという公的保険もありますが、受けられる医療サービスが限定的です。

 この民間保険を、地域の医療法人で運営している場合、保険が使われなければ法人の支出は減ります。
 保険が使われれば保険事業から支出があり、医療事業には収入が発生しますが、医療事業には原価がかかりますので利益率の良い事業とは言えません。

 病気になってから治すのでは法人全体の利益が低下するので、病気にさせないための取り組みを医療従事者が率先して実践する仕組みが、必然的に動いているのが米国の事例です。







日本でも地域限定保険?

 日本の社会保障制度は全国版であり、現役世代の多くが加入する協会けんぽや企業立保険は、地域とはかかわりがありません。

 一方で引退後に加入する国民健康保険や後期高齢者医療制度は自治体が保険者となりますので、地域と関わります。

 この仕組みを変えて、生まれてから死ぬまで、地域の保険に加入する事になれば、地域が一丸となって予防に取組むことができると考えられます。

 現状では医療・保健・福祉は別法人、別人格です。







仮想:人口千人の島で患者ゼロになれば

 もし、人口が1,000人程の離島で、開業医が1人だけ居て、その先生が予防に熱心で島民も相応の努力をするとどうなるでしょう。

 島からは病人が居なくなります(少し極端ですが)。

 外来に来る人は居なくなり、降圧剤や湿布薬も処方されなくなります。

 重い病気の人については、島では診療できないので本土へ行ってしまいます。

 開業医の収入源は外来診療、しかし患者が来なければ収入はゼロになります。

 収入が無ければ、収入のある所へ行くしかないので島を離れることになります。
 唯一の診療所が無くなれば無医地区となってしまいます。

 無医地区というだけでも不安が広がりますが、主導する医師が居なくなれば予防への取り組みも薄らぎ、病人が発生してしまうでしょう。

 いまの社会保障制度で考えると、多くの医療従事者が予防の重要性を理解していても、予防を啓発するための原動力を持っていない事になります。







保険事業とのアライアンス

 30年後の地域の様子を想像すると、団塊ジュニア世代が75歳を迎え、団塊世代は100歳を超えています。

 そして65歳未満の人口比は劇的に低くなります。

 病気になった人を診るにも医療従事者は足りず、あまり医療従事者を増やしても給与を払えなくなるので、おそらく資格取得の人数制限もかかると思います。

 ちょっとした病気では、外来の順番待ちは3日、救急車に乗って行けばすぐに診てもらえるが特別加算が10万円という事にも驚かない2050年だと思います。

 保険に加入していても保険を使う機会が少なくなってしまうのであれば、保険加入者の不満は大きくなります。
 保険を使わなくて済むようにすれば、保険への不満は軽減されます。

 そこで、地域医療連携推進法人とのアライアンスが生まれるのではないかと考えます。

 例えば、アライアンスに参加する医療機関に支払われる保険金が年100億円だったとします。
 保険者は毎年100億円をアライアンスに支払う契約をします。
 医療費がどれだけかかっても100億円、患者が少なくても100億円であれば、アライアンスとしては予防にコミットメントする原動力が生まれます。

 地域住民にとっても、受診機会を得るためのハードルが高いのであれば、そもそも受診機会が発生しない方が良いですし、健康で居られる事は悪い事ではないと思います。







具体的な方策

 保険制度を変えることは容易ではありませんが、地域で新たな健康保険組合を作ることはできると思います。

 仮称『阪神地域健康保険組合』をつくり、地域の企業には協会けんぽから組合に鞍替えしてもらいます。この活動は大変だと思います。

 組合には自治体も参加し、自治体が運営する国民健康保険事業も組合に委託します。
 乳児医療費の補助制度やインフルエンザワクチン接種助成制度などすべての事業管理を組合に委託します。

 地域で最強のワンストップ窓口をつくります。

 組合は、医療アライアンス(地域医療連携推進法人)にも参加します。
 アライアンス先であれば、健康診査は無料、予防のためのプログラムも無料で受けられるサービスを提供します。

 中学校3年間のうち1回は健診を受けるような社会になれば、生活習慣病の予防にも役立つデータが集まると思います。

 アライアンスに参加する医療機関が増えれば、地域の企業等はこの健康保険組合に加入しない理由が少なくなると思います。

 いくつかの規制緩和や法改正が必要ですが、今ある保険制度を崩すのではなく、現行制度で認められている企業立保険のような健康保険組合を地域で興し、サービスを充実させて加入者を募るので、大きな問題はないと思います。







広域診療網と病床確保

 小児や周産期に限らず、重度の熱傷や放射線被ばくなど頻繁には患者は発生しないが、ひとたび発生すれば高度な専門医療を必要とする疾患は多種多様です。

 これまでは概ね半径20km以内で確保されていた医療も、人口減少の深刻化で倍々と広がっていく事が予想されます。

 既に岩手県の沿岸部や石川県の輪島などでは類似の事象が発生しており、県の医学部附属病院まで救急車であっても2~3時間は走らせないと診療が受けられない疾患があります。

 まったくの私案ではありますが、遠く離れた診療機能を通年で買い取るような地域アライアンスも必要であると考えます。

 例えば熱傷治療チームの維持費が年3千万円だとします。
 50km先にあるエリアがこのチームを500万円でシェアに参加すれば、維持費は500万円軽減しますし、患者が来る可能性が僅かでも上昇するため稼働率向上も期待できます。
 50km先にあるエリアでは、重度の熱傷が発生した場合には受入可否の交渉をすることなく、搬送の一報を入れてすぐに救急車を走らせることでデッドタイムを最短化する事ができます。

 実際、医療過疎地では搬送時間中に治療のゴールデンタイムを逸してしまう事があるため、コンタクトに掛ける時間は最短化が望まれています。







大規模センター化

 患者数が多い心臓血管系の手術も集約化が想定されます。

 これまで500床規模の病院の100床を使って行っていた心臓血管系の手術が、1,000床規模の病院の全病床を使って行うような集約化が進むと考えられます。

 心臓血管系は急性心筋梗塞のように時間との闘いになる事が少なく無く、CT→血管造影→手術と進むにしても医療機関は重厚長大な設備を保有している必要があり、救急が重なれば順番待ちが生じてしまい診療が遅れる事も懸念されます。

 その解決策の1つとして集約化があります。
 10軒を1軒にまとめる事で、CTやアンギオの順番待ちの可能性は減らせられますし、これら放射線機器を心臓血管系に特化した装置で揃える事ができます。

 スタッフも専門性を持った人材を集めることができ、診療レベルの向上が期待できます。

 COVID-19の教訓で、院内感染で診療機能が完全ダウンという事を想定し1軒に全部を集約することはないと思いますが、考え方としては集約化に進むと思われます。







アライアンス間のシェアリング

 航空会社のアライアンスでは『コードシェア』という方法で、持っていない路線を確保したり、不採算な時間帯でも旅客機を飛ばしたりしています。

 あくまでコードシェアとすることで、その路線に係る資産は持たない、連携先と競合しないという事を明確にします。
 アメリカの航空会社が羽田⇔伊丹間に路線を持ってしまうと、伊丹空港にもスタッフを置く必要がありますし、JALやANAと競合していかなければなりません。

 同様に、医療の地域アライアンス間でもコードシェアのような事が起こり得ると思います。
 特殊な装置を用いる検査や治療は、例えば人口100万人に1台あれば足りるとすれば、複数のアライアンスの対象人口の総計に匹敵してしまうので、それぞれが資産を持つよりも、お隣の設備を借りる方が合理的です。

 医療の特性に『地域性』というものがあり、大病院でもおおよそ7割は半径20km程度の地元から来ている患者です。
 特殊な診療のために他地域へ患者を出したとしても、その他の大多数は地元の医療機関を受診しますので、経営上の脅威というよりは、経営の合理化の方が大きいと考えられます。







療養住環境

 医療提供体制が個別のものから地域全体のものに変わると、地域住民の生活にも変化が生まれると思います。

 それまで入院による療養が当然だと思ってきたことが、外来診療や訪問診療、遠隔診療などが充実することで自宅で過ごす人も増えると思います。

 医療が予防にコミットメントしづらかった事と同様に、病院での治療を終えた後の自宅等での療養について、住環境まで踏み込んでケアする仕組みはありません。

 しかし、地域における医療・保健・福祉のシームレス化が進めば療養住環境にも医療・医学の知見が入る事になります。

 地元のリフォーム業者等に対しアライアンスが研修を行ったり、何らかの認証制度を設けたりすることが考えられます。

 賃貸住宅等でも医療アライアンスとの結びつきが強まり、リハビリ中の人でも暮らしやすい賃貸住宅のあっせんなどにより、人口減少・高齢化の中でも不動産経営が継続できるようになるかもしれません。







地域の7割は医療アライアンスに関係

 療養住環境だけでなく、あらゆる事業で地域医療アライアンスとのかかわりが生まれると考えます。

 宅配事業者などでは宅配便だけでなく食事や薬の配送、ときには患者自身を運ぶかもしれません。

 自転車屋さんが車椅子の修理に出張し、家電屋さんが医療機器のレンタルをするかもしれません。

 超高齢社会を考えた時、あらゆる産業に比して医療が占める割合が大きくなることから、医療産業に関わらずに事業を営む業種は少なくなると思います。

 地域医療アライアンスが定着すれば、そこから発生する仕事に携わる人が地域の生産年齢人口の7割を超えることもあり得るのではないかと思います。







しぼむ総事業費

 高齢者が増えることでヘルスケア関連の市場規模は増大化しますが、いつかは負担しきれなくなり破綻します。

 破綻させないためにサービスが削られ、単価は下がっていくことが予想されます。

 医療の場合、あまり単価を下げると質が悪くなり健康被害も懸念されますので、おそらくサービス利用の機会が限定されると思います。

 単価は維持されても利用機会が減れば、トータルでの費用は減る事が予想されます。

 まずは生産年齢人口の相対比・絶対数ともに減るため拠出する側がスタックします。

 加えて、高齢者人口が減少に傾く事で、総事業費はみるみる減っていくと考えられます。

 その中でもビジネスが継続できるようにするためには、総事業費の減少に耐えうるビジネスモデルが必要になります。

 コンビニでは無人店舗が増加します。開店準備のための人材育成は不要となり、撤退するときも人員整理は不要になります。
 撤退リスクが減るので、出店のチャレンジがしやすくなり、コンビニは適材適所に存在し、適さない場所には残らないでしょう。

 ヘルスケア周辺ビジネスも、こうした柔軟性あるビジネスモデルを描くようになると思います。







医療サービスで移住

 社会人生活が40年、引退後は20年くらいで人生を終えるという20世紀の形は変わりつつあります。

 仕事を辞めるのが70歳となれば、高卒なら50年以上も働くことになります。
 そこから100歳まで生きられるようになれば引退後30年、その頃にはわが子が70歳以上になっています。

 健康で長生きができる社会になると、高齢者になってからの生活に軸を置いた『住みやすさ』が評価されるようになります。

 予防が充実していて病気にならずに老衰で亡くなる方が多いというのが、地域のPRになるかもしれません。

 受診のために出かける必要がないという事が、移住の決め手になるかもしれません。

 インターネットや物流網が発達し、都会でなくても色々な物が手に入る様になった現在、『どこに住むか』よりも『どんな場所に住むか』という面にこだわる人が増える可能性があります。







私見ばかり

 今回の記事に客観的な情報はほとんどありません。

 基本的に私見です。

 こんなことになるのではという考えを羅列しました。

 自身でも、数年後に読み返してどう思うのかわかりませんが、年をとっても生活に困らない社会があって欲しいと思っています。







参考リンク

厚生労働省: 地域医療連携推進法人制度について, 医療法人・医業経営のホームページ

兵庫県: 地域医療連携推進法人とは

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3日連続3回登壇・第50回日本医療福祉設備学会 | NES株式会社


Press release

第50回日本医療福祉設備学会で3日連続・3回登壇します。

 50回目の開催となる日本医療福祉設備学会にて、弊社代表が3日連続で登壇します。

 初日(11月24日)はサテライトセッションとしてHOSPEX Japan 2021の会場にて『物資枯渇改善に貢献するホスピタルエンジニア(CHE)の目標志向活動(GOA)』と題した講演を予定しております。CHEとは、一般社団法人日本医療福祉設備協会が主宰する検定試験であり、演者である西謙一は第1回試験で取得しております。

 2日目は学会の本会場にて一般演題『停電対応の分散化による医療BCP実行性向上』を発表します。重厚長大な発電設備に依存せず、小出力発電設備を分散的に院内配備する事による停電対応について論じます。

 3日目は一般演題『後発機器の緊急的供給を目指した医工連携による感染制御機器開発』を発表します。昨年春から取り組んで参りました簡易陰圧システムの開発ストーリーに沿って行動や判断の良し悪しを聴衆の皆様と共に判断し、今後の参考にして行きたいと考えております。

 いずれの話題も根底にはBCPがあり、非常時であっても混乱を最小化して業務を続ける事を目指しています。弊社では目標志向の活動を推進する『GOA』(Goal-oriented action)をBCPに取り入れ、特に医療では平時に行っていた診療を止める訳にはいかないため、その継続のために選び得る手段を豊富にするためのトレーニング等をサービスとして提供しています。


プレスリリース: 3日連続3回登壇・第50回日本医療福祉設備学会(NES株式会社)


2021年9月24日
NES株式会社


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  本件に関するお問い合わせはこちらからお願い致します。




外部リンク

第50回日本医療福祉設備学会 (HEAJ-50)

HOSPEX Japan 2021 (ホスペックス・ジャパン2021)

株式会社シズン(SISM)

株式会社昭栄 (ガス電くん)




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義務教育医療とセルフメディケーションによる医療崩壊回避 | NES株式会社

 ディズニーランドやUSJの入場料は年々上昇していますが、エリア拡大もしながら入場者数は増加しています。
 施設全体の入場料総額が増えても、それを負担する人が居るので破綻しません。

 高齢者人口の増加や高度な医療の普及などの要因から、医療費総額は増加しています。
 総額が増加しても、それを負担できる人が居れば問題ないのですが、社会保険システムの原資である保険料負担をする総人口は減少傾向、負担額が大きい現役世代である生産年齢人口の高齢者との比率は低下が進み、単価を引き上げる方法で何とかしのいでいるという状況だと思います。

 このままでは、社会保険システムは破綻する可能性があります。その回避策の1つに医療給付費の減少、すなわち保険で医療を受ける額を減らす方法があります。

 その方法として『義務教育医療』と『セルフメディケーション』について、検討すべきかと思います。

 今日は、そのあたりを深く掘り下げてみたいと思います。




給与の何割まで払えるか?

 サラリーマンだと『給料天引き』として健康保険料、厚生年金保険料、源泉所得税などが引かれていると思います。

 当社の所在地である兵庫県の令和3年の健康保険料を見ると、標準月額20万円の人は、介護保険第2号被保険者で24,080円、非該当で20,480円です。これに厚生年金36,600円を加えて額が社会保険料として納められます。

 この額の内、半分が被保険者(社員個人)の負担、もう半分が会社負担です。
 会社負担だから自分のお財布にダメージが無さそうですが、会社の利益が減る訳ですから、社員が押しなべて全体の負担を強いられていることになります。

(クリックで大きな画像)

 月給20万円の30歳の人は健康保険と厚生年金で28,540円天引きされていますので残りは171,460円です。ここから源泉所得税などが引かれるので手取りは15万円くらいです。

 家賃や光熱費で8万円、子供のオムツなど養育費が2万円、食費が3万円、貯金が2万円、娯楽費はゼロという家庭もあるでしょう。

 もし、健康保険料が5%増えると月額1万円、折半で5千円の負担増です。貯金を減らして子供の教育レベルを下げるか、食事を質素にするか、厳しい選択が迫られます。

 健康保険料が10%増えると、もはや子供を持つ事は絶望的になりそうです。

 もし独身であれば、家賃や光熱費で6万円、食費等を1万円、娯楽2万円、貯金3万円として月12万円で生活できるとすれば、社会保険料としてあと3万円増やせます。
 ただし、将来に希望を抱く若者は減るでしょう。結婚資金は貯まらないですし、結婚しても子育てより共働き、高齢者のために働き続ける世の中になってしまいます。
 会社の負担も厳しいです。月給20万円の人で3万円増えるという事は総額で6万円増、すなわち保険料が今の10%から40%に増えることになります。社員全体では相当な金額になります。

[Link] 協会けんぽ: 都道府県毎の保険料額表

[Link] 国税庁: 民間給与実態統計調査

[Link] Yahoo!!: 知っていますか?「年収300万円」を超える人・超えない人の差

[Link] NIKKEI Woman Smart: 年収300万円はリッチ 世界から考える日本の幸福度




現実として負担は増えるのか?

 令和3年度、介護保険の負担が始まる前の40歳未満の健康保険料は10.24%、40歳以上の介護保険負担者は12.04%です。

 この負担率は年々増加しており、2011年は9.52%と11.03%でしたので7.5%も上昇しています。

 今後も増える事は容易に想像できます。
 団塊世代が全員75歳以上になるのは目前、団塊ジュニア世代もやがては高齢者になります。団塊ジュニアの時代でも年200万人超の出生がありました。令和の時代、80万人台と3分の1程度まで落ち込んでいます。

 団塊ジュニアが全員65歳以上になるのが2040年、令和生まれが20歳になり社会に出る頃、in/outの比が3倍近くになります。

和暦西暦40歳未満
健康保険料
40~64歳
健康保険料
厚生年金保険
平成21年度20098.20%9.39%15.704%
平成22年度20109.36%10.86%16.058%
平成23年度 20119.52%11.03%16.412%
平成24年度 201210.00%11.55%16.766%
平成25年度 201310.00%11.55%17.120%
平成26年度 201410.00%11.72%17.474%
平成27年度 201510.04%11.62%17.828%
平成28年度 201610.07%11.65%18.182%
平成29年度 201710.06%11.71%18.300%
平成30年度 201810.00%11.57%18.300%
平成31年度 201910.14%11.87%18.300%
令和2年度 202010.14%11.93%18.300%
令和3年度 202110.24%12.04%18.300%

 では、65歳以上に負担してもらいましょうという事になりますが、現在45歳を過ぎてそれなりに給料を貰っている団塊ジュニア世代であっても、厚生年金18.3%に見合った年金を貰えるかわかりません。少なくとも70歳までは満足な額を貰えないと考えれば、安易に65歳以上の負担を増やそうとしても、支払えない人が続出する可能性があります。

 65歳以上から取れない分は、現役世代から取られてしまう可能性は否定できません。

[Link] 協会けんぽ: 都道府県毎の保険料額表




医療は何割の自己負担が限界?

 ひと昔前の保険医療といえば、被保険者本人の窓口負担は1割でした。
 筆者は土建組合という滅多に病院に行かない人の集団に居たので、本人負担はゼロでした。レントゲンも薬も手術もタダでしたが、休んでいる暇のない職人さん達なので、周囲で保険を使うとすれば花粉症の薬を処方してもらう時くらいでした。

 いま、3割負担だとしても高額療養費制度があるので手術をした月は8万円程が自己負担の上限になっています。

 しかし、このまま保険財政がひっ迫すれば5割負担や8割負担もあり得ると思いますし、高額療養費制度の自己負担上限も大幅に引き上げられる可能性があります。

 外来受診では、仮に5割負担になったとしても払えない額では無いと思います。
 画像検査などがあったとしても1回の診療で保険算定は3万円程度、5割負担で1万5千円程度です。

 手術などの処置が入ると一気に数十万円まで跳ね上がります。例えば『もうちょう』と呼ばれる虫垂炎の手術をした場合、ざっと30万円程になります。3割負担なら9万円なので高額療養費で少し戻って来るかどうかというところです。

 自己負担割合は5割まで引き上げても何とか払えそうですが、高額療養費制度との兼ね合いが重要になりそうです。




融資制度が先行?

 国の財政が厳しい中での医療保険の窓口負担増が実施される場合、不足を補う補助(助成)制度がつくられるには時間がかかると思われます。

 おそらく、融資制度が先行するのではないかと考えます。

 健康保険証はマイナンバーと連係されます。金融機関などの情報も連係されます。厚生年金や納税情報も連係されます。
 医療機関の窓口での支払いはキャッシュレス化され、そもそも『お金を支払う』という行為自体が窓口では行われず、診療を終えたら診察室からそのまま直帰する事になると考えます。

 処方箋は予め選択したバーチャル薬局にデータが飛ばされ、帰宅するとドローンで配達され、薬剤料なども自動支払いされと思います。

 もし、残高不足で支払いができない場合、それを理由に受診控えが起こらないように、国が無利子や低利子で融資する制度ができるのではないかと考えます。
 医療機関にとっては、回収困難な貸倒金のようなものが減り、国としては保険制度維持ができ、『健康で文化的な最低限度の生活』は担保できるようになると考えます。

 ただし、借りた金は返さねばなりません。




セルフメディケーションが普及する

 『リンデロン』(軟膏)や『ロキソニン』(錠剤)がドラッグストアで処方箋なしで買えるようになり、外来受診をする暇が無いという現役世代が便利に利用しています。

 もし、保険医療の自己負担割合が増えれば頭痛や胃痛などで外来受診する人は減り、自己判断で治療を試みる人は増えるでしょう。

 AIの普及もあり、虫刺されなど原因がある程度わかっている炎症なども、自己判断で治療されるようになると思います。

 20年前であればカゼ薬、目薬、湿布薬くらいが家の救急箱に入っていたのが、消炎鎮痛剤やステロイド外用薬はもはや普遍化しました。

 現在の診療報酬制度では、調剤薬局でお薬を受け取ると薬剤技術料などの手間賃のような物がかかり、医薬品によっては薬剤料より高いという事がざらにあります。
 前述の『リンデロン』は、薬価表で見ると『リンデロンVG軟膏』が1g27.70円となっています。手元にあるチューブは5g入りなので138.5円です。この処方箋を持って調剤薬局へ行くと薬剤技術料として調剤基本料が200~400円程、調剤料が100円かかりますので、薬剤本体より周辺費用の方が高くなっています。
 医師から発行された処方箋に『リンデロン』と書いてあった場合、患者は保険適用のある調剤薬局へ行くか、全額自費のドラッグストアへ行くか選ぶ事になります。もし、保険を使って5割負担で300円のお薬が、ドラッグストアで250円で売っていたら、ドラッグストアの方が自己負担が少なくて済みます。
 更に言うと、5割負担で300円という事は保険者も300円負担する事になりますが、患者がドラッグストアに行ってくれれば保険者の負担はゼロで済みます。この不公平感を和らげるため、リンデロンをドラッグストアで買うと100円のクーポンを保険者が発行してくれるとなれば、ドラッグストアで買うリンデロンは150円になります。

 色々な面から、セルフメディケーションは進行していく可能性があると考えます。

 高血圧薬(降圧剤)や抗菌薬など用法や用量を誤ると危険なお薬は今後も処方を必要とすると思われますが、痛みを和らげたり炎症を抑えたりする治療法は、セルフメディケーションが進むと考えられます。

[Link] 田辺三菱製薬: 薬剤技術料







処方箋と自己診断の境界領域にニーズ

 外来受診して医師の診断を受ければ、正しいお薬が処方され、中には医師の処方箋が無ければ手に入らないお薬も服用できるかもしれません。

 医師の存在は必要不可欠ですが、保険医療の自己負担増により自己判断によるセルフメディケーションも増えると考えられます。

 ただし、患者自身に自己判断能力があれば良いのですが、ネットで見て薄い知識の中で誤った薬を服用する危険もあります。
 『これだけはダメ』というお薬を指導してあげられるようなサービスには、一定の価値があると思われます。

 例えば、胸が痛いという事で痛み止めを飲もうとしている人が居た時、その痛み方が心臓疾患のサインを疑うべきであったとき、痛みを軽減してしまうと発見が遅れてしまい致死的な状況に陥るかもしれません。
 誰かが気づいて止めてあげれば良いのですが、痛みから逃れたいという事と、無駄にお金を払いたくないという心理から、自己判断してしまう可能性はあります。

 ブレーキ役だけでなく、アクセル役も求められます。
 『毛虫に刺されて腫れた』『賞味期限切れの牛乳を飲んで気持ち悪い』という相談を受けて、候補となるお薬を紹介する役割も必要だと思われます。
 制度はどうなるかわかりませんが、自由診療の範疇で医師が1回千円で電話相談を受けても良いのではないかと思います。お薬代と合わせて2千円だとしても、外来で順番待ちして5割負担とあまり変わらない額だと思います。




リテラシーを高める義務教育

 いまの義務教育の中に、医療に関する教育はほとんど入っていません。

 応急処置を習う事はありますが『習った』という既成事実はあっても、習得していつでも応用できるというレベルではないと思います。
 AEDや心肺蘇生が典型例だと思います。講習は受けたが、できるとは思えないという人が多く居ます。

 そもそも、胸を押さえながら倒れる人は心筋梗塞以外にどのような場合があるのか、そこから指導しているケースは少なく、AEDや胸骨圧迫のテクニックだけ教えている事が多いです。

 痛みの伝え方も教わる事はないです。
 シクシク、ズキズキ、ジンジン、ガンガン、ジワリとなど、表現方法が色々あり、その伝え方によって疑う病気が変わることもあります。

 頭痛についても、痛み方には色々とあります。
 『金属バットで頭を殴られるような痛み』とは、脳卒中のときに使われる事がある表現ですが、そもそもバットで殴られた経験がある人は少ないですし、近年は体罰を避けるようになったので拳で殴られた事もない子供は少なくありません。

https://youtu.be/c_ATfUKNaAs
https://youtu.be/Jed-hO-fkBE

 小中学校で可能な限り、病気について教えていく事で、自分の身体への診断能力を養う事ができると考えます。

 日焼けして皮がめくれるのは普通だが、水ぶくれができていればケアが必要である。
 鼻水が出るのはよくある事だが、妙なニオイがするときは蓄膿症を疑うべきかもしれない。
 お酒を飲むと呂律が回らなくなるが、そうでないときに呂律が回らないのは脳卒中を疑うべきかもしれない。

 小学校4年生から中学校3年生までの6年間、月2時間ずつでも100時間分くらいは教えられると思います。

 今の子供たち、その親たちはよっぽどでない限りは受診できないような社会になっているとすれば、今からセルフメディケーションの質向上に向けた教育が必要だと考えます。

https://youtu.be/0uVz4GQZHWQ






早期発見、早期治療も教育から

 がんをはじめ、多くの病気が早期発見による早期治療により、良い結果が得られる事があります。

 本当に早期発見が良いのか、時間を割いて苦しい思いまでして胃カメラを飲む必要があるのか、という話をよく耳にします。

 小中学校の間に早期発見・早期治療の利点を知り、同級生の家族がそれで助かったというエピソードまで添えられたら、一生忘れないと思います。
 中学生になったら糖尿病の健診を受け、社会人1年生になったら一度は胃カメラを飲み、その後は定期的に健診を受けて病気を見つけ出す、それが当たり前の社会になると健診の受診率も自然と高まると考えられます。

 健診受診率が高まれば当然ながら早期発見ができ、治療にかかる費用も低減できる可能性があります。

 医療費が逼迫する中で、例えば高血圧の人を増やさないための取組みは、義務教育から始まるかもしれません。




看護師配置

 義務教育に『家庭の医学』のようなものを導入するにあたり、現任の教員を再教育する必要はないと思います。

 いま、徐々にですが学校に看護師を配置する動きが出てきています。

 看護師には『潜在看護師』と呼ばれる、免許は持っているが看護師として働いていない現役世代の看護師が70万人以上居るとされています。
 その数パーセントが小中学校での教育に携わるだけで、全校への配置が可能になります。

 看護師をはじめ医療有資格者は必ず養成課程を経て、臨床実習も経て、国家試験に合格し、免状交付を受けていますので、誰もが一定水準以上の医学・医療の知識を持っています。

 ときには医師に講師を務めてもらう事も有意義ですが、日常的な教育として定着させるためには看護師の配置が期待されます。

 学校への看護師配置は『医療的ケア児』の普通校への通学とも密接に関わります。
 医療的ケア児が通学を希望したから看護師を配置するのではなく、いずれはどこでも看護師が配置されているので、学校で一定のケアが受けられるのが普遍化するのではないかと考えます。




1クラス3~4人、医療従事者

 医師や看護師ら医療従事者(有資格者)は200万人以上居るとされています。

 今後、看護師300万人時代到来などとも言われていますが、医療従事者が増える事は間違いなさそうです。

 看護師の新卒が8万人で40年代分が集まると320万人です。現実は潜在ナースになってしまう人も居るので、日本人だけでこの数になるのは難しいかもしれません。

 令和2年の出生数は84万832人でしたので、もし看護師の新卒が8万人という時代になれば1割が看護師という事です。現状の5万人余りの数字でも同級生の6~7%が看護師です。

 1クラス35人ならば、その内の3~4人は看護師になり、あと1~2人は医師や技師など他の医療従事者になる計算です。




医療従事者は高所得者ではない

 医療従事者は高給取りだという『イメージ』が先行している感がありますが、高所得とは言い難いです。

 年収1千万円を超える医師が居るのは確かですが、週6日以上出勤し、始業時の医局カンファレンス前に病棟をラウンドしたり申し送りを聞き、終業後に1日分のカルテ(診療録)を仕上げたりと週40時間労働を超えているので、時間単価は意外に低いのが日本の医療です。

 下のグラフは業種別の平均給与です。
 医療が401万円、エネルギー系は倍以上の824万円が『平均』です。金融やITも高いです。
 医療は平均給与から見るとサービス業と同等です。提供している内容もサービス業に近いですが、様々な法律の下、原則的に全員が国家資格を持って仕事をしているサービス業は他にありません。

 同級生の1割以上が平均給与が『並』の職業へ就くことになります。

業種別の平均給与

[Link] 国税庁: 民間給与実態統計調査




医療は巨大産業

 全世代を通じて、所得の1割程度が健康保険料として徴収され、更に自己負担する診療費として年数万円~数十万円の出費となると、個人消費に占める医療費の割合は衣食住に匹敵するか、それ以上の割合になる可能性があります。

 人口減少時代ですので建物需要は昭和や平成ほどの伸びは期待できません。
 交通インフラなども老朽化のリニューアルがあっても新規路線は期待できません。

 飲食や観光への考え方は、COVID-19で大きく変わりましたが次世代ではもっと新しい考え方が出てくると思います。

 その時代において、子供たちが選ぶ進路における『医療』というものの位置づけはどうなるでしょうか。

 『人の役に立ちたい』『多くの命を救いたい』という心から生まれる医療への進路だけでなく、合理性や経済性を追求したい、真正面から『稼ぎたい』と医療分野に入る人が増える可能性があります。

 医療に対するリテラシーを高めることで、医療という産業に対するイメージも変わり、上手く経済が回れば高齢者医療費の負担の在り方も変わるのではないかと考えます。







在宅医療にも貢献

 いま現在、多くの家庭で医療も介護も未経験という事で、患者や高齢者を病院や施設へ預ける以外の選択肢を持たないというケースが多いと思います。

 家で痰を吸引するのは難しい、点滴はできないと最初から諦めているケースも多くあります。

 しかしながら、医療に対するリテラシーが高まり、また身近に医療従事者が増えればこの考え方も変わって来ると思います。

 家族の協力を得ながら在宅で人工透析を毎日施行する事も難しくありません。
 テレワークが定着した2020年以降、働き方もフレキシブルになり、在宅で治療を受けながら仕事や学校も並行させる事ができるようになってきました。

 義務教育で医療を学んだ子供たちが、特定の病気に詳しくなくても、知りたいと思ったときに調べ方を知っていれば状況は今と大きく変わります。
 兄弟や友人が大病を患ったとき、それを治すのは病院であったとしても、治療後のリハビリは在宅でもできるかもしれません。その在宅医療に並走できるリテラシーを持つ人が増えれば、患者も積極的に在宅医療を選ぶかもしれません。




感染症対策にも期待

 COVID-19の流行拡大により、社会でも感染対策が広がりましたが、その対応力は千差万別でした。

 食レポなどで『消毒したからキレイ』『マスクをして安全です』というナレーションが入ったりしていましたが、医療従事者からは疑問の声が聞かれます。

 例えば消毒は、菌やウイルスを激減させる効果があったとしても、ゼロになる保証はない手段です。
 大腸菌で言えば15分に1回の細胞分裂、すなわち1個あれば15分後には2個、更に15分後には4個と増えていきます。
 消毒しても、感染しない訳ではありません。

 消毒の方法にも注意が必要でした。
 消毒液を浸した布でテーブルを拭いても、途中からは菌やウイルスを薄く伸ばしており、逆効果も懸念されます。

 どのような状況では感染が起こるのか、正しく教育し、高い水準で議論できる社会になれば、感染制御力も高まると思います。
 COVID-19に集中すれば消毒剤は限定的ですが、菌やウイルス毎に特効薬や無効薬があるので『アルコール消毒したから大丈夫』と過信すると、アルコールが効かないものによる感染症を発症する恐れがあります。

 1つ1つを覚えておく必要はありません。
 菌やウイルスによって消毒剤が異なることだけ知っていて、あとは流行に合わせてネット検索して消毒方法を知るだけで良いのです。この1歩、非常に重要です。

 『正しく恐れる』という言葉がよく聞かれた1年ですが、リテラシーが高まれば、正しく恐れる事もできるようになります。







医療崩壊させたくない

 今回の記事は私見で述べさせていただきましたが、筆者の考えているところは、医療崩壊させたくないという事です。

 保険制度が崩れれば保険医療が混乱し、それに伴って医療自体がおかしくなる可能性があります。

 従来であれば助かった病気が、何らかの混乱により助からなくなってしまう事は避けたいと思います。

 1億円の診療を受けられるようにするかどうかという議論も必要ですが、1千円のお薬をどのようにして手に入れて、どのように使うかについて、まずは考えてはどうかと思っています。

 私のデスクにはリンデロンの大衆薬と、ロキソニンの大衆薬があります。何度か外来受診した後、この薬で症状が改善されるというケースを自己判断して使っています。
 医師の皆さんに対し、私の受診料が蒸発してしまって申し訳ないと思う一方で、保険を使わず自己負担で治療ができているので小さな社会活動かなとも思っています。

 まずは保険を破綻させない、そして医療を崩壊させない、その思いで記事を書きました。

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プログラム医療機器 | NES株式会社

 従来、ソフトウェア単体で医療機器として認められることは無く、パソコンなどのハードウェアと一体となって承認/認証を受けていました。

 2014年に施行された薬機法では、ソフトウェアを単体で流通する事を可能としました。
 すなわち、ソフトウェアも規制の対象になりました。




プログラムの医療機器への該当性に関するガイドライン

 2021年3月31日に『プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン』が厚生労働省(医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課/医療機器審査管理課)から発行されました。

 並行して、該当/非該当の事例の紹介も行われています。

 該当/非該当については厚生労働省にメールで問い合わせることができます。
 PMDAにも相談窓口がありますので、これから申請しようとする方々や、非該当品として広告を打ちたい方など、確認にご利用頂ければと思います。


 確認もせずに思い込みで開発をしてしまうと、あとで残念な結果が待っている事もあります。

 1つ明らかな事として、病院で使うから医療機器だという事はありません。

 例えば順番待ちの番号札を電子化したシステムは、ペーパーレスでウェブ上で動作するアプリも増えていますが、これは医療機器ではありません。

 処方されたお薬の情報を記録するシステムも、単に記録を保存し参照するだけなので医療機器ではありません。

受付呼出番号システム
おくすり手帳

[Link] 厚生労働省: プログラムの医療機器該当性に関するガイドラインについて, 薬生機審発0331第1号, 薬生監麻発0331第15号, 令和3年3月31日

[Link] 厚生労働省: 医療機器プログラム事例データベース (Excelファイル)

[Link] 厚生労働省: プログラムの医療機器該当性の相談について, 事務連絡, 令和3年3月31日

[Link] PMDA: SaMD一元的相談窓口(医療機器プログラム総合相談)




攻めれば医療機器

 おくすり手帳は医療機器ではありませんが、そこに効果効能を謳えば規制対象となります。

 『禁煙アプリ』は日々の経過を記録するものですが、そこに助言を加えて行動変容を促すことで禁煙効果を高めるものであり、治験を実施して有効性が認められました。

 2020年に日本で初めての治療アプリとして薬事承認(製造販売承認)を受けました。

 その後の中医協(中央社会保険医療協議会)での審議を経て、保険収載されました。
 一般的に言えば患者の自己負担は3割、残る7割は保険でカバーされる事になりました。

 社会保険の仕組みを使うか否かは企業の戦略に依るので、今後は保険を使わない自由診療専用の治療アプリも出現するかもしれません。




該当性の基本的な考え方

1.医療機器で得られたデータ(画像を含む)を加工・処理し、診断又は治療に用いるための指標、画像、グラフ等を作成するプログラム

  1. 診断に用いるため、画像診断機器で撮影した画像を汎用コンピュータ等に表示するプログラム(診療記録としての保管・表示用を除く)
  2. 画像診断機器で撮影した画像や検査機器で得られた検査データを加工・処理し、病巣の存在する候補位置の表示や、病変又は異常値の検出の支援を行うプログラム(CADe: Computer-Aided Detection)
  3. CADe 機能に加え、病変の良悪性鑑別や疾病の進行度等の定量的なデータ、診断結果の候補やリスク評価に関する情報等を提供して診断支援を行うプログラム(CADx: Computer-Aided Diagnosis)
  4. 放射性医薬品等を用いて核医学診断装置等で撮影した画像上の放射性医薬品等の濃度の経時的変化データを処理して生理学的なパラメータ(組織血流量、負荷応答性、基質代謝量、受容体結合能等)を計算し、健常人群等との統計的な比較を行うプログラム
  5. 簡易血糖測定器等の医療機器から得られたデータを加工・処理して糖尿病の重症度等の新たな指標の提示を行うプログラム
  6. 一つ又は複数の検査機器から得られた検査データや画像を加工・処理し、診断のための情報を提示するプログラム(例えば、眼底カメラ、眼撮影装置、その他眼科向検査機器から得られた画像や検査データを加工・処理し、眼球の組織・細胞や層構造について、形状・面積・厚さ・体積・濃度・色等を表示、形態情報との相関比較を行うプログラム)

2.治療計画・方法の決定を支援するためのプログラム(シミュレーションを含む)

  1. CT 等の画像診断機器から得られる画像データを加工・処理し、歯やインプラントの位置のイメージ画像の表示、歯科の矯正又はインプラント治療の術式シミュレーションにより、治療法の候補の提示及び評価・診断を行い、治療計画の作成、及び期待される治療結果の予測を行うプログラム
  2. 放射線治療における患者への放射線の照射をシミュレーションし、人体組織における吸収線量分布の推定値を計算するためのプログラム(RTPS: 放射線治療計画システム)
  3. 画像を用いて脳神経外科手術、形成外科、耳鼻咽喉科、脊椎外科等の手術をナビゲーションするためのプログラム
  4. CT 等の画像診断機器で撮影した画像を加工・処理して、整形外科手術の術前計画を作成するためのプログラム
  5. 画像診断機器や検査機器で得られたデータを加工・処理し、手術結果のシミュレーションを行い、術者による術式・アプローチの選択の支援や、手術時に手術機器で使用するパラメータの計算を行うプログラム (例えば、角膜トポグラフィ機能をもつレフラクト・ケラトメータで取得した角膜形状データを基に、屈折矯正手術における角膜不正成分を考慮した手術結果のシミュレーションを行い、レーザの照射データを作成するプログラム (屈折矯正手術レーザ照射データ作成プログラム))
  6. 患者の体重等のデータから麻酔薬の投与量を容易な検証ができない方法により算出し、投与を支援するプログラム



非該当ケース

1.医療機器で取得したデータを、診療記録として用いるために転送、保管、表示を行うプログラム

  1. 医療機器で取得したデータを、可逆圧縮以外のデータの加工を行わずに、他のプログラム等に転送するプログラム (データ表示機能を有しないデータ転送プログラム)
  2. 診療記録として患者情報及び検査情報の表示、編集を行うために、医療機器で取得したデータのデータフォーマットの変換、ファイルの結合等を行うプログラム
  3. CT 等の画像診断機器で撮影した画像を診療記録のために転送、保管、表示するプログラム
  4. 検査項目の入力、表示、出力を行い、患者ごとの複数の検査結果を継時的に保管・管理するプログラム
  5. 事前に入力した患者 ID や氏名等のパラメータを複数の医療機器に転送し、設定するプログラム(パラメータそのものは加工せず転送するものに限る)

2.データ(画像は除く)を加工・処理するためのプログラム(診断に用いるものを除く)

  1. 医療機器で得られたデータを加工・処理して、汎用コンピュータ等で表示するプログラム(例えば、睡眠時無呼吸症候群の在宅治療で使用する CPAP(持続式陽圧呼吸療法)装置のデータ(無呼吸・低呼吸指数、供給圧力、使用時間等)を、SD カード等から汎用コンピュータ等で読み込み一覧表等を作成・表示するプログラム
  2. 腹膜透析装置等の医療機器を稼働させるための設定値パラメータ又は動作履歴データを用いて、汎用コンピュータ等でグラフの作成、データの表示、保管を行うプログラム
  3. 検査データの有意差検定等の統計処理を行うプログラム

3. 教育用プログラム

  1. 医学教育の一環として、医療関係者がメディカルトレーニング用教材として使用する、又は以前受けたトレーニングを補強するために使用することを目的としたプログラム
  2. 教育の一環として、手術手技の実施状況を撮影し、手術室外の医局等のディスプレイ等にビデオ表示することでライブ情報を共有させるためにデジタル画像を転送・表示させるためのプログラム

4.患者説明用プログラム

  1. ① 患者へ治療方法等を説明するため、アニメーションや画像により構成される術式等の説明用プログラム

5.メンテナンス用プログラム

  1. 医療機器の消耗品の交換時期、保守点検の実施時期等の情報を転送、記録、表示するプログラム (医療機関内の複数の医療機器の使用状況等をネットワーク経由で記録・表示させるプログラムを含む)
  2. 輸液ポンプ等の医療機器の動作履歴や稼働状況の自己点検プログラム
  3. 内視鏡洗浄消毒器等の医療機器の運転履歴、機器 ID、担当者 ID 等を記録・表示するプログラム

6.院内業務支援プログラム

  1. インターネットを利用して診療予約を行うためのプログラム
  2. 総合コンピュータシステム(レセコン・カルテコン)において、入力されたカルテ情報から情報提供用文書の出力、受付、会計業務、レセプト総括発行等の集計作業を行うプログラム
  3. 医療機器の販売管理、在庫管理、入出庫管理、設置場所の管理のためのプログラム
  4. 医療機器の添付文書の集中管理を行うため、複数の医療機器の添付文書を保管・表示するプログラム

7.健康管理用プログラム

  1. 日常的な健康管理のため、個人の健康状態を示す計測値 (体重、血圧、心拍数、血糖値等)を表示、転送、保管するプログラム
  2. 電子血圧計等の医療機器から得られたデータを転送し、個人の記録管理用として表示、保管、グラフ化するプログラム
  3. 個人の服薬履歴管理や母子の健康履歴管理のために、既存のお薬手帳や母子手帳の情報の一部又は全部を表示、記録するプログラム
  4. 個人の健康履歴データを単なる記録のために健康管理サービス提供者と共有するプログラム (診断に使用しないものに限る)
  5. 携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報 (体動等)を検知し、生活環境の改善を目的として家電機器などを制御するプログラム
  6. 携帯情報端末内蔵のセンサ等を利用して個人の健康情報 (歩数等)を検知し、健康増進や体力向上を目的として生活改善メニューの提示や実施状況に応じたアドバイスを行うプログラム
  7. 健康診断のため、氏名等の受診者情報、受付情報、検査項目、検査機器の使用状況や問診する医師のスケジュール等健康診断の実施に関する情報及び健康診断の検査・診断データを管理し、健康診断の結果の通知表を作成するプログラム
  8. 健康診断の結果を入力、保管、管理し、受診者への報告用データや結果を表形式等に作成するプログラム
  9. 保健指導の指導状況を入力、保管、管理し、実績報告のためのデータを作成するプログラム
  10. 健康診断の問診結果、受診者の生活習慣関連情報、生活習慣改善の指導状況、改善状況に関する情報を入力、保管、管理し、生活習慣の改善のために学会等により予め設定された保健指導の助言候補から該当候補を提示するプログラム

8.一般医療機器 (機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどないもの)に相当するプログラム (新施行令により、医療機器の範囲から除外されるもの)

  1. 汎用コンピュータや携帯情報端末等を使用して視力検査及び色覚検査を行うためのプログラム (一般医療機器の「視力表」や「色覚検査表」と同等の機能を発揮するプログラム)
  2. 携帯情報端末内蔵のセンサ等を用いて、体動を検出するプログラム (一般医療機器の「体動センサ」と同等の機能を発揮するプログラム)
  3. 「ディスクリート方式臨床化学自動分析装置」等の一般医療機器である分析装置から得られた測定値を転送、保管、表示 (グラフ化)するプログラム
  4. 添付文書の用法用量・使用上の注意や、治療指針、ガイドラインなど公知の投与量の増減に対応する薬剤の投与量を提示するプログラム(薬物投与支援用プログラム)

[Link] 厚生労働省: プログラムの医療機器への該当性に関する基本的な考え方について, 薬食監麻発1114第5号, 平成26年11月14日




医療機器として販売

 医療用のソフトウェアをプログラム医療機器として販売するためには薬事申請が必要になります。

 その工程には医療機器製造業、製造販売業、販売業が必要になります。


製造業

 医療機器製造業は登録制(届出制)です。
 登録申請又は登録更新申請に当たっては、必要に応じて製造所の実地確認があります。

 プログラム医療機器では組立や滅菌工程はありませんが設計工程があります。
 言い換えると『設計』のみ規制対象となります。

 プログラムをCDに書き込むような製造工程は規制対象にならない可能性がありますが、プログラミングを行ってソフトウェアとしての形にしていく工程は製造業が必要になると考えられます。

設計主たる組立
主たる製造工程
滅菌最終製品の保管
医療機器プログラム× × ×
医療機器プログラムを記録した
記録媒体たる医療機器
× ×
一般医療機器 ×
上記以外の医療機器

製造販売業

 これまで医療機器と呼ばれて来た物と同様に、高度管理医療機器や管理医療機器などの種類に応じて第一種医療機器製造版倍業又は第二種医療機器製造販売業許可を取得している必要があります。


販売業

 ネット販売であっても医療機器プログラムを販売するには販売業が必要になります。

 USBメモリやCDなど記録媒体の販売については他の医療機器と同様に取り扱う営業所ごとに許可又は届出が必要です。

 ネット経由 (電気通信回線)で提供する医療機器プログラムが高度管理医療機器ならば販売業許可が、管理医療機器ならば販売業届出が必要です。
 ネット販売について広告する場合、一般人を対象としないように留意点があります。

  1. 販売業者の氏名又は名称及び住所
  2. 電話番号その他連絡先
  3. その他必要な事項

承認/認証

 プログラム医療機器の承認/認証の申請には下図のような書類の提出が求められます。

 慣れておられる方々であれば普通に書ける書類だと思います。

[Link] 厚生労働省: 医療機器プログラムの承認申請に関するガイダンスの公表について, 事務連絡, 平成28年3月31日




実際に売れているのか?

 プログラム医療機器は実際に売れているのかわかりませんでしたが、回収情報を見て『売れているなぁ』と思いました。

 睡眠評価用の計測ソフトは約1か月で450本出荷したという記録を目にしました。

 このソフトウェアは睡眠評価という機器も診断も確立された中でのソフトウェアですが、ソフトウェア単体の医療機器が徐々に定着していっているのを感じました。

[Link] PMDA: 医療機器回収情報クラスII(医療機器), SAS計測ソフトウェア




診断から治療へ

 診断用のプログラムは散見されていましたが、治療用は2020年になってようやく承認がありました。

 製薬メーカーも開発費が抑えられ、グローバル展開しやすいデジタル治療(DTx)に開発の目を向けており、特に精神疾患の改善などは早めの上市が見込まれます。

[Link] PMDA: 審議結果報告書, 禁煙治療補助システム, 令和2年6月19日

[Link] 日本経済新聞: 禁煙アプリを保険適用 治療用は国内初、外来で活用 (2020年11月11日)

[Link] 日経XTECH: CureAppが治療用アプリの保険適用で2つの提言、従来型だと割に合わないわけ (2021年6月10日)

[Link] 日経産業新聞: デジタル治療、スマホで心動かす アステラスなど開発 (2021年6月13日)




私たちが考える今後のプログラム医療機器

リハビリ支援プログラム

 怪我をしてリハビリを受けた事がある人は感じている人も多いのではないかと思いますが、回復期間中に占めるリハビリの時間が短いという課題があります。

 入院中であっても平日に30分~1時間程度です。
 月~金で5時間リハビリを受けても1週168時間の3%です。

 外来になると週1~2回、1週間の1%程です。自宅からの通院や病院待合室に居る時間の方が長いという人も居るでしょう。

 ここで考えるリハビリ支援プログラムとは、セルフメディケーションを兼ねたものです。

 例えば、週1回の外来で診察を受けて1週間分のリハビリをプログラムして貰います。診察日は理学療法士によるリハビリを受けながら、1週間自身で行うリハビリについて指導を受けます。
 患者は次の診察日まで自身でリハビリを行います。このリハビリを支援するプログラム(アプリ)では、カメラなどを組み合わせて適正なリハビリが行われているかを観察します。
 誤った運動をすると怪我の恐れがありますので、適正な運動だけをして機能回復する点に有効性と安全性が関わります。
 想定以上に回復が早い場合は受診を促して次のステップに進む事もできますし、リハビリが奏功しなければ他の治療法を模索する事にもなります。

 リハビリとは、誰かが手を添えてゆっくり曲げ伸ばしするような方法だけではなく、椅子に座って膝を伸ばすといった患者自身の意志だけでできるものも多くあります。

 こうした支援プログラム(アプリ)は医療側から見れば、患者がどの程度のリハビリを行った上での回復状況であるかわかるため、治療方針を立てやすくなります。

 これは保険者にとってもメリットがあります。努力している人は保険負担が少ないのであれば、アプリを積極的に導入して回復を促すことができます。
 財政がひっ迫する保険制度において、保険者の負担を軽減する方法は迎合されますので、開発の価値はあると思います。


麻酔管理プログラム

 麻酔科医不足が顕在化され北日本などでは2千万~3千万円の年俸で募集をしても応募者ゼロという状況が散見されます。

 結果、1人の麻酔科医が何列もの手術を同時に管理する事になり、それが社会問題化しました。

 麻酔の目的は『麻酔すること』です。
 適正な麻酔をするためには痛みを感じないようにしつつ、呼吸抑制や循環不全を起こさないように調整しなければなりません。

 麻酔科医の判断にはバイタルサインモニタや血液検査の結果が深く関わります。
 手術の進行状況や輸血の量なども関係します。
 多くが客観的情報に基づくものであり、患者自身を目視して得る主観的情報は僅かであるとすれば、麻酔管理の補助プログラムが作れると考えます。
 一歩踏み込んで、麻酔薬の調整まで実施できると良いと思います。

 私が臨床業務に従事していた医療機関では、カテーテル室と手術室で同時に手術が行われる事が日常的でした。
 手術室に入るには着替えも必要なので、麻酔科医が手術室を離れる事は容易ではありません。
 カテーテル室では麻酔科医ではなく外科医が麻酔管理を実施している事も少なくなく、その間は本業である外科業務はしていません。

 予期せぬトラブルを想定し麻酔科医が院内に居るべきではありますが、麻酔科医を補助する麻酔管理システムはニーズがあるのではないかと思います。

 麻酔科医の人数は増やす施策をとりつつ、業務負荷は軽減できるようにすれば、麻酔科医が担い得る業務範疇が広がり、麻酔科医の多様性も広がると思います。

 個人的には、ペインクリニックが増えてくれる事を期待しています。
 私は腰痛持ち、腰椎椎間板ヘルニアですが、近所にたまたま良いクリニックを見つけられたので助かっています。病院がお休みの年末年始でも治療してもらえました。
 麻酔科医は術中麻酔だけが業務範疇ではないので、人の『痛み』の治療にも期待しています。

 ある国の医師が留学先から帰国する際、自国に帰っても同じ手術はできないと話していました。
 それはチームが無いためです。留学先と同じレベルの麻酔科医や看護師が必要なため、例えば移植術のような高度な治療ができないそうです。
 そうしたとき、医療先進国で培われたノウハウを詰め込んだ麻酔管理システムがあると、救える患者が増えるかもしれません。

[Link] 日本麻酔科学会: 麻酔科医マンパワー不足に対する日本麻酔科学会の提言 (2005年2月9日)


穿刺支援プログラム

 血管に針を刺すという行為は昔から変わりませんが、その必要性は高まっています。

 治療薬や治療法が多様化し、穿刺さえできれば治療が開始できるという状況において、穿刺を失敗したから有効な治療法を選択しなかったという事がどこまで許容されるかわかりません。

 以前、穿刺の練習モデルの開発において『お婆ちゃんの細く蛇行した血管』モデルの開発を要望しました。
 企業側からは嫌がられましたが、看護師からは歓迎されましたのでニーズがあると思います。

 高齢化によって、硬化した細い血管へのアクセスの頻度は高くなっています。
 また、日本は世界有数の乳幼児死亡率低率国であり、命は助かったものの治療を待つ児が多く居ます。発達段階の小児は血管が補足、さらに持病のある小児は発達に遅れが見られより細い血管である事があります。

 超音波診断装置(エコー)のハンディタイプが価格低下と共に臨床でも多用されるようになっています。これはハードウェアです。このデバイスは表皮より深部をモノクロ画像で見る物です。グラフィック処理により画像がカラー化される事はあります。

 一方で肉眼で見えている皮膚や血管とは異なる画像です。
 穿刺支援プログラムに求めらえる機能は、肉眼で見て穿刺すべき位置をガイドすることです。

 超音波診断装置などの体内の情報と、ウエアラブル眼鏡などの視点から見る穿刺部位の画像を組合せガイドし、さらに刺入角度を調整する機能や、血管に入った事を知らせる機能などを付加し、安全で確実な穿刺を支援するプログラムをイメージしています。

 私自身、穿刺は好きではありませんでした。
 慢性維持透析において、もし穿刺を失敗してシャント(透析用に造設した血管)を傷つけてしまったときの代償の大きさを考えるといつも緊張していました。
 シャント新設となれば1か月くらい入院する事になり、特に職を持って社会に出ている現役世代の方々には影響が大きくなります。もしかすると職を失い、生活保護の対象になってしまうかもしれません。

 医療従事者はその責任を負わされるかどうかわかりませんが、自責の念は消え去らないでしょう。

 この緊張感を少しでも和らげ、助けるツールが欲しいと思っている医療従事者は確実に居ます。

 超音波診断装置と複数のカメラを組み合わせなければできないかもしれませんが、ハードウェアを売る会社はたくさんあるので、それをつなげるハブのようなソフトウェアが出現すれば、ハード屋さんが一生懸命に販売してくれるかもしれません。


まだまだある

 プログラム医療機器に関する構想はまだまだいくつかあります。関係者からの聞き取りや、独自の市場調査を重ね、これぞという企画を生み出そうと考えています。

 筆者が後期高齢者になるまでしばらくありますが、自身が医療のお世話になる機会が増えるころまでに、必要そうなアプリが出そろう事を期待し、検討しています。




 私たちは独自に磨いた嗅覚でニーズを探索し、市場性を評価し、実現可能性を検討しています。

 私たちはコンサルティングが本業ですので、モノづくりはしません。ただし、ソフトウェア(アプリ)の場合は企画段階である程度は結果が見えてきますので、良い企画が生み出せるように検討を重ねています。

 コンサルティングや共同開発などについて、お気軽にお問合せ頂ければ幸いです。

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感染性廃棄物に志向した医療機器開発 | NES株式会社

 医療機器等の開発と言えば、用途や機能に意識が集中しがちですが、廃棄物処理という視点は見落とされている部分かもしれません。

 産業界では既にSDGs活動として廃棄物を減らす動きが出ているが、医療現場から出される廃棄物には独特の事情がある。

 廃棄物処理だけをシーズに参入する方法もあれば、既存商品との差別化に廃棄物処理を提示する方法も考えられる。




廃棄物処理法

 本邦でのゴミ処理は廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に規定されています。

 この法律の目的を簡単に述べると、ゴミを減らす事と、適正な処理による公衆衛生の維持向上です。

 ゴミは大きくは一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。

[Link] 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

[Link] 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(廃棄物処理法施行令)




感染性廃棄物

 感染性廃棄物は産業廃棄物の中の『特別管理廃棄物』に指定される物が想定されます。

 実際、細かい事を言えば病院で鼻血が付いたガーゼは感染性廃棄物ですが、家の中で鼻血を拭いたティシュなどは一般廃棄物として処理されていると思いますので、色々な事を踏まえて廃棄物は分類されます。

[Link] 環境省: 廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル(平成30年3月)




医工連携の要素はどこに?

 廃棄物処理法の目的にも合致する部分として、ゴミの減量があります。

 ゴミを増やさない方法か、現に存在するゴミを減らす方法があります。

 人工透析では体外で血液を処理するための血液回路や人工腎臓(ダイアライザ)がありますが、治療後は生理的食塩水と残血で満たされています。
 この液体を抜き捨てる事でゴミの重量を減らす事ができるので治療後に液体を抜いている施設も少なくありません。

 液体を抜いた後の容器等は空気が充填されています。
 この容器等を破砕して小さくすることで、ゴミの容積を圧縮する事ができます。1回あたりの運搬量が増やせるため経済効果が期待できます。

 感染性廃棄物は更に細分化され、感染性一般廃棄物か感染性産業廃棄物かで処理料は変わりますし、そもそも『感染性』を付けられなければ一般ゴミと同じ様に処分できます。




小さな気づき

 あるデバイスを使う際に、毎回トレーを用意している事がわかりました。

 トレーは汚染されるため、毎回洗浄が必要でした。

 あるデバイスの梱包を工夫し、使い捨てトレーを兼ねられるようにしたところ、現場では積極的に採用され他社との差別化につながりました。

 元々はゴミとして捨てられていた梱包材が、1つ仕事をこなしてからゴミになる事でそこに価値が生まれ、さらにトレーの洗浄手間を省く事にもつながりました。

 同じように、病院でよく使われるゴミ袋と同じサイズに調整したパッケージは、やはりゴミ袋として使われるようになりました。

 現場に出入りし、現場の意見を拝聴しなければわからない事ですが、些細な事がビジネスに大きな影響を与える可能性があります。




分別しやすい

 先日、ある開業医とゴミの分別について意見交換しました。

 滅菌済のパッケージは感染性ゼロのはず、それを上手に捨てれば感染性廃棄物では無いというのは論理的に正しい事だと思います。

 一般ゴミの世界では紙ごみとプラごみが分別されています。
 この滅菌済みのパッケージも紙とプラを分ける必要がありますが、そもそも全体がプラか紙のどちらかで作られていれば分別も簡単であるという意見で一致しました。

 典型的な滅菌パックは背面が紙、前面が透明ビニルという物です。紙には通気性があり、滅菌インジケーターも印刷できて良かったのですが、近年は全面が同じ素材のパックも珍しくありません。




固い段ボール

 医療で使われる物の多くが高単価です。

 そして清潔を維持しなければなりません。

 必然的に外装の段ボールは堅牢な物になります。

 解体は手間ですし、潰した段ボールを重ねていくと、1つ1つが分厚いのですぐに山のように積みあがります。

 以前、透析病院の技士長をしていたとき、1日200人の透析患者を迎えていたのでゴミの量も相応に多かったです。
 生理的食塩水だけでも10本入が20箱、ダイアライザや血液回路、注射針、ガーゼ等の処置パック、透析液などすべてが箱単位で消費されるので、毎日段ボールが山積みでした。
 これの処理に時給換算2千円の人員を毎日1~2時間充当していたので、何とか集約化して時給千円のパートタイマーさんにスイッチできないかと模索しました。

 メーカーに梱包の変更を依頼しても、全国32万人の透析患者の内の400人では影響力がありませんでしたが、もう少し経済性をシミュレーションして賛同者を増やせば、変わったかもしれません。

 梱包の堅牢性は必要かもしれませんが、分厚い段ボールに代わる何かには期待があると思います。




ゴミの二次利用

 感染性廃棄物は処理されて終わりという事になっていますが、この廃棄物が何かに利用できれば処理費用を軽減する事ができます。

 安直な考えで言えば燃料です。
 ビニル製のディスポ製品が多いので、燃やす事はできそうですが、発生するガスの処理など課題はあります。

 まとめて滅菌して感染性を無くせば有効活用できるかもしれません。

 ほとんどの人が使って捨てる事を考えていますので、医工連携の視点で言えば、捨てた後の事をひそかに考えてみるのも有意義だと思います。




品目別処理

 ほとんどの医療機関が、廃棄物処理は1社に委託していると思います。
 受託する側も1社にまとめてもらう事で人員配置や車両配備のコスト軽減にもつながります。

 あえて、そこに切り込むビジネスもあるかもしれません。

 採血管などの筒状容器専門、包帯やガーゼなど布製品専門、注射針専門、カテーテル等の長尺物専門など、何か専門とした処理業者あるいは、処理機があっても良いかもしれません。

 病院側も処理業者側も困っている品目があれば、咎められることなく参入できると思いますが、誰も困っていない領域で無理に市場をこじ開けようとしても、そこは参入余地が無いかもしれません。




当社では

 新規の医療機器開発等では梱包なども細かく助言させて頂いております。

 また、廃棄物だけにフォーカスした新規開発についてもコンサルティングさせて頂きます。

 更に、シングルユースデバイス(SUD)の再使用(再製造)に関する開発にも注力しています。回収から分解や洗浄、再組立、再滅菌、再製造品流通までトータルでサポートします。




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クラス分類ルールとGHTF | NES株式会社

 2013年の薬事法改正により旧薬事法は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に変わりました。

 今日は久々に内容を見直してみたいと思います。

[Link] 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律


 この頃の話題の1つにクラス分類がありました。

 医療機器をリスクに応じたクラスに分類する方法を国際ルールのようなものであるGHTF (The Global Harmonization Task Force) に近づけるという話題です。

 もう1つ、医療機器の承認/認証のルールがクラス分類や承認基準の有無により審査が変わるというものでした。




厚生労働省資料

 厚生労働省の審議会で配られた資料は今でも参考にしていますが、そのときの資料ではこのようなチャートでクラス分類の大筋を見立てる事ができるとされていました。

[Link] 厚生労働省: 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会(2013年12月2日)




クラス分類ルール(分析機器を除く)


I.非侵襲型機器


1.すべての非侵襲型機器は、ルール2、ルール3、またはルール4が適用されない限り、クラスIである。

2.最終的に体内に注入、投与または導入する目的で血液、体液もしくは組織、液体、もしくは気体を供給または保存するように胃としたすべての非侵襲型機器はクラスIである。

  • 2-1
    例外:クラスIIまたはそれよりも高いクラスの能動型医療機器に接続される場合、クラスIIである
  • 2-2
    例外:血液もしくはその他の体液を保存または供給し、あるいは臓器、臓器の一部もしくは対組織を保存するように意図した場合、クラスIIである。

3.体内への注入を意図した血液、その他の体液もしくは他の液体について、その生物学的または科学的組成を変化させる事を目的としたすべての非侵襲型機器はクラスIIIである。

  • 3-1
    例外:その他の処置が濾過、遠心または気体/熱交換から成る場合はクラスIIである。

4.損傷した皮膚に接触するすべての非侵襲型機器は:
滲出駅の圧迫または吸収のために機械的なバリアとして使用するように意図した場合はクラスIである。

  • 4-1
    例外:主として真皮を超えた創傷で、二次治癒でのみ治癒の可能な創傷に使用するように意図した場合はクラスIIIである。
  • 4-2
    主として創傷の局所管理をするように意図した機器を含め、その他の場合はすべてクラスIIである。

II.侵襲型機器


5.人体開口部に関与し、外科的侵襲型機器以外のものであって、
a)能動型医療機器への接続を意図しない、
 または
b)クラスIの医療機器との接続を意図したすべての侵襲型機器は:

  • 5-1
    一時的使用を意図した場合はクラスIである。
  • 5-1
    例外:眼粘膜に使用することを意図した場合は、クラスIIである。
  • 5-2
    短期的使用を意図した場合はクラスIIである。
  • 5-3
    例外:咽頭までの口腔、鼓膜までの外耳道または鼻腔で使用する場合はクラスIである。
  • 5-4
    長期的使用を意図した場合はクラスIIIである。
  • 5-5
    例外:咽頭までの口腔、鼓膜までの外耳道または鼻腔で使用し、かつ粘膜に吸収されにくい場合はクラスIIである。
  • 5-6
    人体開口部に関与し、外科的侵襲型機器以外のものであって、クラスIIまたはそれよりも高いクラスの能動型医療機器に接続するように意図したすべての侵襲型機器はクラスIIである。

6.一時的使用を意図したすべての外科的侵襲型機器はクラスIIある。

  • 6-1
    例外:再使用可能な手術器具はクラスIである。
  • 6-2
    例外:電離放射線の形でエネルギーを供給するように意図した場合はクラスIIIである。
  • 6-3
    例外:生物学的影響を及ぼすように、或いは全体的にまたは主に吸収されるように意図した場合はクラスIIIである。
  • 6-4
    例外:デリバリー・システムにより医薬品を投与するよう意図した際、これが使用モードによっては潜在的に危険な方法である場合はクラスIIIである。
  • 6-5
    例外:特に、心臓または中心循環系の欠陥について、これらの部位に直接接触し、診断、監視または矯正するように意図した場合はクラスIVである。

7.短期的使用を意図したすべての外科的侵襲型機器はクラスIIである。

  • 7-1
    例外:医薬品を投与するように意図した場合はクラスIIIである。
  • 7-2
    例外:体内で化学変化を受けるように意図した場合は(歯牙に適用する場合を除く)クラスIIIである。
  • 7-3
    例外:電離放射線の形でエネルギーを供給するように意図した場合はクラスIIIである。
  • 7-4
    例外:生物学的影響を及ぼすように、あるいは全体的にまたは主に吸収されるように意図した場合はクラスIVである。
  • 7-5
    例外:特に、中枢神経系に直接接触して使用するように意図した場合はクラスIVである。
  • 7-6
    例外:特に心臓または中心循環系の欠陥に対して、これらの部位に直接接触し、診断、監視または矯正するように意図した場合はクラスIVである。

8.すべての植込み型機器および長期外科的侵襲型機器はクラスⅢである。

  • 8-1
    例外:歯牙に適用するように意図した場合はクラスIIである。
  • 8-2
    例外:心臓、中心循環系または中枢神経系に直接接触して使用するように意図した場合はクラスIVである。
  • 8-3
    例外:生命維持を意図した場合はクラスIVである。
  • 8-4
    例外:能動型植込み型医療機器を意図した場合はクラスIVである。
  • 8-5
    例外:生物学的影響を及ぼすように、あるいは全体的にまたは主に吸収されるように意図した場合はクラスIVである。
  • 8-6
    例外:医薬品を投与するように意図した場合はクラIVである。
  • 8-7
    例外:体内で化学変化を受けるように意図した場合は(歯牙に適用する場合を除く)クラスIVである
  • 8-8
    例外:胸部インプラントの場合はクラスIVである。

III.能動型機器に関する追加ルール


9.エネルギーを投与または交換するように意図したすべての能動型治療機器はクラスIIである。

  • 9-1
    例外:人体へ、あるいは人体からエネルギーを投与または交換するような特性を備えた際、エネルギーの性質、密度および使用部位によっては、潜在的に危険な場合はクラスIIIである。
  • 9-2
    クラスIIIの能動型治療機器の性能を制御または監視するように意図した全ての能動型機器はクラスIIIである。
    また、そのような機器の性能に直接影響を及ぼすように意図した全ての能動型機器はクラスIIIである。

10.診断を意図した能動型機器はクラスⅡである。

  • 10-1
    人体に吸収されるエネルギーを供給するように意図した場合(可視または近赤外で患者の身体を照明するために単独で使用する場合はクラスIである)、または
  • 10-2
    放射性医薬品の生体内分布を造影するように意図した場合、または
  • 10-3
    重要な生理学的プロセスの直接的な診断または監視ができるように意図した場合。
  • 10-4
    例外:特に例外:特に、
    a)例えば心機能、呼吸、中枢神経系活動などの、その変動が即座に患者の危険となるおそれがあるような、重要な生理学的パラメータを監視するように意図した場合、
    または
    b)即座に危険となる臨床状態にある患者を診断するように意図した場合はクラスIIIである。

11.医薬品、体液もしくはその他の物質を人体へまたは人体から投与および/または除去するように意図したすべての能動型機器はクラスIIである。

  • 11-1
    例外:含有物質の性質、関係する身体の部位または使用モードによっては潜在的に危険な方法である場合はクラスIIIである。

12.その他のすべての能動型機器はクラスIである。


IV.追加ルール


13.分離して使用すれば医薬品と考えられる物質を不可欠な成分として含有し、その物質が機器の働きを補助する目的で人体に作用を及ぼす場合、すべての機器はクラスIII又はクラスIVである。

14.活性または不活性を問わず、動物またはヒトの細胞/組織/その由来物から製造されまたはこれを含有する場合、すべての機器はクラスIII又はクラスIVである。

  • 14-1
    例外:不活化した動物組織もしくはその由来物から製造または含有し、正常な皮膚のみに接触する場合はクラスIである。

15.特に、医療機器を消毒または滅菌するために使用するように意図したすべての機器(消毒剤を除く)はクラスIIである。

(備考)
クラス分類ルールにおける用語の定義については、GHTFのクラス分類ルール案における用
語の定義に準拠することとする。


2.分析機器のクラス分類のルール


クラスIII

1.誤った診断結果が得られた場合に、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある検査項目を測定する自己検査用測定機器

2.主たる反応系を内蔵する専用分析機器のうち、体外診断用医薬品で承認を必要とする検査項目を測定するもの

クラスII

1.誤った診断結果が得られた場合に、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある検査項目以外の検査項目を測定する自己検査用測定機器

(当該診断機器による診断結果が医学的に重要な状態を確定しないもの、又は診断結果が暫定的で、適切な追加の検査によるフォローアップを必要とするものを含む)

2.主たる反応系を内蔵する専用分析機器のうち、標準品の無いもの(クラスIII品目を除く。)

クラスⅠ

その他の分析装置

(備考)
新検査項目、新測定原理、新たに自己検査用に移行するもの、新たな検査項目を測定する主たる反応系を内蔵する専用分析機器は大臣承認とし、承認の際にクラス分類を決定するものとする。




解釈

 これらの解釈は開発や製造を担う者が決めるのではなく、厚生労働省やPMDAの解釈が優先されます。

 とはいえ、どこに配慮して開発すると良いかを示しているルールになります。

 例えば一時的、短期、長期などという留置期間でクラス分類が分かれる製品の場合、性能としては1か月の留置ができても薬事承認手続きでは3日以内の留置にしてクラス分類を低く抑えようと考える場合もあります。
 まずは急性期の治療に用いて、有効性や安全性が確立されてから亜急性期や回復期にも適用していくという考え方があります。

 また、CDCガイドラインなどで、何日以内に交換するという目安が示されている物は、何カ月留置できるデバイスを作った所で臨床では受け入れられない可能性もあります。

 用途も重要になりますので、例えば同じ太さの針でもどの血管に、どのような目的で刺すのかでクラス分類が異なります。人工透析のように生体機能代行装置に接続して生命維持に関わる場合は、採血などとは目的が異なりますのでクラス分類はハイリスクの方へ属します。

 弊社が関わる医療機器開発において、このルールは確認させて頂いております。
 侵襲性があるか、血液等に触れるか、粘膜などから吸収されやすい構造かなどでおおよそのクラス分類がわかり、その企業が開発できるレベル感に合っているか、ターゲットプライスと一致するかなどを見極める事ができます。

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BCP Press Rerease お知らせ 医工連携 講演

BCPと医工連携について3つの演題を学会発表 | NES株式会社


Press release

BCPと医工連携について3つの演題を学会発表

 弊社主力事業であるBCP(事業継続計画)と医工連携事業化推進について、弊社代表が学会発表します。

 BCPの演題は、弊社が推進するGOA(目標志向行動)をBCPに取り入れた事例と成果について発表します。京阪神の3つの病院でのBCP策定実績に基づき、GOAがどのようにして活かされるかを紹介します。本来であれば聴講者とのディスカッションにより課題点を見つける予定でしたが、今回は質疑応答がございません。

 医工連携については2つの演題があり、1つは中電病院の元山明子氏と北浜製作所との共同開発案件の事例報告になります。元山氏には共同演者にもなって貰っています。

 もう1つの演題は一般社団法人医療健康機器開発協会における医工連携のニーズ収集や活用に関する内容の発表であり、こちらは同協会理事でもあるベルピアノ病院の村上佳代氏が共同演者になっております。

 第23回日本医療マネジメント学会は6月末に大阪国際会議場にて開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症ワクチンの大規模接種会場となった事で現地開催が急遽とり止めとなり、明日7月15日よりオンデマンドでの開催に切り替わりました。会期中、世界のどこからでも発表を見る事ができます。

 弊社では学会発表を通じ、自社の考え方や活動について忌憚なき意見を集める努力をしています。


プレスリリース: BCPと医工連携について3つの演題を学会発表(NES株式会社)


学会発表用スライドの一例

2021年7月14日
NES株式会社




災害医療 1-C-01
BCP(事業継続計画)の実行性向上を目指したGOA(目標志向行動)基調の戦略策定

 脅威に立ち向かうための行動として、屈強な設備や体制で臨むことができれば完璧かもしれませんが、医療においてはあまりにタスクが多いため、現場裁量に任せざるを得ない面があります。

 そこで現場裁量の中でも秩序を保つ手段としてGOA (Goal-Oriented Action)という考えかたをBCPに導入しています。

 今回、その実践について発表させて頂きます。

BCP(事業継続計画)の実行性向上を目指したGOA(目標志向行動)基調の戦略策定
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BCP(事業継続計画)の実行性向上を目指したGOA(目標志向行動)基調の戦略策定


医療安全:チーム医療 1-E-41
看護業務への負荷最小化を目指した実用的なエア漏れ点検器具の医工連携による開発

  医工連携は医療と工学が連携すれば良いというものではなく、同じ課題を抱えている多くの人に成果物を届ける事が重要となります。

 弊社ではGatekeeperという役割を作り、医工間の境界領域を最適化して成果物の事業化、商品として流通する事を目指しています。

 今回は『カフのエア漏れ』について事例を報告させて頂きます。

看護業務への負荷最小化を目指した実用的なエア漏れ点検器具の医工連携による開発
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看護業務への負荷最小化を目指した実用的なエア漏れ点検器具の医工連携による開発


病院運営:病院マネジメント、その他 1-I-12
臨床業務改善を目指したマネジメントされた医工連携の環境整備

 臨床業務で『困った』『面倒だ』というものがあっても、簡単には改善できません。

 企業のシーズを使って簡単に解決できれば良いなということで、一般社団法人医療健康機器開発協会がニーズ探索部会を設置して活動を開始しました。

 その事例報告と、今後の展望について発表させて頂きます。

臨床業務改善を目指したマネジメントされた医工連携の環境整備
表紙スライド
臨床業務改善を目指したマネジメントされた医工連携の環境整備



第23回日本医療マネジメント学会学術総会

 学会は中之島にある大阪国際会議場(グランキューブ大阪)ではなく、オンデマンドで開催されます。

 会期中、どの演題も好きな時間、好きな場所で聴講することができます。

[Link] 第23回日本医療マネジメント学会学術総会




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行き場を無くした医療用ガウン | NES株式会社

 『行き場を無くした医療用ガウン』とは、兵庫県豊岡市の株式会社由利さんが抱える不良在庫です。

 本来はカバンづくり専門の株式会社由利が医療用ガウンを在庫してる理由は新型コロナウイルス感染症流行拡大です。

 2020年、医療用の防護具が不足した際、医療用ガウンも不足していたため政府が何百万枚も調達をしましたが、そもそも国内で製造している会社が少なかったので、調達は容易ではありませんでした。

 そこで、兵庫県鞄工業組合が一念発起し、数十社合同で約100万枚のガウンを製造し、国に納入しました。
 この兵庫県鞄工業組合の理事長が株式会社由利の由利社長です。

 日本政府への納入が終わり、組合としての共同作業は解散しましたが、個社としての由利社長に米国のバイヤーからガウンに関する問い合わせがありました。

 米国向けに提供すべく製造した5万着の医療用ガウンが、米国へ行く事なく在庫になってしまい、今回の不良在庫となりました。

 このお話を弊社代表の西謙一がお聞きしたのが2020年末、本当は2021年1月に由利社長に会うべく豊岡市へ行く予定でしたが大雪で中止、Zoomで面談させて頂き詳細をお聞きしました。
 その後も幾度かリモート面談し、医療ディーラーなどに販売を打診しましたが、品質が良すぎて価格が合わないという事で、どこも見送りとなりました。

 このままでは高額の在庫を抱えたままになってしまうため、私も参加している活動『Medical Design Lab.』に相談したところ、クリエイティブディレクターの北村竜也氏よりクラウドファンディングの提案があり、彼にお願いする形で資金調達が始まりました。

【参考】ReadyFor: 行き場をなくした医療用ガウンを医療従事者に届けたい!


 由利社長からメッセージを頂戴していますので、良かったらご覧ください。

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全国の医療機関リストのExcelデータ無償提供開始、および集計システムの自社開発 | NES株式会社


Press release

全国の医療機関リストのExcelデータ無償提供開始、および集計システムの自社開発について

 平素より弊社事業につきまして、ご理解とご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

 弊社の主要事業であります医工連携事業化推進コンサルティングにおきましてお客様より、成果物の販売先となる医療機関のリストを御請求頂くことがあります。弊社では最新データを迅速に提供できるよう新たにアプリケーションソフトウェアを開発し、ご契約先様へExcelデータを無償提供するサービスを開始しました。

 厚生労働省の地方厚生局では毎月、最新の保険医療機関・保険薬局の指定一覧を公開しておりますが、そのフォーマットは厚生局間で統一されておらず、同じ局内でも異なるフォーマットを使用している場合があります。フォーマット自体も集計しづらい物があり、エクセルデータで1施設1行ではなく複数行で情報を示しているフォーマットが存在し宛名ラベルの作成などには不向きなデータとなっています。

 このたび弊社ではVisual Basic 6.0を用いたシステム開発を独自に行い、厚生局が公開するデータから47都道府県を統一フォーマットでExcelデータ化するアプリケーションソフトウェアを開発しました。厚生局からのダウンロードは自動化できませんが、都道府県名を付けたExcelファイルを同一フォルダに収納する事でワンクリックで47都道府県のデータをインポートしデータベースを作成する事が可能となりました。

 ソフトウェアは社内で使用しますが、お取引先様や連携先様にはExcelデータを無償提供いたします。


プレスリリース: 全国の医療機関リストのExcelデータ無償提供開始、および集計システムの自社開発について


出力されるExcelデータ

2021年5月24日
NES株式会社




サンプルデータ(見本)

 当社で集計して無償提供するExcelデータの見本です。

 1つは全47都道府県の400床以上の医療機関(病院)を1つのエクセルファイルにまとめたものです。

 もう1つは兵庫県内の医療機関(病院および診療所)を病床の多い順にリスト化したエクセルファイルです。

47都道府県の400床以上の病院リスト
兵庫県内の病院・診療所リスト



データ出典

 データは当社で調査する訳ではありません。

 厚生労働省(地方厚生局)が毎月公開するデータに基づいたリスト作成を行います。

北海道厚生局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/hokkaido/

東北厚生局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/

関東信越厚生局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/

東海北陸厚生局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/

近畿厚生局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/

中国四国厚生局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/

四国厚生支局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/shikoku/

九州厚生局 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/

厚生労働省: 医療施設調査・病院報告(結果の概要)




独自の集計システム

都道府県データをインポートしDB化

 当社が独自開発したシステムでは、厚生局のホームページに掲載される都道府県別のExcelデータを独自のアルゴリズムで読込み、独自のファイルに取り込んでデータベース化する仕組みとなっています。

 都道府県別のExcelデータは統一されたフォーマットではないため、そのタイプ別に処理を分けています。
 見た目には1つのシステムですが、内部的にはいくつかの異なるプログラムが書かれています。



DBから出力

 データベース化した医療機関情報は、様々な条件でExcelファイルとして出力できます。

 病院限定、有床クリニック限定、400床以上限定、兵庫県限定などExcel出力前に調整が可能なため、Excelで47都道府県分の集計をしなおすような必要はありません。

 本システムは医工連携の販売戦略に活用する目的があるため、Excel上のリストの並び順は病床順だけでなく、エリアがわかりやすいように所在地順にも並べる事ができます。

 特に医工連携では、連携する医療機関が在る場合が多く、その医療機関から物理的に近い医療機関への営業活動が奏功しやすいという事もあり、所在地で絞り込むことが有意義になります。



開発言語を手入力

 今回の開発言語はVisual Basic 6.0(VB6)です。
 この開発言語は1998年秋にリリースされた古い言語なので、色々と課題があるため他人に提供するシステムには使いませんが自己完結するシステムの開発に専ら利用しています。

 VB6を使う理由は『20年来の使い慣れた言語』だからです。
 Visual Studioも保有しているため、しっかりしたシステムはそちらで開発しますが、今回のようにインポートとエクスポートの2つしか機能がないような場合、手引書などを読まずにプログラミングできるVB6を利用してしまう事が多いです。

 今回は5月18日に開発を開始し、5月20日までにプロトタイプが完成、幾度かのインポート/エクスポート試験を経て5月21日に完成しました。4日間の作業です。

日経XTech: マイクロソフトの最新開発ツールの発売日と価格が決定 (1998年9月4日)



手抜きアイコン

 外部にリリースして人目につくのであればアイコンも入念に検討しましが、今回は内部でわかれば良いということで、簡単なアイコンにしました。




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AMED競争的資金の申請支援をした事業が補助金を獲得 | NES株式会社


Press release

AMED競争的資金の申請支援をした事業が補助金を獲得

 弊社が申請支援をさせて頂いた事業がAMEDの競争的資金を獲得しました。

 AMED(日本医療研究開発機構)が公募した令和3年度『医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業)』には40課題が応募され、7課題が採択されました。この内の1課題について、当社が申請書作成などにおける全面サポートサービスを提供させて頂きました。

 本事業の研究開発費は1課題あたり年間6,000万円、治験実施年度は1億1,500万円という規模で行われる事業であり、経済産業省の施策に近いため事業化を重要視しています。すなわち、開発段階に資金提供はするが実際に商品として流通できるか否かが採択の評価に大きく影響すると考えられます。

 国の予算が手当された競争的資金は国民から集めた税金が投入されています。採択された事業は、国益に資する事業である必要があり、申請書にはそれが理解できる内容が求められます。

 弊社の西謙一(代表取締役)はこれまで、多くの競争的資金の申請に関わり、自らも主任研究者として研究費を獲得するなど、申請業務には独自のノウハウを有していました。今回採択された事業については、ご依頼元様のご要望に沿う事が出来る知見や経験があったため、申請作業をご一緒させて頂きました。作業班には弊社の連携先から本事業に適した人材も招聘し取組みました。

 弊社ではAMED事業に限らず、多種多様な競争的資金へのサポートを実施しております。申請のみならず事業中のコンソーシアム内の調整役や、医工連携専門アドバイザーとしての参画なども行っております。

 今後も、国益に資する研究事業に貢献できるよう体制を強化して参ります。


プレスリリース: AMED競争的資金の申請支援をした事業が補助金を獲得


2021年5月12日
NES株式会社




関連リンク

AMED: 医工連携イノベーション推進事業

AMED: 令和3年度『医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業)』の採択課題について

AMED: 令和3年度『医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業)』に係る公募について

AMED: 令和3年度 医工連携イノベーション推進事業 開発・事業化事業 公募要項

AMED: 令和3年度 医工連携イノベーション推進事業 開発・事業化事業 課題評価委員一覧




Keyword

AMED

 AMEDとは日本医療研究開発機構の事であり、通称『エーメド』と呼ばれています。

 第二期安倍内閣時代の日本再興戦略により『日本版NIHを』という流れから誕生した組織です。

 NIH (National Institutes of Health) とはアメリカ国立衛生研究所のことです。

 AMEDの発足により、文部科学省、厚生労働省、経済産業省の医療・ヘルスケアに関わる研究費がAMEDに集約されるようになり、組織横断的な研究開発が期待されています。

[Link] AMED

[Link] NIH



医工連携イノベーション推進事業

 医療機器開発に関する研究助成などを行う事業です。

 プログラムディレクターは妙中義之先生です。

 この事業の芽生えは平成22年度補正予算で経済産業省がスタートさせた課題解決型医療機器等開発事業です。
 その後、医工連携事業化推進事業に名を変え、数年前から医工連携イノベーション推進事業となっています。

[Link] AMED: 医工連携イノベーション推進事業




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