
Press release
リモートサービスの質向上に関する取り組みについて
新型コロナウイルス感染症に感染されてしまった方々にお見舞い申し上げます。また、この状況下でも休むことなく働く医療従事者の皆様に心より感謝申し上げます。
世間では、人との接触8割減を目指しリモートワークが推進される中、当社でも順次設備投資と技術向上を図って参りました。
6月までにリモートサービス提供の基盤となる資器材を整備して参りましたが、この度さらなるサービス向上を目指した策を講じましたのでご案内申し上げます。
当方が試行錯誤した結果は、必要とされている先様へ情報提供や技術伝授という形で社会還元を目指しており、このたび一般社団法人医療健康機器開発協会様のリモート講演に関する機材選定や運用ルール策定をお手伝いさせて頂きました。
みなさまにおかれましても当面はリモートでの面談や商談、研修などが多くなると思いますが、弊社では従前どおりの質を維持できるよう努めております。
遠隔地の方々ともつながりやすくなりましたので、お気軽にお声掛け頂ければ幸いです。
プレスリリース: リモートサービスの質向上に関する取り組みについて(NES)
2020年9月1日
NES株式会社
リモートサービス
弊社ではリモートによるサービスの提供を実施しております。
ZoomやTeamsなど利用するシステムは問いません。
ご契約先様はもちろんですが、軽微な相談事も歓迎いたします。
お気軽に、お申し出いただければ幸いです。


実施例(1)企業と病院との三者
病院への訪問が難しくなっている今、病院へは行かずに医療従事者とのコミュニケーションを図る方法としてリモート面談が活用されています。
当社では医療と産業の間に立つゲートキーパーとして、リモート面談にも同席し、両者間の理解が深まるよう、事業化につながるよう、従来通りのサービスを提供しています。
実施例(2)医療従事者との個別面談
医工連携コンサルティングや医療機器安全管理などのサービスでは医療従事者からの相談に応じる事も多いです。
以前であれば直接訪問してお話を伺っていましたが、今年からはリモートが中心となりました。
メールで相談の申し入れを頂き、Zoomの段取りをして早い段階で面談するという流れを幾度か実施させて頂きました。
直接訪問に比べて日程調整が早く、最短当日の面談も実施しています。
地域を問わず、全国どこからお問い合わせいただいても数日内に面談を実施できています。
技術習得
弊社には映像や放送といった技術はありませんでした。
したがって、リモートサービスの展開にあたっては新たに技術を習得しました。
目指すは『ハイアマチュア』レベルです。
注意分散の回避
直接面談では相手も集中力を切らさず、話し相手の方を見て会話をしていると思います。
リモートの場合は事情が異なり、特に今年はリモート面談を始めたばかりなので互いに関心事が異なります。
『どのような事務所なのか』『これは自宅か』など背景に目が行ってしまいがちであるという人が多い事がわかりました。
背景に貼られているポスターに関心が行ってしまえば、こちらの話は半分しか聞いてもらえないかもしれません。
そうならないように、背景布を吊り下げて、画面上の雑音を消すようにしています。


明るさ・色合い
画像編集ソフトを触ると『明るさ』『コントラスト』『色合い』『シャープネス』などが調整できます。
すなわち、これらは調整してあげないと課題がある画像が多いという事であると捉えました。
国際線の客室乗務員は少し派手めの、血色良く見えるようなメイクをすると聞いたことがあります。
そこで当社では光源の位置に注意し、なるべく血色良く見える画像を届けられるよう調整しました。
また、逆光で表情が見えない方が多い事にも気づきました。
背景に余計な物が映らない窓前は逆光により表情は全く見えませんでした。
カメラの角度によって天井照明が画角に入ってしまう場合も表情が読み取りづらいことがわかりました。
当社ではカメラの近くに照明を置いて、正面から光を確実に当てるよう努めています。




偉そうに見えないように
事務所では長時間の座り仕事に対応するため、座り心地の良い椅子を使っています。
オフィスコムさんのショールームで片っ端から座って行って、自分に合った物を買ったのですが、さほど高価ではありません。
とは言え、首まで背もたれがある椅子に座って居るとどう見えるでしょうか。
打合せであれば気にならないかもしれませんが、講演を聴く側としては偉そうに見えてしまうのではないかと懸念し、背もたれの無い椅子を用意しました。
また、直接対面での打ち合わせでイヤホンをしている姿はあり得ないと考え、基本的にはイヤホンはしないで済むように会議用スピーカーを常用しています。


音響
リモートで苦慮するのが音響です。
マイクやスピーカーが悪ければ音は伝わりませんし、通信状態が悪い場合も音は伝わりません。パソコンの内部処理に負荷がかかっているときにも処理が遅れる場合があります。
拠点に居る人数が一人でも複数名でも音量を調整してくれるAIマイクという物があり、早々に調達しました。
一人のときはあまり気になりませんが、それでも席から離れて棚から資料を取っている最中でも、大声を出さずにマイクが音量調整してくれます。
多人数のときは個々の声の大きさの違いも調整し、どの席に座って居ても相手側には適当な音量で伝える事ができます。
AIマイクには会議用スピーカーも内蔵されており、一体設計のためハウリングを起こす心配がありません。
講演を収録してデータとして送る場合は、収録中にスピーカーは使いません。
Zoomなどのシステムを使って録画もできますが、システム側のアルゴリズムで画像が圧縮されたり、音をデジタル処理されたりしますので、録画はローカル環境で行いました。
その際に使用したマイクはピンマイクです。タイピンのように服に装着して使うマイクです。
これは500円以下の廉価品でしたが、音はキレイに録れていました。


映像は鮮明に
2020年以前もウェブ会議は月1~2回ありましたが、その頃はパソコン内蔵のカメラを使うなど、さほど映像について関心を持っていませんでした。
新常態では、映像の鮮明さも重要になりました。
初対面がリモート、この先数年は直接会う事も無いかもしれない人が増え、相手に与える印象が画像しかない事を重要視しました。
最初の対応は一眼レフカメラのウェブカメラ化です。
今春、キヤノンUSがいち早く現行EOSで使えるソフトウェアをベータ版として無償リリースしました。
EOSならUSBケーブルでウェブカメラ化ができる事を知ったので対応しているEOS現行品を調達しました。
もう1つの手段がビデオキャプチャーデバイスの利用です。
これも早々に調達しようと2月に注文をかけましたが品切れが続き、7月に入手できました。
このビデオキャプチャーデバイス(ATEM Miniシリーズ)を利用することでムービーカメラやノートパソコンなどHDMI出力ができるデバイスはUSBウェブカメラ入力映像として扱えるようになりました。
当社では現在、一眼レフカメラ、ソニーハンディカムビデオカメラ、MacBookPro、Windowsノートパソコン、アクションカメラなど様々なHDMIデバイスを活用しています。
交換レンズとストロボ
リモートでは実物を手に取って感じてもらう事ができません。
そこで、映像を使って伝達する訳ですが、ここでも見せ方には工夫が必要でした。
小物撮影では必ず青色か緑色の背景布を使い、照明器具を用意して十分な明るさを確保しました。
その上で適宜ストロボを使いますが、対象物に直接光を当てる方が良い場合と、反射させる方が良い場合があり、この技術についてはいずれ勉強会に参加しようと思っています。
交換レンズは運動会などで重宝する望遠は業務で役立つ機会はありませんが、近距離で使うレンズは有用でした。


機材・器材
当社では今年、様々な機材を調達しました。
リモート会議後に『何を使っているのですか?』などとお問い合わせを頂く事もありますので、ご関心のある方に向けて保有機材についてご紹介させて頂きます。
購入先についてもお問い合わせいただくことがありますが、ほとんどがネット通販です。納期と価格のバランスで注文しておりますので、とくに取引先となる企業等はございません。
下記には社有品のみならず、私有品も含まれています。
一眼レフカメラ
以前から私物としてSONYのα65が手元にあり、撮影の際には活用していましたが、ウェブ対応はできない機種であることがわかりました。
今年、CANONのEOS90Dを調達しウェブ対応しました。
キヤノンのEOS WEBCAM UTILITYというソフトウェアを使う事でUSBケーブルでカメラとパソコンを接続すると、ウェブカメラとしてZoomやTeamsなどで認識できるようになります。


[Link] CANON US: EOS WEBCAM UTILITY
[Link] キヤノンEOS一眼を使ったウェブ会議
一眼レフカメラ必需品
一眼レフカメラを便利に使うには電源とレンズが必須になります。
電源はバッテリが附属されますが、ケーブルでの常時給電には別売品を買う必要があります。
一眼レフカメラは別称レンズ交換式カメラとも言われる通り、レンズはカメラに内蔵されている訳ではなく別売品です。
現在、手元にあるレンズは下記の通りです。
今年は『どうしても欲しい』と思って調達したのが超広角のレンズです。狭い部屋での撮影が多いので、20-55mmレンズでも望遠がかかりすぎて撮影しづらいです。10-18mmは重宝しています。


一眼レフカメラ周辺機器
一眼レフカメラはレンズ以外にストロボも外付けできます。
中国メーカー品の安くて良い品も手に入りやすくなっていますので選択の幅が広がっています。
今は私有品のキヤノン純正ストロボをメインに使っています。廉価品としてNeewerのストロボも1台調達し保有していますが、まだシンクロ機能を使いこなしていないので、スキルアップを目指しています。


カメラやレンズはカビに弱いため、防湿庫も整備しました。
3Dプリンタのフィラメントも湿度に弱いため、カメラと一緒に防湿庫に保管しています。


カメラ周辺
一眼レフに限らずカメラ全体に関係する機材も揃えました。
ビデオライトは色温度を変更できるタイプを調達しました。1つは背面スイッチで切替できるタイプ、もう1つはフィルターで切り替えるタイプです。
バッテリ式ですのでカメラに取り付けて撮影する事も可能ですが、主たる使途はウェブ会議の際の補助照明でしたので、ほとんどデスク上で使っています。
背景布は欠かせぬアイテムとなりました。
青色はビデオ会議に出る時の背景としてだけではなく、小物撮影などにも便利に使えます。
ATEM Mini Pro ISOを調達後はクロマキー撮影にも対応できるようになったため緑色も調達しました。


三脚も新たに調達しました。
手元には背の高い三脚しかなかったため、卓上で使えるサイズの三脚を一眼レフ用、ハンディカム用など複数調達しました。
Manfrottoは高価で手が出ませんので、Neewerのいかにも三脚という形の製品と、CHIHEISENNというブランドのボール型自由雲台が付いた簡易的な物を使っています。
一眼レフカメラはレンズによって重心が変わるので、三脚選びはレビューなどを見て決めています。


ビデオキャプチャデバイス
HDMIケーブルでディスプレイに表示できる映像が、パソコンへダイレクトに取り込めないのは不便ですが、キャプチャデバイスを使えばその課題も解消できます。
当社ではYouTuberの方々もお使いだというATEM Miniシリーズの調達を試みました。
2月にヨドバシカメラで注文しましたが、7月になっても入手できずキャンセルしました。配信機材レンタル会社(PANDA STUDIO)で最上位機種(当時)の販売募集があったので予約したところ、すぐに入手できました。
当社で調達できた機種はBlackMagicDesign社のATEM Mini Pro ISOです。
USB-Cケーブルでパソコンにつなげばウェブカメラとして認識できます。HDMI出力も1chあり、ディスプレイにつなげば操作画面を表示することができます。
このデバイスから直接YouTubeへストリーミング配信することができます。デバイスを使ってSSDに録画する事もできます。


高価なデバイスでありますが、コネクタ部は特別強い訳では無いと思いましたので、補強策を講じました。
金属板にATEM Miniを固定し、ぶつけて破損するリスクを低減しました。同時に、立てて使えるようにもしました。
コネクタ保護のため、30cmのHDMIケーブルを接続し、そのケーブルを固定する器具を3Dプリンタで造形しました。既に1度、この延長ケーブルが壊れた事がありますが、ケーブルの交換だけで済みましたのでデバイスのデッドタイムはありませんでした。


ビデオカメラ
ビデオキャプチャデバイス導入後、USBウェブカメラ機能が無い普通のカメラが、ウェブカメラとして利用できるようになりました。
およそ10年前の廃番となっている機種を使っていますが、快調に動いています。
注意すべきは『HDMIパススルー』『クリーン出力』などと呼ばれる機能です。カメラの撮影者画面にはゴチャゴチャと色々な表示が出ますが、HDMI出力ではそれを消す事ができるか否かでウェブカメラとして使えるかどうかが分かれます。
SONYのカメラは2011年発売の機種でもHDMIパススルー対応でしたので、ヤフオクで安い物を調達して使っています。


[Link] HDMIパススルー・クリーン出力するカメラを探す
アクションカメラ
リモートサービスに直接使用する訳ではありませんが、遠隔ゆえに動画での説明機会も増え、動画撮影にも工夫が必要になりました。
『GoPro』(ゴープロ)などの機種で知られるアクションカメラですが、安い物であれば3千円くらいで買えます。
4K撮影ができ、防水ケースやバッテリなどが付属して3~4千円ですのでリーズナブルだと思います。


会議用スピーカー
マイクとスピーカーの関係が悪いとハウリングします。
マイクの性能が低いと声を拾えなかったり、周囲の雑音を拾ったりします。
スピーカーが悪いと音が聞き取りづらくなります。
そこで活用されるのがAIマイク内蔵の会議用スピーカーです。
AIマイクでは、話し声の強弱を自動的に調整し、同程度の音量で出力することができます。
例えば会議室に6人居て、マイクとの距離はバラバラ、老若男女が同席し声の大きさや通りやすさも違うという場合でも、AIマイクが調整して伝達してくれます。
さらに、周囲の雑音は伝えないようにもしてくれるので、隣の部屋から聞こえる無用な音などはキャンセルしてくれます。
当社ではほぼ一人でしか参加していませんが、複数名の場合には2台連結で使う場合もあります。
マイクはAIで調整されますが、スピーカーは個人ごとの聞き取りやすさもありますので、なるべく近くに置かれるよう2台使用します。
過去に見本市会場でリモート面談した際には、周囲が雑音だらけでスピーカーからの音が聴き取りづらく、ゆえに皆がスピーカーに近づいてしまうという不都合がありましたが、2台使用の場合はそのリスクが低減されます。


当社ではこれからもサービスの質向上に向けた技術習得や設備投資を続けてまいります。