今日のヤフーニュースに『令和の暴走族』に関する記事が載っていました。
記事では、暴走族は減少したが、再び増加する兆しが見えるといった一文から始まります。
暴走族に憧れて入ったというよりは、なし崩し的に加入したLINEグループから、暴走族という組織の構成員になった事例が紹介されています。
結びでは『トクリュウの供給源に?』という話題になり、組織的な犯罪の入口になっているかもしれない、といった内容で締めくくられています。
【参考】Yahoo!ニュース:原付きツーリングのはずが… 変わる「令和の暴走族」の実態
AIがトピック
暴走族の記事は9月」22日の7:00配信、同日13:00の時点で2,506件のコメントが寄せられていました。
Yahoo!JAPANのAIが『ヤフコメで話題』の記事を配信したのが11:08です。暴走族という話題、トクリュウの供給源という話題あたりに反応して、だいぶ盛り上がっているようです。
【参考】Yahoo!ニュース:原付きツーリングのはずが… 変わる「令和の暴走族」の実態
【参考】Yahoo!ニュース:ヤフコメで話題 「暴走族の騒音や集団走行に困惑」「警察の取り締まりや対応に疑問」 – 令和時代の暴走族の現状と地域社会の声
暴走族へのボーダーライン
暴走族が国民生活にとって、あるいは自身や自社にとってどのような危害を加える可能性があるのかを分析すると、どこまでが許容できることなのか、ボーダーラインを引くことができると思います。
そのボーダーラインを超えて来そうなときは、警察に相談し、危害を未然に防ぐよう要請すると良いかなと思います。
警察に不満?
この手のコメントにありがちな『もっと取り締まるべき』というもの、この真意はどのようなものでしょうか。
このようなコメントに共感や返信が多くなるので、注目を集めるために本意か不本意かに関わらず、テクニックとしてコメントを書いている人は少なからず居ると思います。
返信を書く人が多いということは、賛同も反対もあるということだと思います。
暴走族の行為は、いくつかに分けることができると思います。
騒音は迷惑行為ですが、その騒音によって直ちに生命が奪われたり、財産が減ったりすることは考えづらいので、緊急性のある事案かどうか、警察内でも議論されているかもしれません。
鉄パイプを持って、周囲を威嚇しながら走行しているバイクが居るとすれば、これは国民の安全を脅かす行為として直ちに取り締まられると思います。何かと映像が残る時代ですので、現行犯でなくても捕まるような気がします。
今どきの暴走族がするのかどうか知りませんが、交差点を堰き止めて、赤信号でも構わず集団を一群として通過させるような行為があれば、やや緊迫しそうです。この影響で救急車が通れないようなことがあれば、場合によっては生命に関わります。消防車が通れないようなことがあれば、場合によっては財産に関わります。
悪い人を捕まえるのが警察官の仕事かもしれませんが、徘徊して行方不明になった認知症患者を探すのも警察の仕事の1つ、色々な仕事で社会の役に立っています。何かとお忙しいので、『警察なんて役に立たない』みたいなコメントは控えてあげて欲しいなと思います。
暴走行為の脅威分析
筆者は非常事態への対応をコンサルすることが生業ですので、この手の記事を見ると分析したくなります。
長期的、拡張的に考えるとトクリュウの構成員をリクルートする場になるかもしれないので、トクリュウの被害に遭わないためには暴走族を撲滅する、という理屈も無いことは無いでしょう。ただし、暴走族が撲滅されても、トクリュウが無くなる訳ではなく、また、暴走族が全員トクリュウに関わる訳でもないので、相当に間接的な要因と見た方が良いかなと思います。
- 車両による危害
- 集団走行による危害
- 群衆による危害
- 暴徒による危害
直接的な危害要因を考えると、上記のように分類できるかなと思います。
車両
車両による危害は、ある程度のラインまでは他の車両と同様で、車両が動かなければ事故は起こらない、動いていれば事故は起こり得るものです。蛇行運転や信号無視などの行為が伴えば、事故を起こす可能性が高まると考えるのが必然でしょう。
集団走行
集団走行、バイクが30台縦列走行すれば車両1台あたり2m、前後間隔が3mであったとすれば先頭から最後尾まで150mくらいになります。時速20km/hrは分速333m/min、すなわち150mの列が立ち去るまで30秒くらいです。時速10km/hrでも1分程度、このくらいであれば待てる範囲だと思います。
集団走行で恐ろしいのは、警察に追われはじめてスピードを上げたときです。原付ですと時速60km/hrくらいが限界、車両毎に最高速度が違いますし、2人乗りや改造マフラーなどは最高速度に影響が出ますので、30台がバラバラな走りになります。逃げるために路地に入ろうとする車両など高度も一律ではなくなるので、そのときが事故の発生確率上昇と見た方が良いかもしれません。
すなわち、警察による取り締まりが、かえって集団走行の秩序を乱してしまい、事故を誘発する可能性が高まってしまうことになります。
群衆
集団走行と関連深いところで『群衆』があります。
群衆心理や集団心理といった言葉は、多人数が集まることで個人の理性が奪われてしまい、ときには暴力的な行動を引き起こしてしまう心理状態です。
デモで集会や行進を行う場合も、群衆心理(集団心理)によって危険な行為をしないように、主催者は注意を払う必要があります。
暴走族がバイクに2人乗りして、後部座席の人が片手に鉄パイプを持ち、その先端を道路に接触させて火花を散らして走行する様子は、筆者が10代の頃は週末の風物詩的な、比較的日常のような光景でした。
暴徒
群集心理との関係する『暴徒化』は、昔の暴走族、その前ですと昭和の学生運動なんかにも記録があります。行動が過激化し、武器を持って人を襲ったりすることもあります。
薄っすらとした記憶ですが、暴走族が警察署やパトカーに火炎瓶を投げたような話を聞いたことがあります。昭和時代の話です。
走行中以外の脅威
走行していないときも群衆心理(集団心理)は働きます。
コンビニの前に、地べたに座って談笑する若者たちは、ある種の群衆心理の下で理性を失い、秩序を守らない行動をしているのかもしれません。1人のときにも同じことをするのか、という問いにどう答えるのかで違いますが。
これが群衆であるがゆえの行動であれば、暴走族という組織がコンビニにとっての脅威になり得ます。また、コンビニ利用者も『肩がぶつかった』『目が合った』などのトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
集団走行するだけでも車両と燃料が必要になります。それらの調達に必要な資金を、強盗や恐喝で手に入れる、あるいは詐欺などの組織犯罪に加担して資金調達する者も居るかもしれません。いまだにバイクの窃盗は少なくないので盗難保険に加入する人が多いのですが、その目的は『海外で高く売れる』といったものだとバイク屋さんに聞いたことがあります。そこに加えて暴走族もバイクを狙うとすれば、保険料が高くなりそうです。
薬物や性への欲求にも注意が必要です。
群衆心理(集団心理)による理性の欠如もありますが、組織内で一目置かれたいと考える人、他人の自慢話を聞いて自分もやってみたいと思ってしまう人など、様々です。
昭和の時代ですとシンナーが暴走族の手の届く違法薬物の中心であったかもしれませんが、今は多様なモノが出回っていそうですし、それが犯罪組織の資金源になっているかもしれないので、薬物と組織犯罪、トクリュウなどが結びつく可能性も考えるべきかもしれません。
組織間抗争
暴走族が組織になると、排他的になる傾向があり、他の組織を敵視するようになります。
『地元はどこ?』『何中出身?』のような問いかけが今もあるのか知りませんが、組織が縄張りを主張するようになると、組織間抗争が起こりやすくなると考えられます。
昔ながらのヤンキーマンガには、抗争が必ず出てきます。これは任侠映画にも共通するかもしれません。血で血を洗う、そんなイメージがあるかもしれません。
以下は、動画配信で見られるような暴走族やヤンキーを取り扱った作品です。
『決闘だ』『対決だ』と日時を決めて行われる喧嘩合戦のようなものばかりではなく、実際には拉致されて一方的にボコボコにされるようなこともあるようです。
20世紀であれば、外傷が治癒すれば治療は終わった感じだったと思いますが、令和の場合はPTSD(心的外傷後ストレス症)という診断も付くようになったので、治療は長引きそうですが、原因不明の不眠などに悩まされるよりは、しっかり治療できた方が良いと思います。
櫻會
この記事を書いていて思い出しましたが、筆者の地元には『幸手櫻會』(さってさくらかい)という暴走族がありました。
たぶん、1990年代に解散届を出して、解散したと思います。2000年以降は地元を離れているので実態はわかりません。
ベッドタウンでしたので、さほど高い建物はなく、関東平野なので音を遮るものが少ない街でした。街中で空ふかしのバイクが走行していれば、数キロ先の住宅街にまでその音が届いていました。
惣新田幸手線は、街中から街はずれへつながる一本道、ほとんど信号がないので100km/hr超で飛ばす人、ひたすら空ふかしをしながら進む人、色々と居たように思います。この道は街中の1kmくらい以外は田んぼの中、騒音以外は他人に迷惑がかかるようなこともなく、危害を加えることもなく、ある程度は安全であったように思います。
街中の商店街や国道4号線は人も多く、交通量も多いので、このあたりで暴走行為をしているときには危害因子になっていたのかもしれません。
筆者は暴走族には加入していませんでした。同様に、暴走族の構成員ではない同級生と一緒に信号待ちをしていたところ、突然車が停まり、1人が拉致されたことがありました。
生命は助かりましたが、身体はボロボロの状態で発見され、しばらく入院していました。
このような巻き込み事故のようなことで、危うく生命を落とすかもしれないので、暴走族という組織の存在が危害要因の1つであることは、間違い無いかもしれません。
繰り返しになりますが、櫻會は解散していますので、現在は危害要因でも脅威でもありません。
正しく恐れる
暴走族イコール脅威では無いと思います。
暴走行為が良いことではありませんが、暴走ではなくツーリングという呼び方になれば簡単に許容されると思います。
筆者は暴走族もツーリングクラブも経験がありませんが、違いはどこにあるでしょうか。
想像ですが、ツーリングクラブは大人の集まりかなと思います。自ら調達できる資金があり、その資金で好きなバイクを買って走る、普段は1人だが、気の合う仲間と集団で走るときもある、というのがツーリングクラブのイメージです。
暴走族は、車の免許を取ることができる18歳には達しない、あるいは車はまだ買えないという資金力の子たちの集まりかなと思います。実はツーリングクラブと同じことをしていても、見た目から暴走族と呼ばれてしまっているかもしれません。
暴走族もツーリングクラブも、50km/hr制限の道路を、60km/hrで走るような、軽微な交通違反はしているのではないかなと思います。
おそらく、参加者の目的や心理状態が、脅威になるか否かの決定的な要因だと思いますので、単にバイクが複数台走行しているから危険だとか、怖そうな人たちだから危険だとか、決めつけをしてしまわない方が良いと思います。
もし、良い子たちであったとしても、周囲から悪者扱いされれば、グレてしまうかもしれません。
反対に、良い大人に見えても他人の家の塀に立小便をしたり、チョットお酒を飲んで運転したりしているかもしれません。
誰にとって、どのような脅威になるのか、正しく分析して、正しく恐れることが重要だと思います。
いわゆる『知らんけど』
今回は、Yahoo!ニュースで暴走族が話題になっていると知り、私見を書いてみました。
当事者になったことがないので、色々と述べたあとで恐縮ですが、無責任にも『知らんけど』という内容になっています。
炎上無用、勝手な妄想なのでそっとしておいてください。