今秋、厚生労働省医政局の地域医療計画課より事務連絡が出されました。標題は『「病院の耐震改修状況」及び「医療施設の浸水対策等」の実態把握を含むEMISの医療機関基本情報の調査について(依頼)』です。
『病院』と『有床診療所』のすべてが対象です。
自院に入院病床があれば、G-MISからログインして入力する必要があります。
災害医療対策の描隼につきましては、平素より格段の御配慮、を賜り、厚く御礼申し上
げます。
気候変動に伴い激甚化・頻発化する気象災害や、南海トラフ地震等の大規模地震の切迫性が高まっている中、「病院の耐震改修状況」及び「医療施設の浸水対策等」の実態把握を含むEMIS(広域災害・救急医療情報システム)の医療機関基本情報は、災害時に被災地域での迅速かつ適切な医療・救護に繋げるために必要不可欠な情報です。
つきましては、昨年度に引き続き、本年度もG-MIS(医療機関等情報支援システム)を活用して当該情報にかかる調査を実施いたします。
貴部(局)におかれましては、管内の医療機関に対し、本調査の重要性や必要性を改めて周知いただくとともに、本調査への協力を促していただきますよう、お願いいたします。
なお、調査項目のうち、「病院の耐震改修状況」及び「医療施設の浸水対策等」の実態把握にかかる結果につきましては、取りまとめの上、予算要求や各種会議等における資料等での活用のほか、厚生労働省HP等での公表を予定していることを申し添えます。〈対象医療機関〉
令和7年7月14日現在における各都道府県管下の全ての病院及び有床診療所
※病院:医療法第1条の5第1項に規定されている病院
※有床診療所:医療法第1条の5第2項に規定されている19人以下の患者を入院させるための施設〈回答期限〉
「病院の耐震改修状況」及び「医療施設の浸水対策等」の実態把握を含むEMISの医療機関基本情報の調査について(依頼)
令和7年12月31日
- 調査結果は公表される
- 調べるお手伝い
- 調べ方(医療機関)
- 調べ方(防災・設備)
- 都道府県別指定・届出等検索
- G-MIS入力方法
- 設問A:基本情報
- 設問B:浸水対策
- 設問C:電気設備・自家発電設備
- 設問D:コージェネレーションシステム
- 設問E:熱源設備
- 設問F:酸素
- 設問G:水道衛生設備
- 設問H:備蓄
- 設問I:建物耐震
- 設問J:建物耐震
調査結果は公表される
事務連絡票にも記載のとおり、調査結果は公表されます。
個別の医療機関を名指しして機密を漏らすようなことはしません。集計結果が公表されるだけです。
例えば、2025年6月に『病院の耐震改修状況調査の結果』として公表された内容は以下の通りです。
【令和5年調査結果のポイント】
病院の耐震改修状況調査の結果
○ 病院の耐震化率は、80.5%(6,552病院/8,143病院)
(令和4年調査では、79.5%)
○ このうち、地震発生時の医療拠点となる災害拠点病院及び救命救急センターの耐震化率は、96.0%(747病院/778病院)
(令和4年調査では、95.4%)

より詳細なデータは、厚生労働省のウェブサイトでPDFファイルにまとめて配布されています。
調べるお手伝い
弊社では、医療機関が本調査へ対応する際のサポートを実施しています。これは無償ボランティアではなく、ビジネスです。
実際に設問に回答していくと、非常にわかりづらい、調べるのが面倒といったものが見られました。
1枚目のシートは医療機関の基本情報を回答していきますが、何らかの指定を受けているか否かについては、指定されている医療機関はすぐに回答できると思いますが、そうではない医療機関においては聞きなれない名称が多いと思います。
お困りの医療機関様も居られると思いますので、いくつか検索先のリンクなどを張っておきたいと思います。ご活用頂ければと思います。
入力方法で謎のままなのが、有無などの二者択一の設問において、ラジオボタンとドロップダウンリストのものがあることです。例えばB3はラジオボタン、その次のB4やB5はリストです。このあたりは画面指示に従うしかありません。
2025年はもうすぐ締切になりますが、来年も調査が実施されると思いますので、大変だなと思うときは、弊社に投げかけて頂ければと思います。
調べ方(医療機関)
弊社のノウハウを一部公開します。主にインターネットによる机上調査で半分くらいは回答できます。自院のICUの病床数などは外部ツールを使うまでもないと思います。
災害拠点病院
災害拠点病院には『基幹災害拠点病院』と『地域災害拠点病院』があります。基幹は各都道府県に1~2軒程度、地域は二次医療圏に1~複数軒あります。
DMATが居る病院が災害拠点病院と考えると、わかりやすいかもしれません。
厚生労働省の『災害医療』のページに最新の災害拠点病院一覧が掲載されています。
災害拠点精神科病院
法に基づく医療保護入院などの精神科医療を行うための診療機能を有し、災害時には精神疾患患者受入や一時的避難場所としての機能を有し、災害派遣精神医療チーム(DPAT)の派遣機能を有する病院です。
都道府県毎に指定先があります。
原⼦⼒災害拠点病院
原⼦⼒災害医療協⼒機関
国の原子力規制委員会では、原子力災害時における医療体制を整備しています。
原子力災害拠点病院は、原子力災害時に被災地域の原子力災害医療の中心となって機能する医療機関です。
原子力災害医療協力機関は、原子力災害拠点病院が行う原子力災害対策に協力します。
登録医療機関はこちらに掲載されています。
特定機能病院
高度な医療を提供する大学病院クラスが指定を受ける特定機能病院は、厚生労働省の『特定機能病院について』のページに一覧表が掲載されています。
【参考】2025年11月12日現在の特定機能病院承認状況(PDF)
地域医療支援病院
地域医療支援病院とは、紹介患者に対する医療提供、医療機器等の共同利用の実施等を通じて、第一線の地域医療を担うかかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援する能力を備え、地域医療の確保を図る病院として相応しい構造設備等を有するものについて、都道府県知事が個別に承認しています。
救命救急センター
救命救急センターは、重篤な救急患者の医療を確保することを目的として、都道府県が策定する医療計画等に基づきの指定を行います。
二次救急医療機関
(病院群輪番制病院・共同利用型病院)
二次救急医療機関は、都道府県が作成する医療計画に基づいて整備される、入院を要する救急医療を担う医療機関(第三次救急医療機関以外)。
病院群輪番制病院及び共同利用型病院施設整備事業による助成を受けることができます。
病院群輪番制病院は、二次医療圏単位で、圏域内の複数の病院が当番制により、休日及び夜間において、入院治療を必要とする重症の救急患者を受け入れるものです。
共同利用型病院は、二次医療圏単位で、拠点となる病院が一部
を開放し、地域の医師の協力を得て、休日及び夜間における入院治療を必要とする重症救急患者を受け入れるものです。
【参考】厚生労働省:救急医療について
【参考】第二次救急医療機関について
救急告示病院
救急告示病院とは、救急病院等を定める省令に基づき、 県知事が認定した病院のことです。この省令は消防法第2条第9項に基づき制定されています。
初期救急医療機関
初期救急医療機関には在宅当番医制病院・診療所、休日夜間急患センターがあります。
地方公共団体の委託等により地区医師会毎に在宅当番により休日・夜間における診療等を実施している病院を在宅当番医制病院、診療所を在宅当番医制診療所と言います。
休日夜間急患センターとは、地方公共団体等が整備する急患センターにおいて、休日及び夜間、比較的軽症の救急患者を受け入れる医療機関です。
時間外診療実施診療所
診療時間外に患者から問い合わせががあった場合に、対応できる体制を整えている場合、診療報酬に『時間外対応加算』を算定することができます。算定には施設基準の届出が必要です。この届出をしているか否かを問う設問があります。
常時最新という訳ではありませんが、弊社独自のデータベースに『時間外対応加算』の届出施設を掲載しております。全国に3万軒近くありますので、都道府県別に絞って表示できる機能を以下に示します。
総合周産期母子医療センター
地域周産期母子医療センター
総合周産期母子医療センター又は地域周産期母子医療センターとは、高度な新生児医療等の周産期医療を提供する機能等を有し、都道府県に指定された医療機関です。
⼩児救急医療拠点病院
小児救急医療拠点病院とは、救急医療対策事業実施要綱に基づき、都道府県又は都道府県知事の要請を受けた病院です。
へき地医療拠点病院
へき地診療所
へき地医療拠点病院とは、へき地保健医療対策実施要綱に基づき、都道府県知事の指定を受けた病院です。
へき地診療所とは、へき地保健医療対策実施要綱に基づき、都道府県、市町村、日本赤十字社、社会福祉法人恩賜財団済生会、全国厚生農業協同組合連合会、社会福祉法人北海道社会事業協会、医療法人、学校法人、社会福祉法人、医療生協及びその他厚生労働大臣が認める者の設置する診療所です。
在宅医療実施病院
在宅医療実施診療所
都道府県が定める医療計画において、居宅等における医療(在宅医療)を実施している病院・診療所である場合『はい』と回答します。
がん医療実施診療所
都道府県が定める医療計画において、がん医療を実施している診療所の場合『はい』と回答します。
脳卒中医療実施病院
第五次医療法改正により、都道府県が脳卒中診療を担う医療機関名を、急性期・回復期・維持期に分けて公表しています。
この調査では、都道府県が定める医療計画において、脳卒中医療を実施している病院である場合に『はい』と回答します。
腎移植施設
腎臓移植を実施している医療機関です。
【参考】日本臓器移植ネットワーク:移植施設一覧(腎臓)
【参考】厚生労働省:腎移植施設の整備事業について, 昭和55年1月4日
【参考】厚生労働省:臓器移植対策の現状について, 第67回臓器移植委員会 参考資料1
ME機器(生命維持管理装置)
人工呼吸器や人工透析装置(血液浄化装置)などは生命維持管理装置と呼ばれる医療機器です。このような医療機器がある医療機関の多くが臨床工学技士を雇用していますので、保有台数などは臨床工学技士に聞くと良いと思います。
常勤の臨床工学技士が居る場合『医療機器安全管理料Ⅰ』という保険を算定していることが考えられます。医療機器安全管理料Ⅰの算定届出施設であるか否かでも臨床工学技士の存在が確認できる場合があります。


調査方法(防災・設備)
防災や設備など、非メディカルの部分の調べ方です。こちらは、医療従事者には馴染みのない用語が多く出てきます。弊社は災害コンサルティングが生業ですので、比較的身近なものが多いですが、このEMISの調査はかなり細かいことまで触れています。
ハザードマップ
ハザードマップを開き、左上のアイコンを『洪水』や『津波』など調整して自院の状況を把握します。




