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BCP 実績・事例

市内唯一の急性期病院様 | BCP実績 | NES株式会社

BCP事業の実績紹介

民間病院
(市内唯一の急性期病院)

特徴

 こちらの医療機関様の特徴は以下のとおりです。

  • 北陸の日本海沿岸の人口4万人規模の市にある病院
  • 鉄筋コンクリート造、免震構造
  • 病床規模は200~299床、一般病床のみ
  • 二次医療圏内の病院の一般病床の27.8%、市内の病院の一般病床の100%を占める
  • 平時の外来患者数は300~500人程度
  • 日本海まで2~3km、山まで3~4km、最寄りの災害拠点病院まで7~8km程度



災害拠点病院ではないが….

 災害拠点病院とは、災害時に多発する挫滅症候群や多発外傷、広範囲熱傷等の重篤救急患者の診療を担う特別な備えをした病院です。

 この病院は、災害拠点病院ではありません。

 しかしながら、災害時の備えが欠かせない病院でもあります。

 この病院にとっての脅威の1つが水害です。

 大きな川を渡らないと災害拠点病院には行けませんが、ハザードマップでは橋に向かう道路が冠水する想定です。

【参考】NES:災害拠点病院マップ

【参考】内閣府 防災情報のページ: 南海トラフ地震対策




市内唯一・二次医療圏内No.2

 災害拠点病院ではないため災害時に大量発生する患者を診るための備えをする義務はありませんが、備えなければ地域が医療崩壊を起こす恐れがあり、必然的に災害に強い病院づくりになっています。

 市内を見渡しても一般病床がないため、この病院から患者を放出することが非常に難しい状況にあります。
 仮に、他院へ全患者を引き取ってもらおうと考えた場合、同院より病床規模が大きい隣接市の市民病院は災害拠点病院であるため受入困難であるとすると、自院より小規模の病院に分散させるしかありません。とはいえ、他院も立地都市内では数少ない一般病床を抱えているため、余裕はありません。広域搬送しか選択肢がないと言えます。

 二次医療圏内で2番目に大きな病院であるということは、2番目に頼りにされる病院であると言えます。二次医療圏内には災害拠点病院が1つしかないので、そこがダメならココ、という感じになろうかと思います。あるいは、災害拠点病院へ連れていくほどではないからという理由で殺到するかもしれません。




BCP方針・戦略

脅威の定義

 今回、弊社が受託した際のBCP上の脅威は『水害』でした。

 院内アンケートを実施したところ水害が優先、地震は見送りとなりました。この地域、過去をさかのぼっても震度を粒立てて記録するほどの地震がなく、令和6年能登半島地震で震度4を記録しましたが、大きな被害も無かったので地震は見送りになりました。



提供すべき医療

 最高位の災害医療は隣接市にある災害拠点病院に任せるとして、自院は既存患者を守りつつ、可能な範囲で新患へ対応します。

 自院にとっての重要業務は既存患者のケアとしました。



患者想定(シミュレーション)

 地域の病院をリストアップし、当該医療機関が担っている医療について示しました。

 病院だけで比較した場合の病床数の比、診療所まで含めた場合に比率など、自院がどれだけ地域のシェアを持っているか確認しやすくなるようデータをまとめました。

 調べれば調べるほど、代わりがきかない病院であることがわかってきました。

 今回は水害を脅威としたため、新患発生は少ないと見込みましたが、平時どおりに発生する急患の行方や、地域の診療所や高齢者施設から水害を理由に流入する患者のシミュレーションなどを行いました。



BCP上の戦略と方針

 浸水により自院が大きなダメージを受けたとしても、地域での役割を変えることなく、提供すべきサービスを継続するためには戦略が不可欠となります。




シミュレーション

 天気予報の精度が高い日本において、水害はある程度の予想ができる災害です。ゆえに、死傷者が多発するような事態は想定しづらいです。

 二次医療圏全体で12万人、1日に何十回も救急車が出動している圏域において、水害が発生しても救急患者は発生し続けると考えられます。道路事情が悪化している中で、当院が全患者を受け入れても良いと考えるくらいでないと『想定外』が発生してしまいます。
 雑な数字で言うと、隣接市にある災害拠点病院が2、当院が1という比率で平時に救急車受入を行っています。すなわち、片方が救急車の受入を止めれば、他方がシェア100%になるということです。相手が2倍なので、こちらが受け入れる場合の患者数の多さは、身構えておく必要がある増え方です。

 浸水で建物が崩れるような医療機関や高齢者施設はないと思いますが、並行して発生する断水や停電、物流停止などにより患者や入所者を当院へ預けたいと言い出すのではないか、ということも想定しています。




行動計画

大綱

 ヒト・モノ・情報などそれぞれについて非常時に何が起こり、どのような行動を起こすのかを書き込んでいきました。

 その行動に必要となる備蓄なども併記しました。



重要業務

 戦略策定時に掲げた重要業務に対する行動計画を立てました。

 まずは院内の既存患者(入院患者)を守ること、次に外からの患者を受け入れられるように体制を整えること、この順で計画を立てました。



職員参集と受援

 発災後に参集できる職員の数で、サービスの量・質が左右されます。

 水害が広がっている状況を鑑み、24時間は出勤者ゼロを想定しています。急ぐこともないので、職員には出勤停止を命じる方針としています。



情報発信

 災害時の情報収集は当然のこととして行われると思います。BCPにもその手段や頻度などを明記しています。

 災害拠点病院としてEMISは確実に入力する必要があります。

 当社では情報発信の重要性についてもご案内しております。


【参考】病院公式ホームページを災害モード(サンプルビュー)




BCM

マネジメント
(Business Continuity Management)

 BCPは計画です。希望も含めた内容を盛り込んだ文書であるとも言えます。

 その計画が最適に実践されるためにはマネジメントが必要になります。

 当社ではBCP策定のみならず、BCMについてもお手伝いさせて頂いております。



調整

 マネジメントの重要業務として各種調整があります。

 院内調整としては備蓄量の調整や職種横断的な役割分担など多種多様です。

 院外にも調整先があり、例えば市役所の水道局や交通局、医薬品卸会社や門前調剤薬局、同じ診療科を持つ近隣の医療機関も調整相手となることがあります。



訓練

 災害訓練に立ち会いました。

 訓練を実施することで課題が抽出できるだけでなく、スタッフの皆さんが自身の進捗を把握でき自信を持つ事につながる場合もあります。