停電時の冷凍冷蔵庫の庫内温度調査の公表について
昨年6月、私たちの本社がある兵庫県伊丹市でも大きな揺れを感じた大阪北部地震から1年が経過しました。いまだ復旧は進まず、ブルーシートがかかったままの住宅も散見されています。
この地震のあとには西日本豪雨(7月)、台風21号(9月)による大規模停電、北海道地震(9月)による全道停電が発生しました。
弊社では事業継続計画 (BCP: Business Continuity Plan)の策定支援を生業の1つとさせて頂いていることから、常日頃より『根拠に根差した提案』に努めているところであります。その中で、停電時の冷凍冷蔵庫の挙動について根拠あるデータが少ないことが既知であったため、このたび独自に実験を行いました。
皆様に生活に役立つ情報提供を続けられるよう、これからも努めて参りますので引き続きのご愛顧をよろしくお願い申し上げます。
2019年6月18日
NES株式会社
概要
標題
停電時の冷凍冷蔵庫の庫内温度調査
方法
家庭用冷凍冷蔵庫にペットボトルを入れて冷却後、電源を断ち温度変化を観察。ペットボトルは容量900mL、冷凍庫と冷蔵庫にそれぞれ10本ずつ収納し、観察中は扉を開けずに庫内温度の変化を記録。
期間
2019年6月16日(日)~6月18日(火)
場所
NES株式会社 (兵庫県伊丹市野間5-10-13)
実験
様子
冷蔵庫内の様子。水を充填したペットボトルを置き、温度計のセンサーを置いて扉を閉めます。
冷却は特別な事はせず、普通の家電品の使い方と同じ方法で冷やします。
冷凍庫内の様子。冷蔵庫と同じ方法です。
冷蔵庫は電源を通電することで冷えるので、十分冷えた頃合いを見計らってコンセントを抜き、停電状態にしました。
実験結果
冷蔵庫10℃、冷凍庫5℃の状態で停電状態に切替えました。
この温度は冷凍冷蔵庫の防霜機能が働いている状況を想定しています。
室温(気温)は25℃前後で推移していました。
冷蔵庫内の温度は徐々に室温に近づいて行き、およそ2日で室温に達しました。
冷凍庫は約6時間で0℃に達し、以後は長時間0℃を維持しました。
考察
冷凍庫は開けなければ0℃を維持でき、何もしないことで保冷効果を得られることが示唆されました。
本実験では庫内温度が高めの状態で開始したため、次回はマイナス15℃を下回る冷凍庫内温度の状態から開始する停電実験を行う予定です。
お願い
本実験は当社独自のものです。
実験データの無断利用はできません。
研究等でご利用になりたい場合は許諾請求してください。
社会貢献を目指して実験しましたので、ぜひご活用ください。