屋上を見守りたい
今日はビルの屋上にある設備を見守りたいというご要望にお応えする工事をさせて頂きました。


前回の防犯カメラ工事は既築ビルのエントランス、地面に近い作業でしたが、今回は地上20メートルくらいでの作業、一部は柵も無い塔屋での作業となりました。
屋上への通線
テナントビルは電力と通信の配線が共用部から各戸へと配られるため、共用部には全フロアー共通のパイプスペース(パイプシャフト)が設けられていたりします。
しかしながら、屋上は別です。エアコン等の専用配線や配管はありますが、電話やインターネットなどの通信線は屋上には用事が無いので配線・配管されていません。
したがって、新たに配管・配線をする必要がありました。


屋外から管理人室へ
まずは屋上から配管(PF管)を下へ垂らして配管を開始しました。
屋上から下を覗く事ができないので、適当な長さを垂らしたら下へ行って長さを確認することにしました。
何往復か必要かと思いましたが、管理人室の窓を開けると、配管の先端が目の前にあったので、一回で終わりました。
画像の通り、先端にはアウトレットボックスを取り付けて先端を固定、屋上で配管を引き上げて仮止めし、各階の窓からサドルで固定していきます。
アウトレットボックスから屋内へゴニョゴニョと工事をして、通線孔をつくります。


配管両端の位置決定と通線
屋上の配線末端位置を決めて固定します。
配管の両端が決まったので通線します。
LANケーブルなので途中接続はNG、一本で端から端まで行きたいので、屋内側に必要な長さも計画します。
屋上側から線を入れると、重さで物理的に下へと移動してくれるので配線(通線)はラクです。
縦移動の分は通線ツールなしで通っています。外壁から屋内へ通す際には通線ツールを使いました。
PoEの装置を使うため、管理人室から屋上への電源配線は不要です。LANケーブル1本だけ通します。
配管内だけでも20m近く、屋内でも10m近く使うのでLANケーブルは長さにゆとりのある物を使いました。


屋上の上の塔屋工事
屋上の上に飛び出る塔屋はエレベーター機械室を兼ねており、なかなかの広さがあります。
ここにある排水溝が詰まると危険なので、排水溝の詰まりを監視するカメラを設置します。
また、高置水槽があるので、その異常も検出するために排水溝と高置水槽の両方を監視できる位置にカメラを設置します。
まずは道具と材料を、ハシゴを使って持って上がります。
今回、20kgあるコンクリート塊を持って上がったのですが、命綱(安全帯)を使って慎重に持ち上げました。


コンクリート塊にカメラを固定
防水がしっかり施工されている屋上ではビス穴1つでも防水が破綻するので、穴あけ工事はできません。
そこで今回はコンクリート塊を設置し、そこへカメラを取り付けて監視する事にしました。


あと2台は塔屋の側壁
今回、写真を撮る前に雨が降ってきてしまったので記録が無いのですが、あと2台設置しています。塔屋の側壁に設置し、電気室(キュービクル)やエアコン室外機を観察しています。
深夜でもしっかりとした画像が手に入ります。


HUBは塔屋側壁
管理人室から屋上までは配管を通し、配線も終えていますが、電源供給を兼ねたHUBの位置は未決定のままでした。
カメラ位置が決まったところで、HUBの位置を決めました。
屋上で下からの配管・配線をキャッチしているアウトレットボックスの真上、床から180cmくらいの高い位置に設置しました。
この真上には塔屋屋上から来た配管を受けるアウトレットボックスを設置し、そのボックスには防犯カメラも設置しました。
全4本の配線がそのアウトレットボックスからHUBを収めるウォルボックスへと配管内を通って敷設されました。
雨天のため、写真がありません。
HUBの位置に合わせて端末処理
各方面からの配線は、カメラセットに付属していた配線を使用しました。
1本を除き有り余る長さなので、カットして端末処理しました。
並べ方ですが通常は『B配線』を使います。



道具と材料は、下記2点だけあれば足ります。
この先のカメラ設定などは、以前の工事を参考にして頂ければと思います。
台風でも遠隔監視
今回は防犯ではなく保守・保全のための監視カメラですので、対象物が昼夜を問わず見える事が重要になります。
試写映像では十分に対象物を捉えられていましたので、あとは微調整をして工事完了になります。

防犯カメラ
今回は既築ビルに防犯カメラを設置する工事をさせて頂きました。
工事は2人日(2人工)でした。
800万画素のPoEカメラは施工がラクな上にクリアな画像が入手でき、目的を果たしました。
使用機器は下記の商品です。
屋上作業などは作業者の安全確保、防水などの建物の保全など経験・知識・技術がないと難しい部分もありますので、DIYで施工をお考えの場合は、何かあったときの損害・危害も検討した上で、プロに依頼すべきか決定すると良いでしょう。
例えば装備品。私は下記の安全靴を履いて作業しています。靴だけで7~8千円します。救急隊も使っている業務用なので30cmまでラインアップがあり、私は29cmを使っています。
ハシゴの昇降などの際には安全帯も装着しています。安全帯は足場作業用と柱上作業用で多少の違いがあり、柱上作業用は身を委ねて作業をするので、よりしっかりしたロープになっています。安全帯を付ける腰ベルトも業務用です。腰ベルトだけで1万円以上したと思います。
安全第一、生命優先、ぜひご検討ください。