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AMEDの医工連携事業 | NES株式会社

国立研究開発法人日本医療研究開発機構 - AMED -

司令塔

 2013年の第二次安倍内閣で策定された『日本再興戦略』では健康寿命の延伸とともに、今後拡大する医療・ヘルスケア分野を成長産業ともとらえる旨の記載があり、実行組織として司令塔機能の創設が閣議決定されました。

 当時『日本版NIH』とも言われ、省庁間の縦割りを排し、国策として医療やヘルスケア全般にわたり研究開発戦略を担う機関の創設が検討されました。

 2014年2月には『健康・医療戦略推進法案』が閣議決定され、5月に成立し並行して『独立行政法人日本医療研究開発機構法』も成立しました。

 2015年4月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が設立され、初代理事長には慶応大学医学部長を務めていた末松誠先生が就任されました。

 司令塔として、簡単にいうと文部科学省、厚生労働省、経済産業省、内閣府がそれぞれに実施している医療系の研究開発や補助事業などをAMEDに集約させ、ワンストップで事業の調整を行う機関として発足しています。

[Link] 日本経済新聞: 政府が日本版NIH検討 医療研究、司令塔作りに壁 曖昧な役割 屋上屋の懸念(2013年5月31日)
[Link] 日本経済新聞: 初代理事長に末松慶大医学部長 医療研究開発機構(2014年10月29日)


AMED(エーメド)

 医療分野の研究成果を早期実用化し、その成果を待っている患者や医療従事者へ確実に届けることを目指しています。

 AMED自体が研究するのではなく、AMEDが課題とするテーマに応じた様々な研究を支援する形で進められています。
 AMED発足後から基礎研究を始めていては当初何十年も成果が出づらいですが、国内最先端の研究チームをAMEDがサポートすることで最短で成果を挙げる仕組みとしています。

 専門家集団である学会とも連携を強化し、ビッグデータにも対応できる基盤を構築しています。

 アカデミア(学)だけの研究助成ではなく、産業界に対する手厚い助成事業も行われています。医療の特殊性や本邦の超高齢社会などを鑑みた産学官連携を推進しています。

[Link] 日本医療研究開発機構: 法人案内




発足当時のAMED

発足前夜

 2010年より少し前あたりから、厚労省・文科省・経産省・内閣府が同じステージで意見を交わす場面を見かけるようになりました。

 莫大な医療消費がある循環器領域、山中先生がノーベル賞を受賞する前の再生医療、革新的な治療法に期待が膨らむがん医療、さまざまな学会やシンポジウムで多省庁が意見交換する様子を見ました。

 この頃、医科ではない工学系などの大学では自動車や宇宙の研究から超高齢社会を見据えた医療系の研究へ目を向ける先生が増えたのも実感していました。

 他国で開発された医薬品を輸入すれば日本国民の治療はできますが、日本国民が欲しい治療薬が海外にあるとは限りません。
 また、高齢者の絶対数が増えて行く中で、輸入に依存し続けると雇用も納税も外国にばかり流れて行くことになりますので、2013年の日本再興戦略があったのだと思います。

[Link] 首相官邸: 日本再興戦略 - JAPAN is BACK - (2013年6月14日)


発足当初

 発足当初(2015年4月)に講演資料を見ると、文科省・厚労省・経産省が持っている予算の内、医療に関するものを約1,200億円がAMEDの采配で研究助成や資金援助に使われる計画になっていました。

 プロジェクトは大きく9つが走り、『オールジャパン』での『医薬品創出』『医療機器開発』が医療に詳しくない国民にもわかりやすいプロジェクトであると思います。

 他に革新的医療技術創出拠点プロジェクト、再生医療の実現化ハイウェイ構想、疾病克服に向けたゲノム医療実現化プロジェクト、ジャパン・キャンサーリサーチプロジェクト、脳とこころの健康大国実現プロジェクト、新興・再興感染症制御プロジェクト、難病克服プロジェクトが走り出しました。

 再生医療の『ハイウェイ』については薬事法改正により施行された薬機法(医薬品医療機器等法)で、再生医療製品については『世界最速実用化』とも言われる承認制度を実装しました。iPS細胞の発祥国としても知られる日本が、再生医療で世界をリードする基盤が次々と構築されていきました。

 弊社関係者が最も関与するのが『オールジャパンでの医療機器開発』です。
 この中に複数の事業が並走し、それぞれの分野において成果を出すことを目指しています。

 9つのプロジェクトにはマネジャーとしてプログラムディレクター(PD)が配置され、各事業にはプログラムスーパーバイザー(PS)が責任者として置かれます。その下にプログラムオフィサー(PO)が置かれ、PSとPOで事業を計画し、運営していきます。
 PSやPOは各専門領域における第一人者的な人物が据えられており『日本代表チーム』といったイメージが持たれます。

 AMEDの組織体制については下図のとおりで発足しています。
 職員300人中の200人が任期付きですが、多くの人が新しい組織に関わり、巣立っていくというサイクルが適正にまわれば良いと思ってみています。

 このような体制でスタートしたAMEDですが、3年、5年と経過する中で時代のニーズにあった形に変化し、より多くの課題を少しでも早く解決すべく研究開発を推進しています。




AMED採択事業のサポート

採択に向けたサポート

 弊社ではAMEDに限らず、競争的資金の獲得に向けた様々なお手伝いを実施しております。

 過去、AMED関係では医工連携事業化推進事業、医工連携イノベーション推進事業において提案書(申請書)の作成支援などを行った実績があります。

 研究ですので、研究をなさっている中核人材に記載してもらう文章や図画は多くなりますが、それを提案書に沿うように構成・校正し、採択に向けて調整を図ります。
 まっさらな状態、白紙の提案書から一緒に考える、ときにはコンソーシアム参加企業まで当社で探してくるような事も行っています。

 競争的資金の『目的』を熟考し、どのような提案が採択されるのかを見据えた提案書作成に努めています。

事業スキームの考案と図式化(著作者:西謙一)
コンソーシアム構築と体制図作成(著作者:西謙一)

採択後のサポート

 AMED事業に採択されたあとの事務処理対応や事業化に向けた進捗管理、倫理教育などを総合的にサポートします。

 過去にお手伝いさせて頂いた事例では、処理ミスにより研究費不正とレッテルを貼られないようにという事で、コンソーシアムに参加する全企業を訪問して、AMEDルールの共通の認識を持った上で事務処理をして頂きました。

 採択後のサポートは1~2月頃に作業のピークを迎えますが、弊社では夏~秋にかけて仕込み、ピークの分散を図って確実な年度末処理の実施に取組んでいます。


自らコンソーシアムに参加

 稀なケースではございますが、弊社がコンソーシアムに参加する事もあります。

 弊社は、アドバイザーの立場であれば比較的使いやすい企業であると考えております。

 この『アドバイザー』が『推奨』となった背景には、企業や研究者のプロダクトアウト型の研究開発で上手く事業化が上手く行かなかった例が散見されたためと聞いております。
 文部科学省などの資金では基礎研究も多く行われますが、経済産業省関連の予算では事業化の推進が念頭にあり、実際に皆が使えるデバイスやサービスの開発を目指しているため、作って終わりというものではありません。

 平成22年度補正予算から始まった医工連携事業ですが、私たちは当時から関わっているため、こうした変遷も見ながら、どのようなコンサルティングが求められているかを考え、サービスを提供しています。


AMED関連事業受託実績

 弊社ではAMEDが展開する製品評価サービスを受託し、調査を実施した事が幾度かあります。

 調査員として医師らへインタビューする人員には医療従事者を充て、ネット検索では出てこないような質問を投げかけ、事業に役立つ情報を引出しています。

[Link] NES: ユーザー評価・製品評価




AMED提案書FAQ

 AMED事業への採択には、まず提案書(応募用紙)に記入してエントリーする必要があります。
 誰もがエントリーできるようにわかりやすく作成されていますが、コロナの影響で説明会が行われなくなりましたので、少し補足が必要になっているかもしれません。

 よくいただくご質問について、下記のとおりご紹介いたします。
 個別に検討が必要な事も多いので、下記を鵜呑みにせずコンサルタントにご相談されると良いと思います。


Q.1社だけで応募できますか?

 原則、できません。
 体制として『代表機関』と『分担機関』の共同体(コンソーシアム)が必要であり、そのメンバーとして『中小企業』『製造販売企業』『医療機関』の3つが必須です。
 中小企業が製造販売企業を兼ねる事は可能です。
 医療機関まで兼ねる事ができる中小企業であれば1社での申請も不可能ではないですが、実施体制は評価対象ですので、十分な体制が取れなければ採択される可能性が低くなってしまいます。


Q.中小企業の定義はありますか?

 あります。下表をご参照ください。


Q.みなし大企業とは何ですか?

 みなし大企業とは、資本金等の基準では中小企業であるが、下記の定義に照らして合致する企業を指します。

  • 発行済株式の総数または出資金額の2分の1以上が同一の大企業(外国法人含む)の所有に属している企業
  • 発行済株式の総数または出資金額の3分の2以上が複数の大企業(外国法人含む)の所有に属している企業
  • 大企業(外国法人含む)の役員または職員を兼ねている者が役員総数の2分の1以上を占めている法人

 みなし大企業であっても、中小企業として応募することはできます。
 ただし、人件費の計上ができません。


Q.間接経費は計上できますか?

 できます。
 直接経費の30%を目安に手当されます。


Q.経費の費目間の移動・変更はできますか?

 できます。
 研究開発計画との整合性・妥当性があればAMEDの承認を経ずに一定額まで可能です。
 AMEDの承認が得られれば幅が広がります。


Q.e-Radとは?

 e-Rad(イーラド/イーラッド)とは府省共通研究開発管理システムの事で、研究開発に関する手続きのオンラインシステムです。
 公募事業で直接関係してくるのが研究者ID、識別番号です。
 識別番号は法人と個人のそれぞれに与えられます。
 法人の新規登録には2週間程度かかりますので、AMED事業に応募しようと思うならば、先行してe-Radは申請しておきます。申請には履歴事項全部証明書を同封した郵送手続が必要です。
 個人のID取得に時間はさほどかかりません(法人がe-RadのIDを取得済の場合)。また、個人が過去に所属していた機関で個人IDを取得していれば、転籍先でも同じIDを使う事ができます。筆者も研究機関所属時代のIDを今でも使っています。

[Link] e-Rad