カテゴリー
AI・IoT・Computer BLOG research 医工連携

厚生局ローカルルール変更 ~影響は弊社だけ?~ | NES’s blog

 弊社の内部的なことですが、本日、月初の保険医療機関データメンテナンスを実施しました。

 そこで発見された『変化』が、業務に大きく影響しています。




メンテナンス作業とは?

 弊社ではコンサルティングの質向上の一環として、保険医療機関の全軒データを収集し、毎月更新しています。この、データ更新作業が今回の『メンテナンス』です。

 データは、自前の集計システムに登録しています。


 これまでもしばしば、地方厚生局のローカルルールに悩まされながら、集計システムのアップデートを重ねてきました。


 集計したデータはウェブでも公開しています。更新頻度は不定期、手が空いているときに更新しています。非公開の社内データベースは最新を維持できるように備えています。




東北厚生局のローカルルール変更

 全国の各厚生局からデータをダウンロードして内部システムに反映しようとしたところ、明らかに見たことのない画面に遭遇しました。

 圧縮ファイル(zipファイル)を解凍すると、中にはExcelファイルが1つしか入っていませんでした。

2024年7月の東北厚生局

 これまでの東北厚生局の圧縮ファイル(zipファイル)は、下図のように1県1ファイル、東北6県で6ファイルが格納されている状態でした。

2024年6月までの東北厚生局

 それが、前述のとおり1つのファイルになっています。

 誤って1県だけのファイルをダウンロードしたのかと思ってファイルを開いてみると、6県がまとまっていました。


 最も恐れていたのは6県が1シートにまとまってしまうことです。そうなると、都道府県判別のプログラムを新たに書かなければならず、所在地欄に誤記が多いこのデータ群では手作業が増えてしまう可能性がありました。

 最悪ではありませんが、何らかの改善策を講じなければならない事態ですので、筆者にとっての改悪ではあると思います。

 6ブック・6シートが1ブック・6シート、どう処理するかはこれから考えます。




東海北陸厚生局のローカルルール変更

 東海北陸局のローカルルール変更は地味でしたが、影響は大きかったです。

 保険医療機関の施設届出受理のファイルをダウンロードして来たところでは、先月と変わった様子はありません。


 圧縮ファイル(zipファイル)を開いてみても、東北局のようなことはなく、6県分のExcelファイルが用意されています。

 施設届出のフォルダにExcelファイルを移そうとしたとき、異変に気付きました。

 ファイル名のルールが変更されています。


 従来のルールですと『2407(愛知医科)届出受理医療機関名簿』となりますが、今月からは『2407(愛知)届出受理医療機関名簿』となりました。


 一見すると違いがわかりづらいのですが、ファイル名に『医科』が入っているか否かで大きな違いがあります。

  • 2407(愛知医科)届出受理医療機関名簿
  • 2407(愛知)届出受理医療機関名簿

 弊社システムでは、施設届出の集計に際しては医科・歯科・薬局の3種類を1つのフォルダに入れて集計します。したがって、医科・歯科・薬局の区別がないファイル名では不都合が生じます。

 今回、医科も歯科も薬局も、東海北陸厚生局が提供するフォルダ内のファイル名はまったく同じになってしまいました。

 システム的にはファイルの中身しか見ていないので、ファイル名は無視できますが、同じフォルダに入れる際に、同じファイル名では受付できない、あるいは重複登録してしまう恐れがあるため、この小さな変更が大きく影響しています。




施設基準も

 施設基準の届出受理について、これまでは都道府県別に出されていたものが、管内の全件を一括するようになった厚生局があります。

 今後、ファイル数が減っていくことが期待されます。




そもそもの背景

 そもそも、この保険医療機関の情報管理において、地方厚生局の裁量権が大きいというか、ガバナンスが効きづらいというか、自由奔放という感じです。

 厚生労働省の本省が発表するのではなく、地方厚生局が発表するのでいくつか足並みがそろわないところがあります。

  • 公開ファイルはZipファイルやExcelファイル
  • 管内全県を医科/歯科/薬局でまとめる方法が多いが、九州局だけ県のzipファイルでまとめている
  • Zipファイルの構成が1層目にファイルが入っている場合と、2層目にファイルが入っている場合がある
  • ファイル名が日本語の場合と英語の場合が混在
  • ファイル名に使う年月に西暦と和暦が混在
  • 数年前まで拡張子がxlsxとxlsが混在
  • 公開されるウェブページの階層などに決まりがない
  • 公開されるウェブページ内での表示方法が表形式やリスト形式が混在し、表形式でも縦と横の使い方がバラバラ

 挙げると、まだまだ出て来そうですが、とにかく地方厚生局毎に自由に作っています。




複雑ゆえに弊社にご相談を

 47都道府県のデータ、医科・歯科・薬局に分かれて配られるデータ、これだけで141ファイル存在します。北海道局では医科の病院と診療所が別ファイルなので、実際には142ファイル存在します。

 保険医療機関の指定状況だけで142ファイルですが、施設基準の届出状況も同じく医科・歯科・薬局があります。

 データは保険医療機関の医科だけでも10万件、歯科を合わせると16万件ほどです。

 このデータを毎月集計するのは大変ですし、今回のように厚生局側としては軽微な変更であったとしても、利用する側にとっては大きな変更になることもあります。

 面倒な作業だと思いますので、データ収集に時間を割くよりは、データ分析に時間を割く、あるいは営業活動に時間を割いた方が良いと思います。

 データの収集や分析は、弊社にご相談ください。