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人工鼻装着可能な医療従事者用フルフェイス型マスクの開発 | NES株式会社


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人工鼻を装着可能な医療従事者用フルフェイス型マスクの開発

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、医療従事者の健康不安にも大きな影響を及ぼしています。明らかな陽性患者を扱うシーンでは厳重な感染防護策とゾーニングが敷かれますが、救急外来などでは何もわからぬまま診療を開始しなければなりません。マスクやフェイスシールドによる防護策は行われていますが、ウイルスの侵入を高度の抑止する物ではありません。

 国立病院機構京都医療センターの救急医より、密閉度の高い水中マスクに人工鼻を取り付けたいという相談があり、当社にてコネクタを開発しました。その用途は医療従事者の保護であり、治療目的ではありません。

 人工鼻はウイルス等を99.9%以上捕集する効果があり、人工鼻を介してマスク内に取り込まれた空気には新型コロナウイルスが混入している可能性が極めて低くなります。フルフェイス型のため口・鼻・目を覆う事ができサージカルマスクとフェイスシールドを省略する事が可能になります。コネクタが標準規格に適合すれば人工鼻以外のバクテリアフィルタを装着しても同様の効果が期待できます。

 コネクタデバイスは片側をボルト・ナットで軸固定、他端はスナップ錠(パッチン錠)で固定します。マスクとコネクタの間にはOリングがあり、スナップ錠によりOリングが密着する構造になっています。人工鼻の接続部には標準規格があり、コネクタデバイスは標準規格に応じた筒状に形成されています。

 シングルポート型とデュアルポート型を開発し、用途に応じて多様なアレンジが可能となっています。例えばデュアルポートのそれぞれに吸気用・呼気用の逆止弁を取り付ければ吸気と呼気の経路を分けられます。

 医療従事者の安全に寄与する本デバイスは5月末までを評価期間とし、6月以降にリリースする予定です。

※.当社ではコネクタデバイスのみ開発・製造可能です。人工鼻は医療機器のため当社では取扱いしておりません。
※.感染制御の標準防護策としての適正は担保されていません。個人の裁量で使用可否の判断をお願いしております。

2020年5月20日
NES株式会社




フルフェイス型マスク

マスク

 マスクは水中マスクとして使われる顔との密閉度が高い市販品を利用させて頂いております。

 水中マスクは当然ながら水が入って来ないように設計されていますが、優れたマスクは内部が2室に分かれており、呼気が充満しにくい構造になっています。



シングルポート型

 最もシンプルな形状です。

 吸気するためのポートを1つ備え、そちらに人工鼻などのバクテリアフィルタを装着して頂きます。



デュアルポート型

 ポートが2つ備わったタイプです。

 それぞれのポートを用途別に使い分けることができます。

 コネクタデバイス内は仕切りで2室に分かれているため、一端はマスクを介して空気が流れる仕組みになっています。

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簡易陰圧システム開発ストーリー | NES株式会社

簡易陰圧システム新規開発

 2020年春、新型コロナウイルス感染症の流行拡大が懸念されている頃、私たちは簡易陰圧システムを独自開発しました。

 ニューヨークではコロナ病床が数万床単位で不足するという最悪のシナリオが示され、その対応策が早々に打ち出されていました。
 一方で日本では、そこまでの悪い数字にはならないだろうという予想が示されていました。

 ただし、軽症や無症状では病院には居られないという事であり、感染の疑いがある帰国者などは自宅待機となることは明確になっていました。

 自宅待機・自宅療養者が家族に感染させないためには、滞在している部屋を陰圧にする必要があると考え、家庭でも使える簡便な陰圧装置を構想しました。

 その開発工程について、以下に述べてまいります。




簡易陰圧システム開発ストーリー

開発サマリー
 ├ 基本構想
 ├ 試作
 ├ 原理モデルと検証
 ├ 基本設計
 ├ 製品初号機
 ├ 商品初期ロット
 └ 商品2号機

ターゲットプライス
 ├ 100万円で複数台
 └ 200万円で5台 

利用シーン
 ├ 開発者の想定
 ├ 医療機関
 ├ 救急外来
 ├ 病棟休憩室
 ├ 発熱外来
 ├ 外来待合室
 ├ 季節性インフルエンザ流行
 ├ 在宅医療
 ├ 介護施設・高齢者施設
 ├ 軽症者・無症状者自宅療養
 ├ 軽症者・無症状者ホテル療養
 ├ 保健室(学校)
 ├ 避難所(学校)
 └ 災害対策本部

Keyword
 ├ COVID-19・新型コロナウイルス感染症
 ├ 陰圧室
 ├ CDC
 ├ HEPAフィルタ
 └ 自宅療養予想(当社独自)




開発サマリー

基本構想

 まずはどのような原理で陰圧を掛けるかということや、どのような部屋を陰圧化するかといったことを想像しました。

 その結果に基づいて、ラフな構想図を描きました。



試作

 基本構想から基本設計に移る段階では、頭の中で設計図を描きながらホームセンターで材料を揃えました。

 買物は1回では終わらず、レシートは数枚になってしまいました。

 やはり、設計図を描いた方が効率的でした。



原理モデルと検証

 最初の試作機は原理モデル。

 この原理で陰圧化が可能であるかを検証しました。

 その検証結果を携えて、医療従事者や販社、設備屋さんなどから厳しい評価を受けました。



基本設計

 検証結果や評価に基づき、基本設計を実施しました。

 木製の試作機は原理モデル・形状モデル・評価モデルを兼用しましたが、明らかになった改善点を基本設計に反映しました。



製品初号機

 ほぼ基本設計どおりに製品初号機が完成しました。

 この装置を使って検証を重ねると同時に、この装置も持って売込も開始し、どのような点が改善されれば調達に至るのかを調査しました。



商品初期ロット

 商品化ができました。

 パンフレット制作や型番決定、価格設定などの作業を並行し、市場にリリースするに至りました。



商品2号機

 商品初期ロットには無かったブレーカーやスイッチの増設、電源ケーブルの延長、脚部の補強などを行った2号機が2020年8月にリリースされました。

 銘板や注意喚起ラベルなども貼付され、それなりに見栄えのする商品に仕上がりました。




ターゲットプライス

100万円で複数台

 陰圧装置のイメージとして、1台100万円超というのが普遍的だと思います。

 私たちは、100万円で複数台調達していただけるようにと考え、工事費等を考慮しても上限で48万円でおさまる簡易陰圧システムの開発を目指しました。

 このターゲットプライスを実現するために、今後もコストダウンを研究し、1千台の普及を目指します。



200万円で5台

 1千台販売の向こう側には、5台で200万円の装置開発を構想しています。

 梱包や発送の効率化、オプション品の共用などにより実現できるように根本からデザインを見直す予定です。

 まだプロトタイピングも行っていない段階ですので、まずは1千台の販売、開発資金の調達を目指します。




利用シーン

開発者の想定

 私たちは以下のようなシーンで利用されることを想定し、開発を重ねてまいりました。

 そして、今でも利用シーン毎の課題を検討し、改善策を提案し続けています。

 感染症の制圧に少しでも貢献したい、私たちの願いを込めています。



医療機関

 『患者』が収容される先として最も想像しやすいのが医療機関です。

 感染症指定医療機関には既に陰圧室が整備されていますが、感染症の流行拡大により病床不足が発生し、他の医療機関にも感染症患者が収容されることが予想されました。

 他の疾患で入院している患者が感染している可能性もあるため、感染症指定医療機関に限らず、すべての医療機関に危機が迫っています。



救急外来

 偶発的に新型コロナウイルス感染症患者を収容することになる医療機関も発生することが予想されます。

 その最たる場所が救急外来です。

 交通外傷や心筋梗塞で搬送されてきた救急患者にPCR検査の結果を待っている余裕はないかもしれません。

 最前線で診療にあたる医療従事者は個人防護具で身を守る必要がありますが、救急外来を陰圧化することで院内への感染症蔓延を防止する効果が期待できます。

取付方法(想像)…窓の少ない救急外来ですが、機材庫や手洗いなどどこかのスペースに陰圧装置を置いて、近くの小窓や換気口からダクトを出すことができるのではないかと考えます。


病棟休憩室

 新型コロナウイルス感染症患者を受け持つ医師や看護師らは、個人防護具の脱着も大きな手間となるため、防護具を付けたまま休憩することがあります。

 病室は陰圧化されていても、陰圧化された休憩室まで用意されている事は少なく、休憩場所に困っている人も現れると予想しています。

 仮設の休憩室に陰圧、私たちの装置が活きやすいシーンではないかと考えています。

取付方法(想像)…排気管を出す窓などがある場所を仮設の休憩室とすることで設置しやすくなると考えます。


発熱外来

 駐車場にテントを張って発熱外来としている映像がニュースなどで流れることがありますが、仮設の発熱外来でも役に立つのではないかと考えています。

 例えばリネン庫やゴミ集積室。
 普段はバックヤードとして使う場所ですが、屋外にも屋内にもドアを持っているため、新たな患者の通行路として開くことができます。

 バックヤードにある空間を発熱外来ブースとして、そこに陰圧装置を設置することで、仮に陽性患者が現れても院内にウイルスが流入することを抑止できる可能性が高まります。
 陽性患者を専門病院へ転送する車が来るまでの間、発熱外来ブースは陽性患者専用として封鎖することも可能になります。

取付方法(想像)…バックヤードの適当な部屋を使う場合、屋外からの入口ドアがあるので、そこにカーテンなどを設置して隙間から排気管が出せるのではないかと考えます。テントで実施する場合は、テントの側幕の下からダクトを出して、隙間は毛布などで目張りすれば良いのではないかと考えます。


外来待合室

 何の診断もついていない患者が溢れる場所が外来待合室です。

 可能であれば診察前と後で待合室を分けることができれば良いのですが、そうしたつくりになっている医療機関は滅多にありません。

 不確定要素が多い外来待合室を陰圧化することで、診察室や医事課などに外来から空気が流入する可能性を低減することができます。
 陰圧装置で一定量の空気を排出することができますので、ある程度の換気も可能になります。

取付方法(想像)…窓があれば窓から出します。無ければ排気管を延長して医事課のカウンターなどからバックヤードを経由して屋外へ導くことができると考えます。


季節性インフルエンザ流行

 1日に10万人規模でインフルエンザの陽性判定が出されている、これは例年のことです。
 陰性判定も居る訳ですから、医療機関には高熱や倦怠感など感染症を疑う患者が殺到していることがうかがえます。

 何の感染症なのか判断がついていない患者が内科や小児科を中心に集まる訳ですが、新型コロナウイルス感染症流行拡大後の国民感情からすれば『私がうつしてしまうかも』『何をうつされるかわからない』と考える人も少なくないと思われます。

 季節性インフルエンザの流行期には、医療機関の規模や標榜科に関わらず、陰圧システムの需要が増えると予想しています。

取付方法(想像)…排気管が出せる場所を患者の居場所とする方法か、外来待合室の項で述べた方法で対処できると考えます。


在宅医療

 在宅医療を受けている患者は、当然ながら何らかの疾患を抱えています。

 在宅という環境ゆえに、患者が接触する人は特定されます。
 それは家族、訪問看護師、ホームヘルパー、宅配業者などです。

 患者と接触する人が媒介者になってしまう場合は避けようがありませんが、宅配業者や工事業者など患者と接触しない人が持ち込むウイルスは、療養室の外、玄関などを陰圧化することで在宅療養者を守ることができます。

取付方法(想像)…住宅では窓が近くにあると思われますので、窓から出す方法が最も簡便だと思います。マンションの玄関の場合は窓がありませんが、来訪者が来た時だけ玄関ドアから排気させることもできると考えます。


介護施設・高齢者施設

 高齢者等の福祉施設では、健康弱者が集団生活を送っているため感染症に対する危機感が高いです。

 季節性インフルエンザの時期になれば毎晩のように誰かが熱発するということもあります。
 2020年以降、こうした発熱した入所者を様子観察する場合でも、他の入所者や接触しないスタッフに感染してしまう可能性を最大限に低減するために陰圧装置が必要になると考えています。

 高齢者施設であれば、どこか1部屋を仮設の陰圧室として、往診や救急車の到着までを過ごしてもらうスペースを確保することで、施設内でのクラスターの可能性を抑えることができます。

取付方法(想像)…窓から排気する方法が考えやすいです。窓には脱出防止用のウインドロックなどを設置し、不用意に開放状態とならないように配慮が必要です。入所者の自室に設置する場合は色々と工夫が必要になるかもしれませんが、相談室や談話室などを一時的に封鎖して陰圧療養室とする場合は、窓がある部屋を選択すればよいと考えます。


軽症者・無症状者自宅療養

 新型コロナウイルス感染症の陽性判定後に自宅療養する人は少なくありませんが、自宅には家族も近隣住民も居ます。

 明らかの陽性である患者ですので、自己を隔離する必要があります。

 療養する自室を陰圧化することで、生活する上で出てしまうウイルスを宅内の他室へ波及することを予防できます。

 トイレや浴室も陰圧化することが可能なため、宅内では陰圧装置と共に生活することで、家族クラスターを抑止することができます。

取付方法(想像)…窓のある部屋で療養することで、窓から排気管を出すことができます。できる限りトイレに近い部屋で療養することで、トイレ⇒療養室⇒陰圧装置⇒屋外という空気の流り、トイレまでを一体の陰圧室として運用できると考えます。


軽症者・無症状者ホテル療養

 2020年4月、ホテル丸ごと借り上げてコロナ患者を収容する動きが全国で散見されました。

 ホテルの窓は小さくしか開きませんが、部屋の大きさも限られていることからアルミダクトを加工すれば窓の隙間でも十分に陰圧化できる場合があります。

 ホテル丸ごとコロナにする場合は、そもそも宿泊フロアに居る人は全員がコロナ陽性患者であるため、陰圧化の必要性は少ないと考えられます。
 仮に部屋を陰圧化する場合、その排気は廊下に出し、廊下の空気を非常階段などから屋外へ出す方法も考えられます。

取付方法(想像)…各室にある小さな窓から屋外にだすことがリーズナブルです。排気管を廊下に出し、廊下全体をダクトに見立てて非常階段などから排気する方法も考えられると思います。


保健室(学校)

 学校で体調不良を訴える場合、行く先は保健室です。

 感染症が疑われる場合、校内クラスターを発生させないためには隔離する必要性もありますが、学校という場で隔離というのも容易ではありません。

 感染症を疑うか否かに関係なく、保健室自体が陰圧化されていれば、少なくとも保健室からウイルスが拡散してしまう可能性は低減できます。
 頭痛や腹痛でも、咳や高熱でも、どのような症状で保健室来ても、皆が陰圧室に居ることになるので、コロナを称したイジメなどに発展する可能性も抑えられるのではないかと考えます。

 保健室は、子供が居るときは常時陰圧、これが新常態となっても良いかもしれません。

取付方法(想像)…学校ですので窓があると思います。保健室は1Fにあることが多いので、窓から排気管を出してしまえば設置はしやすいと思います。ストーブの囲いのように、子供たちが触れてしまわぬような対策は必要になると考えます。


避難所(学校)

 小中学校が避難所として使われることはよくあります。

 これからの避難所は感染症対策も不可避となりました。

 感染症が疑わしい被災者や、そもそも陽性判定を受けて自宅療養中の被災者も居るかもしれません。

 平日は授業がありますので保健室を使う訳にはいきませんので、避難所として利用される体育館等に陰圧室を設け、福祉避難所等への移送前の一時待機場所を確保することが求められていくと思います。

取付方法(想像)…窓がある機材庫や更衣室などを待機場所とすることで、陰圧装置の設置も容易になると考えます。


災害対策本部

 災害時の司令塔となる災害対策本部には新型コロナウイルスに限らず感染源は持ち込まれたくありません。

 本部を陰圧化するとあらゆる方面から菌やウイルスが集まってきてしまいますので、理想的には本部は陽圧化して侵入を防止します。
 現実的には、本部の前室や前面廊下を陰圧化することで、本部の空気は前室へ行き、前室の向こう側にある空気も前室に流れてそのまま排気されます。

 前室の空気は汚れる可能性がありますが、本部の空気はある程度の清浄度を保つことができますので、前室に陰圧装置、検討する価値はあると考えます。

取付方法(想像)…本部に汚染空気が流入しないことが目的ですので、前室や廊下のどこかに装置を設置、ダクトをのばしてでもどこかへ排気すれば良いので、設置の自由度は高いと考えます。



Keyword

COVID-19・新型コロナウイルス感染症

 新型コロナウイルス感染症、国際的にはCoronavirus disease 2019を略してCOVID-19と称されている新興感染症は、2019年末頃より流行が始まり中国湖北省武漢市では大規模な感染拡大が起こりました。

 無症状や軽症の患者も少なくありませんが、人工呼吸器が必要な重症例も多く発生し、数%の患者がお亡くなりになっています。

 季節性インフルエンザなど既知のウイルスは空気中に浮遊しても時間とともに失活するため春になれば流行が収まるといった状況を毎年繰り返していますが、今日現在、COVID-19については詳しい事がわかっておらず、予防ワクチンや治療薬は確立されていません。


陰圧室

 空気感染防御を目的として病室内を安定した陰圧(負圧)状態にして診療を行います。廊下や隣室よりも低圧であるため、空気は圧の高いところから低いところへと流れるために陰圧室からウイルス等が室外へ撒き散らされることがないとされています。

 確実な陰圧隔離を行う場合、病室の陰圧状態を安定させるために前室を設けます。廊下と前室では前室が陰圧、前室と病室では病室が陰圧になるように制御します。圧差は2.5Pa以上がCDCガイドライン上の推奨値です。

 陰圧室は隙間からでも空気を吸い込んでしまうため塵埃をも引き込むため、きれいな空気を供給するためにフィルタ付の給気口を設けます。


CDC

 CDCとはCenters for Disease Control and Preventionの略称で、米国疾病予防管理センターなどと和訳されます。医療従事者であれば『CDCガイドライン』という言葉はよく耳にしています。使い捨て診療材料の交換頻度や、消毒方法などCDCを参考にしていることが多くあります。

[Link] Centers for Disease Control and Prevention (CDC)

[Link] NES: CDCガイドラインについて


HEPAフィルタ

 きれいな空気を供給する上で多用されているHEPA(ヘパ)フィルタには定義があり、JIS規格では『定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター』とされています。

 当社では『0.3μm』に着目しており、HEPAフィルタが必ずしも有効では無いのではないかという事をお客様にご案内しております。新型コロナウイルスの径は0.1μm(100nm)程と言われておりますので0.3μmの網目であれば容易に通過できてしまいます。ただし、新型コロナウイルスの感染は飛沫感染と接触感染です。飛沫感染するときは唾液などのエアロゾルで飛散した新型コロナウイルスとなりますので、粒径は100nmよりも大きくなり、HEPAフィルタでも捕集できるようになるようです。

 また、『初期圧力損失』という表現があるように、フィルタが目詰まりを起こせば圧力損失は大きくなりフィルタの掃除や交換が必要になります。交換時にはフィルタに捕集されたウイルス等に晒されることになるため十分注意するようご案内させて頂いております。

[Link] JIS B 9908


自宅療養予想(当社独自)

 当社では今後、COVID-19陽性患者の軽症~中等症患者が院外で療養することを予想しています。それは、医療機関の病床が満杯となり、中等症と重症の境界が引き上げられることにより、従来は重症として入院していた患者も中等症として院外で療養する事になることを予想しています。

 そうならないで欲しいとは願っていますが、そのような事態になった際には自宅や高齢者施設、ホテル等でも比較的重い症状の患者を診る事になりますので、少しでもレベルの高い療養環境が即座に提供できるよう今回のような実験を行っています。




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助成・補助金(簡易陰圧システム) | NES株式会社

簡易陰圧装置 導入補助金(助成事業)

簡易陰圧装置・換気設備の設置に係る経費支援事業

 2020年春には新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関向けの補助金に『簡易陰圧装置』という文字が掲げられました。

 2020年夏ごろからは介護施設等への助成事業の中に簡易陰圧装置という文言が見られるようになりました。

 当初、1床(1台)あたり上限432万円という高額助成が多く見られましたが、2020年後半には上限90.5万円という助成も始まりました。

 私たちは、いずれの事業であっても補助対象となる廉価品を提供し続けています。
 皆様の大切な税金を使う助成事業、少しでも支出を抑え、他の事業に充当されるようにと願い、自助努力を続けています。



補助金実績多数

 新型コロナウイルス感染症などに関わる簡易陰圧装置の補助金で私たちの装置を調達なさった施設様は多数あります。

 申請内容の適正が審査され、採択されていますので、公明正大に補助金対象であると申し上げる事ができると考えております。



助成範囲

 助成事業の『要項をご確認ください』というのが明確な回答になってしまいます。

 例えば、工事費が助成されるか否かについては個々の事業で異なりますし、工事費が出る場合でもその規模や内容が異なります。

 私たちが提供するのは装置本体、およびその設置に必要となる周辺アクセサリまでです。原則、工事は含まれておりません。

 これまでの助成事業を振り返りますと本体は当然ながら対象となりますが、ダクトを窓枠に取り付けるための特製プレートやアルミダクトも対象となっていました。HEPAフィルタも対象に含まれていました。

 私たちが標準的に提供している品々は、概ね助成対象であると考えています。




よくあるご質問

よくあるご質問はこちらにまとめております。




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【詳細】簡易陰圧システム | NES株式会社

目次


簡易陰圧装置 設置方法

手順1.装置を床に置く

 装置を平らな床に置いてください。

 電源はまだ差し込まないでください。

手順2.ダクトをつなぐ

 装置の排気口に排気管(ダクト)をつないでください。

 ダクトの他端は屋外へ出る排気口や換気口などへつないでください。

 ダクトはバンド固定、あるいはテープ固定などの方法で固定してください。

 以上で設置作業は完了です。




別売品窓枠専用プレートの仮設方法

 別売品の窓枠専用プレートは、窓に簡易的にダクトを出すための器具です。
 窓の高さは下端が概ね1m程度までの高さ、窓の外はベランダや通路など誤って窓枠専用プレートが落下しても頭上に落ちない程度の高さに設置します。

※.高所取付は想定されていません。鉄板ですので頭上に落下しない場所に設置してください。
※.高所にある窓に設置の場合は大工さんや設備屋さんへのダクト工事の依頼を推奨します。

窓を中途半端に開けた状態でもロックする事ができる簡易錠です。キーを抜いておけば、室内からでも勝手に開けることができません。


新タイプ(2021年)窓枠アクセサリ

 新しい方式の窓用取付プレートを開発中です。

 上市時期については未定です。




HEPAフィルタ交換方法

簡単・HEPAフィルタ交換手順




よくあるご質問

  1. 簡易陰圧装置は、何が簡易なのでしょうか?
  2. 設置するための基準や許認可などはありますか?
  3. 簡単に設置できるというのは、どのくらい簡単なのですか?
  4. どこで買えますか?
  5. 補助金などを受けることはできますか?
  6. 消耗品はありますか?
  7. 空気清浄機ですか?
  8. CDCガイドラインとの整合性はありますか?
  9. 高層階でも設置できますか?
  10. 窓を開けた状態にすると防犯性が心配ですが…
  11. 換気扇を簡易陰圧装置に置き換えできますか?
  12. 換気扇と陰圧装置の違いは何ですか?
  13. 換気扇と陰圧装置を同時に使うとどうなりますか?

簡易陰圧装置は、何が簡易なのでしょうか?

 特別な工事を要さない、病院でも住宅でもどこへでも迅速・簡便に設置して使用開始できる点が簡易です。

 装置は運転と停止の2つの状態しかありません。単純に陰圧を掛けるだけの装置、何も調整しないことも簡易と呼ばれる理由の1つです。


設置するための基準や許認可などはありますか?

 特にございません。
 どなたでも設置作業をして頂けます。設置に際して届出なども不要です。


簡単に設置できるというのは、どのくらい簡単なのですか?

 慣れれば数分間で設置が完了します。
 装置を持ってきて、ダクトを接続するだけです。
 実際の時間を体感できる動画をご用意しておりますのでご参考にして頂ければと思います。


どこで買えますか?

 販売代理店からご購入いただけます。
 家電量販店などでは取り扱っておりません。

[Link] 株式会社SISM(シズン公式サイト)


補助金などを受けることはできますか?

 はい。2020年春の時点では新型コロナウイルス感染症患者の受入医療機関に対する簡易陰圧装置の補助金について、本装置も対象になることが確認されています。
 その他、高齢者施設や教育機関等への設置補助金などについては補助者(行政等)へお問い合わせください。

[Link] 助成・補助金(簡易陰圧システム)


消耗品はありますか?

 HEPAフィルタをご使用になられる場合、HEPAフィルタが消耗品になります。
 HEPAフィルタ無しでもご使用になることができます。


空気清浄機ですか?

 『空気清浄機』という公的定義が無いと仮定しますと、この装置も空気清浄機と呼べます。

 環境省のウェブサイトの記載を引用すると『空気清浄機は、空気中に浮遊する目に見えない細かい粒子やにおい(花粉、ハウスダスト等の粒子、ペットや調理等のにおいなど)を取り除きます』とあります。

 本装置にはHEPAフィルタがあり、0.3ミクロンの微粒子を99.97%捕集できる規格品ですので、空気清浄機に必要な要素を満たしています。

 一般的には、屋外に空気を捨ててしまうので、屋外に浄化された空気を出すための空気清浄機能ですが、排気された分の空気が新鮮でクリーンな空気に入れ替わるのであれば、ある意味で空気清浄化に寄与しています。

環境省: 空気清浄機によるPM2.5対策


CDCガイドラインとの整合性はありますか?

 整合性をとれるように開発しています。

 ただし、ドアの開閉など給気圧の変動などを制御するシステムではないため、一部では現場運用に依存します。
 したがって、本装置を設置するだけでCDCガイドラインに準拠するものではありません。

 運用面と併せてお使いいただくことで、CDCガイドラインの要求水準に近づけることができる装置です。

[Link]CDCガイドライン解釈


高層階でも設置できますか?

 排気を出すことができれば設置可能です。
 ただし、突風の影響や、ビル全体の空調バランスについては施設管理者にお問い合わせください。


窓を開けた状態にすると防犯性が心配ですが....

 窓用エアコンなどを設置した際に利用するウインドロックという商品が市販されておりますので、このような器具の利用をご案内しております。
 締付用のハンドルを取り外せるタイプもあり、高齢者施設などで入所者による解錠を防ぐこともできます。

窓を中途半端に開けた状態でもロックする事ができる簡易錠です。キーを抜いておけば、室内からでも勝手に開けることができません。

換気扇を簡易陰圧装置に置き換えできますか?

 壁付換気扇を取外し、ダクトの排気孔として利用することができます。

 天井埋込換気扇の場合は置換に対応しません。


換気扇と陰圧装置の違いは何ですか?

 空気を外に出すという点においては同じです。
 大きな違いは『流れ』と『圧』です。
 詳しくは、動画にまとめてありますのでご参考ください。


換気扇と陰圧装置を同時に使うとどうなりますか?

 換気扇も陰圧装置もファンの力で空気を吸い込み/押し出す原理は同じです。

 陰圧装置は多少の抵抗の変動があっても動じずに陰圧化をする装置です。
 では、換気扇という抵抗勢力に対しても抗うのではないかと考えるのが自然です。

 そこで、実験してみたところ、換気扇からは排気が行われていました。
 部屋は10Paの差圧が出ていたのでCDCガイドラインが示す2.5Paを遥かに上回っており、比較的強い陰圧がかかっていたと見ています。

 百聞は一見に如かず、下の動画を見て頂ければ状況はご理解頂けるのではないかと思います。
 実験の一部始終、ノーカットです。




諸元表




JANコード

品名型番JANコード
簡易陰圧装置PNPS-20214573518860016
アルミダクトPNPS-AD014573518860337
HEPAフィルタ(1枚)PNPS-AF014573518860313
HEPAフィルタ(2枚)PNPS-AF024573518860320
窓枠取付プレートWEP-20024573518860214
屋外ダクトフード(ねじ付)WEP-AH014573518860221
窓枠取付補助ポール(1本)WEP-AP014573518860238



配布資料

カタログ




関連動画

目次

  1. 簡易陰圧システム (HEPA付で差圧測定)
  2. 簡易陰圧システム (HEPA付で15平米と40平米の陰圧)
  3. 簡単・システム設置手順
  4. 実時間で見る簡易陰圧システム設置作業(実写)
  5. 簡単設置(壁換気扇を利用)
  6. 窓枠へダクトを簡易的に取り付けるための専用プレート(別売品)
  7. 実時間で見る窓枠取付プレート設置作業(実写)
  8. 簡単・HEPAフィルタ交換手順
  9. 電源スイッチオン/ブレーカー復帰
  10. 陰圧装置・換気扇・空気清浄機比較【Ver.01】
  11. 陰圧装置・換気扇・空気清浄機比較【Ver.02】
  12. 陰圧装置と換気扇の同時使用

簡易陰圧システム (HEPA付で差圧測定)

簡易陰圧システム (HEPA付で15平米と40平米の陰圧)

簡単・システム設置手順

実時間で見る簡易陰圧システム設置作業(実写)

簡単設置(壁換気扇を利用)

 汎用の壁換気扇を取り外して簡易陰圧装置を設置する方法があります。約5分で作業は完了します。

窓枠へダクトを簡易的に取り付けるための専用プレート(別売品)

実時間で見る窓枠取付プレート設置作業(実写)

簡単・HEPAフィルタ交換手順

電源スイッチオン/ブレーカー復帰

陰圧装置・換気扇・空気清浄機比較【Ver.01】

陰圧装置・換気扇・空気清浄機比較【Ver.02】

陰圧装置と換気扇の同時使用




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COVID-19対応で帰宅困難となった医療従事者のための帰宅難民シェルター | NES株式会社


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COVID-19対応で帰宅困難となった医療従事者のための帰宅難民シェルター

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により『医療崩壊』の危機が迫っていますが、その中でも業務を続ける医療従事者が大勢います。

 仮に自院で陽性患者を受け入れた場合、どのような事が起こるのかという事を医療従事者はシミュレーションしています。

 当社でヒアリングしたところ、誹謗中傷を恐れて帰宅しない、家族に感染させないために帰宅しないなど『帰宅しない』という選択肢をとる人が少なくありませんでした。

 そこで当社では、帰宅しない、帰宅できない医療従事者のために一時滞在できるスペースを提供することとしました。

 旅館業はありませんので十分なサービスはありませんが、車中泊よりは疲れを癒やせる空間が提供できるのではないかと考えております。

 ご利用を希望する医療機関様がございましたら、ご一報頂ければ幸いです。



簡易陰圧システム

 弊社で開発しました簡易陰圧システムを無償貸与します。

 帰宅難民シェルターに配備しておきますので、ご利用になりたい方は自由にご利用いただけます。

※.帰宅難民シェルター利用者を感染者扱いするものではなく陰圧化を希望される場合に自己判断で使用して頂けるように配備しております。

2020年5月1日
NES株式会社



弊社ご来社中の災害対応・帰宅困難者対応

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Press Rerease 医工連携

COVID-19対策として開発した簡易陰圧システムの発売開始 | NES株式会社

Press release

COVID-19対策として開発した簡易陰圧システムの発売開始について

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大によりホテルや自宅、仮設病棟など多様な環境での療養が開始されています。専門の施設では陰圧室が整備されていますが、臨時で患者を受け入れる施設では陰圧設備は整っていませんが、陰圧の必要性はあります。

 そこで当社では、簡易的に設置できる陰圧装置の開発に取り組み、2020年4月7日にその検証結果を公表致しました。当時は材木を使い内製化した試作機でしたが、株式会社SISM(斎藤健一社長, 埼玉県戸田市美女木6-5-15)により金属筐体の製品化が実現しました。

 このたび、株式会社SISMより新商品として発売されることになりましたので報告させて頂きます。

 同商品は床に置き、ダクトを窓などから出し、電源を挿すだけで陰圧化を開始できる簡便な装置となっております。設備に詳しい電気工事士と、療養環境に詳しい臨床工学技士の相乗効果により創出された新しい陰圧システムです。

 窓からダクトを出す際の安定性や簡便性が懸念されていましたが、株式会社SISMが専用のプレートを開発し、同時に発売を開始しました。この専用プレートは窓枠に置いて使用しますが、上下に高さ調整ができるため様々な窓に対応が可能です。プレートにはダクト用の穴と金具があり、市販のフレキシブルダクトを用いることで特別な免許や技術を持たなくても設置する事が可能になります。

 簡易陰圧システムは医療機関での使用の場合は個室から4床部屋まで、または検体検査室やME機器管理室など多様な患者に関わる物を扱う場所などに設置する事を想定しています。電源は汎用100Vのコンセント式ですので個人宅やホテルなどでもご利用頂けます。

 季節性インフルエンザではピーク時に1日10万人超が陽性判定を受けており、すなわち高熱や倦怠感などの症状を訴える患者が受診しており、今冬は地域の診療所でも感染防護策が強化されると考えております。また、高齢者施設でもクラスター感染回避のため、一時的に隔離するために簡易陰圧システムが必要になると見込んでおります。

2020年5月1日
NES株式会社



簡易陰圧装置開発プロジェクト (特設ページ)

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CDCガイドライン[陰圧室の基準] | NES株式会社

CDC

CDC

 CDCとはCenters for Disease Control and Preventionの略称で、米国疾病予防管理センターなどと和訳されます。医療従事者であれば『CDCガイドライン』という言葉はよく耳にしています。使い捨て診療材料の交換頻度や、消毒方法などCDCを参考にしていることが多くあります。

[Link] Centers for Disease Control and Prevention (CDC)



CDCガイドライン

 CDCからは様々なガイドラインが刊行されており、世界中で参照されています。

 日本国の法律ではないので遵守義務はありませんが、医療界としての常識や水準として広く取り扱われています。

 今回は"Guidelines for Environmental Infection Control in Health-CareFacilities"を参照します。

[Link] CDC: Guidelines for Environmental Infection Control in Health-Care Facilities



2.5パスカル要件

 陰圧隔離室を作る際、2.5Paの差圧が必要という話題が良く出てきます。
 その根拠はCDCガイドラインに由来します。

 その記述は本文の"Recommendations --- Air"(推奨事項:空気)の章の第4項"IV. Infection-Controland Ventilation Requirements for AII Rooms"(空気感染隔離室の感染制御および換気要件)に掲載されています。
※AIIはAirborne infection isolationの略

 この項では、廊下より連続的に負圧を維持、その値は2.5Pa(0.01インチ水柱)とすること、定期的に、できれば毎日気圧をモニタリングし、結果を文書化すること、測定方法はマノメーターやスモークチューブが明記されています。

 私たちは陰圧測定に『差圧計』を用いています。デジタルタイプなので精度には多少の課題があるものの、アナログ式より簡便に取り扱えますので、便利に使っています。
 ピタリと2.5Paに合わせようとする場合は高精度の物が必要ですが、2.5Paを十分に超える差圧がある事を確認する目的で使用していますので、誤差については許容できると考えています。

CDCガイドラインに沿って測定する場合の『Pa』(パスカル)であれば0~10000Paまで、1Pa単位で測定できます。分解能が1Paなので2.5Paの『0.5』は測定できません。
差圧を測定するために隣室へのチューブ敷設が必要です。ドア付近に差圧計を置く場合は3mもあれば足ります。差圧計のポートの1つは自室用に開放、もう1つのポートにチューブを差し込んで使います。私は金魚ポンプ用のチューブを使っています。
血圧計に付いていそうなゴム球をポンプすることで白煙が出てきます。ドア付近などで外から内へ空気が流入している事を確認します。逆流が確認される場合、陰圧が掛かっていない可能性がありますので改善策を講じます。


解釈

 私たちが開発した簡易陰圧装置について、CDCガイドラインに完全準拠している訳ではありませんが、下表のような解釈により、CDCガイドラインの推奨事項に近づけることができると考えています。

給気量より排気量が多い事による陰圧、その圧力差は2.5Pa (0.01インチ水柱は約0.0254cm水柱)
強力なファンにより給気量を上回る排気が可能。実験において2.5Pa以上の差圧確認済
きれいな空気から汚れた空気への流れ
給気量より排気量が多い事により実現可能
給気対排気の気流差125cfm (約3.54立米/min)超
HEPA無しで18立米/min (約635cfm)、HEPA装着で半減しても基準値を優に上回る排気量
新規・改修の部屋では毎時12回以上の空気入替、既存の部屋では毎時6回以上の空気入替
排気量18立米/min、毎時1,080立米の排気が可能なため180立米を毎時6回排気(空気入替)可能
人の居ない外部への排気、または再循環する場合はHEPAフィルタ処理
ダクトで屋外に出せば外部排気、HEPA標準装着のため建物内での再循環使用にも対応
密閉された部屋で約0.5平方フィート(0.046平米)の漏れ×
部屋の密閉は部屋の運用(ドア閉)や建築工事に依存します
モニタリング×
モニタリングには測定器の設置と記録が必要です


In/OutのOutは制御下

 私たちの開発した簡易陰圧装置は、文字通り簡易的に、陰圧を掛けるためのシステムです。

 ある箱(部屋)があるとき、そこに陰圧を掛けるために必要な『負』のパワーを提供する事はできます。

 しかしながら、箱の大きさ(部屋の容積)は私たちには決定できません。ユーザーの使用環境に依存します。

 部屋を閉め切っているか、ドアが開けっ放しでないか、隙間風が入っていないか、それもユーザーの使用環境に依存します。

 厳密にするのであれば前室を設け、陰圧室と他の部屋とが直接はつながらないようにし、前室で圧制御してドアを開閉し、陰圧室は隙間の無いように密閉処理された部屋にする必要がありますが、それでは簡易ではなくなります。

 新興感染症で困っている医療機関や高齢者施設に、短納期で製品を納め、特別な工事なく使用してもらうために研究し、医療従事者の監修の下でCDCガイドラインに近づけた製品が私たちの開発物です。

 ご不明な点は当社宛に、お気軽にご質問ください。

[Link] 独自開発の国産簡易陰圧システム



簡易陰圧装置だけではCDCガイドライン準拠は困難

 前述の通り簡易陰圧装置はOut、すなわち排気して陰圧を掛ける事に特化しているがゆえに、部屋の容積が大きければ十分な陰圧はかかりません。
 部屋のドアを開けっぱなしにした場合も同様で、廊下や隣室までが1つの空間としてつながってしまうため容積が大きくなり、陰圧がかからない可能性があります。

 ある空間からウイルスを漏らさない事が目的なので、対象となる空間に適した装置の配備が必要です。
 一般的な病室を想定して開発していますので、体育館のような所に1台配置しただけでは効果は期待できません。

 装置を買って配置すればCDCガイドラインに準拠できる事はないと考えております。
 私たちの目的は医療従事者や患者を守る事です。この簡易陰圧システムの開発は人道的面からスタートさせましたので、安易にCDCガイドライン準拠とは言いません。

 正しく使って、正しく恐れる。私たちは医療機関や高齢者施設などに並走したいと思っています。




CDC 医療機関の環境に関する感染管理

Guidelines

 "Guidelines for Environmental Infection Control in Health-Care Facilities"とは、医療施設における環境の感染管理のためのガイドラインと訳すことができると思います。

 すなわち、患者ではなく環境に関する感染管理に特化したガイドラインです。




Guidelines for Environmental Infection Control in Health-Care Facilities

Recommendations of CDC and the Healthcare Infection Control Practices Advisory Committee (HICPAC)

医療施設における環境の感染監理のためのガイドライン

CDC(米国疾病予防センター)と医療感染管理実践諮問委員会(HICPAC)の推奨事項

Prepared by

Lynne Sehulster, Ph.D.
Division of Healthcare Quality Promotion National Center for Infectious Diseases

Raymond Y.W. Chinn, M.D.
HICPAC member Sharp Memorial Hospital San Diego, California

The material in this report originated in the National Center for Infectious Diseases, James M. Hughes, M.D., Director; and the Division of Healthcare Quality Promotion, Steven L. Solomon, M.D., Acting Director.

作成委員

リンセフルスター博士(国立感染症センターヘルスケア品質推進課)

レイモンドY.W. チン医師(HICPACメンバー/カリフォルニア州サンディエゴシャープメモリアルホスピタル)

このレポートは国立感染症センターJames M. Hughes局長(医師)とヘルスケア品質推進課Steven L. Solomon部長代理(医師)が発案したものです。

Summary

The health-care facility environment is rarely implicated in disease transmission,except among patients who are immunocompromised. Nonetheless, inadvertentexposures to environmental pathogens (e.g., Aspergillus spp. and Legionellaspp.) or airborne pathogens (e.g., Mycobacterium tuberculosis and varicella-zostervirus) can result in adverse patient outcomes and cause illness among health-careworkers. Environmental infection-control strategies and engineering controlscan effectively prevent these infections. The incidence of health-care--associatedinfections and pseudo-outbreaks can be minimized by 1) appropriate useof cleaners and disinfectants; 2) appropriate maintenance of medical equipment(e.g., automated endoscope reprocessors or hydrotherapy equipment); 3)adherence to water-quality standards for hemodialysis, and to ventilationstandards for specialized care environments (e.g., airborne infection isolationrooms, protective environments, or operating rooms); and 4) prompt managementof water intrusion into the facility. Routine environmental sampling isnot usually advised, except for water quality determinations in hemodialysissettings and other situations where sampling is directed by epidemiologicprinciples, and results can be applied directly to infection-control decisions.

This report reviews previous guidelines and strategies for preventing environment-associatedinfections in health-care facilities and offers recommendations. Theseinclude 1) evidence-based recommendations supported by studies; 2) requirementsof federal agencies (e.g., Food and Drug Administration, U.S. EnvironmentalProtection Agency, U.S. Department of Labor, Occupational Safety and HealthAdministration, and U.S. Department of Justice); 3) guidelines and standardsfrom building and equipment professional organizations (e.g., AmericanInstitute of Architects, Association for the Advancement of Medical Instrumentation,and American Society of Heating, Refrigeration, and Air-Conditioning Engineers);4) recommendations derived from scientific theory or rationale; and 5)experienced opinions based upon infection-control and engineering practices.The report also suggests a series of performance measurements as a meansto evaluate infection-control efforts.

概要

 医療施設の環境は、免疫不全の患者を除いて、疾患の伝染に関与することはめったにありません。
 それにもかかわらず、環境病原菌やまたは空中病原菌への不注意な曝露は、患者に有害な結果をもたらし、医療従事者への感染起こす可能性があります。
 環境感染制御戦略とエンジニアリング管理は、これらの感染を効果的に防止することができます。
 ヘルスケア関連の感染症と疑似アウトブレイクの発生率は、清掃係と消毒剤に適切な使用、医療機器の適切なメンテナンス、血液透析の水質基準、隔離室等の専門医療環境の換気基準の順守、施設への浸水への迅速な管理をすることで最小限に抑えることができます。
 血液透析等の水質測定を除き、ルーチンでの環境測定は通常は推奨されません。環境測定は疫学の原則に基づいて行われ、その結果は感染対策に直接適用されます。

 このレポートは、医療施設における環境関連感染を防止するためガイドラインと戦略をレビューし、推奨事項を提供します。
 これらには、科学的理論または理論的根拠に基づく建築および設備の専門組織の推奨、連邦政府機関のガイドラインおよび標準の研究要件によってサポートされる証拠に基づく推奨、および感染管理とエンジニアリングの実践に基づく経験豊富な意見が含まれます。
 レポートはまた、感染制御の取り組みを評価する手段として、一連のパフォーマンス測定を示唆しています。

(中略)

Recommendations --- Air

推奨事項:空気

I. Air-Handling Systems in Health-Care Facilities

1.医療施設の空気処理システム

(中略)

II. Construction, Renovation, Remediation, Repair, and Demolition

2.建設、改修、修復、修理、解体

(中略)

III. Infection Control and Ventilation Requirements for PE rooms

3.保護環境室(陽圧室)の感染管理と換気の要件

(中略)

IV. Infection-Control and Ventilation Requirements for AII Room

4.空気感染隔離室の感染管理および換気要件

A.Incorporate certain specifications into the planning and constructionor renovation of AII units (1,34,100,101,104) (Figure 3).
Category IB, IC

A.空気感染隔離ユニットの計画と建設または改修に特定の仕様を組み込みます (1,34,100,101,104) (図3)。
カテゴリIB、IC

  1. Maintain continuous negative air pressure (2.5 Pa [0.01 inch water gauge])in relation to the air pressure in the corridor; monitor air pressure periodically,preferably daily, with audible manometers or smoke tubes at the door (forexisting AII rooms), or with a permanently installed visual monitoringmechanism. Document the results of monitoring (1,100,101).
    Category IC (AIA: 7.2.C7, Table 7.2)

1.廊下の空気圧に対して、継続的な陰圧(2.5 Pa [ 0.01インチ水柱])を維持します。ドアにある差圧計または煙管(既存の空気感染隔離室の場合)、または常設された視覚的監視装置を使用して、定期的に、できれば毎日、気圧を監視し、モニタリング結果を文書化します(1,100,101)。
カテゴリIC (AIA:7.2.C7、表7.2)

  1. Ensure that rooms are well-sealed by properly constructing windows,doors, and air-intake and exhaust ports; when monitoring indicates airleakage, locate the leak and make necessary repairs (1,99,100).
    Category IB, IC (AIA: 7.2.C3)

2.窓、ドア、吸気口、排気口を適切に構築して、部屋が十分に密閉されていることを確認します。モニタリングで空気漏れが示された場合は、漏れを特定して必要な修理を行います (1,99,100)。
カテゴリIB、IC(AIA:7.2.C3)

  1. Install self-closing devices on all AII room exit doors (1).
    Category IC (AIA: 7.2.C4)

3.すべての空気感染隔離室の出口ドアに自動閉鎖装置を取り付けます(1)。
カテゴリIC (AIA:7.2.C4)

  1. Provide ventilation to ensure >12 ACH for renovated rooms and new rooms, and >6 ACH for existing AII rooms (1,34,104).
    Category IB, IC (AIA: Table 7.2)

4.新設または改装された空気感染隔離室では12回/hr以上の空気入替、既存の空気感染隔離室では6回/hr以上の空気入替を確保するための換気を提供します(1,34,104)。
カテゴリIB、IC(AIA:表7.2)

  1. Direct exhaust air to the outside, away from air-intake and populatedareas. If this is not practical, air from the room can be recirculatedafter passing through a HEPA filter (1,34).
    Category IC (AIA: Table 7.2)

5.吸気口や人の多いエリアから離れた外部に排気口を向けます。これが実用的でない場合はHEPAフィルタを通過した後、部屋からの空気を再循環させることができます(1,34)。
カテゴリIC (AIA:表7.2)

※.AIAとはAmerican Institute of Architects、アメリカ建築家協会
※.ACHとはair changes per hour、1時間あたりの空気入替(換気)回数

B. Where supplemental engineering controls for air cleaning are indicatedfrom a risk assessment of the AII area, install UVGI units in the exhaustair ducts of the HVAC system to supplement HEPA filtration or install UVGIfixtures on or near the ceiling to irradiate upper room air (34).
Category II

B.空気感染隔離エリアのリスク評価から、空気清浄のための補足的エンジニアリングコントロール(機械器具による制御)が示されている場合は、空調システムの排気ダクトに紫外線照射ユニットを設置して、HEPA濾過を補完するか、あるいは天井や天井近くに紫外線照射装置を設置して部屋上部の空気を照射します(34)。
カテゴリII

※.HVACとはheating, ventilation, air conditioning、暖房・換気・エアコンの総称
※.UVGIとはultraviolet germicidal irradiation、紫外線殺菌照射

C. Implement environmental infection-control measures for persons withdiagnosed or suspected airborne infectious diseases.

C.空気感染症と診断または疑われる人のための環境感染管理措置を実施する。

  1. Use AII rooms for patients with or suspected of having an airborne infectionwho also require cough-inducing procedures, or use an enclosed booth thatis engineered to provide 1) >12 ACH; 2) air supply and exhaust ratesufficient to maintain a 2.5 Pa (0.01-inch water gauge) negative pressuredifference with respect to all surrounding spaces with an exhaust rateof >50 ft3/min; and 3) air exhausted directly outside away from airintakes and traffic or exhausted after HEPA filtration before recirculation(1,34,105--107).
    Category IB, IC
    (AIA: 7.15.E, 7.31.D23, 9.10, Table 7.2)

1.咳を誘発する処置が必要になる空気感染患者またはその疑いのある患者には、空気感染隔離室を使用するか、以下の環境が提供できるようにせっけいされた密閉ブースを使用します。

1)12回/hr以上の空気入替ができる

2)毎分50立方フィート(約1.4立米)を超える排気速度で、周囲のすべてのスペースに対して2.5 Pa (0.01インチ水柱)の負圧差を維持するのに十分な給気および排気速度

3)換気口等から直接外部に排気、または再循環前にHEPA濾過して排気

(1,34,105--107)
カテゴリIB、IC
(AIA:7.15.E、7.31.D23、9.10、表7.2)

  1. Although airborne spread of viral hemorrhagic fever (VHF) has not been documented in a health-care setting, prudence dictates placing a VHF patient in an AII room, preferably with an anteroom, to reduce the risk of occupational exposure to aerosolized infectious material in blood, vomitus, liquid stool, and respiratory secretions present in large amounts during the end stage of a patient's illness (108--110).
    Category II 2.ウイルス性出血熱(VHF)の空中拡散は医療現場で文書化されていませんが、患者の病気のエンドステージに大量に存在する血液、嘔吐物、液体便、呼吸分泌物中のエアロゾル化された感染性物質への職業的曝露のリスクを減らすために、VHF患者を空気感染隔離室に、望ましくは前室を配置することを指示します(108-110)。
    カテゴリII

a. If an anteroom is not available, use portable, industrial-grade HEPAfilters in the patient's room to provide additional ACH equivalents forremoving airborne particulates.

a.前室が利用できない場合は、病室で携帯型の工業用HEPAフィルタを使用して、浮遊粒子状物質を除去するための追加の空気入替の同等物を提供します。

b. Ensure that health-care workers wear face shields or goggles with appropriaterespirators when entering the rooms of VHF patients with prominent cough,vomiting, diarrhea, or hemorrhage (109).

b.顕著な咳、嘔吐、下痢、出血のあるVHF患者の部屋に入るときは、医療従事者が適切な呼吸器を備えたフェイスシールドまたはゴーグルを着用するようにしてください(109)。

  1. Place smallpox patients in negative pressure rooms at the onset of their illness, preferably using a room with an anteroom, if available (36).
    Category II

3.天然痘患者を発症時に陰圧室に配置します。可能な場合は、前室のある部屋の使用をお勧めします(36)。
カテゴリII

D.No recommendation is offered regarding negative pressure or isolationfor patients with Pneumocystis carinii pneumonia (111--113). Unresolvedissue.

D.ニューモシスチスカリニ肺炎の患者の陰圧または隔離に関する推奨事項はありません(111--113)。
カテゴリ Unresolved issue(未解決課題)

Maintain backup ventilation equipment (e.g., portable units for fans orfilters) for emergency provision of ventilation requirements for AII rooms,and take immediate steps to restore the fixed ventilation system (1,34,47).
Category IC (AIA: 5.1)

空気感染隔離室の換気要件を緊急に提供するために、バックアップ換気装置(ファンやフィルタ用のポータブルユニットなど)を維持し、固定換気システムを復元するための迅速な措置を講じます(1,34,47)。
カテゴリIC(AIA:5.1)

(中略)

Figure 3

図3

Figure3.Example of negative-pressure room control for airborne infection isolation (AII)

図3.空気感染隔離(AII)のための陰圧室制御の例

Source:
Adpted from Heating / Piping / Air Conditioning (HPAC) Engineering, October2000, Penton Media, Inc.

ソース:
暖房/換気/空調(HPAC)エンジニアリング (2000年10月、ペントンメディア社)から引用

Note:
Stacked black boxes represent patient's bed.
Long open box with cross-hatch represents supply air.
Open boxes with single, diagonal slashes represent air exhaust registers.
Arrows indicate direction of airflow.
Possible uses include treatment or procedure rooms, bronchoscopy rooms,and autopsy.

注意:
積み重ねられた黒塗り部は、患者のベッドを表しています。
バツ印付きの長方形は、給気を表します。
一本斜線が付いた枠は、通風口(ガラリ)を表します。
矢印は気流の方向を示します。
考えられる用途には、治療室または処置室、気管支鏡検査室、および剖検が含まれます。

Negative-pressure room engineering features include

○negative pressure (greater exhaust than supply air volume)
○pressure differential of 2.5 Pa (0.01-in. water gauge)
○airflow differential > 125-cfm suply versus exhaust
○sealed room, approximately 0.5-sq. ft. leakage
○clean to dirty airflow
○monitoring
○>12 air exchanges/hr (ACH) new or renovation, 6 ACH existing; and
○exhaust to outside or HEPA-filtered if recirculated.

陰圧室のエンジニアリング機能には次のものがあります

○陰圧(給気量より多い排気量)
○圧力差2.5Pa (0.01インチ水柱)
○給気対排気の気流差125cfm超
○密閉された部屋で約0.5平方フィートの漏れ
○きれいな空気から汚れた空気への流れ
○モニタリング
○新規・改修の部屋では毎時12回以上の空気入替、既存の部屋では毎時6回以上の空気入替
○外部への排気、または再循環する場合はHEPAフィルタ処理



参照事項

評価カテゴリーについては下表を参考にします。

Category IA.

Strongly recommended for implementation and strongly supported by well-designedexperimental, clinical, or epidemiologic studies.

カテゴリIA
実装が強く推奨され、適切に設計された実験的、臨床的、または疫学的研究によって強くサポートされています。

Category IB.

Strongly recommended for implementation and supported by certain experimental,clinical, or epidemiologic studies and a strong theoretic rationale.

カテゴリIB
実装が強く推奨され、特定の実験的、臨床的、または疫学的研究と強力な理論的根拠によってサポートされています。

Category IC.

Required by state or federal regulation, or representing an establishedassociation standard. (Note: Abbreviations for governing agencies and regulatorycitations are listed where appropriate. Recommendations from regulationsadopted at state levels are also noted. Recommendations from AIA guidelinescite the appropriate sections of the standards.)

カテゴリIC
州または連邦の規制によって要求されるか、確立された協会の基準を表します。
注:必要に応じて、統治機関の略語と規制の引用がリストされています。州レベルで採用された規制からの推奨事項も記載されています。AIAガイドラインからの推奨事項は、標準の適切なセクションを引用しています。

Category II.

Suggested for implementation and supported by suggestive clinical or epidemiologicstudies, or a theoretic rationale.

カテゴリII
実施が提案され、示唆的な臨床または疫学研究、または理論的根拠によって裏付けられています。

Unresolved issue.

No recommendation is offered. No consensus or insufficient evidence existsregarding efficacy.

未解決の問題
推奨事項はありません。 有効性に関するコンセンサスまたは十分な証拠は存在しません。