カテゴリー
BCP

高齢者施設・介護施設・福祉施設 | BCP | NES株式会社

 弊社のBCPサービスは医療・ヘルスケアに特化しています。

 現場出身者が現場志向でBCPに取組んでいるため、産業界のBCPのように『操業停止』は想定せず、非常時であっても平時の重要業務の継続を目指したBCP策定に取り組んでいます。

 医療、保健、福祉などを一緒くたにせず、それぞれの特徴を捉えたBCP・BCMを推進していることも弊社の特徴です。

 BCM(Business Continuity Management)はBCPの最適化に不可欠であり、平時の教育や備蓄の積み重ねが影響を及ぼします。弊社では講演経験豊富な人材による座学、実践力が身に付くワークショップなどを提供しています。

 BCPについては厚生労働省老健局の雛型をご利用なさる施設様が多くありますが、BCMについては弊社サービスもご参照頂ければと思います。




介護/福祉向けBCPの特徴

 医療では業務停止が許される時間が分単位という場合もありますが介護や福祉では数時間や半日といった猶予がある事が多いです。

 初動や職員参集には時間をかけることができる一方で『受援』が少ないため自力での対応や復旧が求められます。


注目が集まらない

 災害としては報道量が国民の関心度に左右します。

 死傷者数と被害の規模は一致しないはずですが『○人死亡』という見出しで新聞やニュースは報じます。死者がゼロだと報道量が著しく少なくなります。

 医療、介護、福祉の領域でよく見られるのが『救助』が必要になると支援の手が集まり、報道量も多くなります。その陰で、まったく支援を受けられない施設や事業者が多数発生します。2018年の西日本豪雨では岡山県倉敷市の一部で報道が過熱した一方で道路が寸断されるほどの土砂崩れがあった地域の存在すらほとんど知られることなく、支援も集まりませんでした。

 介護や福祉の世界では『注目が集まらない』事を前提としたBCP策定をお勧めしています。


冷静に戦略会議

 医療的ケアについては特別扱いで迅速な初動を実施するとしても、介護や福祉といったサービスはある程度ゆっくりと対処を始めても大きな問題にはなりません。

 どちらかといえば『受援無し』を想定し、今あるリソースで数日間をやり過ごすための戦略をしっかりと立てます。

 例えば『トイレが使えない』『オムツは売るほどある』という状況であれば、まずはトイレを封鎖して全員にオムツを活用してもらう戦略を立てます。ここで誤ってトイレを使われてしまうと地獄絵図のような惨状に見舞われ、清掃もできないまま何日も放置される事になります。

 食事も、避難所等で配給される物を食べられるスタッフは良いですが、施設利用者の中には食べられない人も居るので、備蓄を活用するか、配給食に手を加えるか、戦術も必要になります。

 地震であれば、まずは全員の安否確認。その後でスタッフが集まって戦略会議、とりあえずは被害状況が明らかになり他のスタッフの参集可能性が想像できる頃まで半日程度は動き、そして再び戦略会議を開く、こうしたサイクルも検討できると思います。


スタッフから食事

 賛否が分かれるところですので議論をして頂くのですが、何事もスタッフから始めるという事を検討します。

 入所者全員の食事が終わってからスタッフも食事をするというのが平時の業務フローであったとしても、非常時はスタッフに掛かる負荷が大きいため『まずはスタッフから』というフローに変更する事があります。

 しっかり休憩し、栄養も摂り、戦力として高いパフォーマンスを発揮できるようにしなければ非常事態は乗り越えられません。最悪のケースでは勤務していたスタッフだけで数日間、応援なしで働き続ける事にもなります。


重要業務・優先業務

 医療BCPでも共通しますが、業務の重要度や優先度について議論して頂いております。

 平時には重要だが非常時には必要ない業務もあります。その逆の業務もあるため、スタッフの皆さんが当事者意識を持って議論に参加して頂けるよう、事前の研修にも注力します。

 高齢者施設では請求書発行は重要業務ですが、非常時には停止させても問題ありません。

 給食は重要業務ですが、非常時には『給食』にこだわる必要はありません。空腹を満たす、栄養を摂ることが重要なので、厨房や調理師が必要な訳ではありません。

 雛型を使ったBCP策定においても、目的を見失わないようにしつつ、漏れの無い計画を策定していくために、ファシリテーター役は重要や役割を果たします。




介護/福祉向けBCM

 どんな事業にもマネジメントは欠かせませんが、非常時に動かす計画であるBCPには不可欠であると言えます。このマネジメントはBusiness Continuity Management(BCM)と呼ばれ、単にBCPを管理するという意味ではなく、実践性や実効性を高め、BCPが目指そうとしている安全確保などを推進します。

 マネジメントには目標と成果が伴いますが、BCMの最大の成果は非常事態に直面したときにしかわかりません。しかしながら非常事態は滅多に起こりませんので、平時に積みあがる小さな成果に一喜一憂しながら、起こらないかもしれない非常事態に備えます。


マネジャーは成果志向

 マネジャーは他人の仕事に責任を持つ者ではありません。BCPのワーキンググループ(WG)を形成したとき、WG自体の責任者は理事長や施設長などが負うと思いますが、WGのアウトプットについては現場のマネジャーが責任を持って取り組みます。

 結果にコミットメントするためには、現状の課題を抽出し、到達目標を設定します。既に達成した目標であっても、人員の入替や建物老朽化などで状況が変化している可能性があるので、定期的に見直しします。

 ヘルスケア領域ではヒトに依存する仕事が多く、非常時には更に依存性が高まります。すなわち、人を育てておかなければ非常時に役立つ戦力が不足します。

 非常時の食事が課題であるとすれば、非常時に居合わせたスタッフが誰であっても食事が提供できるようにすることを目標に、調理方法のトレーニングをする事もありますし、調理不要の備蓄食を増やす事もあります。実際に利用者やスタッフが試食して新たな問題の発見にも取り組みます。

 マネジャーは結果にコミットメントしなければなりませんので、平時に行われる研修等についても結果を意識します。


研修サービス:座学

 研修の定番は座学、講義です。

 弊社の筆頭講師は何十回と登壇した経験があり、経済産業省など公的機関の主催イベントでも実績がある人材です。

 全国自治体病院協議会や国立病院機構など医療・ヘルスケア分野でもBCP関連の講師を務めた実績があります。

 入門的な基礎知識の勉強はもちろん、少し踏み込んだディスカッションを生む話題提供など中級レベルの講義も実施します。ワークショップと連動した研修で上級者のスキルアップにもお役立ていただいております。


研修サービス:ワークショップ

 BCMとしてのワークショップでは、様々な方法で対応力を学んで頂きます。

 最もシンプルで多用される方法が『ロールプレイ』や『図上演習』と呼ばれる研修方法です。方法は典型的ですが、弊社オリジナルの教材もご用意しております。

 ワークショップでは参加者同士の認識違いやレベル感のズレなどが生じると上手くいかない事があるため、写真や動画を組み合わせて理解の共有に努めています。

 下図は仮想した都市『北摂市』(ほくせつし)で震度7の地震が発生し、大阪湾に浮かぶ『金平島』(こんぺいとう)から火災の様子を中継しているという架空のニュースです。この地震では『となり町』が震度7、『わが町』が震度6強という想定から色々な展開が始まるシナリオを用意しています。


ウェブサイト

 発災後にウェブサイトにアクセスが集中するという事は少ないと思いますが、通信状態が悪くなり画像の表示が邪魔になることがあります。

 弊社では『災害モード』への切り替えをお勧めしています。

 普段のウェブサイトはデザイン性の高い写真を多用した物であっても、災害時には文字中心のデータ負荷が軽いページしておきます。

 掲載内容は『入所中の皆様は無事です』『面会をお断りしています』『断水中のため飲用水の寄付を募っています』といった短文メッセージに絞ります。利用者様の家族からの問い合わせで電話が鳴り続けるとスタッフの手が止まってしまい、また行政との連絡などに回線が使えない事態にもなります。

 マネジメントとして、情報発信ツールは要確認事項です。

ダウンしてしまった市役所ウェブサイト
災害モードに切り替わったウェブサイト

掲示物

 発災後には様々な掲示物が必要になります。停電やプリンタの故障で印刷できなければ手書きしなければなりません。

 可能な限り、発災前に印刷してストックしておく事をお勧めします。特に屋外に掲示するものはラミネート加工するなど防水対策も施しておきます。

 以下に掲示物の事例をお示しします。




備蓄

停電対策

 介護施設や福祉施設での停電対策にはどの程度のものが必要かを検討するところから始めます。

 エレベーターや空調など三相電源を使っている物については、大掛かりな工事も関係するため簡単には対策が取れません。

 家電品やパソコンなど壁コンセントから簡単に電源を取るようなモノについては、延長コードを使えば素人でも簡単に配線ができます。

 いずれにしても電源となる蓄電池か発電機が必要になります。

 対象機器や持続時間によって設備は異なります。厨房の冷蔵庫を生かしたい場合は数日の持続性と、10A以上の発電容量が必要になります。レトルト食品用に電子レンジを使うとしても50人分であれば500W×2分×50回、2時間近くも電源を使い続ける事になります。

 スマホの充電や小型テレビの視聴であれば蓄電池でも対応可能です。電池ですので使い切れば終わりですが、発電機と組み合わせることで冗長性を高める事ができます。


自家発電設備スタートアップ

 介護施設や福祉施設では消防法や建築基準法に基づく発電設備はあっても、自衛のための保安用発電設備は備えていない場合が多いと思います。

 そこで、手始めに発電機を導入する際には予算は少なめで様子見をしようという相談が多いため、下図のような構成をご提案いたします。

 家庭でも使われている単相電力は汎用性が高く、1つ1つの負荷も小さめです。建物の至る所で使われているため完全にカバーするのは大変です。そこで当初は、負荷を限定して使用する事で足りない発電容量を運用で補います。

 8kVAの小出力発電設備、できれば燃料が腐らず入手も容易なプロパンガス型の発電機を設置し、どこかの階の分電盤に接続します。分電盤には照明やコンセントに分岐回路がありますが、どれを使うのかは現場で決定します。事務所と詰所と器材庫の分岐ブレーカーはオンの状態にし、レンジを使う時は冷蔵庫を止めるなど容量を計算しながら使うようにします。

 業務用で使われる動力と呼ばれる三相電力は1つ1つの負荷が大きいため、すべてをまかなうには大型の発電設備が必要です。こちらは仕事を決めてブレーカーをOn/Offするようにします。

 8kVAの小出力発電設備でエレベーターなど大型機器も動かせると思います。ほとんどの時間を空調に使い、1時間に1回くらい水道用の揚水ポンプなどに電源を供給して目的の装置を稼働させます。エレベーターやスチームコンベクションオーブンなどは大容量機器ですので使用時間を絞り、その間だけは空調なども止めてしまいます。

 弊社は知事登録の電気工事業者です。専門的な視点から停電対策を講じるお手伝いをさせて頂いております。


蓄電池

 Amazonなどのネット通販でも多種多様な蓄電池が手に入る様になり、昔よりも高容量・高出力の物が安価で売られるようになっています。

 電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドEV(PHEV)では自動車に搭載した電池を家庭用電源としても使う事ができ、訪問介護事業も手掛ける高齢者施設等では導入が進んでいます。

 弊社では原付バイクにも入る程度の小型蓄電池を備蓄し、どこへ行ってもある程度の電源を確保できるようにしています。

 施設内に災害対策本部を設置する場合、どの部屋に本部を据えても小型蓄電池であれば持ち歩きできますので便利です。

電池容量120,000mAh(444Wh)、iPhoneを約700時間、電気毛布を約18時間、車用炊飯器を約3回利用できる容量です。正弦波AC400Wの出力です。
折り畳み式で81Wハイパワー発電。ポリエステル600Dの生地を採用

カセットコンロ・鍋・真空パック

 厨房には大型の調理器具や設備が備わっていると思いますが、それが全く使えない場合を想定した調理器具が必要です。

 弊社ではカセットコンロと、それに載る中で最大級の鍋の用意をお勧めしております。

 鍋で調理する事も考えられますが、食中毒回避も考えて当初は湯煎に使います。レトルト食品を備蓄しておき、何十個かまとめて湯煎して提供します。一度温まった湯はそのまま火にかけておけば次々と湯煎できますので効率的です。

 最後に残った湯で清拭タオルなどをつくる事をもできます。

 真空パック器があればレトルトで無い食品も湯煎できますし、市販のオシリ拭きなども湯煎できます。

100Vの電源が必要なタイプですが、しっかり封ができますので蓄電池を使ってでも動作させられると良いと思います。専用ロールは耐熱温度マイナス30℃~100℃となっているので冷凍庫で保存して沸騰した湯に入れるという事もできます。

トランシーバー

 構内で無線通信を使っている高齢者施設は多くありますが、通所型や訪問型の場合はあまり多くないと思います。

 どこかの拠点に利用者が集まり、サービス事業者が何らかのケアを行うにあたっては、連絡手段が必要になりますので、簡易的なトランシーバーを備えておく事をお勧めしています。

無線の免許が要らない特定小電力トランシーバーです。簡単に言えばコードレス電話の子機の仲間です。通信距離は100m以上、ただし建物の中で使うと障害物が多いのでそれほどの距離は望めません。



厚生労働省老健局版
自然災害発生時 BCPガイドライン

 厚生労働省の老健局が発行する自然災害向けのBCPガイドラインです。

 Wordファイルの雛型も提供されているので、ここに穴埋め式で記入すればBCPを策定することができます。




厚生労働省老健局版
COVID-19 BCPガイドライン

 厚生労働省の老健局が発行するCOVID-19向けのBCPガイドラインは遵守義務がある訳ではなく、現場が混乱しないように提供されている資料です。一度目を通しておくと良いと思います。

 このBCPガイドラインでは様式集も提供されています。用紙が縦横混在していたり、手書きで運用する場面では使いづらい物もありましたので、平時のうちにサイズや項目を調整することをお勧めします。

様式1.推進体制の構成メンバー


様式2.施設外連絡リスト


様式3.職員、入所者・利用者 体温・体調チェックリスト


様式4.感染(疑い)者・濃厚接触(疑い)者 管理リスト


様式5.(部署ごと)職員緊急連絡網


様式6.備蓄品リスト


様式7.業務分類


様式8.来所者立ち入り時体温チェックリスト




厚生労働省研修資料

厚生労働省:厚生労働省『介護施設・事業所におけるBCP作成支援に関する研修