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ワクチン2回目接種完了 | NES株式会社

 本日、新型コロナウイルス感染症の予防接種の2回目を終えました。

 まず接種後15分の経過観察時には何もなかったのでそのまま徒歩で帰宅となりました。

 診療所を出ようとしたときに待合室のテレビでニュース速報が出て、東京で新規感染者が3,000人を超えたとのテロップが出ていました。
 帰宅してニュースを見ると、京都で過去最大を更新したニュースの後に、また速報で全国では8,000人を超えたと報じていました。

 ワクチンを接種したばかりで抗体は付いていませんが、1つの段落は過ぎたので、あとは待つばかりです。




濃厚接触ゼロ

 今日は接触通知アプリcocoaを導入して400日目でした。

 毎朝アプリを開いて確認するのが日課になっていますが、今朝の確認でも陽性者との接触は確認されず、今のところ一回も濃厚接触や感染疑いには該当した事がありません。

 おそらく2年前の生活であれば濃厚接触もあり得たのかなと思います。
 電車を使ってあちらこちらに移動し、東京には2週に1回くらいは行き、目的地の半分は企業、もう半分は医療機関で様々な人との接触がありました。
 医療系の学会やセミナーに行けば2~3軒は飲みに行く事になっていましたので、どこかでインフルエンザくらいは貰って帰ってきていたかもしれません。

 この1年、接触が減った事で自身が感染しなかったのは事実ですが、誰かに感染させた事も無いと思いますので、公衆衛生上は平和な400日間だったと思います。

 こう振り返ると、毎日感染リスクにさらされている医療従事者の皆様、出入業者の皆様、本当にお世話様です。心から感謝申し上げます。




接種証明

 特別に接種証明書を発行してもらう事はありませんが、通知書に貼られたワクチンのラベルで、一定の証明にはなるようです。

 ワクチンを打ったことが重要ではなく、抗体がつく事が重要なので、いずれ抗体検査を受けたいと思います。

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感染性廃棄物に志向した医療機器開発 | NES株式会社

 医療機器等の開発と言えば、用途や機能に意識が集中しがちですが、廃棄物処理という視点は見落とされている部分かもしれません。

 産業界では既にSDGs活動として廃棄物を減らす動きが出ているが、医療現場から出される廃棄物には独特の事情がある。

 廃棄物処理だけをシーズに参入する方法もあれば、既存商品との差別化に廃棄物処理を提示する方法も考えられる。




廃棄物処理法

 本邦でのゴミ処理は廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に規定されています。

 この法律の目的を簡単に述べると、ゴミを減らす事と、適正な処理による公衆衛生の維持向上です。

 ゴミは大きくは一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。

[Link] 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

[Link] 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(廃棄物処理法施行令)




感染性廃棄物

 感染性廃棄物は産業廃棄物の中の『特別管理廃棄物』に指定される物が想定されます。

 実際、細かい事を言えば病院で鼻血が付いたガーゼは感染性廃棄物ですが、家の中で鼻血を拭いたティシュなどは一般廃棄物として処理されていると思いますので、色々な事を踏まえて廃棄物は分類されます。

[Link] 環境省: 廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル(平成30年3月)




医工連携の要素はどこに?

 廃棄物処理法の目的にも合致する部分として、ゴミの減量があります。

 ゴミを増やさない方法か、現に存在するゴミを減らす方法があります。

 人工透析では体外で血液を処理するための血液回路や人工腎臓(ダイアライザ)がありますが、治療後は生理的食塩水と残血で満たされています。
 この液体を抜き捨てる事でゴミの重量を減らす事ができるので治療後に液体を抜いている施設も少なくありません。

 液体を抜いた後の容器等は空気が充填されています。
 この容器等を破砕して小さくすることで、ゴミの容積を圧縮する事ができます。1回あたりの運搬量が増やせるため経済効果が期待できます。

 感染性廃棄物は更に細分化され、感染性一般廃棄物か感染性産業廃棄物かで処理料は変わりますし、そもそも『感染性』を付けられなければ一般ゴミと同じ様に処分できます。




小さな気づき

 あるデバイスを使う際に、毎回トレーを用意している事がわかりました。

 トレーは汚染されるため、毎回洗浄が必要でした。

 あるデバイスの梱包を工夫し、使い捨てトレーを兼ねられるようにしたところ、現場では積極的に採用され他社との差別化につながりました。

 元々はゴミとして捨てられていた梱包材が、1つ仕事をこなしてからゴミになる事でそこに価値が生まれ、さらにトレーの洗浄手間を省く事にもつながりました。

 同じように、病院でよく使われるゴミ袋と同じサイズに調整したパッケージは、やはりゴミ袋として使われるようになりました。

 現場に出入りし、現場の意見を拝聴しなければわからない事ですが、些細な事がビジネスに大きな影響を与える可能性があります。




分別しやすい

 先日、ある開業医とゴミの分別について意見交換しました。

 滅菌済のパッケージは感染性ゼロのはず、それを上手に捨てれば感染性廃棄物では無いというのは論理的に正しい事だと思います。

 一般ゴミの世界では紙ごみとプラごみが分別されています。
 この滅菌済みのパッケージも紙とプラを分ける必要がありますが、そもそも全体がプラか紙のどちらかで作られていれば分別も簡単であるという意見で一致しました。

 典型的な滅菌パックは背面が紙、前面が透明ビニルという物です。紙には通気性があり、滅菌インジケーターも印刷できて良かったのですが、近年は全面が同じ素材のパックも珍しくありません。




固い段ボール

 医療で使われる物の多くが高単価です。

 そして清潔を維持しなければなりません。

 必然的に外装の段ボールは堅牢な物になります。

 解体は手間ですし、潰した段ボールを重ねていくと、1つ1つが分厚いのですぐに山のように積みあがります。

 以前、透析病院の技士長をしていたとき、1日200人の透析患者を迎えていたのでゴミの量も相応に多かったです。
 生理的食塩水だけでも10本入が20箱、ダイアライザや血液回路、注射針、ガーゼ等の処置パック、透析液などすべてが箱単位で消費されるので、毎日段ボールが山積みでした。
 これの処理に時給換算2千円の人員を毎日1~2時間充当していたので、何とか集約化して時給千円のパートタイマーさんにスイッチできないかと模索しました。

 メーカーに梱包の変更を依頼しても、全国32万人の透析患者の内の400人では影響力がありませんでしたが、もう少し経済性をシミュレーションして賛同者を増やせば、変わったかもしれません。

 梱包の堅牢性は必要かもしれませんが、分厚い段ボールに代わる何かには期待があると思います。




ゴミの二次利用

 感染性廃棄物は処理されて終わりという事になっていますが、この廃棄物が何かに利用できれば処理費用を軽減する事ができます。

 安直な考えで言えば燃料です。
 ビニル製のディスポ製品が多いので、燃やす事はできそうですが、発生するガスの処理など課題はあります。

 まとめて滅菌して感染性を無くせば有効活用できるかもしれません。

 ほとんどの人が使って捨てる事を考えていますので、医工連携の視点で言えば、捨てた後の事をひそかに考えてみるのも有意義だと思います。




品目別処理

 ほとんどの医療機関が、廃棄物処理は1社に委託していると思います。
 受託する側も1社にまとめてもらう事で人員配置や車両配備のコスト軽減にもつながります。

 あえて、そこに切り込むビジネスもあるかもしれません。

 採血管などの筒状容器専門、包帯やガーゼなど布製品専門、注射針専門、カテーテル等の長尺物専門など、何か専門とした処理業者あるいは、処理機があっても良いかもしれません。

 病院側も処理業者側も困っている品目があれば、咎められることなく参入できると思いますが、誰も困っていない領域で無理に市場をこじ開けようとしても、そこは参入余地が無いかもしれません。




当社では

 新規の医療機器開発等では梱包なども細かく助言させて頂いております。

 また、廃棄物だけにフォーカスした新規開発についてもコンサルティングさせて頂きます。

 更に、シングルユースデバイス(SUD)の再使用(再製造)に関する開発にも注力しています。回収から分解や洗浄、再組立、再滅菌、再製造品流通までトータルでサポートします。




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クラス分類ルールとGHTF | NES株式会社

 2013年の薬事法改正により旧薬事法は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に変わりました。

 今日は久々に内容を見直してみたいと思います。

[Link] 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律


 この頃の話題の1つにクラス分類がありました。

 医療機器をリスクに応じたクラスに分類する方法を国際ルールのようなものであるGHTF (The Global Harmonization Task Force) に近づけるという話題です。

 もう1つ、医療機器の承認/認証のルールがクラス分類や承認基準の有無により審査が変わるというものでした。




厚生労働省資料

 厚生労働省の審議会で配られた資料は今でも参考にしていますが、そのときの資料ではこのようなチャートでクラス分類の大筋を見立てる事ができるとされていました。

[Link] 厚生労働省: 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会(2013年12月2日)




クラス分類ルール(分析機器を除く)


I.非侵襲型機器


1.すべての非侵襲型機器は、ルール2、ルール3、またはルール4が適用されない限り、クラスIである。

2.最終的に体内に注入、投与または導入する目的で血液、体液もしくは組織、液体、もしくは気体を供給または保存するように胃としたすべての非侵襲型機器はクラスIである。

  • 2-1
    例外:クラスIIまたはそれよりも高いクラスの能動型医療機器に接続される場合、クラスIIである
  • 2-2
    例外:血液もしくはその他の体液を保存または供給し、あるいは臓器、臓器の一部もしくは対組織を保存するように意図した場合、クラスIIである。

3.体内への注入を意図した血液、その他の体液もしくは他の液体について、その生物学的または科学的組成を変化させる事を目的としたすべての非侵襲型機器はクラスIIIである。

  • 3-1
    例外:その他の処置が濾過、遠心または気体/熱交換から成る場合はクラスIIである。

4.損傷した皮膚に接触するすべての非侵襲型機器は:
滲出駅の圧迫または吸収のために機械的なバリアとして使用するように意図した場合はクラスIである。

  • 4-1
    例外:主として真皮を超えた創傷で、二次治癒でのみ治癒の可能な創傷に使用するように意図した場合はクラスIIIである。
  • 4-2
    主として創傷の局所管理をするように意図した機器を含め、その他の場合はすべてクラスIIである。

II.侵襲型機器


5.人体開口部に関与し、外科的侵襲型機器以外のものであって、
a)能動型医療機器への接続を意図しない、
 または
b)クラスIの医療機器との接続を意図したすべての侵襲型機器は:

  • 5-1
    一時的使用を意図した場合はクラスIである。
  • 5-1
    例外:眼粘膜に使用することを意図した場合は、クラスIIである。
  • 5-2
    短期的使用を意図した場合はクラスIIである。
  • 5-3
    例外:咽頭までの口腔、鼓膜までの外耳道または鼻腔で使用する場合はクラスIである。
  • 5-4
    長期的使用を意図した場合はクラスIIIである。
  • 5-5
    例外:咽頭までの口腔、鼓膜までの外耳道または鼻腔で使用し、かつ粘膜に吸収されにくい場合はクラスIIである。
  • 5-6
    人体開口部に関与し、外科的侵襲型機器以外のものであって、クラスIIまたはそれよりも高いクラスの能動型医療機器に接続するように意図したすべての侵襲型機器はクラスIIである。

6.一時的使用を意図したすべての外科的侵襲型機器はクラスIIある。

  • 6-1
    例外:再使用可能な手術器具はクラスIである。
  • 6-2
    例外:電離放射線の形でエネルギーを供給するように意図した場合はクラスIIIである。
  • 6-3
    例外:生物学的影響を及ぼすように、或いは全体的にまたは主に吸収されるように意図した場合はクラスIIIである。
  • 6-4
    例外:デリバリー・システムにより医薬品を投与するよう意図した際、これが使用モードによっては潜在的に危険な方法である場合はクラスIIIである。
  • 6-5
    例外:特に、心臓または中心循環系の欠陥について、これらの部位に直接接触し、診断、監視または矯正するように意図した場合はクラスIVである。

7.短期的使用を意図したすべての外科的侵襲型機器はクラスIIである。

  • 7-1
    例外:医薬品を投与するように意図した場合はクラスIIIである。
  • 7-2
    例外:体内で化学変化を受けるように意図した場合は(歯牙に適用する場合を除く)クラスIIIである。
  • 7-3
    例外:電離放射線の形でエネルギーを供給するように意図した場合はクラスIIIである。
  • 7-4
    例外:生物学的影響を及ぼすように、あるいは全体的にまたは主に吸収されるように意図した場合はクラスIVである。
  • 7-5
    例外:特に、中枢神経系に直接接触して使用するように意図した場合はクラスIVである。
  • 7-6
    例外:特に心臓または中心循環系の欠陥に対して、これらの部位に直接接触し、診断、監視または矯正するように意図した場合はクラスIVである。

8.すべての植込み型機器および長期外科的侵襲型機器はクラスⅢである。

  • 8-1
    例外:歯牙に適用するように意図した場合はクラスIIである。
  • 8-2
    例外:心臓、中心循環系または中枢神経系に直接接触して使用するように意図した場合はクラスIVである。
  • 8-3
    例外:生命維持を意図した場合はクラスIVである。
  • 8-4
    例外:能動型植込み型医療機器を意図した場合はクラスIVである。
  • 8-5
    例外:生物学的影響を及ぼすように、あるいは全体的にまたは主に吸収されるように意図した場合はクラスIVである。
  • 8-6
    例外:医薬品を投与するように意図した場合はクラIVである。
  • 8-7
    例外:体内で化学変化を受けるように意図した場合は(歯牙に適用する場合を除く)クラスIVである
  • 8-8
    例外:胸部インプラントの場合はクラスIVである。

III.能動型機器に関する追加ルール


9.エネルギーを投与または交換するように意図したすべての能動型治療機器はクラスIIである。

  • 9-1
    例外:人体へ、あるいは人体からエネルギーを投与または交換するような特性を備えた際、エネルギーの性質、密度および使用部位によっては、潜在的に危険な場合はクラスIIIである。
  • 9-2
    クラスIIIの能動型治療機器の性能を制御または監視するように意図した全ての能動型機器はクラスIIIである。
    また、そのような機器の性能に直接影響を及ぼすように意図した全ての能動型機器はクラスIIIである。

10.診断を意図した能動型機器はクラスⅡである。

  • 10-1
    人体に吸収されるエネルギーを供給するように意図した場合(可視または近赤外で患者の身体を照明するために単独で使用する場合はクラスIである)、または
  • 10-2
    放射性医薬品の生体内分布を造影するように意図した場合、または
  • 10-3
    重要な生理学的プロセスの直接的な診断または監視ができるように意図した場合。
  • 10-4
    例外:特に例外:特に、
    a)例えば心機能、呼吸、中枢神経系活動などの、その変動が即座に患者の危険となるおそれがあるような、重要な生理学的パラメータを監視するように意図した場合、
    または
    b)即座に危険となる臨床状態にある患者を診断するように意図した場合はクラスIIIである。

11.医薬品、体液もしくはその他の物質を人体へまたは人体から投与および/または除去するように意図したすべての能動型機器はクラスIIである。

  • 11-1
    例外:含有物質の性質、関係する身体の部位または使用モードによっては潜在的に危険な方法である場合はクラスIIIである。

12.その他のすべての能動型機器はクラスIである。


IV.追加ルール


13.分離して使用すれば医薬品と考えられる物質を不可欠な成分として含有し、その物質が機器の働きを補助する目的で人体に作用を及ぼす場合、すべての機器はクラスIII又はクラスIVである。

14.活性または不活性を問わず、動物またはヒトの細胞/組織/その由来物から製造されまたはこれを含有する場合、すべての機器はクラスIII又はクラスIVである。

  • 14-1
    例外:不活化した動物組織もしくはその由来物から製造または含有し、正常な皮膚のみに接触する場合はクラスIである。

15.特に、医療機器を消毒または滅菌するために使用するように意図したすべての機器(消毒剤を除く)はクラスIIである。

(備考)
クラス分類ルールにおける用語の定義については、GHTFのクラス分類ルール案における用
語の定義に準拠することとする。


2.分析機器のクラス分類のルール


クラスIII

1.誤った診断結果が得られた場合に、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある検査項目を測定する自己検査用測定機器

2.主たる反応系を内蔵する専用分析機器のうち、体外診断用医薬品で承認を必要とする検査項目を測定するもの

クラスII

1.誤った診断結果が得られた場合に、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある検査項目以外の検査項目を測定する自己検査用測定機器

(当該診断機器による診断結果が医学的に重要な状態を確定しないもの、又は診断結果が暫定的で、適切な追加の検査によるフォローアップを必要とするものを含む)

2.主たる反応系を内蔵する専用分析機器のうち、標準品の無いもの(クラスIII品目を除く。)

クラスⅠ

その他の分析装置

(備考)
新検査項目、新測定原理、新たに自己検査用に移行するもの、新たな検査項目を測定する主たる反応系を内蔵する専用分析機器は大臣承認とし、承認の際にクラス分類を決定するものとする。




解釈

 これらの解釈は開発や製造を担う者が決めるのではなく、厚生労働省やPMDAの解釈が優先されます。

 とはいえ、どこに配慮して開発すると良いかを示しているルールになります。

 例えば一時的、短期、長期などという留置期間でクラス分類が分かれる製品の場合、性能としては1か月の留置ができても薬事承認手続きでは3日以内の留置にしてクラス分類を低く抑えようと考える場合もあります。
 まずは急性期の治療に用いて、有効性や安全性が確立されてから亜急性期や回復期にも適用していくという考え方があります。

 また、CDCガイドラインなどで、何日以内に交換するという目安が示されている物は、何カ月留置できるデバイスを作った所で臨床では受け入れられない可能性もあります。

 用途も重要になりますので、例えば同じ太さの針でもどの血管に、どのような目的で刺すのかでクラス分類が異なります。人工透析のように生体機能代行装置に接続して生命維持に関わる場合は、採血などとは目的が異なりますのでクラス分類はハイリスクの方へ属します。

 弊社が関わる医療機器開発において、このルールは確認させて頂いております。
 侵襲性があるか、血液等に触れるか、粘膜などから吸収されやすい構造かなどでおおよそのクラス分類がわかり、その企業が開発できるレベル感に合っているか、ターゲットプライスと一致するかなどを見極める事ができます。

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BCP BLOG 講演

HEAJ-50(第50回日本医療福祉設備学会)

 2021年11月25日~26日に東京ビッグサイト会議棟にて毎年恒例の日本医療福祉設備学会が開催されます。併設展示会HOSPEX Japan 2021も1日早い24日から3日間開催されます。

 今年の学会長は鈴村明文先生です。
 副学会長は増田順先生と小林健一先生です。

大会テーマは『COVID-19から学ぶ医療福祉建築・設備のあした ~医療体制・感染対策・BCPそして環境(SDGs)~』です。

[Link] 第50回日本医療福祉設備学会




学会のみどころ

 学会名が医療福祉設備ですので、病院等の建物に付随するような設備、例えば空調などのセッションがあります。

 個別の設備というよりはBCPや感染制御などトピックと絡めた設備の話題が取り上げられるので、医療安全や感染制御に従事する方々も聴講しやすい内容が多いです。

 シンポジウムなどの企画ではアカデミア以外の講師も多いため学術的に精査された結果だけでなく、現場で何をしたのかといった具体例が示され、ときにはそれらの欠点も知る事ができます。

 学会ですので一般演題を出して自ら発表する事もできます。




物資枯渇改善に貢献するホスピタルエンジニア(CHE)の目標志向活動(GOA)

 第50回日本医療福祉設備学会では会期前の11月24日にサテライトセッションを企画しています。

 この企画の講師として弊社西謙一が招聘されました。

 昨年のCOVID-19流行拡大後に行われた様々な取り組みをまとめ、また自らが取り組んだ事例などを紹介します。

(予定)2021年11月24日(水)10:30~12:30・東京ビッグサイト西展示棟(HOSPEX Japan会場内)

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AI・IoT・Computer BCP BLOG

通信輻輳とHIS・PACS | NES株式会社

 いよいよい今週から東京オリンピックが始まりますが、コロナの影響で無観客が多くなりました。

 外出自粛の夏ですので、自宅で観戦する人が非常に多いと思います。

 2002年のサッカーワールドカップ(日本開催)ではスマホ普及前でしたのでネット観戦する人は少なかったのですが、2019年のラグビーワールドカップ(日本開催)ではオンデマンド放送が普及していたためネット視聴した人も少なくありません。

 今年は自宅の大型テレビで視聴しようという人が多いと思います。令和の時代、家にテレビがあっても地上波は見ない、見れないという家庭も少なくありません。当社の電気工事のお仕事で関わるのですが、新築住宅でネットは強化するがテレビは配線すらしないというご家庭も多いです。




五輪ウェブ視聴

gorin.jp

 gorin.jpとは、民放テレビ局によるインターネットでのオリンピック公式競技動画配信サイトです。

 公式というだけあって、コンテンツは充実しています。

[Link] gorin.jp


TVer

 TVer(ティーバー)とは、民放テレビ局が連携した公式サイトです。放送終了後にオンデマンド配信される動画コンテンツが充実しています。

 オリンピック特設ページが設けられていますが、中継はgorin.jpを視聴する事になるようです。

[Link] TVer オリンピック特設ページ


NHKプラス

 NHKの動画配信サイトです。

[Link] NHKプラス 東京2020オリンピック




HIS・PACSとの関係

 日本だけでも数千万人が視聴するオリンピック、しかも時差がないので日勤帯に競技が行われます。

 普段でも平日に12~13時はオフィス街を中心にネットがつながりにくくなる事があるのですが、これは多くの人が一斉にスマホで通信をする事が影響しています。
 mineoという通信サービスでは、この時間帯の通信量を減らす取り組みをしています。通信各社では既知の事実のようです。

12:15~12:45のmineoドコモ回線使用分の通信速度(土日は速い)

 競泳女子の池江璃花子さんが出場するとなれば、視聴率が高くなりそうですので、通信量が激増しそうです。

 近年、電子カルテ(医療情報システム・HIS)や医療画像管理システム(PACS)のクラウド化が進み、院外サーバで管理していたり、バックアップを院外に置いているケースが見られるようになりました。

 この情報の出し入れにはインターネット回線を使いますので、オリンピックによる通信量増加がどのように影響するのか心配しています。

[Link] mineo: ゆずるね。

[Link] mineo: 6月のネットワーク状況について

[Link] BIGLOBE: Q. お昼時は遅くなると聞いたのですが、本当ですか。

[Link] Ascii: テレワーク化進行で格安SIMの通信速度は変化したのか?




輻輳(ふくそう)

 輻輳とは、局所に集中して混雑する様子を表わす言葉です。

 災害時には電話回線が混雑してつながらない事がありますが、最近ではワクチン接種予約で市役所の電話がつながりにくくなった例もあります。このようなときに、通信が輻輳状態であるといった表現をします。

 電話とネットでは仕組みが違いますが、輻輳状態が生じる事には大差ありません。

[Link] NTT西日本: ふくそうのしくみ

[Link] NTT docomo: 夜間やイベント時にケータイ電話を使うと通信速度が遅くなる気がするのはなぜ




ネットの輻輳状態

 ネットの輻輳状態には大きく2つあり、サーバ側が混雑する場合と、閲覧者からサーバまでの経路のどこかで混雑している場合があります。

 下図はサーバ側が混雑してしまい、同時にさばける数を超えてしまったのでアクセスできなくなった時の画面です。
 例えば同時接続100本で設計していた所に、地震などの臨時ニュースが入って1万人がアクセスすれば、設計の100倍になりますので接続できる確率は理論上100分の1、しかし実際はどれをつなぐかという入口(ゲートウェイ)の作業負荷が重くなってしまい、すべてを遮断してしまう可能性もあります。
 表現が正しいかどうかわかりませんが、駐車場が満車で道路に車が溢れ過ぎたので、駐車場を閉鎖してしまい一切受け付けないという措置を取るような感じだと思います。


 五輪では配信サイトのサーバで輻輳状態が起こるかもしれませんが、そうならないように対策をしていると思います。

 それよりも恐れるべきは、医療機関周辺の通信だと思います。

 医療機関の前にある電柱に架けられている光ファイバーは、その下流にあるオフィスや住宅の通信も通します。
 住宅で一斉に動画を視聴すれば通信量が増えるのは当然で、おそらく過去に経験の無いほどの通信量になると思います。

 平時であれば光ファイバの許容量の5%や10%を医療機関が使っても遅滞なく通信できていたものが、1%しか使えないとなれば顕著に遅れを感じると思います。

 老若男女を問わず観戦するオリンピックゆえに、危険性は高いと思います。




災害モード

 電子カルテなどは、災害時に通信が途絶えた時のために災害モードを用意していると思います。

 可能な限り最新データをサーバからダウンロードしておき、当面は院内ローカルで運用、時期が来たらローカルに貯めたデータをサーバにアップロードして更新する方法があると思います。

 災害モードを併用する方法もあります。

 データを端末(パソコン)にダウンロードしてネットを遮断、参照のみできるパソコンにしてしまい書き込みはしない方法で運用します。
 処方など書き込みが必要な場合は、ネット接続された指定のパソコンから行ってもらうことで、医療機関と院外サーバとの通信量は少なくて済みますし、仮に通信に失敗しても入力した端末が特定できているので、あとで同期させやすいです。

 このようなモードが備わっていないシステムもありますので、各院で調整が必要だと思います。




参照と手書きカルテ

 最後にはカルテの手書きを考えなければなりません。

 可能な限り、過去データは参照できるように参照専用パソコンを今から作っておくと良いと思います。
 おそらく、困るのは26日からの平日だと思います。オフィスも住宅も通信量が多くなると思います。

 これまで一度も手書きカルテを使ったことが無いという医師や看護師も少なくありません。
 院内で完結するオーダリングシステムなどは院外の通信状況の影響を受けないので問題ないと思いますので、障害が出る部分だけにフォーカスして対応すると良いと思います。

 もし、あとでカルテを手入力しなければならないのであれば、事務員さんでもわかるような記述に心がけると、文字入力はアシストしてもらえると思います。




たぶん、大丈夫

 通信が遅くなるのはあり得ると思いますが、まったくつながらない事はないと思いますので、たぶん大丈夫だと思います。

 もし、あまりに心配でしたら通信を所掌する総務省へお問合せしてみてはいかがでしょうか。

[Link] 総務省: 地方支分部局/総合通信局・総合通信事務所

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水害BCP | NES株式会社

 日本で自然災害といえば地震をイメージされる方が少なく無いですが、東南アジア諸国では水害を恐れる方が多く居られます。

 阪神大震災や東日本大震災は追悼イベントの規模が大きく、教訓を忘れないように啓発も行われているので人々の意識に影響があると考えられます。

 近年は大規模水害も身近になってしまい、避難所の開設頻度も非常に多くなっています。
 2018年の台風21号、2019年の台風15号・19号は大きな爪痕を残しましたが、台風に限らず西日本豪雨(2018)や令和2年7月豪雨(2020)など線状降水帯が影響したと見られる水害も甚大な被害をもたらしています。

 水害は河川沿いでは無くても発生します。
 降水と排水の不均衡が生じれば道路が10cm程冠水する事は珍しくありません。店舗や倉庫が道路と同じ高さの場合がありますが、大事な商品が浸水被害を受ける事もあります。




水害BCP

 水害を想定したBCPはフェーズ(phase)がいくつかに分かれます。

 雨が急に降って来る訳ではなく、降雨後も被害が発生するまでに時間があります。
 洪水になった後は水が引くまでは復旧はできませんし、土砂が流れ込んだ場合は撤去に数週や数か月かかる事もあります。

 水害BCPでは被害最小化と早期復旧を計画します。




脅威

 水害BCPを策定するにあたり、まずは脅威を想定します。

 浸水による建物や設備の損傷は業務に支障があります。
 周辺道路の冠水も業務に支障があります。
 停電や断水も業務に支障があります。

 これら業務を阻害する要因もBCP上では想定します。
 大雨、暴風、洪水などが要因になるとすれば、暴風雨などをもたらす台風の進路などによって計画は実行に移されます。




発災前・被害最小化計画

 発災前の行動は水害BCPにとって重要です。多くの場合、災害は起こらずこの部分の計画が実行されるにとどまります。

 計画が実行に移される基準を検討します。
 気象警報の発令後では遅い場合もありますので、台風などの進路予想に基づき早めの行動が重要になります。

[Link] 気象庁: 気象警報・注意報の種類
[Link] 気象庁: 気象警報・注意報(現在)


 所在地のハザードマップを確認する事も欠かせません。
 地域で警戒すべき災害の種類や、どの河川からの影響を受けるのかなどが読み取れると思います。

 自治体発行のハザードマップではときどき、市外の色が塗られていない事がありますので、国土交通省のハザードマップを確認する事をお勧めします。

[Link] 国土交通省: ハザードマップポータルサイト


 被害最小化に向けた行動としては止水板や土嚢の準備、懐中電灯やヘルメットの再確認などがあります。

 このあたりまでは概ね企業にも医療機関にも共通します。

 医療用と産業用で対応が分かれるのが操業停止です。
 車や電車が動かなくなる前に従業員を帰宅される、被害を減らすため在庫を移動させたり入荷を減らすといった対応が取れる業種も少なくありません。
 しかし医療では、入院診療は止められませんし、外来診療もすべてが休診にできる訳でもありません。
 医薬品や診療材料入荷停止にも限界がありますし、入院患者を他院に移送のは容易な事ではありません。

 根本的な代替手段の有無が、計画に大きく影響します。




計画的操業停止

 鉄道や高速道路では計画的な停止が普遍化しています。

 抱えるリスクが異なるので全線停止ではなく、リスク分析して路線毎に判断するケースが多いようです。

 関西で言えばJR神戸線には並行して阪神電車と阪急電鉄が運行しています。大きな川に架かる橋の高さや、満潮時の水位が異なるため、同じ大雨でも対応が異なる事があります。

2019年台風15号による計画運休
2019年台風15号による計画運休(JR東)

 計画的な操業停止は顧客と従業員の双方への影響を最小化する狙いがあります。

 被災した場合には居合わせた人々の生命や健康に関する責任が発生します。安否確認が必要ですし、食事やトイレの提供も求められます。
 何事も無ければ顧客は売り上げに貢献してもらえるかもしれませんし、従業員に支払った賃金の分は仕事をしてくれます。
 操業停止となれば売上はゼロ、従業員は有給休暇のようなものですので、停止判断の時点でマイナスの数字が並びますが、支出が増える訳ではなく収入が消えるだけ、帳簿上はプラスマイナスゼロとなる場合が多いと思います。

 帰宅困難者を出すなど孤立が与える影響と、臨時休業などによる売り上げが蒸発するのでは、どちらが事業に与える影響が大きいのかを平時から検討し、BCPに反映することが重要です。

2018年台風21号
商業施設は計画的休業



サービス継続

 医療では容易にサービスを停止できない事情があり、特に入院診療を行う病院等ではサービス継続は不可避です。

 台風シーズンになると洪水への準備を進めますが、その前提として操業停止は考えられていません。

 例えば洪水で2階まで水が来る想定、道路が土砂や瓦礫で埋まる想定、停電が発生する想定などがある場合、患者を上階へ移動させ、3~4日は孤立しても生き延びられるようなBCPを策定するのが一般的です。

 流通や小売業界でも計画的な操業停止が積極的に進められるため、食糧や燃料などの調達は今後ますます困難になることが予想されます。


 医療では、人と場所が大きく関係します。
 その場所(病院)で、その人(医療従事者)が提供するサービスで無ければ成り立たないため、バスを仮店舗にして営業するという発想にはなかなか至りません。

 外来診療は救援隊が避難所で仮設診療所を運営してくれるかもしれませんが、入院患者のケアは自院の責務として継続計画の策定が求められます。




被災後の計画

 被災してしまった後の計画も、前述の操業停止か否かの影響が大きく出ます。

 1日でも早い復旧を目指すのか、サービス提供の継続を優先し復旧は二の次なのか、このあたりの想定を誤ると機能しない計画になります。

 現に洪水被害に遭っている最中は、用意したバリアを超えてこないように維持管理する計画を立てます。
 このとき、機材が無ければ自然の力には対抗できませんし、少なからず従業員を危険にさらす事になるので安全対策も怠れません。
 ヘルメットや安全帯を装着した上で土嚢や排水ポンプを使い被害最小化を目指すといった計画を立てます。


 医療では救助要請や進捗管理も重要です。
 計画上では患者を救い出してもらうのか、患者を動かさずに済むように資器材の救援を要請するのか、ある程度は計画しておきます。

 ヘリコプターを使って患者を移送するよりも、従業員を病院へ運んできて貰った方が効率的な場合があります。
 計画や訓練があれば、被災時にも動けるかもしれませんが、被災後の思い付きでは実践困難です。




復旧計画

 物理的な復旧作業として屋外と屋内に分けて考えます。

 屋外は敷地外・敷地内・建物に分けて考えます。

 敷地外については行政による復旧作業に依存する事になります。

 敷地内については、出入りに支障がない程度に瓦礫を除け、周辺道路を汚さないように泥などは洗い流します。
 このときに使うホースやブラシなどの資器材が足りず、充てる人数とのアンバランスが生じる事がありますので、備蓄とバランスの取れた計画を立てます。


 建物の扉や窓、外壁などは早めに洗い流します。
 特に雑菌や汚物の汚れ・臭いは早めの対処が必要です。
 水道水で洗い流した後で、スミチオンなどの消毒剤を散布して建物の衛生状態を守ります。
 この作業も資器材の有無で進捗が変わりますので、計画どおりに進めるための備蓄が必要になります。


 建物内部はゴミと再生可能品を分別し、清掃を進めます。
 早めに建築屋さんに来てもらい、被害状況を分析してもらいます。建物が鉄筋コンクリートでも壁は木造の場合があります。濡れた木材を壁で塞いでいてはいつまでも乾かず、腐り始める事もあるので、必要に応じて職員が壁を壊すという事も考えます。
 もし職員が壁を壊す作業をするのであれば、本来業務に戻れる日が遠のきますので、計画に含めておくと良いです。

 業務遂行に最低限必要な物は、洗って再利用すべきか、新たに調達すべきかも計画に入れておきます。
 企業であれば、操業停止7日までは取り戻せるが、8日以上になると事業継続に大きく影響するのであれば、7日以内の復旧に向けた費用負担を想定すべきです。




おわりに

 水害はハザードマップである程度の被害想定ができ、災害の到来もある程度は予測できるゆっくりとした災害です。
 その発生頻度は年々高まり、専用のBCPの必要性も高まっています。

 台風などは到来が予測できるため、計画的に操業停止するという選択ができ、公共交通機関では積極的に実施しています。

 他方、医療機関など停止できない事業では、孤立が強まる可能性が高まりました。

 暴風を伴う水害が多いため飛来物による停電も頻発し、信号機が消灯して救急車ですら移動困難な事も少なくありません。

 地震のように瞬時に大勢が負傷する災害とは違いますが、孤立しやすい災害ですのでBCPの重要性は高いと考えられます。




参考資料

国土交通省: 事業所の水害対策 事業継続計画(BCP)作成のすすめ

中小企業庁: 中小企業BCP策定運営指針 資料04 BCPの有無による緊急時対応シナリオ例 (4)製造業(水害)

内閣府(防災担当): 平成29年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査(平成30年3月)




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BCP Press Rerease 講演

保育園のための避難演習資料無償提供および保育士研修謝金ゼロ円を実施 | NES株式会社


Press release

保育園のための避難演習資料無償提供および保育士研修謝金ゼロ円を実施

 弊社は医療BCP(事業継続計画)のコンサルティングに注力していますが、サービス提供先とは異なる保育園からのお問い合わせが少なくありません。

 最も多い避難訓練に関するご質問についてこの度、園内研修を想定した避難演習資料『はじめてのエスケープエリア』を制作し、無償提供する事としました。 

 京都アニメーションの放火事件は2019年7月18日、36人もの尊い命を奪い、多くの人生が急変してしまいました。犠牲と引き換えに得られた教訓は、京都市消防局を中心に全国へ発信されています。その教訓の1つにエスケープエリアというキーワードがあります。避難路が断たれ、救助を待つ間、安全に退避できる場所を確保する事が狙いです。そのためには煙を遮断する必要があり、また救助を求めるサインも必要です。

 園児を預かる先生方が、今まで実施してきて慣れてしまった避難訓練から、もうワンステップ上に行き園児たちを守る力を高めたいという想いから、当社へのアクセスが増えています。

 当社のノウハウを集約した図上演習と避難訓練の90分のコースが実施できる資料を、公式ホームページにて公開し、誰もがダウンロードできる状態にします。

 併せて2021年8月末までの期間、保育士を対象とした研修会の当社講師の謝金を0円とするキャンペーンも実施します。保育園内での研修に限らず、業界団体等の集合研修についても0円を適用します。


プレスリリース: 保育園のための避難演習資料無償提供および保育士研修謝金ゼロ円を実施(NES株式会社)


1.研修資料

 本資料では避難訓練の基礎は習得できている人を対象に、少々型破りな方法について学んで頂けるように構成されています。

 直ちに避難せず、退避できる場所を確保する訓練と、それに続いて救助が来た際の園児避難の援助をするといった一連の流れを図上演習と実地訓練の両方で学ぶことを想定しています。

避難演習資料の一例

2.保育士向け講師謝金ゼロ円

 園内研修でも、地域の保育士が集まる研修でも、形式は問わず当社講師が講演する際の謝金をゼロ円にするキャンペーンです。

 これまでに数十回も大勢を前に講演をしてきたベテラン講師が担当します。

 無償提供資料『はじめてのエスケープエリア』に沿った図上演習や避難訓練のファシリテーターとしての講師でもゼロ円の対象となります。

 期間は2021年8月末までです。

※.当社と講演会場の間の交通費については実費相当額をご負担願います。


2021年7月18日
NES株式会社


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関連ページ(サイト内)




外部リンク

京都市消防局: 火災から命を守る避難の指針, 令和2年3月

総務省消防庁: 先進事例紹介 京都市消防局予防課

NHK: #京アニ つなぐ思い

KyoaniChannel(YouTube)

 株式会社京都アニメーションのYouTubeチャネル『KyoaniChannel』では、本日2021年7月18日10時30分より追悼番組を配信するそうです。




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BCP BLOG

ドイツ豪雨 | NES株式会社

 ドイツでは大変な豪雨に見舞われ、甚大な被害が出ています。
 お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

 被害の中心になっているノルトライン=ヴェストファーレン州(Nordrhein-Westfalen)はヨーロッパ有数の工業地帯で、州都は日本人にも耳馴染みの都市『デュッセルドルフ』(Düsseldorf)です。他にもドルトムント、エッセン、ケルン、ボンなど有名都市が所在します。

 筆者もデュッセルドルフやケルンは仕事で訪問した事があります。
 デュッセルドルフは経済的にも発展している都会で、日本国領事館もあり、日本企業も多く拠点を構えています。

[Link] ノルトライン=ヴェストファーレン州(公式)

[Link] ドイツ連邦共和国大使館総領事館: ノルトライン=ヴェストファーレン州

[Link] 在デュッセルドルフ日本国総領事館




豪雨

 2021年7月14日~15日にかけてドイツ西部やベルギーを豪雨が遅い、洪水などの被害が発生しました。

 現地の様子はTwitterで報道機関も住民も伝えて下さっています。

[Link] ノルトライン=ヴェストファーレン州: 洪水について
[Link] ノルトライン=ヴェストファーレン州の水位
[Link] ノルトライン=ヴェストファーレン州: 自然・環境・消費者保護局




交通マヒ

 報道によると、高速道路(アウトバーン)や鉄道が使えない状況が続いているようです。

 デュッセルドルフ⇔ケルン間の鉄道は運休となっており、その影響はかなり大きいと思います。

 ケルンはターミナル駅で、各方面への電車が乗り入れていますが、多くの路線で運休になっているようです。

[Link] ドイツ鉄道: 運行状況

[Link] ラインバーン: 運行状況




教訓とすべき点

 『ライン川』というと教科書で習った覚えがある人も多いと思います。
 スイス、フランス、ドイツ、ルクセンブルグ、オランダ、オーストライ、リヒテンシュタイン、ベルギー、イタリアを流れる全長1,200km余り、歴史上の大きな戦争や国境に関係して出てくる事も多い大きな川です。
 水運としても発達しており、貨物船が往来しています。

 ライン川の流域は約20万平方キロメートルです。日本の本州と同じくらいの面積になります。
 水域人口は約5,800万人、人口密度は290人/平方キロになります。

 水害が発生すれば被害の大きさは計り知れない事が既知の流域です。

[Link] ICPR: ライン川 洪水
[Link] ICPR: ライン川について


 この経済や生活に密接な川の流域で、観測史上最多となる降水量を記録し、ケルンなどの都市で洪水が発生しました。

 発災から2日で死者は100人以上、行方不明者は1,000人以上となっています。

 地震の場合は一瞬の出来事で家屋に被害が出るか出ないかがハッキリしますが、水害の場合は徐々に被害が出るためその程度を推定する事は容易ではありません。
 建物が頑丈でも浸水しますので、避難者数は増大する傾向にあり、要救助者も増えます。

 下記投稿のような勢いで街に水が流れていては避難も救助もできません。
 もし、自身の居る建物が崩壊しそうになったとき、隣の建物に避難させて貰えれば助かりそうですが、落水したら生命の危機を感じると思います。

 水害が想定される地域では、人数分の救命胴衣が必要であることがわかります。


 被災人数は人口と関係するため災害規模とは直結しませんので、洪水になった面積や水深などに注目する方が教訓を得られやすいです。

 洪水の原因となった雨ですが、記録的な量だったようです。24時間雨量が平年の1か月分以上の量であった地域が多くあり、大都市ケルンでは24時間雨量が154mm、これは7月の平均87mm/月のほぼ倍量に当たります。

 ヨーロッパ荒天データベースで7月11日0時~7月18日24時までを検索すると最大の"heavy rain"を示す地域がライン川に沿って多く見られる事がわかります。

[Link] ヨーロッパ荒天データベース


 その結果、水位が2mを超える洪水が起こった地域があり、建物や橋が流されるなどの被害につながっています。


 ライン川流域は非常に広大な面積になります。

 小さな村も大きな都市も流域にはあります。

 当初1週間くらいは安否不明者の捜索に人員が割かれると思いますが、広域での停電や通信遮断があり、どこかに一時退避している方々も孤立したまま連絡も取れない状態なのではないかと思います。

 平成30年7月西日本豪雨では、報道により支援の偏りが大きくなりました。当時『真備町』という言葉が連呼されたため、真備町にはボランティアが千人規模で集まるが、広島の小さな町にはほとんど来ないという状況になりました。義援金も同様です。

 このような無用な格差は解消されて欲しいですが、ドイツやベルギーで起こっていない事を願います。


 この水害のニュースの中で日本との違いを感じたのが救援隊の装備です。

 自衛隊は『災害派遣』の横断幕を付けてトラックなどで被災地入りする姿はよくみかけますが、ドイツでは戦車のような車両が街に出て復旧作業に当たっています。
 ぬかるみでも動じないキャタピラと重量が大型トラックの引き揚げにも役立っていました。

 民間では保有し得ない車両を政府が持っているのであれば、明確にエリアを決めて展開させたら良いのではないかと思いました。
 民間でも採掘場やトンネル工事などで航空機のタイヤのような大きな車輪の重機が使われています。土砂災害では、活躍できると思いますが公道は走れません。


 人命に被害はなかった家屋や店舗でも、泥水が押し寄せて掃除をするのも大変です。
 これは日本の豪雨災害でも毎回目にする光景ですが、軒数が多いため公的な救援が入るのは難しく、ボランティアに依存せざるを得ないのが実状です。

 2020年の球磨川、2021年の熱海でもボランティア受け入れを地元民に限定したことで、参集した人数はそれまでの災害に比べて大きく減少しています。
 被災地で感染症がまん延してしまうと危機的であるがゆえに、仕方が無い事ですが、泥だらけの建物を何日も放置すればニオイや汚れが浸み渡り、取り返しがつかなくなります。

 筆者が育った家は毎年洪水、床下浸水は何十回と経験しています。自転車のサドルが冠水する程度の洪水であれば、自力で駅から家に帰っていました。
 ある程度の生活ができてしまうので、救援や支援の手も少ないのが実状で、自宅が1m近い洪水であっても、近所の市営体育館は通常営業しており、洪水で行けないと電話したらキャンセル料を取られました。市営体育館から最も近い小学校は避難所になっていましたが、同じ市役所内でも温度差を感じました。

 現地報道の中で、下記のリポーターが伝えている内容がわかりやすく、現場を反映しているなと思いました。

[Link] DW correspondent update on German flood situation




報道ピックアップ

Europe floods: Rescuers rush to help as death toll surpasses 125
ヨーロッパの洪水:死者数が125人を超えると、救助者が急いで助けを求めます

Germany mounts huge rescue effort after floods leave dozens dead and many more missing
洪水により数十人が死亡し、さらに多くの行方不明者が出た後、ドイツは多大な救援活動を開始

Flooding in Germany: Before and after images from the Ahr and Eifel regions
ドイツの洪水:AhrおよびEifel地域からの画像の前後

German president to flood victims: 'Your fate has broken our hearts' — live updates
犠牲者を氾濫させるドイツ大統領:「あなたの運命は私たちの心を壊しました」

After western Germany's catastrophic floods, cleanup begins
ドイツ西部の壊滅的な洪水の後、清掃が始まります

Belgians pick up the pieces after deadly floods
ベルギー人は致命的な洪水の後に破片を拾います

Germany: After the floods, what's left?
ドイツ:洪水の後、何が残っていますか?

Floods in Germany leave behind trail of devastation
ドイツの洪水は荒廃の痕跡を残します

Hundreds Missing and Scores Dead as Raging Floods Strike Western Europe
猛威を振るう洪水が西ヨーロッパを襲ったため、数百人が行方不明になり、大勢が亡くなった

In pictures: Floods kill dozens in Germany and Belgium
写真:洪水はドイツとベルギーで数十人を殺します

As floods hit western Europe, scientists say climate change hikes heavy rain
洪水が西ヨーロッパを襲うと、科学者たちは気候変動が大雨を増やすと言います




ノルトライン=ヴェストファーレン州

 筆者が出張中に撮影した画像をいくつかご紹介します。当時はケルンに宿泊し、仕事は主にデュッセルドルフでした。

デュッセルドルフ市内
デュッセルドルフ市内
デュッセルドルフ市内
プレッツェルのお店
青果店
チーズとワインのお店
ビアホール
ビアホール
コンビニの缶ビール
ドイツの在来線
特急列車(ケルン)
特急列車(フランクフルト)
ケルン大聖堂
ケルン大聖堂



関連記事

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BCP Press Rerease お知らせ 医工連携 講演

BCPと医工連携について3つの演題を学会発表 | NES株式会社


Press release

BCPと医工連携について3つの演題を学会発表

 弊社主力事業であるBCP(事業継続計画)と医工連携事業化推進について、弊社代表が学会発表します。

 BCPの演題は、弊社が推進するGOA(目標志向行動)をBCPに取り入れた事例と成果について発表します。京阪神の3つの病院でのBCP策定実績に基づき、GOAがどのようにして活かされるかを紹介します。本来であれば聴講者とのディスカッションにより課題点を見つける予定でしたが、今回は質疑応答がございません。

 医工連携については2つの演題があり、1つは中電病院の元山明子氏と北浜製作所との共同開発案件の事例報告になります。元山氏には共同演者にもなって貰っています。

 もう1つの演題は一般社団法人医療健康機器開発協会における医工連携のニーズ収集や活用に関する内容の発表であり、こちらは同協会理事でもあるベルピアノ病院の村上佳代氏が共同演者になっております。

 第23回日本医療マネジメント学会は6月末に大阪国際会議場にて開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症ワクチンの大規模接種会場となった事で現地開催が急遽とり止めとなり、明日7月15日よりオンデマンドでの開催に切り替わりました。会期中、世界のどこからでも発表を見る事ができます。

 弊社では学会発表を通じ、自社の考え方や活動について忌憚なき意見を集める努力をしています。


プレスリリース: BCPと医工連携について3つの演題を学会発表(NES株式会社)


学会発表用スライドの一例

2021年7月14日
NES株式会社




災害医療 1-C-01
BCP(事業継続計画)の実行性向上を目指したGOA(目標志向行動)基調の戦略策定

 脅威に立ち向かうための行動として、屈強な設備や体制で臨むことができれば完璧かもしれませんが、医療においてはあまりにタスクが多いため、現場裁量に任せざるを得ない面があります。

 そこで現場裁量の中でも秩序を保つ手段としてGOA (Goal-Oriented Action)という考えかたをBCPに導入しています。

 今回、その実践について発表させて頂きます。

BCP(事業継続計画)の実行性向上を目指したGOA(目標志向行動)基調の戦略策定
表紙スライド
BCP(事業継続計画)の実行性向上を目指したGOA(目標志向行動)基調の戦略策定


医療安全:チーム医療 1-E-41
看護業務への負荷最小化を目指した実用的なエア漏れ点検器具の医工連携による開発

  医工連携は医療と工学が連携すれば良いというものではなく、同じ課題を抱えている多くの人に成果物を届ける事が重要となります。

 弊社ではGatekeeperという役割を作り、医工間の境界領域を最適化して成果物の事業化、商品として流通する事を目指しています。

 今回は『カフのエア漏れ』について事例を報告させて頂きます。

看護業務への負荷最小化を目指した実用的なエア漏れ点検器具の医工連携による開発
表紙
看護業務への負荷最小化を目指した実用的なエア漏れ点検器具の医工連携による開発


病院運営:病院マネジメント、その他 1-I-12
臨床業務改善を目指したマネジメントされた医工連携の環境整備

 臨床業務で『困った』『面倒だ』というものがあっても、簡単には改善できません。

 企業のシーズを使って簡単に解決できれば良いなということで、一般社団法人医療健康機器開発協会がニーズ探索部会を設置して活動を開始しました。

 その事例報告と、今後の展望について発表させて頂きます。

臨床業務改善を目指したマネジメントされた医工連携の環境整備
表紙スライド
臨床業務改善を目指したマネジメントされた医工連携の環境整備



第23回日本医療マネジメント学会学術総会

 学会は中之島にある大阪国際会議場(グランキューブ大阪)ではなく、オンデマンドで開催されます。

 会期中、どの演題も好きな時間、好きな場所で聴講することができます。

[Link] 第23回日本医療マネジメント学会学術総会




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BCP BLOG

保育園の避難訓練 | NES株式会社

 当社では医療BCPのコンサルティングをさせて頂いておりますが、ウェブサイトからのお問い合わせで、なぜか保育園の避難訓練に関するものが多くあります。

 今回は、ご質問にお答えすべく、記事にまとめてみました。




形骸化!?

 避難訓練とは『消防計画』に則って行われる事が多いです。

 計画書に書いたのだからやらなければならない、避難訓練をすることが目的化してしまっています。

 定刻に非常ベルが鳴り、放送が入り、上履きのまま園庭に逃げ園長先生のお話を聞く、このような流れがお決まりにパターンとなっている園も少なくないのではないかと思います。




ビギナーには重要

 園児にとっては避難訓練は非日常であり、経験した回数も少ない新鮮なものです。

 普段は靴を履き替えなければならないところが、今日だけは許して貰えるとあって、ルールを逸脱できる場面もあるという事を知っていきます。

 よく『お・は・し・も』という言葉を使って子どもたちに防災教育が行われますが、避難訓練とおはしもがひとくくりで覚えられれば、非常時に役に立つと思います。

 園児だけでなく先生や保護者にとっても新鮮な場合があります。
 特に新任の先生は園児の避難誘導は初めて、保育園の場合は自分では避難できない小さい子供もいるため、先生の活躍が生命に関わります。

 ビギナーにとって、基本的な避難の訓練は重要です。

[Link] 東京消防庁: 防火管理 実践ガイド




狙いはイレギュラー

 基本通りの避難ができてこそ、型破りな避難も習得する意義があります。

 ベテランの先生にとっては、避難誘導は何十回も訓練してきたので身についていますが『もしあの出口が使えなかったら』『もし火の手が早く回ってきたら』など、色々な場面が想定できてしまいます。

 イレギュラーなケースとして、2019年に起きた京都アニメーションの放火事件は記憶に新しいところです。

[Link] 総務省消防庁: 京都市伏見区で発生した爆発火災を踏まえた京都市消防局の取組について(情報提供), 事務連絡, 消防庁予防課, 令和2年3月17日

[Link] 京都市消防局: 火災から命を守る避難の指針, 2020年3月




基本は順路どおり

 まず、避難の基本です。

 消防計画にも記載すると思いますが、基本となる順路があると思います。

 まずは基本に忠実な避難ができなければなりません。




危機から脱する手段

 講堂が2階にあり、その下が給食室になっている。給食室から出火したが火災に気づいたときには出口は炎に包まれていて順路どおりの避難ができない。

 このようなケースは容易に想定ができると思います。

 大人であれば2階から飛び降りるという手段も選択できますが未就学児とは身長差が1mもありますので簡単な事ではありません。

 このような危機的な状況に直面したとき、その場での発想だけでは良い選択肢が思い浮かばない可能性もあるため、平時にシミュレーションを行います。

 図上演習や兵棋訓練、ロールプレイなど呼び方は色々とありますが、想定外を減らすための想定訓練です。




隔離と待避(退避)

 京都アニメーションの放火事件では、出口に向かう通路は犯人が撒いたガソリンによる炎と煙で通行不可でした。

 このような場合の対応として、隔離と待避が重要になります。

 隔離とは、火災が起きているエリアとの隔離です。特に煙は縦横無尽に広がり、視界や呼吸を妨げます。
 待避とは、火災が起きているエリアからの逃れ、助けを待つことです。

 要救助者が居る事に気づいてもらいやすい場所はどこか、煙が侵入しづらい場所はどこか、水が確保できる場所はどこか、こうした事を考えて隔離と待避を実施します。




隔離と待避の訓練

 どのようにして隔離と待避を身に付けるべきかといったご質問も頂戴する機会が多いです。

 園児たちにあまり恐怖を体験させるのも良くないので、園児を参加させるか否かは園の判断として、先生方にはぜひ体験していただきたいシナリオがあります。

 階層は2階以上の場所、避難口誘導灯を2つ探し、その間にある部屋で訓練を開始します。
 落雷により1階天井裏の電線が一斉に発火、1階は人が立ち入りできる状況ではありません。
 上階へ黒い煙が流れ込んでいますが、炎はまだ上がってきていません。
 消防車が到着し救助活動が始まるまで15分間を想像しながら行動して下さい。
 




エスケープエリアの選定

 まず、隔離と待避に適当な場所を探します。

 煙が入っては困るので、ドアや壁が無ければなりません。
 救助してもらうためには、そこに居る事を知ってもらう必要もあるため窓が無ければ困ります。

 救助が開始されるのが10分後であったとしても、あなたの所へ救助の手が回るのは1時間後かもしれません。
 その間も生き続けるためには空気が必要ですし、できれば水も欲しいところです。

 水があって、火の気がなく、窓もある場所としてトイレが候補されますが、保育園のトイレには扉が無い事も多いので、煙が簡単に流入するようでは選択肢から外されます。

 火や煙が階段を通じて流れてくるのであれば、階段から遠い部屋を選択するのも良い方法です。

 救助のしやすさから、大きな窓がある部屋を選択するのも良い方法です。




エスケープエリアは作れる

 訓練の際は色々と失敗して頂くことも経験になるので良いですが、本当の非常事態では隔離と待避の質が重要になります。

 まず隔離です。

 ドアを閉めた時に煙が入ってこない事が条件になりますので、目張りのテープなどがあると良いです。
 工事用の養生テープで十分です。ほどほどの粘着力があり、手でちぎれる点で優れています。
 今すぐ各室に『防災用』として配備すると良いアイテムです。

 隔離されたスペースができたら、次は待避です。

 窓から新鮮な空気を取り込み、なおかつ助けを求め、そして窓から救助してもらいます。
 窓を開けることで外から煙が入ってきてしまう可能性もあるので、窓が全開にできない事も想定します。
 助けを求めるために、旗などのサインがあると良いです。何色でも良いのですが、なるべく外壁の色と拮抗するような大きめの布を用意すると良いです。

 助けを呼ぶという点においては、ホイッスルも有用です。
 映画タイタニックでも使われるシーンがありましたが、古典的な方法です。

 煙を吸って、命からがら逃げ込んだ人は、痰などの分泌物がたくさん出るので、飲用水があると重宝されます。
 目張りテープと一緒に、1本でも良いのでペットボトルの水を『防災用』として各室に保管しておくと良いです。




火災だが、窓を開ける

 火災時の初動の基本は『窓を閉める』が常識です。

 火に酸素を与えない、煙が回るの抑えるといった狙いがあります。

 しかしながら、隔離と待避を実践する際には、窓を開けることがあります。

 その前提条件としては『隔離』ができている事です。
 廊下等に面した扉などを目張りし、空気の流れが遮断された状態であれば窓を開ける事も許容されます。

 保育園では扉以外に、廊下面には窓も付いていて、高い位置にも小窓があったりします。
 それらが密閉されているか、しっかり確認してから窓を開けるようにします。




窓を開けられる条件を口述訓練

 週1回でも月1回でも良いので、どのような時に窓を開けて良いのかを口述で訓練すると良いです。

 廊下扉に目張りをし、煙が進入しない状況であれば避難路確保のために窓を開ける選択肢もある、といった事を口に出して言う事で浸透しやすくなります。

 園長ら上長が居る前で発言することで、それを上長が肯定することで、現場裁量として『できる』という自信にもつながります。

 どのような時は窓を開けて良いのか、園内でいくつも想定し、それを口に出して確認し合う、そうした訓練を日頃から取り入れてみてはいかがでしょうか。




園内研修

 園内での避難演習のための資料を当社独自に制作しました。

 未来ある子どもたちのために奮闘する先生方を憂い、当社では資料を無償提供する事としました。

 当社代表は臨床工学技士、これは保育士と同じ『士』(さむらい)の字を使う資格です。
 何らかの専門を持ち、その職責を果たすために日々働く、その志は同士であると一方的に考えています。




消防署に相談

 当社でも判断に迷うようなことがあれば、消防署や総務省消防庁に問い合わせます。

 今回話題にした窓を開けるということについても、相談した上でBCPに取り入れたりしています。

 避難訓練はまさに『避難』の方法を習得する物ですが、消防訓練という事であれば避難だけが行動ではありません。

 当社が関わる医療機関では、避難できない人も多い事を想定し、避難しない消防訓練も提案しています。

 病院では、ベッドが動かせる範囲での水平避難を実施、垂直方向への避難には救助要因が必要であり、また生命維持管理装置を装着していれば垂直避難は困難な場合もあるので、あらゆる手段を想定して訓練します。

 ベッドが動かせず、クレーンを使って動かした事例もあります。普通にできる事だけが手段ではないので、柔軟な発想が必要になります。

 その考えを裏打ちする方法として、消防署など知見が蓄積されている機関への相談が有用になります。




GOA: goal-oriented action

 目標に志向した活動として、非常時の緊急事態回避策として実践するために、平時からトレーニングを積み上げます。

 当社では『秩序と良心に基づく行動』である事を重要視し、GOA実践のために演習などを積み重ね、リスクとベネフィットの判断が組織内で共有できる暗黙知となるように努めています。

 園庭に敷いたマットに園児が飛び降りる。平時なら非常識な行動です。生命を脅かす危害要因が目前に迫っているとき、誰かが園庭にマットを敷いて飛び込みを促したとき、非常識だと批判する事が園児にとって有益であるか、判断が難しいと思います。

 こうしたケースを、現場裁量で実践できなければ『園長の指示を待つ』という間に多くの命を失うかもしれません。




参考資料

京都市消防局

火災から命を守る避難の指針
⇒ 京都アニメーションの放火事件後に策定された指針です。

東京消防庁

保育施設の防火防災対策
⇒ データや事例を画像付きで説明している42ページのPDFファイルです。

川崎市

保育施設等のための防災ハンドブック
⇒ PDF化された資料が4点用意されています。

防災訓練用対応ケース集(付録)
保育施設のための防災ハンドブック(経済産業省)
保育ママのための防災ハンドブック(経済産業省)
ベビーシッターのための防災ハンドブック(経済産業省)

内閣府防災情報のページ

未就学児のための防災訓練の手引き
⇒ シンプルに書かれた参考資料です。PDFで13ページです。

滋賀県

保育園消防計画(word)
保育園消防計画(PDF)
⇒消防計画の雛型です。

群馬県太田市

幼稚園、保育園、養護学校、小中学校等用消防計画(word)
幼稚園、保育園、養護学校、小中学校等用消防計画(PDF)
⇒消防計画の雛型です。